左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

今、抱えている単行本(左巻健男)

 本を出したい人、出せる力を持っている人は、世にかなりいるのにチャンスがある人はわずかだ。
 幸いなことに、ぼくは出したいと思った本の大部分は出すことができた。だいたいがまあまあ売れた。出すといいな、と思っていた本が出版社から依頼される。これは知的生産者として幸運だ。ウィキペディアに「左巻健男」の項があるのは本を出してきたからだろう。
 今は、いろいろ出した本が頭に浮かぶことがあるが、抱えている仕事群を考えてセーブしている。出版社からの依頼も断ることがある。


 ぼくは幸運だった。若い頃に科学教育研究協議会(科教協)という理科教育の民間研究団体の活動をしていた。そのことが元でだと思うが、大学・研究所の教員・研究員公募に2度応募して2度共最後の2人に残っても駄目だった。当時、科教協の活動をすることは反文部省で思想的に“赤”と受け取られる風潮が理科教育の世界にあったようだ。ぼくは、「現場で理科教育の研究をして、現場に発信しよう!」と思った。
 それで長くやってきたのだが、「そろそろ大学へ」と思ったときに、いわゆる学会の「査読付き論文」はほとんど無く、現場に発信した理科教育の単行本などがあった。そんなぼくでも教授で採用してくれた大学があり、今、3つ目の大学にいる。
 ごく少数にしか読まれない論文より、お金を出して購入して読んでくれる本を書いたほうが世のためになると思っていた。それで大学に採用されないなら、定年まで中高にいればよいと思っていた。
 長く中高の理科教諭として理科授業を楽しんでやってきたおかげで、理科教育の研究も実際的・具体的になっていると思う。
 若い頃に大学の教員になってしまわなかったことが幸運だったと思う。
 科教協であまり若手がいなかったので目立つことになり、教員1年目で月刊雑誌『理科教室』誌の編集委員になった。10年余編集委員をやったことが、今、『RikaTan(理科の探検)』誌の編集長の仕事に活きている。雑誌の編集委員をしていたことで単行本を出す機会もやってきた。
 公立学校から東京大学教育学部附属中・高等学校教諭への転任は、科教協で活動してきたからであろう。
 
 
 さて、抱えている単行本で、もうすぐ終わるのが、
・『新しい科学の教科書』4巻(物化生地)の問題集(監修) 計4冊(文一総合出版
・中学校理科授業本 学年別4巻(学習研究社
・しぜんの教科書 計2冊(文一総合出版
・RikaTanブックス・食べ物系実験(文一総合出版
 次に進んでいるのが、
・中学地学 生物 計2冊
・ジュニア理科年表 物理・化学編(仮題) 1冊(丸善
・RikaTanブックス・理科実験基本の“き”(文一総合出版
 次の次に進んでいるのが、
・『たのしくわかる化学実験事典』の新版(東京書籍)
・自由研究本の監修
 3月以降にに執筆開始しようと思っているのが、
・大人向け中学理科の本
・化学物質
・成分・表示
・超化学入門


 他に、
・温泉の科学
ニセ科学
 をやるかもしれない。
 また、
・モルの化学 監修
 がある。
 「物笑い」になるような内容の本は出したくない。集団的な執筆の本や監修も多いので気をつけようと思う。
 仕事が、まず自分の成長になり、結果的に世の中をよくすることに寄与できればよい。
 ぼくの場合は、「地味」で「地道」でよい。

 http://d.hatena.ne.jp/samakita/20090706/1246847889 (こんな歳まで生きるとは思わなかったよ…)
 に書いたように後4年は年に数冊の本を出せればと思う。まだ出したい本があるから仕事を続ける。もういつ辞めても少し地味に暮らせば無収入でも何とかなるだが。