左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

左巻健男が理科教育者として15年前に理科教育誌に書いた原発のこと

 2004年4月号から1年間、明治図書『教育科学 理科教育』誌に理科に関連したニュース解説記事を連載していた。
 次は11月号に書いたものである。

○わが国史上最悪11人の死傷者-美浜原発3号機事故
 8月9日午後3時22分、タービン建屋で二次冷却水の蒸気が噴き出し火災報知機が鳴った。ぺらぺらになった配管を内側からめくり上げるように噴き出した蒸気は、タービン建屋内を映し出すモニター画面を一瞬のうちに“真っ白”にするほどの勢いだった。高温、高圧の蒸気を浴びて肌や服がただれたようになった作業員のうち意識ある負傷者は、肌がただれ「痛い、痛い」とうめき声で訴えた(福井新聞)。
 1995年、もんじゅナトリウム漏れ事故、1999年、茨城県東海村のJCO臨界事故、2002年、東京電力原発トラブル隠し。この十年間だけを振り返っても、原子力の事故と不祥事は繰り返されてきた。
今回事故を起こした美浜原発は、関西電力が、電力会社として初めて建設した原子力発電所で、1号機は70年11月、2号機は72年7月、3号機は76年12月にそれぞれ運転開始、三つ合わせて166.6万キロワットの発電能力をもっている。この美浜原発に限っても、91年2月、2号機で蒸気発生器の細管破断事故が起き、国内で初めて緊急炉心冷却システム(ECCS)が作動。放射能を含む1次冷却水が2次冷却水系に大量流出し、放射能が大気中に放出された。3号機でも00年と02年に放射能を含んだ冷却水が漏れる事故が起きている。
他にも関電の1999年のプルサーマル用MOX燃料の検査データのねつ造発覚、今年6月の11カ所の火力発電所で3600件を超すデータ不正も記憶に新しい。
 そして今回死者5人(9月8日現在)を数える大事故が起こった。同様の事故は、すでに1986年、米国のサリー原発2号機で起きていた。タービン建屋内の配管が破断し、高温水が蒸気となって噴出。8人が蒸気を浴びて火傷を負い、4人が死亡している。このとき、国内7つの原発で同じ配管の肉厚検査をしたが、異常はなかったとされた。しかし、点検はなされていなかったのである。二次冷却水系の検査は、政府は電力会社まかせにし、電力会社はメーカーに丸投げし、メーカーも直接の検査には責任を負わないという無責任体制が原発という重大な危険をともなう施設の安全管理の実態だったのである。
 老朽化が進みながらも運転が続けられる原発。本来的には老朽化で点検はさらに緻密に全面的になされなければならないはずであるが、かつては3ヵ月くらい運転を止めて行なわれていた定期検査が、電力自由化のなか、90年代に入り、コスト優先になっているようだ。今では40~50日に短縮され、30日未満ですませてしまった例もある。運転しながら深夜におよんで定期検査の準備などがなされるようになっている。
 電力自由化の流れのなか、すでに原発は他の発電方式に比べてコスト的にも優位性は弱くなっている。昨年12月の関西、中部、北陸の3電力が、珠洲原発(石川県珠洲市)計画の「凍結」を地元自治体に申し入れたのはその例の一つだ。今まで電力会社が建設を表明しながら、経営判断に基づき計画を断念するのは初めてだった。需要の伸び悩みと、原発の長期にわたる資金や管理の負担に加え、自由化の拡大でコスト削減を迫られている電力会社にとって、過去の原発計画は大きな負担になりつつあるのである(朝日 2003/12/05)。 
 原発で致命的なのは放射性廃棄物の処理が子孫につけを回すしかないということである。
それに加えて、国や電力会社の「絶対安全」のかけ声のなかで、今回のような予測して対策も立てられたはずのことまで大事故になるという事態。さらに今年になって10年も前に使用済み燃料の再処理と直接処分についてのコストが、当時の通産省によって試算されながら隠されていたという原発の政策をめぐる秘密主義。そのデータは、核燃料サイクルは、使用済み核燃料の直接処分より2倍近く割高とする旧通産省(現経済産業省)の試算である。
 理科教育や環境教育でいえば、義務教育段階の理科の学習指導要領から「原子の内部構造」、つまり原子核や電子を完全に無くして原発の仕組みを全然理解不可能な低レベル教育をしながら「自然放射線」という言葉だけは入れてある。放射線を理解するには原子核やその分裂についての基本的な知識が必要だ。
 「エネルギー」概念も「仕事」抜きの曖昧な低レベルにしている。結局、科学的知識をもって自分なりにきちんと判断できるというより、子どもたちを恣意的なデータを元に「原子力は、リサイクルができる貴重なエネルギー資源」「地球温暖化対策の切り札は原発」「石油がなくなるから夢の原子炉-高速増殖炉へ」などと洗脳したいのだろう。その高速増殖炉は原型炉の「もんじゅ」がナトリウム漏れの事故を起こしてから、その技術的困難性や経済性、再処理問題をはじめとして重い問題を抱えて開発は行き詰まっている。先進諸国の中でわが国だけが推進政策をとっているが、これは夢のまま終わりを遂げることになろう。
 しかし未だ原発推進のために国や電力会社などは教育の分野にも多額のお金を出している。その金で小学校から大学まで様々なレベルでエネルギー教育を展開している。そこでは「石油は40年でなくなる」という“脅し”を元にした教育が多い。石油および非在来型石油資源は少なくても100年分はある。エネルギーの使い道のうち発電が占める割合は少ない。発電にしか使えないエネルギー資源では石油の代わりにはなれない。
 もっと科学的な理科教育や社会科教育をすることが必要だ。『新しい科学の教科書-現代人の中学理科』(3巻本と2巻本有り 文一総合出版)はそのための教科書の具体例だ。
そこには原子核分裂や放射線の基本的知識や科学技術と社会の関係もしっかり述べてある。

 要点:

*1995年、もんじゅナトリウム漏れ事故、1999年、茨城県東海村のJCO臨界事故、2002年、東京電力原発トラブル隠し。この十年間だけを振り返っても、原子力の事故と不祥事は繰り返されてきた。2004年8月9日午後3時22分、わが国史上最悪11人の死傷者-美浜原発3号機事故が起こった。

*二次冷却水系の検査は、政府は電力会社まかせにし、電力会社はメーカーに丸投げし、メーカーも直接の検査には責任を負わないという無責任体制が原発という重大な危険をともなう施設の安全管理の実態だったのである。

*老朽化が進みながらも運転が続けられる原発

電力自由化の流れのなか、すでに原発は他の発電方式に比べてコスト的にも優位性は弱くなっている。

*国や電力会社の「絶対安全」のかけ声のなかで、今回のような予測して対策も立てられたはずのことまで大事故になるという事態。

通産省によって試算されながら隠されていたデータ。核燃料サイクルは、使用済み核燃料の直接処分より2倍近く割高とする旧通産省(現経済産業省)の試算。

*理科教育では「エネルギー」概念も「仕事」抜きの曖昧な低レベルにしている。結局、科学的知識をもって自分なりにきちんと判断できるというより、子どもたちを恣意的なデータを元に「原子力は、リサイクルができる貴重なエネルギー資源」「地球温暖化対策の切り札は原発」「石油がなくなるから夢の原子炉-高速増殖炉へ」などと洗脳したいのだろう。

高速増殖炉は原型炉の「もんじゅ」がナトリウム漏れの事故を起こしてから、その技術的困難性や経済性、再処理問題をはじめとして重い問題を抱えて開発は行き詰まっている。先進諸国の中でわが国だけが推進政策をとっているが、これは夢のまま終わりを遂げることになろう。

原発推進のために国や電力会社などは教育の分野にも多額のお金を出している。その金で小学校から大学まで様々なレベルでエネルギー教育を展開している。

「お台場の水質悪化でパラトライアスロンW杯でスイム中止」に関連して大腸菌のこと、EM菌のこと

まずは大腸菌についての基礎知識】

大腸菌はほとんどの仲間が無害。中にはO157のような病原性大腸菌もいるが。
水質検査で検出しているのは無害菌。検出されれば人畜の糞便があるとの指標(ものさし)となる。
しかも大腸内でごく少数派。腸内細菌総数の0.1%程度。

*今起こっていること。お台場で大腸菌の数値が基準オーバー。

おかしいなあ。
EM菌比嘉照夫氏がEM菌団子や活性液投入し続けてで現在の東京湾は、お台場も含めて全域で泳げるレベルに達していると述べていたのに、糞便性大腸菌がウヨウヨとは!

EM菌を効くまでじゃんじゃん撒け!ってしないでね。もっと水質悪化するから。
EM菌のような雑菌の集まりにはどんな菌がふくまれているかわからない。EM菌製品で黒いカビ状のものが発生という事態もあって、その製品は販売を止めた。

パラトライアスロンの国際大会が、本番の会場となる東京 お台場海浜公園の水質
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190817/k10012038911000.html
「8/16水質検査で、国際競技団体が定める基準の2倍を超える大腸菌が検出」 

 次のことを教訓としよう。

教訓!
【EM菌によるトライアスロン大会会場の水質改善活動の結果の例→失敗!】

2007 埼玉スタジアムトライアスロン大会 
開催日:2007年8月19日(日)開催水質悪化の為の競技内容変更のお知らせ
https://www.sportsentry.ne.jp/event/t/12856
3年前からEM菌を利用した浄化活動を継続してきたが達成不可能。


3年前から、かなり頑張ってEM菌を投入したが駄目だった。

 JTU環境委員会だより: EM菌土団子で埼玉スタジアム調整池のヘドロ退治
http://www.jtu.or.jp/news/050609-1.html
埼玉トライアスロン連合(理事長:長谷利孝、事務局長:加藤稔)

 

なお、トライアスロン会場お台場のトイレ臭等の改善のために都は大腸菌などを通さないスクリーン(膜)で囲むことを検討、というニュースを見た。
糞便臭分子はその膜を通るのではないか? ウイルスや大腸菌より小さい細菌はどうか?
大腸菌は糞便存在の指標なので、大腸菌さえ少なくすればいいわけではない。

左巻健男 (著)『おもしろ理科授業の極意: 未知への探究で好奇心をかき立てる感動の理科授業』東京書籍 2019/5/11発売 ¥3024

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左巻健男  (著) 
『おもしろ理科授業の極意: 未知への探究で好奇心をかき立てる感動の理科授業』
東京書籍 2019/5/11発売  ¥3024
ISBN-10: 448781054X  ISBN-13: 978-4487810543

Kindle版など電子書籍版もあります。

【アマゾン】 

おもしろ理科授業の極意: 未知への探究で好奇心をかき立てる感動の理科授業 左巻 健男 https://www.amazon.co.jp/dp/448781054X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_IDJsDb3E8C33Y

【解説】
左巻先生の長年の理科教育者としての経験から導かれた、技術・知識、「心構え」的な部分そして、キーとなる実験や教えるべきことを押さえていく。「本当の自然科学」を教えるための総論のほか、各分野において絶対に押さえておきたい本質的なことを学ぶための授業
【原稿抜粋】
4)おもしろ理科授業とは?
 理科は、私の考えでは、本来的には「本当の自然科学」を教え、学ぶ教科である。ここで私がいう「本当の自然科学」とは、自然の構造、法則性、歴史を、歴史的限界をもちながらも明らかにしてきた過程であり、活動であり、その結果としての体系である。その体系も固定的なものではない。とくに自然に根ざしていない、形式的操作に堕した“自然科学”、あるいは装いだけは自然科学っぽい、いわゆるニセ科学疑似科学)が理科教育や環境教育に入り込んでいる。絶えず自然科学をとらえかえしながら、教育内容-教材-授業を構想していくことが求められる。
 「おもしろ理科授業」というと、ステレオタイプに「おもしろいだけでいいのか」などという人がいるが、「おもしろ理科授業」の前提は、「本当の自然科学」を教え、学ぶことなのである。「おもしろ理科授業」は、子どもと一緒に自然科学をガイドに自然の秘密を解き明かして、その自然科学を鍛え、さらに自然をゆたかにとらえられるようにする理科授業なのである。
本書では、このような理科授業をつくる方法や、心構えを伝えたいと思う。

【目次】

第一部
■1章 おもしろ理科授業への招待
1) 科学はやさしくたのしく学んでいける
2)知的に楽しい授業を
3)モットーは「未知への探究」
4) おもしろ理科授業とは?
5) 理科の「プロ教師の技10カ条」
■2章 おもしろ理科授業の条件
1)ドキドキワクワクした気持ちで授業にのぞむ
2)私が影響を受けた授業論
3)教室は間違うところだ―正答主義批判
4)騒がしい教室と静かな教室
5)ワンパターンを避ける
6)教科書の扱い
7)いいものをマネする
■3章 課題方式の授業のやり方
1)仮説実験授業と課題方式の授業形態の概要
2)課題方式の授業のやり方
3)自分の考え・討論
4)意見発表・討論をするときに
■4章 子どもの認知(認識)と学びのある授業
1)学びのある授業と学びがない授業
2)素朴概念とは?
3)素朴概念から科学概念へ
4)素朴概念の例
5)ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」論
■5章 教材研究の進め方と教材開発法
1)教材研究の進め方
2) 教材開発の具体例―古川千代男さんの授業

