左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

12/1(日)ニセ科学問題分科会の発表時程(東京科学シンポ:中央大学多摩)

【追記】10月6日(日)


 12月1日(日)の分科会発表の時程を考えてみました。(変更の可能性もありますが午前、午後の発表は変更しない予定です。)


【10:00〜10:10】
・開始の挨拶


【10:15〜10:55】
左巻健男「健康系ニセ科学の特徴-「体験談」と「わかりやすい物語」と「科学的装い」」

【11:00〜12:20】
・池上幸江「健康食品・サプリメントの有効性と安全性の科学」
・(アリエナイ理科ノ教科書の)くられ「サプリメントビジネスの舞台裏」


〈昼休み〉12:20〜13:10


【13:10〜13:50】
天羽優子民事訴訟における科学コミュニケーション ニセ科学商法被害回復のために」


【13:55〜15:20】
・清水 隆裕「医師としてのニセ科学への対応」
・大西淳子(医学ジャーナリスト)「科学と医学とニセ科学のあいだ」


【14:25〜16:50】
・呼吸発電(HN)「原発事故とニセ科学
・佐野和美・菊池誠放射線の健康影響に関する非科学的な説の受容と広まりかた」


【16:55〜17:30】
・全体討論
・終わりの挨拶


【参加費千円 非会員も参加自由】


第17回東京科学シンポジウム
理性と希望の平和な時代を拓く
―科学の成果を正しく生かし、真の豊かさを築く―

2013年11月30日(土)〜12月1日(日)

会場:中央大学(多摩キャンパス)


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 左巻健男@法政大学です。

 EMや放射能関連も発表としてほしいと思っています。

 ぼくも発表テーマ全体をみて何を発表するか決めたいと思います。


10/1 22:00現在:

天羽優子民事訴訟における科学コミュニケーション ニセ科学商法被害回復のために」

・池上幸江「健康食品・サプリメントの有効性と安全性の科学」

・(アリエナイ理科ノ教科書の)くられ「サプリメントビジネスの舞台裏」

・清水隆裕「医師としてのニセ科学への対応」

・大西淳子(医学ジャーナリスト)「科学と医学とニセ科学のあいだ」

・呼吸発電(HN)「原発事故とニセ科学

・佐野和美・菊池誠放射線の健康影響に関する非科学的な説の受容と広まりかた」

>12/1のニセ科学問題分科会の発表申し込み→
 http://d.hatena.ne.jp/samakita/20130922/p1


 【各発表の概要】


天羽優子山形大学理学部)「民事訴訟における科学コミュニケーション ニセ科学商法被害回復のために」

 怪しい浄水器・活水器への批判をネット上で続けてきたが、ここ数年既に買って被害に遭った人達の被害回復のための訴訟で意見書を求められることが増えてきた。現状の報告と課題について発表する。


◎池上幸江(J分会)「健康食品・サプリメントの有効性と安全性の科学」

 わが国では一部の許可を受けた食品を除いて、食品に健康効果を表示することは許されていない。しか し、健康食品やサプリメントでは医薬品にしか認められないような宣伝や表示を行ない、利用者も少なくない。これらの多くが示している有効性の根拠や、安全性に関するチェックも不十分である。国民生活センターや地方の自治体などの集計によっても健康被害がみられる。政府機関、自治体、あるいは民間団体等が様々な情報を出して消費者に注意を喚起しているが、恐らく消費者には届いていないと思われ、制度上の改善も必要である。他方、利用者の科学的な視点の欠如がこれらの食品の利用に抑制がかからない状況を生み出していると思われる。本報告では、わが国制度の概要、販売数の多い健康食品等の科学的な評価、消費者への利用上の注意を取り上げたい。


◎くられ(アリエナイ理科ノ教科書数冊)「サプリメントビジネスの舞台裏」

 かつてサプリメントの工場に実際に行ってみたり、登記簿を取りに行ったりした取材をした10年前の話から、去年やたら押しに押していた「ウコン」のテレビ局向けのパンフレットテキストの仕事を受けた話から、サプリメントメーカーがどのようにブームを作りどのような営業戦略をたてているかなどの実情。また明らかにおかしいメーカーの参入など、近年のサプリメント業界の移り変わりや、「売れ筋(笑)」なども考察 日本とアメリカでのサプリメントの取り扱いの違いや、商品の違いなどをレポートしたい。


