左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

インドでぼくも考えた(夏が来ると思い出す、詐欺にあった話)

 まず、ぼくのブログ(http://d.hatena.ne.jp/samakita/)からの再録です。


 “昨日、ニューデリーで経験したのは有名な靴磨き詐欺でした。
 4年ぶりのコンノート・プレイス。そこには耳かき屋や靴磨き屋などがいて、10ルピーが10ドルになったりする耳かき屋、素早くウンチを靴に乗っける靴磨き屋がいたりしていたので、今でもいるかなと寄ったのです。靴磨き屋が声をかけてきたので、「ふふふ、いるいる…」とぼくは思いました。しかし、インド初体験のツレは何が何だか分からない状態でキョロキョロしていました。何せ、ひっきりなしにいろいろ話しかける人々がいるのですから。
 6日から13日まではラダックにいましたが、レーの街を歩いても向こうから話しかける人は少なかったです。 
 ツレが「あっ!」と叫びました。彼女の白い靴に草食動物と見られるうんちが乗っかっていました。その瞬間をぼくも彼女も見ていません。
 ぼくの後ろを歩いていた彼女はいいカモに見えたのでしょう。
 ぼくはインド5回目ですが、この経験がありませんでした。
 ツレは草にこすりつけ、さらにテッシュで拭き取りましたが、若干は残っていて「臭い!}と言っていました。そこに靴磨き屋3人組がやってきました。ぼくは彼らの前に立ちはだかり「ノー!」と大声を出しました。彼らはぼくを見て去っていきました。
 「いつ、つけられたかわからなかった…」「まあ、いい経験だよな。相手はインドに慣れていない、キョロキョロしている人を狙うんだよ。『地球の歩き方 インド』09−10には、500ルピーと言われて、100ルピー渡したことが08の事例で載っていたよ。今年はこれからうんがついてくるかもよ。」などと話したのでした。”


 ぼくは、まさかツレが靴磨きにやられるとは思っていませんでした。
 驚いたのは、その次の日に、若い友人が同じ詐欺にあい、靴を磨いて貰っていたのでした。彼は、2度も靴にうんちをつけられ、やっと詐欺だとわかったのです。
 インドはIT産業などで発展著しいのですが、貧富の差は激しく、人口が多いので、こんなつまらない詐欺を働く人たちがいるのです。
他にもさまざまな詐欺があります。英語や日本語で話しかけてくる人たちは、ほとんどが旅行者をカモにしようという輩です。彼らはオドオドしていたり、『地球の歩き方』や『LONELY PLANET』(欧米系の旅ガイドブック)を片手にキョロキョロしている人を狙います。
 映画「スラムドッグミリオネア」にも、タージマハルがあるアグラで旅行者を騙すシーンがあります。
 しかし、一番の詐欺は、この日本で、税金をジャブジャブと無駄遣いし、国民の暮らしや権利よりは大企業のための政治が続いていることではないでしょうか。ぼくは、インドの詐欺師を笑いながら、見えにくい巨大な悪に目を向け、それに怒りを持ちたいと思います。(『RikaTan(理科の探検)』誌2009年10月号掲載の編集長コラム)


*昨年の夏はツレとインドに旅したので、そのときの一コマを書いたのでした。