第二部
■第1章 物の重さと密度
A 物と重さ(質量)の授業
1.保健室から体重計を運んで
2.「物の重さ」の課題例
3.授業の展開
4.物の重さの授業のねらいと質量保存の法則
B 空気の密度
〜教室いっぱいの空気の重さは?
1.空気の密度の授業
2.授業の展開
■第2章 金属と磁石
A 金属の授業
B 磁石の授業
■第3章 液体窒素ドライアイスで物質の状態変化
A 液体窒素の授業
B ドライアイスの授業
■第4章 物質の状態変化
A 状態変化の授業の課題
B 気体の分子はバラバラビュンビュンの授業
C 塩化ナトリウムの融解の授業
D 塩化ナトリウムの融解の実験
E 「物質の融点・沸点の表」を活用しよう
■第5章 燃焼と爆発
A 炭素の燃焼
B スチールウールの燃焼
C 水素の燃焼・爆発
■第6章 化学変化
A 分解・化合から導入する化学変化の授業
B 酸化・還元の授業
C 身のまわりの化学変化入門
■第7章 水溶液・気体と酸とアルカリ
A 水溶液・気体
B 酸とアルカリの基礎知識
■第8章 イオン
A 「イオン」入門
B 塩化銅をつくって見せる
■第9章 力の基本と力と運動
A 力とは何だ!?
B 作用反作用
C 力と運動
■第10章 電流回路
A 回路の基本
B 電流・電圧を実感
■第11章 電流の働き
A 電流と発熱
B 磁界と電流

■第12章 エネルギーとエネルギー資源
A 仕事とエネルギー
B 家庭の電気の旅
■第13章 植物―花と実(種子)
A 花と種子
B 実に見る花のなごり
C 栽培食物 チューリップ、ジャガイモとイネ
■第14章 植物のくらし−光合成と生活型
A 植物の生活にとっての光合成
B 植物の生活型
■第15章 生物−動物
A 生物とは?
B 動物の世界
C 胎児はウンチやオシッコをするか
■第16章 天気の変化
A 天気のキホンのキ
B 天気の授業で子どもたちに話したい偏西風の話
■第17章  地球と宇宙
A 地球の歴史と地域の地形・地質
B 地球・月・太陽・太陽系

補章1 左巻健男の個人史
補章2 学校に広がるニセ科学問題を考える

「ホタル館問題の真相究明と松﨑いたる議員の裁判を支援する会ニュース 最終号」2019/8/1発行を読んで

 「ホタル館問題の真相究明と松﨑いたる議員の裁判を支援する会ニュース 最終号」2019/8/1発行が送られてきた。松﨑さん勝訴が確定。
 ぼくはこの問題を通して共産党が腐敗していることがわかって非常に残念だった。個々の党員には善意や正義の人も多いが党組織としては腐っていた。
 阿部宣男氏完全敗訴が確定するまで共産党や可笑しげな人らは松﨑さんが負けると述べていたことを思い出す。
 ニュースで涙が出たのは共産党に献身してきた党員を非科学的な可笑しげな論理で党が攻撃したことだ(結果的に除籍)。
 こんなことのくり返しは共産党の支持離れにつながるだろう。

ネットで話題の「謎の水装置」に関連してー19年前に書いた「磁化水は水あか防止に有効?」ー

  最近、また磁化水(水を磁石で改質と謳う)で水あかが防止できると称する機器がマンション管理組合などに売り込まれているようだ。

 この種の機器は、1980年後半に「理水研究所」という会社が売り出していた。

 当時の新聞記事のタイトルを紹介しておこう。

・ 理水研究所、磁化水利用防錆装置――水に磁場、錆を除去1987/10/13 日経産業新聞

・ 理水研究所――磁化水で水道管の錆落とし1988/04/27  日経産業新聞

・理水研究所ハイテク――磁化水で赤水退治――研究者集め社会認知(挑戦成長
への道) 1989/04/25  日経産業新聞

 

 ぼくは、『入門ビジュアルエコロジー おいしい水 安全な水』日本実業出版社 2000/8/25 を書いたときに、この磁石で水あか防止が元にしていたロシアの文献などを読んだ。

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『入門ビジュアルエコロジー おいしい水 安全な水』

 磁石で配管内の錆を防止出来るならば格安だし簡単だからいろんなベンチャーが登場していた。それでうまくいっていれば理水研究所も今は大手になっているはずだ(今はどうなっているのかな?)。しかし、今も似たような機器があるようだ。興味がある人は「謎の水装置」「言迷の水装置」で検索してほしい。

 昔は「水のクラスター」なる言葉が盛んに用いられたが、今はより巧妙に「NMR(核磁気共鳴)」などの言葉を使う場合もあるが、化学素人の目をくらますものだから要注意だ。

 

 次は、その著作の42~43ページのテキスト本文である。

 

話題の水を検証する②

磁化水は水あか防止に有効?

 

 磁化水とは、磁気処理をした水です。通常、永久磁石のN極とS極のある間をある流速以上で通した水を指します。
 とくにロシアで硬度の高い水の水あか防止に効果があるとされるデータがあります(ヴェ・イ・クラッセン『水の磁気処理』)。しかし、その効果もデータのばらつきが大きく、再現性がよくないという面があります。
 その磁化水が、磁気の何らかの作用で水のクラスターが細分化されるなどした水ということで、活性水の一種だと一部では宣伝されています。水道管に取り付ける磁化装置などが販売されています。

●水と磁気処理
 水は、磁石の間を通るとき、何らかの作用を受けるでしょうか。
 水は強力な磁石を近づけると反発します。反磁性という性質をもっているのです。しかし、この磁気に対する性質は非常に小さいので、水そのものが磁気に影響されるということはないと考えられます。水分子は熱運動をしていますが、1T[テラ](=10^4G[ギガ])という強力な磁石で水を磁化しても、その磁場エネルギーは、常温における熱運動のエネルギーと比べて、3桁も小さく無視できるレベルです。
 また、強い磁石で水を強い磁場(磁界)にさらしても磁石を取り去ればその影響は消えてしまいます。
 磁場(磁界)の中でコイルを動かすと電気がおきます。これは発電機の原理です。発電所では、高温高圧の水蒸気でタービンを回し、発電機のコイルを回して発電しています。身近なものでは、自転車の発電機もそうしたしくみになっています。
 ふつうの水には電気を帯びた粒子(イオン)がふくまれています。ふつうの水は、そのため電流を流します。この水が磁場の中を通れば電気がおきます。この電気の作用で水が何らかの質の変化を受けているとも考えられます。磁気処理が水あか防止に有効な場合があるのは、このためではないかという考えがあります。
 健康によい水かどうかについて、アルカリイオン水の場合には賛否両方のデータがあります。しかし、磁化水の場合には磁石の磁場のところを通ったときだけわずかな作用を受けるところまでは科学的でも、その後の健康によいかどうかなどは怪しげな説明はあってもきちんとしたデータはありません。

●磁化水とクラスタ
 磁化水の場合も、一部のアルカリイオン水などと同様に「クラスターが小さい」から「水がおいしい」「健康によい水」と宣伝しています。
 これは磁化水にかぎらず、「この水は本当に健康によいか」を考えるときの着目すべき事柄になります。怪しげな水ほど、「水のクラスターは小さいとおいしい、健康によい」という説明にすがるからです。この説明については50ページで検討します。

 

【イラスト「囲み」内の文章】
磁石の問を電解質をふくむ水が通ることにより、起電力が発生し、電流が流れます。このときに水の電気分解がおこっていることが、磁化水で水あかを防止できる原因である、という説があります。データのばらつきの多さ、再現性の低さが、磁気処理による磁化水の特徴です。

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pp.42~43の紙面

 

ヒノキヤグループは凄い!問い合わせ窓口に出したもので取締役から百万円出せと言われる。質問にヒノキヤは回答無し。

ヒノキヤグループ広報からは「答えない」という回答。個人情報の取り扱いについての質問には完全スルー。

出口氏代理人は有名創価学会系弁護士事務所。

EM菌側の代理人朝日新聞やぼくを提訴したときの
弁護士事務所で両方ともEM菌側が完全敗訴。

今回は100万払え、謝罪しろ…という「通知書」。
その理由がヒノキヤ「問い合わせ窓口」に出した意見。

裁判にするのは自由だからやればいい。
ぼくは受けて立つだけだ。

そうなったらヒノキヤの株主にもなろうと思う。

*いいねやコメントはしなくて結構です。ざっと一読して貰えれば。


個人情報の扱いについてヒノキヤグループに質問した!(DND出口俊一氏【EM菌擁護・推進者】代理人からの通知書に関して) - 左巻健男&理科の探検’s blog 
http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/27/105110 …
ヒノキヤは凄い!問い合わせ窓口に出したもので取締役から百万円出せと言われる。

10代の君への手紙 (第10回) 夢をもち,あきらめずに努力することは人生の基本・・・・・・左巻 健男

 ぼくの少年時代など、詳しくは左巻健男『おもしろ理科授業の極意』東京書籍の「左巻健男の個人史」10pに書いた。

 ぼくの原点は、長い間、学力劣等生だったこと。だから教員になったとき嬉しかった。当時、教員はまあまあの優等生がなれた職業だったからw。

 

『道徳教育』2019年1月号(明治図書

10代の君への手紙 (第10回)

 

夢をもち,あきらめずに努力することは人生の基本・・・・・・左巻 健男

○私は理科を教える理科教育者としてずっとやってきた
 私は、中学校・高等学校で理科を教える教員を26年間やってから大学教授になり18年目になります。主に大学生に教えているのですが、ときには小学校で「理科実験の名人の授業」をしたり、小学生向けの科学実験ショーをしています。また、理科・科学についてたくさんの本を書いてきました。

 

 こんな私は、自分を紹介するときに「理科教育者」と言っています。理科を教えることを専門にしている人という意味です。私は理科教育者を44年間もやってきたのです。

 

 ふり返ってみると、私が理科教育者になったのは、小学校時代に理科が好きになったからでした。
 きっと君は、私のことを「小学校のときから頭がよかった」と思うことでしょう。それが大違いなのです。この手紙は、今、「自分は頭がよくない」「自分は内気で人とうまくつきあえない」と思っている人に向けて、私の経験をもとに書こうと思っています。

 

○「あいうえお」が書けなくて数を数えられないで小学校入学
 父と母は、私が小学校に入る前に、ひらがなが書けるように、また、1から100まで数が数えられるようにと特訓しました。しかし、私は、ちゃんと書いたり、数えたりすることができませんでした。

 

 父と母は、「この子は頭が悪い」とわかったようで、その特訓をすることをあきらめ、それ以後、「勉強しなさい」「宿題はやったか」などを私に言わなくなりました。小学校の通知表の成績はひどいものでした。担任の先生からは「忘れ物が多い」「宿題をやってこない」などと書かれました。授業の内容がよくわからないのですから、授業中は教科書の余白やノートにマンガを描いたり、まわりの子たちにちょっかいを出したりしていました。小学校5年生になるまで先生方にほめられた思い出がまったくありません。

 

○「左巻君は理科ができるね」という一言で理科が大好きになった
 小学校5年のときに、私にとって大きく学校生活が変わるきっかけとなるできごとがおきました。
 担任の平原タイ先生に、どんなときに言われたかは思い出せないのですが、「左巻君は理科ができるね」と言われたのです。小学校入学以来、初めてほめられたのです。

 

 当時は、学校から帰ると川に魚とりに行ったり、山にキノコとりに行ったりして、自然のなかで遊んでいました。ですからそういう遊びの中で身につけた理科の知識があったのかもしれません。
 ほめられた後、私がやったのは、図書室に行くことでした。理科の本を借りて読むようになりました。
 さらに世界の過去の文明の本や探検ものの本も読むようになりました。
 こうして理科だけは好きな少年になったのです。

 

 今は身長が180センチメートルありますが、当時はクラスの中で背が低いほうで、学校の成績がとても悪かったので自信がなく、友達もあまりいませんでした。

 

 中学3年生のとき、担任の先生に「左巻君には行ける普通科の高校がない」と言われたのですが、「ぼくは理科が好きなので工業高校の工業化学に行きたい」と希望しました。先生は私の成績を見て、「そうだね、理科だけは(5段階で)3だね」と言って、「死に物狂いで勉強すれば受かるかも知れない」と言ってくれました。工業高校に入ってからも成績は悪いままでした。しかし、大好きな化学の実験が多かったので何とかついていきました。

 

 高校2年生のとき、今後どうするかにとても悩みました。成績が悪いだけではなく、人間関係もうまくない私に何ができるかという悩みです。希望の一位を科学者、二位を理科教育者に定めて、学習を開始しました。そんな私が大学、大学院を出て理科教育者になれたときはとても嬉しかったです。

 