◎清水 隆裕(社会医療法人敬愛会ちばなクリニック健康管理センター 医長)「医師としてのニセ科学への対応」

 演者は沖縄にある健診専門施設に勤務する健診専門医である。施設利用者において、巷に氾濫する健康情報を鵜呑みにした受診者の健診結果は、ともすると健康にまったく無頓着な人々と同様に悪い場合があり、以前から情報メディアで紹介されるいわゆる「健康情報」をかなり警戒してきた。運動不足・多量飲酒・喫煙があって結果が悪い場合には受診者自身がそれを自覚しており、修正の提言もしやすいが、健康情報を信じているゆえに結果が悪い人々は、自分の行動が健康に良いと信じているだけに、(本当の)専門医による指導にもなかなか耳を貸そうとしない。そこで演者らは、院内のみならず、市町村や教育現場と協力し「情報には2種類ある」すなわち「受ける側にとって価値のある情報」と「流す側にとって価値のある情報」であることを啓発している。そこで今回は、演者の市井や教育現場への介入についてを中心に報告を行いたい。


◎大西淳子(医学ジャーナリスト)「科学と医学とニセ科学のあいだ」

 医療従事者は健康関連ニセ科学商品の広告塔として利用されがちだ。「お医者さんが言うのだから効くだろう」と思う人が多いのは理解できる。が、近年、世界で五指に入る著名な査読付き専門誌に掲載された医師の手による論文、すなわち世界の医学会のお墨付きを得た研究の結果が、データ捏造等の理由により撤回されることが増えている。そうした研究の背景には実はニセ科学と同じ構図が存在する。先日話題になったN社の高血圧治療薬に関する臨床研究、新三種混合ワクチンによる自閉症リスク上昇を示した論文等、いくつか具体例を示し、本物の科学の中に紛れ込んでいる、意図的または非意図的なねじ曲げや、見落とされた大きなバイアス等について紹介する。
人体は超複雑系であり、医学はその他の科学に比べ、ニセ科学と区別しにくいグレーゾーンが広い。ニセ科学を見破る目を持ち、特定の情報を鵜呑みにせず、金銭的、身体的、精神的被害を回避していただきたい。


◎呼吸発電(HN 個人)「原発事故とニセ科学

 私は、福島第一原子力発電所事故直後に起きた、ヒマワリ除染への誤った期待を、ネット上で修正していました。
 福島第一原子力発電所の事故を機に、放射能汚染に対する恐怖と混乱が日本の社会に起きました。
 その一方で、原発事故を利用しようと人たちも現れました。
 ヒマワリ除染を広めようとする人たちの主張の中に、強く印象に残るものがあります。「ヒマワリに除染効果が無くても、一時的な安心を与えるために広める必要がある」と言う意見です。表面的に語られることはありませんが、この様な主張に賛同する人もいました。営利目的で事故を利用しようとする企業も現れました。
 原発事故が、緊急対応を言い訳としての「嘘も方便」を主張しやすくしたとも言えます。この様な主張が、ニセ科学による除染を生みだし、広める下地にもなったと思います。


◎佐野和美((独)国立環境研究所/特別研究員)・菊池誠大阪大学サイバーメディアセンター/教授)「放射線の健康影響に関する非科学的な説の受容と広まりかた」

 東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、放射線の健康影響に関連して非科学的ないしは科学的根拠に乏しいさまざまな説が雑誌やインター ネットを通じて氾濫している。原発事故直後には情報が混乱し、人々の不安が増幅されて、さまざまな誤解が広まった。それによって生じた風評被害や 差別は現在も完全には収まっていない。我々はそういった誤解がどのように受け入れられ、今どの程度信じられているのかを調べる目的で、2013年 4 月に「リスク不安と情報ニーズに関する調査」を実施した。本発表ではその結果を紹介しつつ、放射線の健康影響を巡るニセ科学について考察する。