左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

はるやま、ミズノ、福助・・・「花粉を水に変える新素材」に群がる大企業…『ZAITEN』2018年6月号

 『ZAITEN』2018年6月号(財界展望新社)に、「企業倫理を問う! よくわからない素材 新素材の科学的根拠をわかりやすく説明できるのか はるやま、ミズノ、福助・・・「花粉を水に変える新素材」に群がる大企業」という記事がある。125~127pの3ページ。

 取材を受けたので、記者に「ハイドロ銀チタン」なる素材について、ぼくがわかっている範囲で答えた。

 それで、「法政大学教授で科学ジャーナリスト左巻健男氏」のコメントが載っている。(下に3pのうちの1p目の画像を張っておく。)

 

 ぼくは、すでにこのブログで次の記事を書いている。

花粉を水に変えるマスクハイドロ銀チタン関連■ 

花粉を水に変えるマスク】は100%のニセ科学ではないが…今の状態ではニセ科学と言われてもしょうがないと思う
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/03/25/103608

左巻健男の意見を追加しておきたい。 

  

花粉を水に変えるマスク」根拠論文を批判したら医学部教授から集団訴訟と脅された「騒動」 http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/03/23/102352
*謎が多い信州大医の新藤隆行教授の訴訟云々の行動
*記事に登場する桑満医師や川村弁護士は現在販売中の理科の探検(RikaTan)誌4月号の執筆者です。 

 

誰が「光がなくてもタンパク質を分解する光触媒」を発明したのか?(【花粉を水に変えるマスク】関連)
 http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/03/27/113155

 

 今回のZAITENの記事を読むと、この素材に飛びついた「大手各社」がZAITENの取材依頼や取材にどう答えたかが興味深い。

 

  まず紳士服大手はるやま。会見で「花粉ハラスメント」なる造語まで披露して売り込み。それなのにZAITENの取材依頼には「担当者の伊藤は不在です」と終始不在という子供じみた対応だったという。

  

 続いて靴下を発売するという福助。「決定していますが、情報が先行してしまい、まだ発表していない状態なので…」と。
 
 ワコールはハイドロ銀チタンが信州セラミックスのアースプラスと同じ素材を知っていた。抗菌防臭性で採用。「花粉を水に変える」という表現についてはコメントできる立場にないという答え。
 
 ミズノはDRCから提案を受け採用という。「ハイドロ銀チタンのウェアなら、付着した花粉を分解。花粉の季節でも思いっきり楽しめます」と売りだし。(左巻健男注:鵜呑みにして採用した感じかな。)
 
 帽子とパラソルを開発というムーンバットは「DRCに聞いて下さい」と。
 
 開発元のDRCは、「弊社HPを開示してあるから参照を。その記載の通り」と。(左巻健男注:HPのレベルが低すぎて批判が殺到しているのに…というのがぼくの感想。)
 
 ZAITENの記事は最後に次のように述べて記事を締めくくっている。
 「花粉を水に変える。何とも衝撃的なネーミングではある。しかしその実情の一端が、今回の取材で明らかになったのではないか。つまり、鰯の頭も信心から-。」
 
 ※詳しくは記事を読んでください。

f:id:samakita:20180502113802j:plain

f:id:samakita:20180502130411j:plain