 私の個人的な経験に過ぎないのですが、今、君は発展途上人で、これからどこまで発展するかは、夢を持つこと、あきらめないこと、努力すること、それと運次第です。私は、きっと理科教育者になれなくても、理科を趣味として生きたことでしょう。

なぜEM菌側は、有名な創価学会系弁護士事務所を代理人にしたのか? EM菌は創価学会とどう関係しているのか? という謎

 EM菌比嘉照夫氏、DND出口俊一氏の代理人創価学会系で有名な事務所ということで「EM菌は創価学会とどう関係しているのか?」が新しい謎になった。
 

光伸法律事務所
 通知人出口俊一氏代理人
弁護士 松村光晃
弁護士 中村秀一
弁護士 屋宮昇太
弁護士 成松昌浩

 EM菌はもともとは世界救世教の「神からの贈りもの」とされた。麻疹の集団感染で話題になったMC救世神教も世界救世教の流れの宗教でEM菌推進だ。

 創価学会もEM菌を使っている多数の宗教団体の1つなのか。→EM研究機構(新潮社への返事)「今やEMは特定の宗教集団に属するものでなく、立正佼成会天理教、アナナイ教、創価学会、善隣教、各派キリスト教イスラム教、仏教等々、多数の宗教団体でも差別なく使われています。 」

 そこで、「公明党 EM菌」でググってみる。いやあ、市町村議員にたくさんいる。
 トップは「EM菌・・大活躍!! - 公明党」という市会議員さんの記事。
 そういえば四日市での公明党議員のEM推進を怒っていた環境科学研究者(当時四日市大 元北大)がいた。

 第三文明社監査役創価大学出身で創価学会副会長の職にある松村光晃弁護士が就任(2006)。雑誌に中村秀一弁護士も登場。比嘉照夫氏・出口俊一氏の代理人
その第三文明誌は「EMなどのニセ科学とどう向き合うか」というEM菌などニセ科学批判の記事を掲載。

 第三文明誌にはぼくも取材を受けたことがある。掲載されたニセ科学批判の記事群をきちんと読んでいたら光伸法律事務所の松村氏・中村氏などはEM菌側の代理人にならなかったかも。しかし、ぼくと出口氏の裁判で代理人側はEM菌を信じて裁判長を説得しようとしていたように見えた。

 ぼくがしんぶん赤旗ニセ科学の正体を連載したのは共産党員・支持者にいるだろうニセ科学信者との付き合い方を考えてほしかったからだ。きっと同様に第三文明誌は創価学会公明党ニセ科学側で活動しないように警鐘を鳴らしたのだろうと思う。

 前に聖教新聞から取材依頼が来たときスルーしてしまったが、ニセ科学の話題なら引き受けようと思う(でも来ないか)。赤旗からはいろいろ取材を受けたが共産党に要望書を出してからの党のやり方に失望したし、もう来ることはないないだろう。

 なぜEM菌側は有名な創価学会系の弁護士事務所を代理人にしてぼくや朝日新聞を提訴したのだろうか? どちらもEM菌側の完全敗訴だった。

 ぼくの創価学会員友人はEM菌側代理人を知っていてある程度の推測はできるが、EM菌と創価学会の関係は、よくわからないままだ。

 

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発端は…

 多発するスラップ訴訟、対策は名誉毀損裁判を多発する弁護士のブラックリストの共有 | MEDIA KOKUSYO http://www.kokusyo.jp/justice/12602/
 「弁護士が増えすぎて、しかも、知的レベルも人格も相対的に下がっているので、手軽な名誉毀損裁判へと走ってしまう。それが悲しき実体である。」

 ぼくに対するDND出口俊一氏代理人は、

光伸法律事務所
弁護士 松村光晃/中村秀一/屋宮昇太/成松昌浩
でした。創価学会系で有名な事務所です。
朝日新聞へのEM菌比嘉照夫氏代理人も同じ事務所です。

しんぶん赤旗の記事にも弁護士名が出ていました。

侵された通信の秘密
創価大事件の背景<上>
異様な法廷
創価学会系弁護士ずらり 
2003年5月15日(木)「しんぶん赤旗
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-15/14_03.html

 

【追記】2019/06/01 19:30

 EM菌と創価学会について言及している文献は斎藤貴男カルト資本主義』だ。

 以下のような記述がある。

 その本にはマルチ商法を手がけていた橋本幸雄が出てくる。

 彼はEMに魅了された人間である。彼は中曽根派の参議院議員だった小野清子を通して比嘉と知り合ったようだ。この橋本は「熱烈な創価学会の信者」で、公明党の「有力な資金源」でもあった。

 

 EM菌比嘉照夫氏は、「地球環境財団」の理事長に就任するが、「あの財団はもともと、橋本さんの持ち物なんですよ」と財団関係者は明かした。当時の環境大臣公明党参議院議員広中和歌子だった。「私が会った関係者の全員が、彼女の関与を疑っていなかった」。「危惧された通り、公益法人であるはずの地球環境財団は、その後、見事なまでの〝EM〟財団に成りおおせている」。

 

 「創価学会のEMへの肩入れは、ただし橋本の関係ばかりとも限らない」。比嘉の父が亡くなると、葬儀の斎場に樒[しきみ]があった。創価学会の「同士葬」では「花輪の代わりに樒を用いる独自の習慣を持っている」。「しかも、その樒の送り主は、池田大作だったんです」と葬儀に参列したEM関係者は語っている。

※なお、 「熱烈な創価学会の信者」で、公明党の「有力な資金源」でもあった橋本幸雄氏の会社は2011年に経営破綻している。

催眠商法の疑いのある(株)ナチュラルグループ本社/経営破綻 | JC-NET(ジェイシーネット) http://n-seikei.jp/2011/03/post-2236.html

 

 

ヒノキヤグループの住宅とEM菌の関係についての疑問

「EMの夢の住宅」とヒノキヤグループの「住宅」には利害関係があるのでは? なぜ出口俊一氏は桧家取締役の名刺をクレーム先に出したのか? 
http://samakita.hatenablog.com/entry/20170623/p1 を最初にご覧になるといいと思う。

 DND出口俊一氏は、EM菌擁護者であり、EM菌推進者だ。
 そして、ヒノキヤグループ社外取締役である。

 ぼくが、ヒノキヤグループはEM菌夢の住宅、EM菌健康住宅の会社と思ったのにはわけがある。
 EM菌擁護者であり、EM菌推進者であり、ヒノキヤグループ社外取締役であるDND出口俊一氏が運営するDNDサイトにおいて、「比嘉照夫氏の緊急提言 甦れ!食と健康と地球環境」を連載している。そのサイトは一部大学からの情報が紹介されているが、ほとんどをEM菌の宣伝広告的な内容で占めている。連載もたくさんの名前が挙がっているが、今も続く実質的な連載は比嘉照夫氏のものだけのようだ。

 比嘉照夫氏の「第31回 EM技術による居住環境改善」は、EM住宅についてだ。
 http://dndi.jp/19-higa/higa_31.php

現在、EM技術を応用した新築は1000件を悠に超えており、改築や改装は無数にあるが、共通して言えることは、よく眠れるようになった、カゼをひかなくなった、カゼをひいても軽微で仕事を休むことがなくなった。病院に行く回数が極端に少なくなった、腰、頭、神経の痛みが消失した、花粉症が出なくなった等々である。

  このようなEM菌比嘉照夫氏の唱えるEM健康住宅が建築されているし、住宅のためのEM菌資材が販売されている。ヒノキヤグループ社外取締役の出口俊一氏が、自分の運営するDNDサイトでこのようなEM住宅についてのエッセイを掲載している。

 しかも、

暗黒通信団】学界のトンデモ 出口俊一(改訂2版)
http://ankokudan.org/d/d.htm?ron172-ronread-j.html
にあるように、出口氏はEM菌批判者やその所属にクレームをつける活動をする熱烈なEM菌擁護者・推進者と思われる。

要するにやってることはヤクザそのものである。記事に対して記事による反論ではなく、著者と面会して個別撃破しようとするスタンスは、そもそもジャーナリストですらない。

なお、この表現を引用したぼくの行動は、判決で名誉毀損に当たらないと判断された。

  そんな状況のなかでヒノキヤグループが出口氏を社外取締役にしているのは、EM菌をヒノキヤの住宅に活用するためと、考えられてもしょうがないと思う。
 ぼくはだから、ヒノキヤ広報に「重ねて貴社はEM菌の活用やEM菌夢の住宅を推進する考えは今後ともありませんか?」という質問もしたのだ。
 その回答はぼくからしたら、木で鼻をくくるようなものだった。

 …貴殿と弊社社外取締役 出口 俊一氏との事案に関し、弊社は一切関与しておりませんことをご連絡いたします。
 つきましては、ご質問いただきました内容についても、回答いたしかねますので何卒ご了承ください。

 EM菌を住宅に活用している会社には、NANAHOME(山形総建有限会社)や株式会社 港建の『EM健康住宅』などがある。
 ヒノキヤグループもその仲間入りしているのか? それともこれから仲間入りするのか? それとも広報が誤った対応をしたことで、そんな疑惑をもたれてしまったのか?…
 もしEM菌にまったく無関係なら、熱烈なEM菌擁護者・推進者で、EM研究機構顧問だったDND出口俊一氏を、経営陣の1人に迎えていることは、EM健康住宅などと利害関係があるということにならないだろうか?

個人情報の扱いについてヒノキヤグループに質問した!(DND出口俊一氏【EM菌擁護・推進者】代理人からの通知書に関して)

※今回の出口氏代理人通知書は、ヒノキヤグループの個人情報の扱いとして、

・方針に認められたものなのか?

・第三者への流出とは言えないか?(出口氏代理人は第三者ではないか?)

・「お問い合わせ窓口」などへの問い合わせ内容の「目的外使用」に当たらないか?

 

    DND出口俊一氏代理人(弁護士)から「通知書」が送られてきた。
 弁護士は出口俊一氏と左巻健男の裁判時の出口氏側だった。比嘉照夫氏と朝日新聞の裁判時では比嘉照夫氏側だった(この裁判時に比嘉氏側陳述人だった)。ぼくとの裁判はぼくの完全勝利、朝日新聞との裁判は朝日新聞の完全勝利だった。

 その通知書の内容である。

平成31年3月4日

 当職らは,出口俊一氏(以下「通知人」といいます)の代理人として,以下のとおり通知いたします。

1 貴殿は,平成28年3月に,株式会社桧家ホールディングス(現・株式会社ヒノキヤグループ。以下「ヒノキヤグループ」といいます)本社(千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラスト タワー本館7階)に対して,「貴社の社外取締役に出口俊一氏がいるのですが,いくつかの機関に(中略)貴社の名刺などを出して(中略)クレーム活動をしています」(同 3月6日付),また「貴社の名刺がクレームのさいに使われています」(同6日付),さらに翌7日には,通知人のヒノキヤグループ取締役の名刺の画像を添付のうえ,「これはK大学に(中略)出口氏が大学に提出した名刺です。(中略)貴社の名刺などを出してクレームをつけました(中略)貴社の名刺も活用してさまざまなクレーム活動を行っています」(同7日付)と,あたかも通知人が取締役の名刺を使ってクレームに及んでいるかのような事実無根のメールを繰り返し送りつけました。
 それ以降も,貴殿は,現在に至るまで「(通知人が)EM菌批判側へ圧力をかけるのに,そこの取締役の名刺を出す気持ちがわからない」と,通知人がEM批判者に圧力をかけるために取締役の名刺を利用したかのような虚偽のツイート,ブログ掲載を繰り返しています。
 しかしながら,通知人がヒノキヤグループ取締役の名刺を差し出してクレーム活動をしたことは一度もなく,貴殿がヒノキヤグループ本社に宛てたメール内容は全くの虚偽であり,通知人の社会的信用を著しく害するものです。

