左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

『起業バカ』で学んで(株)SAMA企画を起業!

 今、編集の最後の段階に来ている『別冊理科の探検(RikaTan)』誌の奥付に次を入れました。(7/2全国書店で発行)


“◎読者の皆さんへ
 現在好評販売中の季刊「理科の探検」(愛称 RikaTan)誌2012夏号(通巻1号)に続いて、別冊「理科の探検」2012 8月号(自由研究号)をお届けします。
 「理科の探検」は、年に、季刊として4号(春夏秋冬)と別冊1あるいは2号を発行して参ります。
 発行元の「株式会社SAMA企画」(左巻恵美子社長)は、RikaTan企画委員の仲間と共に本誌を製作・発行するために設立された会社です。
 販売元の「株式会社文理」は、書店販売の教科書ガイドや学習参考書などを発行している出版社です。
 今後、RikaTan委員の仲間および発行元と販売元が協力し合って、季刊及び別冊「理科の探検」誌を盛り上げていくつもりです。よろしくお願いいたします。”


 株式会社SAMA企画 は、以前から設立しようかと思っていました。
 拙ブログにも「◎会社をつくろうと思ったとき…(さま企画株式会社?)」2010/12/16を書いています。
 http://d.hatena.ne.jp/samakita/20101216/1292494661
 “〜それでも、起業して数年、会社を運営してみるのも人生の挑戦かな、と思う今日この頃である。RikaTan誌を出す発行元にしたり。(^_^) ”


 SAMA企画をつくるときも、つくってからも何度か『起業バカ』を読みました。
 著者は雑誌経営で失敗しているからです。
 そのSAMA企画が発行元になって、ついに季刊および別冊理科の探検(RikaTan)誌を出すことになったのは感慨深いです。SAMA企画では、ぼくは理科の探検誌編集長で、いわば出資者で無給です。実務の大部分は専務がやっています。誤算はツレ(社長)が要介護5の義母の介護にかかりきりになってしまったことです。


 SAMA企画での第1号の季刊理科の探検(RikaTan)誌は、アマゾン雑誌で1週間しないうちに品切れになってしまいました。付録の元素周期表も、本誌の内容も好評です。
 6月3日および4日で朝日新聞に理科の探検誌の広告を出します。これも以下の『起業バカ』から学びました。


 こんな歳になってこんなチャレンジをするようになるとは。
 生きていてよかったです。
 もしかして、近い将来いくらかのお金を損して撤退するかも知れないけど(あるいはお金を儲けてしまうかも)、これは本当に「未知への探究」です。


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◎渡辺仁『起業バカ』光文社から見た雑誌経営。起業ブームに踊らされてすべてを失うサラリーマンが続出。「成功するのは1500人に1人」と表紙にある著者は、雑誌経営に乗り出して「天国と地獄」を経験。

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『起業バカ』: フリーライターを12、3人使い、編集スタッフはフリーを1人雇い、電話番を1人置く。広告代理店は3社を専属で抱えた。これは経費を抑えた雑誌社として最小の態勢である。
 それでも資金は、毎号、600〜700万円ほどかかる。印刷部数は2万部だが、直接原価だけで原稿料・撮影料200万円、デザイン・製作費60万円、印刷関係200万円、編集雑費30万円、雑誌コード使用料50万円といった内訳である。原価をいくら絞っても500万円はかかってしまう。
 そのほか固定費で事務所代、人件費(常勤2名)、通信費、販促費と経費はかさんでいく。これでは新聞広告を打ったり、書店回りに人手をさく余裕など最初からなかった。
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◎株式会社 SAMA企画(季刊『理科の探検』誌の発行元)は、年に5号(春夏秋冬と別冊)を発行予定である。ボランタリーな全国180人のRikaTan委員の仲間に支えられての雑誌経営の予定なので大きく異なります。

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『起業バカ』: 私の事業計画では、実売で1万2000部、広告収入で600万円を上げなければ採算が取れない計算だった。雇われ編集長のとき2万部近く売った実績があったので、「おもしろいものを作れば大丈夫だろう」と踏んでいた。
 しかし、その皮算用は、まったくもって実現できなかった。創刊号こそ600万円近くの広告収入をあげたが、2号以降は惨敗だった。
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◎広告収入はあまり期待していません。起業バカの著者の時代より、今はもっと厳しくなっていると思います。
 とれるものならとりたいですが。

