左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

「ヒジキ中のヒ素」をどう考えるか?(ヒジキには発がんリスクの無機ヒ素が多い)

 まず、たまにだが、無知な人がいて、「ヒジキに含まれる人は有機ヒ素で無機ヒ素

でないから安全だ」ということがある。

 

 次はそんな無知な人の例である。この「@howtodominate」はぼくの元友人であるが、今では医師、中国の清華大学教授、中国人民解放軍軍医中佐などを詐称している

ツイッターアカウントである。医師を騙ることを止めるようにと本ブログでも彼の

正体を部分的に明かして警鐘を鳴らしている。興味ある人は検索してほしい。

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 この@howtodominateはヒジキのヒ素の化学形態が有機ヒ素だと思い込んでいる。

 しかし、ヒジキのヒ素はほとんどが無機ヒ素だからこそ問題になっているのだ。

 例えば、2004年7月、英国食品規格庁(FSA)は、ヒジキを食べないように

英国民に対して勧告を出した。

    その理由は、FSAの調査で、ヒジキに発がんリスクの指摘されている無機ヒ素

が多くふくまれているとの結果が得られたためである。

 

 日本ではヒジキをよく食べるので、これに対して、厚生労働省が「Q&A」を公表

している。


 「Q:ヒジキを食べることで、健康上のリスク(危険性)は高まりますか。」への
回答を要約すると、次のようだ。

・日本人のヒジキの一日あたりの摂取量は推定約0.9グラム。

・WHOが1988年に定めた無機ヒ素のは1週あたり1キログラム体重あたり15マイクロ
グラム。体重50キログラムの人の場合、1日あたり1人あたり107マイクログラムに
相当。

・FSAが調査した乾燥品を水戻ししたヒジキ中の無機ヒ素濃度は最大で1キログラ
ムあたり22.7ミリグラムでしたが、仮にこのヒジキを摂食するとしても、毎日4.7グ
ラム以上を継続的に摂取しない限り、WHOの基準を超えることはない。

・海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報告はない。

・ヒジキは食物繊維を豊富に含み、必須ミネラルもふくんでいる。 

 以上から、ヒジキを極端に多く摂取するのではなく、バランスのよい食生活を心が
ければ健康上のリスクが高まることはないと思われる。