2 通知人の取締役の名刺に関する実際の経過は以下のとおりです。
  通知人は,神田外語大学の事務局長に対し,飯島明子准教授(以下「飯島准教授」と いいます)のツイート(通知人から「恫喝」の電話が職場にあったという内容)について,大学の広報に電話で飯島准教授の在籍の確認等の問い合わせをしたことが,なぜこのような「職場に恫喝の電話」というツイートが投稿されたのか,その事実関係を確認するため,平成26年12月16日,同大学の広報に事前に電話し,アポを取り訪問しました。そうしたところ,広報担当者と事務局長は,通知人から電話があったことは伝えたが,その電話は「恫喝」という飯島准教授がツイートしている内容ではなく,そのような内容を飯島准教授に伝えた事実もない,と「職場に恫喝の電話」があったことを明確に否定しました。25分あまりの面談の最後に,通知人は,上場会社(東証一部)の社外取締役であるということを初めて明かし,名刺をお見せしました。すると,事務局長自ら(通知人の)名刺をもらってもよろしいですかとの求めがあり,通知人は,これに応じて「ご参考までに」と念を押したうえで名刺を渡したのです。
 しかし,その後,本来個人情報であるはずの名刺が,通知人の了承なく飯島准教授にわたり,さらには貴殿に流れ,貴殿のヒノキヤグループ本社に対する業務妨害にこの名刺が悪用されたのです(このことは個人情報保護法の観点からも重要な問題であると指摘せざるをえません)。
 そのうえ,貴殿のメ一ル送信と相次いで,他の匿名者からも,「出口氏の行為は,単なる苦情ではなく,脅迫にも似た圧力を掛ける行為であり,御社の名刺を出して当該行為を行っていることは御社の名誉を大きく損なう行為であると考えられます(中略)そのような人物を3月末の株主総会において再任する予定とのことですが,これお(ママ)再考し,他のクリーンな人物を社外取締役とするお考えはございませんでしょうか」とのメールが送られ,貴殿が他の者と共謀して通知人への業務妨害行為に及んだことも明らかです。
 したがって,通知人は,貴殿に対して,損害賠償として金100万円及びこれに対する遅延損害金を支払うよう求めるとともに,本書到達後1週間以内にヒノキヤグループ本社に宛てたメールの内容及びブログ等が誤りであったことを謝罪するよう求めます。
 上記期間内に,何らの誠意ある対応がない場合は,法的措置も検討せざるを得ませんので,その旨ご承知おきください。
 なお,本件につきましては,当職らが一切の委任を受けておりますので,今後の連絡は当職ら宛にされますようお願いいたします。
                             以上 

 内容的にはすでに裁判で決着済みで、判決を読んで貰えばいい。

 ぼくがとくに問題だと思うのは、この通知書に左巻健男がヒノキヤの「お問い合わせ窓口」に出したものがふくまれていることである。ヒノキヤの個人情報の扱い方では、「社員や経営陣は、「お問い合わせ窓口」に出されたものを使って、このような通知書(個人相手への恫喝的なもの)は許容されるのか?」という問題だ。

 しかし、広報へと「お問い合わせ窓口」から質問したが、次の返事だった。

お世話になっております。
このたび、ヒノキヤグループお問い合わせフォームよりご連絡をいただきました、貴殿と弊社社外取締役 出口 俊一氏との事案に関し、弊社は一切関与しておりませんことをご連絡いたします。
つきましては、ご質問いただきました内容についても、回答いたしかねますので何卒ご了承ください。
以上、よろしくお願いいいたします。
 株式会社 ヒノキヤグループ

 経営陣の一員である取締役がしたことが「弊社は一切関与しておりません」なのか。
 一切関与してなくて「お問い合わせ窓口」に出されたものがこういう通知書に使われてしまうか。ぼくが考えるのには、「お問い合わせ窓口」に出されたものが出口氏に渡すことはあると思う。しかし、そのときに「これは個人情報だからこれを使って何かをしないように」という注意はすべきだった。あるいは常日頃から個人情報の扱いについては社員、経営陣に啓発しておくべきだったと思う。
 少なくても「事情をお調べして後ほどその結果をお知らせします」ではないのか。
 
 また、「お問い合わせ窓口」に出された匿名者のものが通知書に出されている。ぼくのような第三者に知らせてしまっていいのか。これは匿名者のものだからどう使ってもいいという方針なのか。
 「貴殿が他の者と共謀して通知人への業務妨害行為に及んだことも明らか」ということは、ヒノキヤが出口氏にそのような根拠(問い合わせの時に入力した情報)も示したと言うことなのか。
 はっきり述べておくが、ぼくはその匿名者と共謀したりしていない(出口氏と代理人は明らかに主観的な妄想を述べているとしか思えない)。

 ヒノキヤの個人情報の扱いを質問したので、ヒノキヤが誠実に回答することを希望している。ヒノキヤへの質問は次のようである。

ヒノキヤグループに「問い合わせ」をした!(EM菌推進のDND出口俊一氏代理人からの通知書について)
- 左巻健男&理科の探検’s blog
http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/24/094027
 をお読みください。
 私に貴社の取締役の代理人から通知書が来ました。
 その中に貴社の「お問い合わせ窓口」に出したものが引用されています。
 さらに匿名者のものも引用されています。
 これは貴社の個人情報の方針に沿って行われていると思います。
 なぜならこの件について問い合わせをしたら、広報から弊社にはまったく関係がないという返事が来たからです。
 私は、貴社が取締役個人が個人情報の管理でミスが生じさせたことを謝罪した上で、質問に誠実に回答いただけるものと思っていましたが違いました。
 ツイッター@samakikaku Facebook左巻健男(友達限定)などでもこの件を知らせています。Facebookでは貴社のものもフォロー中です。コメントはしていませんが。
 貴社の個人情報の方針を再確認し、私としては今後こういうことがないように社員(広報もふくめて)、取締役の教育をお願いするものです。

 

EM菌擁護者・DND出口俊一氏との裁判の報告

DND(+EM研究機構顧問だった)出口俊一氏との裁判 の控訴審判決(左巻健男完全勝利確定)
http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/23/145104 2019/05/22 に関連して、『RikaTan(理科の探検)』誌2019年4月号に報告したものを紹介しておこう。

 

 EM菌擁護者・DND出口俊一氏との裁判の報告

 左巻 健男 SAMAKI Takeo

DND出口俊一氏との裁判と結果
 2015年2月、ぼくは、EM菌擁護者・(株)DND研究所代表出口俊一氏から名誉毀損で提訴された。その請求内容は、「1100万円の支払い」「関係の各記事の削除」「ブログに謝罪広告を出せ」だった。
 出口氏側の主な理由は二つだった。
 一つは、出口氏がDNDサイトに、EM菌開発者比嘉照夫氏が「EMにpHのみの効果でない事例が無数にあることを補足したい」として「EM1号の入った容器の上でウイルスを培養すると、EM1号が添加されたのと同様にウイルスが失活する」と述べるコラムを掲載したことに対して、ぼくが、ツイッターやブログで、「EMの入った密閉した容器外のウイルスが失活をDNDサイトに載せたことは真正のおばか、普通の頭なら載せないだろう」と述べたことだ。
 もう一つは暗黒通信団の「学界のトンデモ出口俊一【と学会誌初出】」を読んで、その記事を拡散するとともに、その文中の「この人物、比嘉氏に心酔してEMシンパをしているだけの人物なら笑ってすませられるのだが、どうもそうではない。要するにやってることはヤクザそのものである。記事に対して記事による反論ではなく、著者と面会して個別撃破しようとするスタンスは、そもそもジャーナリストですらない」を引用し、ツイッターやブログにも書いたことだ。
 結果は、地裁、高裁(控訴審)共にぼくの完全勝利、出口氏は最高裁に控訴したが棄却になり、ぼくの完全勝利が確定した。
 この裁判について判決などの資料は http://ankokudan.org/d/d.htm?samaki-j.html
にて公開している。

DND出口氏の謎が解けた!
 出口氏が代表を務める(株)DND 研究所は大学発ベンチャーを支援する会社らしい。出口氏は元産経新聞記者で自称ジャーナリストで桧家ホールディングス社外取締役であり、裁判時は金沢工業大学客員教授でもあった。
 そのような人が、なぜEM菌批判者を攻撃し、DNDサイトで科学的に荒唐無稽な内容の比嘉氏コラムの連載をしているのかは謎だった。理系の大学の客員教授をしていて科学的リテラシーが少しはあるはずなのにと思ったのだ。
 その謎はすぐに解けた。EM菌の製造や研究などをしているという(株)EM研究機構顧問だったのだ。仕事の一つだったのだろう。裁判では時期不定で三か月間だけだったと主張したが、それは疑わしい。EM研究機構の社員と一緒に朝日新聞社とやり取りしたときに社員が「以前から顧問」と説明したり、EM批判側への時期や相手が違う抗議のときにEM研究機構顧問の名刺を出していたからだ。

○EM菌側がEM菌批判側を攻撃するのは比嘉照夫氏の願いがある
 ニセ科学の商品の会社が批判者のところにクレームをつけて回ったり、裁判まですることは非常に稀である。批判者はスルーして、騙されて購入してくれる人らを相手にしたほうがよいからだ。
 ところがEM菌は、批判側への対応が執拗で激しい。そこには比嘉氏の思惑がありそうだ。Youtube にアップロードされた動画【実践活動・比嘉照夫氏講評と今後】の文字起こし(「Zutto 3 のブログ」)が参考になるだろう。その一部を紹介しよう。・がついた見出しはぼくがつけたものだ。

・裁判で賠償請求する!

(EM批判の朝日新聞青森の記事が出たので)少なくとも年間1%、あ~被害はあると見たとしたときですね、~年間50 億ありますから、1年間5,000万で、ま~15年ですから7億5千万、日本土壌肥料学会に賠償要求をします。同時にEMの名誉回復と謝罪をさせると、今弁護士を通して、その準備をしています。
・ EMを叩いた学者グループに対しても7億5千万ぐらい賠償要求する!
 でも、朝日新聞の、あ~青森支局から出たお陰でですね(フフフ)今度は一網打尽に。……で、今度はそのEMを叩いた学者グループに対しても7億5千万ぐらい賠償要求をしようと、これはもうグループになってるっていうのはツイッターで見りゃぁ全部わかってますので、この人達を全部名前引き出してですね、裁判に引っ張り出して、こ~んどはもう徹底的に叩こうと思っています。……ですから、それを拒否させない様に、これからやります。
・フジテレビ一社を爆破するのはわけない!
 昔、フジテレビ取材したら、ほ~んにちょっとの所だけとらえてね、反対派の意見いっぱい載せて私を叩いたという、そういう事をやりましたので。…あの時は若くて、もうとてもじゃ無いけどね、あの~(うん)、殺し屋頼んで記者を殺そうと(フフフ)思ったけどね(ウフン)出来なかった(エヘッ)(フッフッフ)でも今は力があるからね。フジテレビ一社、爆破するのは訳ない(ヒャッハッハ)(ウフ)(ハハハ)……従来の理論とか感情論でね、これをコメントしてね、我々を貶めるような事があったなら、私はもうどんな事してもフジテレビを爆破します(ンハッ)(フッフッフ)(クックックッ)

  「EM 批判の学者たちのツイートを全部監視していて、EM批判派を全部まとめて裁判にかけて莫大な賠償金をとってやる」という比嘉氏の思いが伝わってくる。その手始めにぼくが選ばれたのかもしれない。

○「真正のおばか」についての裁判所の判断
 EM菌側のいう「波動が出ている」「EMの入った容器の上でウイルスを培養するとウイルスが失活する」というのは、到底科学的に容認できるような言説ではない。もはや科学ではなく一種の宗教、あるいは妄想になっていると思わざるをえなかった。
 判決から該当箇所を引用しよう。原告が出口氏、被告がぼくである。

 “EMが乳酸菌、酵母光合成細菌を主体とした微生物資材であるという前提に立つ限り、現代の科学からそのような効果が存在することについて合理的な批判が可能な状態である。
 未だ定説を見ず論争がされている学問上の分野については、新たな学説について様々な論者から批判的な論説がなされ、ときには激しい非難にさらされ、それが昂じて表現が過激になることも当然に予定されているというべきである。
 比嘉論文がいうようなEMの効果は科学的にありえず、これを手放しで信じているとすれば科学と非科学を見分ける能力(科学リテラシー)に乏しい旨を述べる趣旨で「真正のおばか」、「普通の頭なら載せないだろう」、「嘲笑するしかない超低レベル」と述べたものと認められる。
 いささか品位に欠ける表現であるということはできるが、これを超えて、未だ誰であっても名誉感情を害されることになるような、見過ごしがたい、明確かつ程度の甚だしい侵害行為に当たるまでとは認めることができない。そうすると、被告は、12月4日の記事により原告の名誉感情を侵害したとは認められない。”

○ 「ヤクザそのもの」の裁判所の判断
 地裁判決は、

“「やっていることはヤクザそのもの」、「もはやジャーナリストですらない」という表現は、一般読者の普通の注意と読み方を基準にすれば、原告が松永教授らに対して直接面会し、又は面会しようとしたことに対する否定的な評価をしたもの”

 として、名誉毀損にあたらないとした。
 控訴審判決ではさらに踏み込んでいる。

“控訴人のこれらの供述から、控訴人が松永教授らに面会を求めたのは、ジャーナリストとして、取材対象である松永教授らと直接面会して、松永教授らの見解がどのようなものかを真摯に聴き取って記事にするためではなく、松永教授らの見解が誤っているとの前提の下、これを糺すためであったと言わざるを得ない。”“「ヤクザそのもの」という言葉は、辛辣なものではあるが、前後の文脈から、控訴人が暴力団関係者であると指摘しているのではなく、控訴人が松永教授らに面会を求めるなどしたことが、ジャーナリストとして強引な取材方法であることを表現したにとどまることは明らかであり、もっぱら原告の取材方法に対する批判にとどまるのであって、原告に対する人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものであることまでは認めることができない。”