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『起業バカ』: 雑誌経営には編集と営業の2本の柱が絶対必要だ。それを実現するには、2000〜3000万円の資金を調達し、創刊前から勝負をかけなければならなかった。創刊後の広告収入を当てにした私の事業計画が、そもそも無謀だったのである。
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◎営業では文理に期待しています。
 またRikaTan委員として何をして貰ったら効果があるかも考えたいと思います。(毎号1人3冊以上をお願いしているのでそれを売り切って貰ってさらにできるだけ増やして貰う等)

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『起業バカ』: 創刊して動き出すと、編集、営業、制作、読者対策と仕事が押し寄せ、身動きがとれなくなった。時間はアッという間に過ぎた。(隔月だったが)感覚的には月刊誌の発行ペースであり、少なくとももう1人の自分が必要だった。とにもかくにも、人手が足りないのだ。
 とくに、営業の代理店サポートに時間がとられた。それまで広告は「代理店任せで黙っていても入ってくる」と思っていた。だが、もちろんそんなに甘いものではない。結局、創刊時の2カ月間、営業マン4人にそれぞれ付き添い、クライアントを60〜70件廻り、クツ1足を履きつぶしたほどだ。編集長兼社長の仕事は、広告主廻りが絶対欠かせない。
 考えてみれば当たり前だが、編集畑を歩いてきた私にとって「いい雑誌を作れば売れる」といった盲信があった。営業は後からついてくる、との思い上がりがあったのだ。そのうえギリギリの資金で編集も営業も中途半端な態勢だったため、そのシワ寄せが一挙に押し寄せてくることになる。これも当初は予想外のことだった。
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◎確かに編集長(+本務)は大変。知り合いの会社に広告を依頼したりしました。
 夏号で実物ができるので、それをもとに秋号以降は広告をとるための営業を考えなければならないと思っています。

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『起業バカ』: 肝心の事業資金、創業時、国民生活公庫や実家から1000万円ほど調達していた。しかし、その程度の資金で自転車操業もできないことが、後でトコトン思い知らされた。
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◎SAMA企画は事業資金は何とかなると思っています。

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『起業バカ』: スポンサー探しもやってみたが、出版不況の時期だけに失敗した。ある雑誌社との交渉では社長決裁手前までいったが、市場が小さいという理由で断られた。ベンチャー雑誌など何十万部も売れるワケじゃない。一般的には知名度ゼロである。雑誌のプロたちはその点を見抜いていたのかもしれない。
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◎いくつかの出版社と話をしていたことを思い出します。状況は見抜かれていたと思います。

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『起業バカ』: そのときやめておけばよかったのかもしれないが、余裕のない自分に、起業のワナなぞわかるわけがない、あるいはこの「転職への途」を、自ら望んでいたのではないかとも思えてくる。いずれにしても自分でハッキリ説明できない、こころの衝動が「起業」にはあるものだ。
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◎心当たりがあります。(^^;)

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『起業バカ』: ビジネス面から見ると、出版業界は特殊である。たった三人で立ち上げられるし、そんな零細会社がベストセラーで大儲けしたりする。流通もインターネット時代だというのに、1冊ずつ梱包しトラック便で全国書店に送る。そしてどこの誰かもわからない読者を相手にしている予測がつかない「水商売」なのだ。
 そのうえ販売収入は、6カ月後の決済とサイトが長い。「日販」、「トーハン」と2社の巨大取次店(問屋)が半独占的に書店流通を抑えているので、零細雑誌社は資金繰りに泣かされた。だから、雑誌は2カ月サイトの広告収入で食いつなぐしかないのだ。つまり、ヒトとカネをかけなければならない大事な創業期に、片肺飛行で飛ぶ羽目になったのである。
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◎そうだと思います。

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『起業バカ』: 雑誌づくりも、レイアウトなどのデザイン関係はコンピュータ化されているが、記事づくりの現場は人手に掛ったアナログの世界である。マーケティイングなど、まるで関係ない。カンと経験と時間に追われた、出たとこ勝負。売れる特集づくりは、手間ヒマかかる。つまり、雑誌経営は参入障壁は低いが、事業リスクが非常に高いビジネスなのであった。
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◎そうだと思います。