  今回、出口氏は多くの負を背負ったのではないか。プラス面は思い浮かばない。

・EM菌会社顧問が明らかになってしまった。
・EM菌側の尖兵になって取材と称してクレーム活動をしていることがわかってしまった。
・ジャーナリストの適格性に疑問がもたれた。まともなジャーナリストならやらないようなことをやっていること、結局は取材と称したものがそういうものではないと裁判所に認定された。
・「EM の効果を証明するために記事を書いていると言わざるを得ない」と控訴審判決に書かれた。
・EM菌のための活動がメインと見なされることで、DND大学発ベンチャーや出口氏本人への見方が変わる可能性が強い。 

  ぼくがこの裁判で学んだことは、「裁判に対応できる小金と時間的余裕があればそんな裁判は怖くない」ということだ。

「学校に、環境活動に、福島復興に、政治に、入り込んでいるEM(EM菌)」消費者法ニュース2019年4月号掲載の全文公開

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学校に、環境活動に、福島復興に、政治に、入り込んでいるEM(EM菌)

        法政大学教職課程センター教授 左巻健男

1 EM(EM菌)とは何か?
 EMは有用微生物群Effective Microorganismsの英語名の頭文字であり、製造・販売している(株)EM研究機構、(株)EM生活などの商標登録の商品群である。通称EM菌とも呼ばれる。
 乳酸菌・酵母光合成細菌などの集合体だという。しかし、専門家が調べると肝心の光合成細菌は検出されないという報告がある。
 開発者は当時琉球大学農学部の比嘉照夫教授。比嘉氏が書いたEM本、『地球を救う大変革』(サンマーク出版 1993)はベストセラーになった。表紙には「食糧・環境・医療の問題がこれで解決する」と謳っている。たとえば、EMを使った自然農法を行えば、農薬や化学肥料をまったく使わなくても質のよい作物が通常栽培の何倍もとれる、トイレの排水から洗剤まで混入した汚水が24時間で飲み水に変わる。化学物質、放射線物質、農薬による環境汚染、水質汚染、大気汚染なども解決できる、末期の肝臓がんといわれた人たちがEMを飲んで治った、つまり難病まで治せる、というのだ。
 国立大学の教授が大々的に効果を謳ったことで、世にEM信者がたくさん生まれた。
 それだけではない、高名な経営コンサルタント船井幸雄氏が応援したことでも話題になった。
 さらに、世界救世教という新興宗教の一派と組んでEMを使う自然農法を広めた。世界救世教は、国内に百万を超える信者を持ち、浄霊という手かざしの儀式的行為を各信者が行うこと、自然農法を推進することなどを特徴としている。世界救世教では、EMは“神からのプレゼント”と形容されている。

 

2 EMの商品群

 土を改良する農業資材、生ごみ処理、水質改善、車の燃費節減、コンクリートの強化、あらゆる病気の治癒などに効果があるという、さまざまな商品がある。

1.EMを用いた微生物資材(農業資材)
2 .EMを使用して作られた各種製品(健康飲料、農産物、化粧品、食品類)
3 .その他、EMを利用した資材(EMぼかし、EMストチュー、EMセラミック等)
4 .EMを活用したEM技術(土木建築、食品加工、環境浄化、塩類集積対策、化学物質汚染対策等)

 EMを代表するのはEM-1(EM1号)という濃い茶色の液体である。500ミリリットルで定価1100円である。エサになる有機物(米のとぎ汁や糖蜜)を加えた溶液で培養してEM発酵液として使う。米のとぎ汁を使わないで糖蜜を多くして培養したEM活性液が使われることもあるが、低コストなEM発酵液の方が一般的である。なお、EM発酵液もEM活性液と呼ばれる場合がある。
 EM系企業が販売に力を入れているのが、500ミリリットルで定価4650円のEM・X GOLDという清涼飲料水である。この他にEMセラミック、EMせっけんなど様々なEM製品が販売されている。

 

3 比嘉氏が謳う効能とEMの活動
 比嘉氏は、「EMは神様」だから「なんでも、いいことはEMのおかげにし、悪いことが起こった場合は、EMの極め方が足りなかったという視点を持つようにして、各自のEM力を常に強化すること」を勧めている。
EMはあらゆる病気を治し、放射能を除去するなど、神様のように万能だというのだ。
 EM製品をどんどん使ってEMを常に強化する生活をすると、次のような効果があるという(EM情報室 WEBマガジン エコピュア 連載 新・夢に生きる [74])。

1 .EM製品を身に着けていたので交通事故に遭っても大事に至らなかった。
2 .EM生活をしていると大きな地震が来てもコップ一つも倒れなかった。
3 .EM生活をしていると電磁波障害が減り、電気料金も安くなり、電機製品の機能が高まり寿命も長くなった。
4 .EMを使い続けている農場やゴルフ場の落雷が極端に少なくなった。
5 .EM栽培に徹していると自然災害が極端に少なくなった。
6 .EM生活を続けていると、いつの間にか健康になり人間関係もよくなった。
7 .EMを使い続けている場所は事故が少なく安全である。
8 .学校のイジメがなくなり、みんな仲良くなった。
9 .動物がすべて仲良くなった。
10 .すべてのものに生命の息吹が感じられるようになった。
11 .EMで建築した家に住むようになり、EM生活を実行したら病人がいなくなった。
12 .年々体の調子がよくなり、頭もよくなった。
13 .EMの本や情報を繰り返しチェックし確認する。
14 .いろいろな事が起こっても、最終的には望んだ方向や最善の結果となる。

 もちろん効果は疑問だが、「効くまで使いなさい」という指導がなされている。
 EMに囲まれた場所は「結界」(宗教用語=聖なるものを守るためのバリア)になり、たとえば沖縄本島福島県はEM結界になっているので、台風がそれたり、被害は少なくなるなどと述べている。その言説を信じたEM信者らは、畑にEM製品を入れたペットボトルを埋めたり、ぶら下げたり、リチウム電池を支柱に貼り付けたりして結界づくりに励んでいる。
 巨大な教育団体TOSSのリーダーである向山洋一氏が、EMでいじめ問題など学校のあらゆる問題が解決すると主張し、その影響下にある教師たちが環境教育やプール清掃などにEMが使っている。
 環境科学や生態学の研究者からは「EM団子の水環境への投げ込みは環境を悪化させる」との批判があり、川・湖・海などの水質浄化への効果は否定する報告が多い。しかし、効果があるとして子どもたちや市民にEM活性液、EM団子などが投入させる活動が行われている。そのような活動に自治体が助成金を出したりして、支援してしまっている場合もある。

 

4 北朝鮮はEMを国家レベルで導入
 1990年代の終わりごろ、食料難に苦しむ朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)は全国くまなく農業用資材としてEMを導入することにした。比嘉氏もしばしば訪れて指導をし、「北朝鮮はEMモデル国家。21世紀には食料輸出国になる」と宣言していた。しかし、今は比嘉氏は北朝鮮のことについて述べないし、WEBサイトからその関係の話は削除されている。数年で、この国家的事業は失敗したからだ。

 

5 政治の世界にもEM側は入り込んでいる
 安倍内閣の文科大臣だった下村博文衆院議員は、比嘉氏の講演を聴いて「EM技術による放射能被曝対策もできるそうだ。…同様の提案が私のところにも他からも来ている。私も勉強してみたい。」とブログで述べていた。
 安倍内閣は、市議・県議時代からEMの広告塔的立場だった高橋比奈子衆院議員を環境政務官につけたこともあった。これについては、週刊文春10/30秋の特大号に「元女子アナ環境政務官は“トンデモ科学”の広告塔 まだある女性抜擢失敗!」という記事が掲載された。
 政界では、まず2006年にEM推進は掲げていないが有機農業推進議員連盟を熱心なEM信者のツルネン・マルテイ参議院議員(民主党)らが設立している。2013年12月3日に国会議員の超党派による「有用微生物利活用議員連盟」が発足している。いわゆるEM菌議運といわれる。会長は野田毅衆院議員(自民)、幹事長は平井たくや衆院議員(自民)、事務局長は高橋比奈子衆院議員(自民)である。比嘉氏によると、「スタートは50人内外でしたが、その後も新規に加入いただいていますので、近々100人を超える規模になりそうです。」(2014年1月18日 EM情報室 WEBマガジン エコピュア 連載 新・夢に生きる [79])。比嘉氏は、EM菌議運と有機農業推進議員連盟について「この2つの議員連盟は、国会を軸にEMを社会化する両輪のようなものであり、これからも密接に連携し、EMが大きな国民資産になるように、より活発な活動を展開することになっています」(連載 新・夢に生きる [82])と述べている。
 2018年10月3日の毎日新聞は、「安倍内閣初入閣・平井科技担当相は「EM菌議連」幹事長」を報じた。平井議員は「「EM菌を使っている方がたくさんいるので幹事長を引き受けた。中身はよく知らない」と釈明した。」という。
 比嘉氏は、さまざまなEM商品を全部使うEM生活をすることを国民の義務にすることを狙っている。国民全体がEM・X GOLDという清涼飲料水を飲み、さまざまなEM商品を使う「EM生活」をするようになれば、生活習慣病などはなくなるので、もし病気になったら自己責任なので社会保険制度は不要という主張である。そのためには政治家らもEM信者にしようとしているのだ。

 

6 EM批判者への強い攻撃性
 EM研究機構の顧問と社員が、EMの非科学性について批判している人らの自宅や所属機関に押しかけたりして、「名誉毀損」「営業妨害」だとして批判封じの働きかけをしている。こうした役目を行っているEM研究機構の顧問は、ときにはEM研究機構の顧問であることを隠して、大学客員教授やジャーナリストの肩書きを使っていた。
 本来なら、EM批判をしている研究者とは公明正大に議論をすればよい。本当に商品の性能に自信があるなら第三者に自由に検証してもらい、もし問題が見つかれば商品の改良を重ねていき、批判を元により良い商品開発を目指していくのが企業としてのあり方ではないかと思う。
 EM批判側に訴訟を起こしたりもしている。
 2015年2月、EM研究機構の顧問だった出口俊一氏が名誉毀損で私に対して訴訟を起こした。同年6月には、比嘉照夫氏が、EM菌の効果を疑問視する記事を出した朝日新聞社名誉毀損で訴訟を起こした。このとき出口俊一氏は比嘉氏側の陳述人だった。
 私への訴訟、朝日新聞への訴訟とも東京地裁、東京高裁の控訴審でEM側が完全敗訴、最高裁で棄却で、EM側の完全敗訴の判決が確定した。なお、私と出口氏との裁判記録は、http://ankokudan.org/d/d.htm?samaki-j.html にて公開している。

 

おわりに
 「EMは手強い!」これが実感だ。科学的には荒唐無稽で、オカルト的な主張でも、「環境をよくしたい」という善意の人たちを信者にしている。日本国民にEM生活をさせるという大野望のために政界にも支持基盤をもっている。そして、批判側には訴訟を含めて様々な攻撃性を見せる。
 国内だけではなく諸外国にも影響力があるEM。しかし、メディアもEMのニセ科学性を報じるようになってきた。国会論議ではEMによる除染、EMによる水質改善などの効果について国側は否定的な立場の答弁をしている。少しずつでもEMのニセ科学性が知られてきているのではないだろうか。

 

【参考文献】
左巻健男『暮らしのなかのニセ科学平凡社新書
 EMについて1章をあてている。
 なお、左巻健男『学校に入り込むニセ科学』(仮題平凡社新書が近刊予定

 以下は私が編集長の『RikaTan(理科の探検)』誌(発行所:SAMA企画 販売元:文理)でEMについて扱ったものである。
 2014年春号(特集:ニセ科学を斬る!)所載の

・呼吸発電「EMのニセ科学問題」
・松永勝彦「EM団子の水環境への投げ込みは環境を悪化させる」
 2015年春号(特集:ニセ科学を斬る!リターンズ)所載の

・片瀬久美子「EM商品のニセ科学性について」
 2016年4月号(特集:ニセ科学を斬る!2016)所載の

天羽優子「「EMを学校で使わないでください」署名をするわけ」
 2017年4月号(特集:ニセ科学を斬る!2017)所載の

・飯島明子「EMは水質を浄化できるか」
 2018年4月号(特集:ニセ科学を斬る!2018)所載の

・呼吸発電「EMの2つの顔 小中学校で教えられるEMについて」
 2019年4月号(特集:ニセ科学を斬る!ファイナル)所載の

・呼吸発電「政治問題としてのEM菌」
・大石雅寿「EM菌やナノ銀では元素転換できないわけ」
左巻健男「EM菌擁護者・DND出口俊一氏との裁判の報告」

消費者法ニュース№119』2019.4 pp20~23消費者法ニュース発行会議 2019/4/30発行

ヒノキヤグループに「問い合わせ」をした!(EM菌推進のDND出口俊一氏代理人からの通知書について)

EM菌推進のDND出口俊一氏代理人(弁護士 第三文明誌に登場していた)からの通知書(3月に来ていた)について拙ブログに入れた。ヒノキヤグループの件で謝罪しろ、100万円払えってあった。今後法的措置とも。
その通知書をふくめて拙ブログなどに入れた。

今でもEM菌擁護者・推進者のDND出口俊一氏が神田外語大にヒノキヤグループ取締役の名刺を出したのは謎だ - 左巻健男&理科の探検’s blog http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/23/164625

DND(+EM研究機構顧問だった)出口俊一氏との裁判 の控訴審判決(左巻健男完全勝利確定) - 左巻健男&理科の探検’s blog http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/23/145104

質問 
*貴社の取締役である出口俊一氏代理人からの「通知書」は貴社が関与していますか?
(通知書の内容は貴社に関することで、ぼくのここでの問い合わせがふくまれています)
*通知書には匿名者の問い合わせがふくまれています。ぼくとは全く無関係ですが通知書では関係があると断じていますが貴社はその根拠をおもちですか?
*ぼくとの控訴審判決で裁判所に判断されたように出口氏はEM菌比嘉照夫氏を信じて記事を書いている人です。重ねて貴社はEM菌の活用やEM菌夢の住宅を推進する考えは今後ともありませんか?
*通知書にあるようにここでの問い合わせがぼくの名前と共に出口氏に渡っています。名前は伏せてもよいと思うのですが、ここでの問い合わせは関係者に実名と一緒に伝えられるのでしょうか?

 

【追記】2019/05/24 18:32

 次の返事が来た。

…貴殿と弊社社外取締役 出口 俊一氏との事案に関し、弊社は一切関与しておりませんことをご連絡いたします。

つきましては、ご質問いただきました内容についても、回答いたしかねますので何卒ご了承ください。

 一切関与しなくてぼくのヒノキヤグループへの問い合わせ内容を引用して100万払え等の通知書が来る…。なかなかの会社なのかな。

 少なくてもEM菌の活用やEM菌夢の住宅についての質問には答えたほうがいいと思うが、答えられない理由があるのかな。

 

【さらに追記】2019/05/24 19:15

 ただヒノキヤグループはまったく関係ないと放置してきたわけではない。

 出口氏側の控訴理由書のなかに次の記述がある。

 なお,被控訴人は,控訴人がEM研究機構の顧問であって,ジャーナリストではないかのようにも主張する。しかし,顧問の立場を有することと,ジャーナリストの立場は両立するものであり,かかる批判は失当である。
 また,控訴人は,上場企業である株式会社桧家ホ一ルディングスの社外取締役も務めているが,控訴人があたかも反社会的勢力であるかのような被控訴人の表現行為により,同社のコンプライアンス上極めて不都合な事態となりかねないことから,控訴人は,同社経営陣に対して事情説明と弁明を余儀なくされた。
 さらに搾訴人は,金沢工業大学客員教授を務めていたが同職を辞せざるを得なくなった(原審原告本人調書27頁)。控訴人は,月10万円の報酬を得ていたのであるが,それを失ってしまったのである。

 経営陣に事情説明と弁明をしたということだ。これは控訴理由書で述べているので未だ地裁の裁判中である。きっと3月あたりかな。

 地裁判決は2016年8月に出たので、きっと出口氏側の説明をしたのだろうが、その説明は判決でダメにされたものだ。

 その後控訴審判決でも出口氏側の説明はさらに退けられた。

 つまりヒノキヤ経営陣が出口氏の説明を納得したとしたら、裁判所の判断とは大きな違いのある説明に納得してしまったと言うことだ。

 ヒノキヤは控訴審判決だけも一読してほしい。

 

【さらにさらに追記】2019/05/26 8:05

 ヒノキヤの プライバシーポリシー 個人情報保護方針 を見た。

 https://www.hinokiya-group.jp/ir/privacy_policy.html

・個人情報を取扱う部門ごとに情報管理責任者を置き、個人情報の適切な管理に努めるとともに、情報セキュリティに関する規程を設けて社員への周知徹底 を実施しています。

個人情報の利用目的と利用範囲

当社が取得した個人情報につきましては、利用目的を定め、原則として、予め特定された目的以外には利用いたしません。

・当社は、下記2の事業に関し、以下の各目的のために必要な範囲で個人情報を利用いたします。

…お客様からのご要望・ご意見、ご相談、苦情の受付、対応及びこれらの管理

 

 左巻健男の感想・疑問

 今回のような取締役への「お問い合わせ窓口」サイトへの投稿を伝えることは、「お客様からのご要望・ご意見、ご相談、苦情の受付、対応及びこれらの管理」の一環なのか?

 さらに取締役やその代理人(弁護士)がその投稿を活用することもその一環なのか?

 さらにさらに「匿名者」からのものなら、取締役の代理人(弁護士)が活用したり、ぼくのような第三者に知らせることもその一環なのか?

 一体、ヒノキヤの個人情報管理はどうなっているのか?

※判決で、出口氏に対して「やっていることはヤクザそのもの」という表現について、次のように述べられている。

 地裁判決は、“「やっていることはヤクザそのもの」、「もはやジャーナリストですらない」という表現は、一般読者の普通の注意と読み方を基準にすれば、原告が松永教授らに対して直接面会し、又は面会しようとしたことに対する否定的な評価をしたもの”として、名誉毀損にあたらないとした。
 控訴審判決ではさらに踏み込んでいる。
 “控訴人のこれらの供述から、控訴人が松永教授らに面会を求めたのは、ジャーナリストとして、取材対象である松永教授らと直接面会して、松永教授らの見解がどのようなものかを真摯に聴き取って記事にするためではなく、松永教授らの見解が誤っているとの前提の下、これを糺すためであったと言わざるを得ない。”“「ヤクザそのもの」という言葉は、辛辣なものではあるが、前後の文脈から、控訴人が暴力団関係者であると指摘しているのではなく、控訴人が松永教授らに面会を求めるなどしたことが、ジャーナリストとして強引な取材方法であることを表現したにとどまることは明らかであり、もっぱら原告の取材方法に対する批判にとどまるのであって、原告に対する人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものであることまでは認めることができない。”

 そういう取材方法をとるときにクレームを付けた相手側にヒノキヤ取締役の名刺を出すことはどんな言い訳をしようとも可笑しいと思う。

 ヒノキヤはそういうことを許容する会社なのか?

 さらに今回のように取締役が個人情報を自分の相手側への攻撃に使うことを許容する会社なのか? 広報からの返事は、個人が勝手にやったことだから会社に無関係と読めるが、会社が得た個人情報をとくに取締役という経営陣の一員がこういうことに活用するのを個人だから勝手にやっていいと許容するのは可笑しくないか?

今でもEM菌擁護者・推進者のDND出口俊一氏が神田外語大にヒノキヤグループ取締役の名刺を出したのは謎だ

2019/05/21
DND(+EM研究機構顧問だった)出口俊一氏との裁判 の控訴審判決(左巻健男完全勝利確定)
http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/23/145104 の続編である。

 裁判所の判断で「松永教授らへ」とあるのは、神田外語大学へのEM菌の営業妨害だというクレーム活動もふくんでいる。

 裁判の際に飯島明子准教授が左巻健男側で出した陳述書がある。

 飯島さんは、海洋生態学を専門とする研究者で、神田外語大学の准教授を務めており、生物学・環境科学を担当している。彼女はその専門家の立場から、EM菌団子のような高濃度の有機物が含まれる微生物資材を、河川や湖沼に投入すれば汚濁源となり、生態系を破壊してしまうので、科学的な知見から、EM菌について批判的な意見を発信してきた。

 次は陳述書からの引用である。

3 このような私の活動が気に障ったようで、出口氏からは、嫌がらせとも思える行為がされるようになりました。
 まず、平成26年3月31日、私の勤務する神田外語大学広報部に、出口氏から電話がありました。その際出口氏は、「EM研究機構の人間である」と名乗ったそうです。そして、私の発言や、各種学会でのパネルの内容などが名誉毀損なのではないか、EM研究機構は被害をこうむっている、大学としてどう対応するのか返事が欲しい、と言ってきたといいます。これを受けて、大学側では一応学事部も含めて話し合いをしましたが、特に返事はしませんでした。すると、出口氏は、4月2日再び大学広報部に同じような電話をかけてきました。もちろん、これについても大学は特に返事をしていません。
 そもそも、大学は、所属する研究者の研究内容全てを把握し、その当否を判断する立場ではないですし、研究は各研究者の自主性に委ねられています。そのため、研究等に批判がある場合、まずは当該研究者へ直接批判を行うべきです。それにもかかわらず、わざわざ大学に対ししつこく抗議してきたということは、単に研究内容等について意見する意図のものではなく、大学を通じて私へEM批判の研究を止めるよう圧力をかけようとしたのだと確信しています。

4 大学が出口氏の問い合わせに対し返事をしないでいると、今度は、EM研究機構から、神田外語大学学長に宛てて、内容証明郵便が届きました。その内容は、再び私の行為について指摘すると共に、「過日、弊社の関係者が飯島准教授のご発言に関して貴大学にご相談のお電話を差し上げましたが、未だご返信を頂けないため、改めて書面にてお送りいたします。」と記載されていました。
 このことからも分かるとおり、出口氏は、ジャーナリストとして取材を行おうとしていたのではなく、EM研究機構の人間として、大学に連絡したりしていたのです。それなのに、いざ異議を述べられると「正当な取材行為である」など、虫が良すぎます。
 もちろん、大学としては、「本学では所属教員の個々の研究の自由を認めており、貴機構と飯島准教授の間で生じた案件に関しては大学として一切関与致しません」と真っ当な意見を返しています。
 出口氏は、その後も、業務多忙を理由に断られているにもかかわらず大学広報部を来訪したりしています。  以下略。 

 出口氏は来訪したときに、ジャーナリストやEM研究機構の顧問などの名刺と共に現ヒノキヤグループの社外取締役の名刺も出した。

 そのことに関して、ぼくは、強い疑問をもった。

 なぜならEM菌はあらゆることに万能性をもっていて、もちろん住宅についても「EM夢の住宅」を述べているからである。ヒノキヤグループはEM菌夢の住宅を推進している会社なのかと思った。問い合わせたらEM菌と関係がないという。

 ウィキペディア「ヒノキヤグループ」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%8E%E3%82%AD%E3%83%A4%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97 には、次の記述もある。

平成21年3月よりEM菌を擁護する出口俊一を取締役として迎え[2]、また女流棋士中村桃子がパート社員として勤務している。 

  裁判所に、出口氏は、「ジャーナリストとして,朝日新聞記者行動基準に則らず,比嘉教授の見解を信じる者として,比嘉教授の見解に沿った見解を一方的に伝えているものといえる。」「松永教授らの見解が誤っているとの前提の下,これを糺すためであったと言わざるを得ない。」「EMの効果を証明するために記事を書いているといわざるを得ない。」と判断されるような人で、そのEM菌は「EM菌による夢の住宅」づくりもうたっている人が、住宅会社ヒノキヤグループの取締役というのが謎なのである。

 ぼくとの裁判で、控訴理由書に、出口氏は次のように述べている。

 出口(控訴人)は,広報担当者及び事務局長との会話の途中で,自分が金沢工業大学客員教授や株式会社桧家ホールディングスの社外取締役の地位にあることから,このまま飯島氏のデマが放置されると自身の社会的な立場が危うくなる可能性があるとの趣旨で,最初に渡していたジャーナリストとしての名刺の裏の金沢工業大学客員教授の肩書の記載を指摘したうえ,さらに桧家ホールディングスの社外取締役の名刺も差し出したのである。 

 専門家が心配していることを、裁判所に比嘉教授の見解を信じる者に過ぎないと判断されてしまう人が「デマ」というのも可笑しな話だ。専門家からEM菌の問題性が追求されると自身の社会的立場が危うくなるのは出口氏がそんなものを信じているところで既に起こっていることではないのか。

 EM研究機構の顧問として大学にクレーム活動をするときになぜヒノキヤグループの取締役の名刺を出すのか?

 逆にヒノキヤグループはそういうクレーム活動に血道を上げるレベルだとみられるのではないだろうか? ヒノキヤグループもEM菌の仲間の会社だと思われるのではないだろうか? 裁判所からジャーナリストの行動基準からはずれたことをしていると判断されたようなことをしながら名刺を出す気持ちがぼくにはわからない。

 

 と書いてきたのは出口氏の代理人(弁護士事務所)から次の通知書を貰ったからである。3月は定年退職の諸々で忙しくよく見ていなかった。今やっと余裕ができた。

 おやおや、お金も要求か…。

平成31年3月4日

 当職らは,出口俊一氏(以下「通知人」といいます)の代理人として,以下のとおり通知いたします。

1 貴殿は,平成28年3月に,株式会社桧家ホールディングス(現・株式会社ヒノキヤグループ。以下「ヒノキヤグループ」といいます)本社(千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラスト タワー本館7階)に対して,「貴社の社外取締役に出口俊一氏がいるのですが,いくつかの機関に(中略)貴社の名刺などを出して(中略)クレーム活動をしています」(同 3月6日付),また「貴社の名刺がクレームのさいに使われています」(同6日付),さらに翌7日には,通知人のヒノキヤグループ取締役の名刺の画像を添付のうえ,「これはK大学に(中略)出口氏が大学に提出した名刺です。(中略)貴社の名刺などを出してクレームをつけました(中略)貴社の名刺も活用してさまざまなクレーム活動を行っています」(同7日付)と,あたかも通知人が取締役の名刺を使ってクレームに及んでいるかのような事実無根のメールを繰り返し送りつけました。
 それ以降も,貴殿は,現在に至るまで「(通知人が)EM菌批判側へ圧力をかけるのに,そこの取締役の名刺を出す気持ちがわからない」と,通知人がEM批判者に圧力をかけるために取締役の名刺を利用したかのような虚偽のツイート,ブログ掲載を繰り返しています。
 しかしながら,通知人がヒノキヤグループ取締役の名刺を差し出してクレーム活動をしたことは一度もなく,貴殿がヒノキヤグループ本社に宛てたメール内容は全くの虚偽であり,通知人の社会的信用を著しく害するものです。

2 通知人の取締役の名刺に関する実際の経過は以下のとおりです。
  通知人は,神田外語大学の事務局長に対し,飯島明子准教授(以下「飯島准教授」と いいます)のツイート(通知人から「恫喝」の電話が職場にあったという内容)について,大学の広報に電話で飯島准教授の在籍の確認等の問い合わせをしたことが,なぜこのような「職場に恫喝の電話」というツイートが投稿されたのか,その事実関係を確認するため,平成26年12月16日,同大学の広報に事前に電話し,アポを取り訪問しました。そうしたところ,広報担当者と事務局長は,通知人から電話があったことは伝えたが,その電話は「恫喝」という飯島准教授がツイートしている内容ではなく,そのような内容を飯島准教授に伝えた事実もない,と「職場に恫喝の電話」があったことを明確に否定しました。25分あまりの面談の最後に,通知人は,上場会社(東証一部)の社外取締役であるということを初めて明かし,名刺をお見せしました。すると,事務局長自ら(通知人の)名刺をもらってもよろしいですかとの求めがあり,通知人は,これに応じて「ご参考までに」と念を押したうえで名刺を渡したのです。
 しかし,その後,本来個人情報であるはずの名刺が,通知人の了承なく飯島准教授にわたり,さらには貴殿に流れ,貴殿のヒノキヤグループ本社に対する業務妨害にこの名刺が悪用されたのです(このことは個人情報保護法の観点からも重要な問題であると指摘せざるをえません)。
 そのうえ,貴殿のメ一ル送信と相次いで,他の匿名者からも,「出口氏の行為は,単なる苦情ではなく,脅迫にも似た圧力を掛ける行為であり,御社の名刺を出して当該行為を行っていることは御社の名誉を大きく損なう行為であると考えられます(中略)そのような人物を3月末の株主総会において再任する予定とのことですが,これお(ママ)再考し,他のクリーンな人物を社外取締役とするお考えはございませんでしょうか」とのメールが送られ,貴殿が他の者と共謀して通知人への業務妨害行為に及んだことも明らかです。
 したがって,通知人は,貴殿に対して,損害賠償として金100万円及びこれに対する遅延損害金を支払うよう求めるとともに,本書到達後1週間以内にヒノキヤグループ本社に宛てたメールの内容及びブログ等が誤りであったことを謝罪するよう求めます。
 上記期間内に,何らの誠意ある対応がない場合は,法的措置も検討せざるを得ませんので,その旨ご承知おきください。
 なお,本件につきましては,当職らが一切の委任を受けておりますので,今後の連絡は当職ら宛にされますようお願いいたします。
                             以上

 遅くなったが、ぼくなりの誠意ある回答をしておこう。

*まずヒノキヤグループの名刺を出したのが、控訴理由書では「話の途中」、この通知書では「話の終わり」になっている。まあこれはどうでもいいか。

*大学はEM研究機構の人が何度もクレームにという認識のようだ。その人が5枚の名刺を出した。そういう事実が結局はぼくにも回ってきて裁判でも問題にされた。判決で松永教授らとあるのにはこれもふくまれている。

*この通知書を見てもなぜ5枚もの名刺を出したのかぼくには謎のままだ。大学でも客員教授だし大きな会社の取締役だということを自慢したかったのかな? わからん。

*ぼくは出口氏のようなEM菌夢の住宅推進をふくむEM菌推進者、しかも非常に攻撃性をもってEM菌のために活動する人を住宅会社が取締役にする意味がわからないのでぼくの意見をヒノキヤグループに述べた。

*ぼくとは違う人の意見は、ぼくとはまったく無関係だ。その匿名者も大きな問題を感じたのだろう。「ぼくが他の者と共謀」は事実無根である。どこがどう明らかなのか? 勝手に妄想したのは代理人の人らか?

*大学へのクレーム活動のなかで出されたというのは事実だという認識。(なぜ出したかはぼくには謎だが。)

 以上。

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…追記…2019年5月24日 9時に次の内容でヒノキヤWEBサイトで「お問い合わせ」をした。

EM菌推進のDND出口俊一氏代理人(弁護士 第三文明誌に登場していた)からの通知書(3月に来ていた)について拙ブログに入れた。ヒノキヤグループの件で謝罪しろ、100万円払えってあった。今後法的措置とも。
その通知書をふくめて拙ブログなどに入れた。

今でもEM菌擁護者・推進者のDND出口俊一氏が神田外語大にヒノキヤグループ取締役の名刺を出したのは謎だ - 左巻健男&理科の探検’s blog http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/23/164625

DND(+EM研究機構顧問だった)出口俊一氏との裁判 の控訴審判決(左巻健男完全勝利確定) - 左巻健男&理科の探検’s blog http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/23/145104

質問 
*貴社の取締役である出口俊一氏代理人からの「通知書」は貴社が関与していますか?
(通知書の内容は貴社に関することで、ぼくのここでの問い合わせがふくまれています)
*通知書には匿名者の問い合わせがふくまれています。ぼくとは全く無関係ですが通知書では関係があると断じていますが貴社はその根拠をおもちですか?
*ぼくとの控訴審判決で裁判所に判断されたように出口氏はEM菌比嘉照夫氏を信じて記事を書いている人です。重ねて貴社はEM菌の活用やEM菌夢の住宅を推進する考えは今後ともありませんか?
*通知書にあるようにここでの問い合わせがぼくの名前と共に出口氏に渡っています。名前は伏せてもよいと思うのですが、ここでの問い合わせは関係者に実名と一緒に伝えられるのでしょうか?

DND(+EM研究機構顧問だった)出口俊一氏との裁判 の控訴審判決(左巻健男完全勝利確定)

 DND出口俊一氏との裁判は、東京高裁での控訴審判決で左巻健男が完全勝利し、その後出口氏は最高裁に上告したが棄却された。よって、左巻健男の完全勝利が確定した。

 

 その判決で、出口俊一氏はジャーナリストの行動基準を守らないで、

 EM菌比嘉教授の見解を信じる者として,比嘉教授の見解に沿った見解を一方的に伝えているものといえる

 とされた。

 また、

 出口俊一氏は,EMの効果を証明するために記事を書いているといわざるを得ない。

 とされた。

 さらに、

 松永教授らの見解がどのようなものかを真摯に聴き取って記事にするためではなく,松永教授らの見解が誤っているとの前提の下,これを糺すためであったと言わざるを得ない。 

 とされた。

 つまり、出口俊一氏は、ジャーナリストの立場から記事を書いているのではなく、EM菌擁護とEM菌推進のために記事を書いているということだ。

 

控訴審判決から裁判所の判断を一部紹介】

読みやすくするために控訴人→出口俊一氏にした。

また行替え、強調点の太字化や赤字化などもした。

 

*前記のとおり,EMの成分の詳細が不明であり,放射能の除去に資する効用については,放射能の専門家には認められておらず,比嘉教授がうたうその余のEMの効果についても,科学的な根拠及び機序の存在について第三者による検証を十分に経ているとはいえない状況の下,出口俊一氏は,控訴人サイト上に編集長としてEMを擁護する記事をたびたび掲載している。すなわち,朝日新聞記者行動基準(甲44(1枚目))が,「独立と公正」の項目で記者の基本姿勢として,「特定の個人や勢力のために取材・報道をしてはならず,独立性や中立性に疑問を持たれるような行動をとらない。」と定めているところ,出口俊一氏は,ジャーナリストとして,上記行動基準に則らず,比嘉教授の見解を信じる者として,比嘉教授の見解に沿った見解を一方的に伝えているものといえる。

*出口俊一氏人は,原審での本人尋問において,松永論文について,EM潰しの悪しき攻撃が始まったとの印象を持ったと供述し(調書7頁),飯島准教授が,学会でEMを悪徳商法などと批判して,学会でEMの効果はないと発表し,EMを批判するグループは徹底的にいろんな場所でEMの効果はない,問題が大きいと繰り返し言っていると供述し(調書11頁),片瀬が,研究会でEMの効果がないという嘘を発表したと供述しており(調書13頁),しかも,前記1の認定事実(5)ないし(7)のとおり,出口俊一氏は,EMの効用について否定的な見解を持つ松永教授らに対し,面会を求めたり,勤務先に電話をかけるなどしているのであるから,出口俊一氏は,EMの効果を証明するために記事を書いているといわざるを得ない。

*出口俊一氏は,出口俊一氏のDNDサイト上に編集長としてEMを擁護する記事をたびたび掲載しており,そのような立場にある者は,表現の自由との関係で,ある程度の批判や否定的な意見を受けることは,当然に覚悟すべき立場にあるといえる。

出口俊一氏のこれらの供述から,出口俊一氏が松永教授らに対して面会を求めたのは,ジャーナリストとして,取材対象者である松永教授らと直接面会して,松永教授らの見解がどのようなものかを真摯に聴き取って記事にするためではなく,松永教授らの見解が誤っているとの前提の下,これを糺すためであったと言わざるを得ない。したがって,出口俊一氏の上記主張も当を得たものとはいえない。

 

【判決全文】

平成29年2月23日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 ○○○○
平成28年(ネ)第4573号 損害賠償等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所 平成27年(ワ)第8495号)
(口頭弁論終結日 平成28年12月20日

      控   訴   人   出 口 俊 一
      被   控   訴  人  左 巻 健 男

        主  文
     1 本件控訴を棄却する。
     2 控訴費用は控訴人の負担とする。

          事 実 及 び 理 由

 

第1 控訴の趣旨

 

1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,控訴人に対し,1100万円及びこれに対する平成26年12月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被控訴人は,控訴人に対し,原判決別紙1の2,同1の3,同2の2及び同2の3記載の被控訴人が管理するツイッタ一に掲載している各記事を削除せよ。
4 被控訴人は,控訴人に対し,原判決別紙3謝罪広告目録記載の内容の謝罪広告を,原判決別紙4の掲載要領により,披控訴人が管理するウェブサイト(ホームページのアドレスが「http://d.hatena.ne.jp/samakita/」であるもの。)上に掲載せよ。
5 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。

 

第2 事案の概要等

 

1 事案の概要
 本件は,控訴人が,被控訴人がウェブサイト又はツイッター上に掲載した記事が控訴人の名誉感情を侵害し,又は名誉を毀損するものであるとして,被控訴人に対し,①不法行為に基づく損害賠償として1100万円(慰謝料1000万円及び弁護士費用100万円の合計額)及びこれに対する最後に記事が掲載された日(不法行為の最終日)である平成26年12月19日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を,②人格権に基づき,原判決別紙1の2,同1の3,同2の2及び同2の3記載のツイッタ一に掲載されている各記事の削除を,③民法723条に基づく名誉を回復するのに適当な処分として謝罪広告の掲載を,それぞれ求める事案である。
 原審は,控訴人の請求をいずれも棄却した。これに対し,控訴人が本件控訴をした。

2 前提事実は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の「事実及び理由」第2の1に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1)原判決3頁2行目の「原告プログ」を「控訴人サイト」と改め,以下,原判決中「原告プログ」を「控訴人サイト」と読み替える。
(2)原判決3貢2行目の「運営している。」の次に,以下のとおり加える。
 「控訴人サイトでは,学者及び識者ら30余名が連載記事を掲載している。(甲26(2頁),弁論の全趣旨)」
(3)原判決3貢13行目の「被告ブログ」を「被控訴人ブログ」と改め,以下,原判決中「被告ブログ」を「被控訴人プログ」と読み替える。
(4)原判決3頁21行目の「被告ツイッター」を「被控訴ツイッター」と改め,以下,原判決中「被告ツイッター」を「被控訴ツイッター」と読み替える。

3 争点は,原判決の「事実及び理由」第2の2に記載のとおりであるから,これを引用する。
4 争点に関する当事者の主張は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の「事実及び理由」第2の3に記載のと通りであるから,これを引用する。
(1)原判決5頁1行目末尾の次に,以下のとおり加える。
 「控訴人は,ジャーナリストとして事実についての情報を発信し続けている者であり,EMはその取材対象の一つである。控訴人は,EMの研究者ではなく,EMについて独自の科学的見解を持っているわけではない。
 控訴人は,ジャーナリストとして,EMが役立てられている災害現場等に足を運んで取材を行い,国内外でEMの効用が実証されている事実並びに多数の学術機関及び研究機関において,EMの研究が進められ,数多くの国でEMが現実に使用されているという事実に接してきた。控訴人は,このような取材によって得られた事実を自身のブログにメールマガジン(以下「メルマガ」という。)として掲載し続けてきたが,EMの効果を科学的に証明するためではない。ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智教授(以下「大村教授」という。)は,著書において,EMについて,「一農学者によって,化学肥料を使う以前の農業の中にあった人類の智恵が歴史から抜け出し,再び役立とうとしているのである。」と述べており,マサチューセッツ工科大学の正木一郎教授(以下「正木教授」という。)は,国際会議の開会式で,EMの力を示す様々な実例について述べた上で,世界が抱える地球規模の環境問題は,比嘉博士の理論によれば,微生物の効果的な応用によって解決することができると述べている。被控訴人による「真正のおばか」,「嘲笑するしかない超低レベル」等の表現は,批判的意見の範疇を超え,加害の意思をもって,EMに関する肯定的な事実を報道する控訴人の人格そのものを否定するものである。上記表現の記載された平成25年12月記事は,被控訴人ナログに掲載されることにより,世界中の誰もがいつでも閲覧することができる状態となり,被控訴人ツイッタ一に掲載されることにより,多数のフォロワーが閲覧し,リツイートされることにより,際限なく拡散されたものであり,極めて悪質である。」
(2)原判決6頁6行目から7行目にかけての「原告主張摘示事実」を「控訴人主張摘示事実」と改め,以下,原判決中「原告主張摘示事実」を「控訴人主張摘示事実」と読み替える。
(3)原判決6頁7行目から8行目にかけての「被告は,このような事実を摘示したことにより,」を,以下のとおり改める。
 「平成26年10月記事の掲載された被控訴人プログには,「彼がEM批判者の自宅に押しかけたり,所属大学に圧力をかけたりしたのを知り,そこまでやるのは何かあるよね,と,比嘉照夫氏の本やウェブの記事を一生懸命読んでみた。」,「何せ『ヤクザそのもの』という行為をやるわけだから」及び「出口俊一氏は,大学客員教授金沢工業大学客員教授の肩書きを使って,EM批判者らに圧力をかけたりしたことを大学は知っているのだろうか」と記載されており,披控訴人は,控訴人主張摘示事実により,」
(4)原判決8頁2行目の「原告は,」から3行目ないし4行目の「内容ではなかった。また」までを,以下のとおり改める。
 「具体的には,控訴人は,松永教授に確認取材をしたいと考え,函館に到着した後,松永教授に対し,電話で,一緒に食事でもしながらお話できないか。」と外に誘ったが,松永教授は,体調が思わしくなく外出が無理とのことであった。そこで,控訴人は,松永教授の自宅を訪問することにしたが,松永教授は,自宅を訪ねた控訴人を快く迎えてくれた。控訴人は10分程度で引き上げるつもりであったが,松永教授から引き留められて面談時間が25分余りとなった。また,控訴人が,DNDのメルマガで,朝日新聞青森版のEM批判記事を問題にしたところ,片瀬は,控訴人に対し,「事実が違うのは出口氏の方だ」との記事をプログに記載した。
 控訴人は,上記ブログには事実と遣う箇所が散見されたため,片瀬に対し,メールで面会を求めたに過ぎない。さらに,飯島准教授は,学会で行った展示において,EMを悪質商法とし,EMをオウム真理教になぞらえる等の誹謗中傷行為を行っていた。このため,控訴人は,平成26年3月31日,飯島准教授の在籍確認と上記展示についての事実確認のため,神田外語大学の広報課に電話をしたが,わずか2,3分の通話であり,激しく抗議するような内容ではなかった。ところが,その直後から飯島准教授は,ツイッター上で,控訴人から恫喝を受けたとの書込みを繰り返すようになった。そこで,控訴人は,同年12月16日,事実確認のため,神田外語大学の広報課を訪ねたところ,広報担当者は,控訴人が電話で恫喝したなどと飯島准教授に伝えた事実はないと明確に述べた。このようた,松永教授らに対する取材は,通常の取材方法及び態様の範疇に収まるものであり,ヤクザと称されるような不適切なものではなかった。被控訴人は控訴人の取材方法を批判するに際して,「ヤクザそのもの」などという言葉を用いる必要性がないにもかかわらず,あえて「ヤクザそのもの」という言葉を用いて,控訴人のジャーナリストとしての信用を貶めたものである。なお,取材対象者と直接面会することはジャーナリストとして,基本中の基本である。例えば,朝日新聞記者行動基準(甲44)は,「取材方法」の項目において,「出来事の現場を踏み,当事者に直接会って取材することを基本とする。特に,記事で批判の討象とする可能性がある当事者に対しては,極力,直接会って取材する。」と定めている。なお,」
(5)原判決8貢9行目の「さらに,」を,以下のとおり改める。
 「そして,被控訴人は,平成25年11月30日から同年12月1日にかけて日本科学者会議東京支部主催で開催された第17回東京科学シンポジウムにおいて,「ニセ科学問題」という分科会を設置,企画した責任者であった。上記分科会のあり方に疑問を抱いた控訴人が,日本科学者会議事務局に対し,そのような運営方法が学会の運営として望ましいものかどうかを確認して欲しい旨のメールを送ったことを契機として,被控訴人は,控訴人に対し「攻撃的な姿勢を見せるようになった。また,被控訴人が編集長を務める雑誌「理科の探検」に掲載されていた松永教授の論文が,国立研究開発法人科学技術振興機構が運営するサイトにも掲載されていたが,上記機構は,松永教授の論文を削除した。被控訴人は,控訴人の言動により松永教授の論文が削除されたものと考えていた。このように,」
(6)原判決8頁17行目から18行目にかけての「大きな精神的苦痛を受けた。これを慰藉するに足りる金額は1000万円を下らない。」を,以下のとおり改める。
 「著しい精神的打撃を受け,1年半以上.パソコンに向かって原稿を書くことが困難となった。上場企業である株式会社桧家ホールディングスの社外取締役でもある控訴人は,同社の経営陣に対する事情説明及び弁明を余儀なくされ,金沢工業大学准教授であった控訴人は,その職を辞任せざるを得なくなった。被控訴人による控訴人へのあまりにも酷い誹語中傷を目の当たりにした控訴人の妻は体調を崩すに至った。控訴人が受けたこのような精神的苦痛を慰藉するに足りる金額は1000万円を下らない。」

 

3 当裁判所の判断

 

1 当裁判所は,控訴人の請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の「事実及び理由」第3に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1)原判決9頁9行目の「客員教授を努めたことがあった」を「客員教授を勤めたことがあった」と改める。
(2)原判決15頁9行目から10行目にかけての「ある」とはいえない。」の次に,以下のとおり加える。
 「大村教授の著書(甲38(6枚目))には,EMについて触れた部分があるものの,微生物を利用するEM技術の発想が,農業において有意義であることを述べたにとどまるものである。確かに,証拠(甲39の2・3)によれば,正木教授は,EMの効果について,比嘉教授の見解に賛同を示していることが認められるものの,EMの効果として挙げている実例について,自ら科学的に検証しているわけではない。」
(3)原判決15頁22行目末尾の次に,以下のとおり加える。
 「これに対し,控訴人は,EMの研究者ではなく,EMについて独自の科学的見解を持っているわけではなく,ジャーナリストとして事実についての情報を発信し続けている者で即,EMはその取材対象の一つである旨主張する。しかし,前記のとおり,EMの成分の詳細が不明であり,放射能の除去に資する効用については,放射能の専門家には認められておらず,比嘉教授がうたうその余のEMの効果についても,科学的な根拠及び機序の存在について第三者による検証を十分に経ているとはいえない状況の下,控訴人は,控訴人サイト上に編集長としてEMを擁護する記事をたびたび掲載している。すなわち,朝日新聞記者行動基準(甲44(1枚目))が,「独立と公正」の項目で記者の基本姿勢として,「特定の個人や勢力のために取材・報道をしてはならず,独立性や中立性に疑問を持たれるような行動をとらない。」と定めているところ,控訴人は,ジャーナリストとして,上記行動基準に則らず,比嘉教授の見解を信じる者として,比嘉教授の見解に沿った見解を一方的に伝えているものといえる。
 また,控訴人は,ジャーナリストとして,EMが役立てられている災害現場等に足を運んで取材を行い,国内外でEM甲効用が実証されている事実並びに多数の学術機関及び研究機関において,EMの研究が進められ,数多くの国でEMが現実に使用されているという事実に接してきており,このような取材によって得られた事実を控訴人のブログにメルマガとして掲載し続けてきたが,EMの効果を科学的に証明するためではないとも主張する。しかし,控訴人は,原審での本人尋問において,松永論文について,EM潰しの悪しき攻撃が始まったとの印象を持ったと供述し(調書7頁),飯島准教授が,学会でEMを悪徳商法などと批判して,学会でEMの効果はないと発表し,EMを批判するグループは徹底的にいろんな場所でEMの効果はない,問題が大きいと繰り返し言っていると供述し(調書11頁),片瀬が,研究会でEMの効果がないという嘘を発表したと供述しており(調書13頁),しかも,前記1の認定事実(5)ないし(7)のとおり,控訴人は,EMの効用について否定的な見解を持つ松永教授らに対し,面会を求めたり,勤務先に電話をかけるなどしているのであるから,控訴人は,EMの効果を証明するために記事を書いているといわざるを得ない。」
(4)原判決16頁13行目末尾の次に,以下のとおり加える。
 「さらに,控訴人は,控訴人サイト上に編集長としてEMを擁護する記事をたびたび掲載しており,そのような立場にある者は,表現の自由との関係で,ある程度の批判や否定的な意見を受けることは,当然に覚悟すべき立場にあるといえる。」
(5)原判決19頁10行目の「認められる。」の次に,以下のとおり加える。
 「控訴人は,松永教授の自宅を訪問した際,快く取材に応じてもらったと主張し,上記主張に沿う証拠として,そのときの音声データ(甲40の1)を提出し,飯島准教授の勤務する神田外語大学に電話をしたとき,恫喝した事実はないと主張して,上記主張に沿う証拠として,そのときの音声データ(甲43の1)を提出する。しかし,科学的事象について,自己の見解と異なる見解を持つ者に対し,直接面会するという取材方法が問題となる中であって,控訴人の取材のときの態度や物腰が問題となるのではないのであるから,控訴人の上記主張は当を得たものとはいえない。また,控訴人は,取材対象者と直接面会することはジャーナリストとして,基本中の基本である旨主張し,朝日新聞記者行動基準(甲44(1枚目))を証拠として提出する。確かに,社会的事実については,情報を持っている者と面会し,真偽を確認することは意義のあることといえる。しかし,科学的見解については,その見解を有する者と直接面会しても,その見解を科学的に検証したことにはならないのであって,証拠(甲40の1・2)によれば,控訴人は,松永教授と面会したとき,科学者としての知見に基づきEMの効用について否定的な見解を述べる松永教授に対し,明確な科学的根拠を示さずに反駁していることが認められる。さらに,控訴人は,原審での本人尋問において,松永教授について,間違っていると思っても,確認作業は欠かせない,相手がはっきり事実と違うことを言っていても,これはどうなんでしょうかと訪問して聞くのがジャーナリストの取材姿勢である旨供述し(調書8頁),飯島准教授について,EMを批判するグループは,徹底的にいろんな場所でEMの効果がないと繰り返して言っているので,きちっと事実関係を確認する必要があると思って広報に連絡した旨供述し(調書11頁),片瀬について,控訴人の批判記事を書いたので,一方的に人を批判するときは本人に確認を取る必要があることを話そうと思って面談を申し込んだ旨供述する〔調書13頁)。控訴人のこれらの供述から,控訴人が松永教授らに対して面会を求めたのは,ジャーナリストとして,取材対象者である松永教授らと直接面会して,松永教授らの見解がどのようなものかを真摯に聴き取って記事にするためではなく,松永教授らの見解が誤っているとの前提の下,これを糺すためであったと言わざるを得ない。したがって,控訴人の上記主張も当を得たものとはいえない。」
(6)原判決20頁18行目から19行目にかけての「その表現ぶりが辛辣なものではあるが,」を,以下のとおり改める。
 「「ヤクザそのもの」という言葉は,辛辣なものではあるが,前後の文脈から,控訴人が暴力団関係者であると指摘しているのではなく,控訴人が松永教授らに面会を求めるなどしたことが,ジャーナリストとして強引な取材方法であることを表現したにとどまることは明らかであり,」

 

2 結論

 

 以上によれば,控訴人の請求は,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がないからこれらを棄却すべきであるところ,上記判断と同旨の原判決は相当であり,本件控訴は理由がないからこれを棄却することとする。
 よって,主文のとおり判決する。

   東京高等裁判所第10民事部

裁判長裁判官   大   段   亨
裁判官   小   林   元   二
裁判官   松   本   真

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