左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

トンガ王国に遊びに行った話(22年前のことだが)

 もう22年前のことだが、トンガ王国に遊びに行ったことがある。そのときの話を「マイ文書箱」で見つけた。『子供の科学』誌に書いたもの。

 それを見つけようと思ったのは、河合秀俊『35のエピソードで綴る 素顔のトンガ』文芸社2016を読んだからだ。トンガ、トンガ人の雰囲気が変わっていないと思った。

 

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○大きな大きなトンガが待っている 
 「よし、トンガ王国へ行くぞ!」
 ぼくは、この冬にトンガ王国に行くことを決意した。一緒に行くのは、後藤富治さん(当時、自由の森学園教諭)だ。
 南太平洋の島〃、青い海、大きな人たち、ゆったりと流れる時間‥‥‥。ぼくはトンガ王国にそんな想像をした。
 まわりの人に「トンガ王国に行くよ」と言ったら、返ってきた反応は、「ほら、前にトンガから来ていたお相撲さんいたじゃない? みんな体大きいんだよね。ラグビーでも来てるよね」「トンガの王様は、時々日本に来るよ。すごい大きい人だよ」さすが、トンガ=大きい人、ということは知れわたっているようだ。トンガの王様(ツポイ4世)は、身長2メートル、体重200キログラム以上だ。
 ぼくだって、1メートル80センチに、90キログラムだ。「左巻さん、トンガ人になっちゃうんじゃない?」とか言われながら、日本を出発したのが12月24日のこと。日本からは直接便はないのでフィジーに寄ってからトンガ入りするのだ。フィジーまでの飛行機はビーチ(浜辺)でマリンスポーツでもやって冬休みを過ごそうとする人々でいっぱいだった。「こんなに乗っているんだから、トンガまで行く人も何十人かいるよね」と後藤さんと話したものだ。
 しかしだ。トンガ行きの飛行機には、ぼくたち2人以外に日本人は3人しかいない。全部で10人くらいしか乗客はいないのだ。
 「むむ、トンガはひょっとしたら秘境なのかもしれん」と思った。でも、ぼくらは何の心配もしていなかった。トンガには、日本で理科の教員をしていて、青年海外協力隊の隊員の山田京子さんという強力な助っ人がいるのだ。山田さんは、トンガのババウハイスクールという学校で教えて1年以上たっているから、トンガの生活のすみずみまで知っているはずである。ぼくらは、山田さんの援助でトンガの村の生活を体験するつもりなのだ。
 ぼくらが乗った飛行機は、トンガの首都ヌクアロファがあるトンガタプ島へと降下していった。トンガタプ島はまっ平らで、椰子の木が林立していた。それらの椰子の林を空から見ると、まるでゼニゴケのようだった。(これ、わかるかな?)

トンガ王国とは? 
 ここで、トンガ王国のことをちょっと紹介しておこう。
 トンガ王国は、南太平洋の中ほどにあるたくさんの島が集まった国である。島の数は約150個を数える。このうち人が住むのは36個。住民は、主に農耕で生活をしている。
    全部あわせた面積697平方キロメートル(日本の対馬と大体同じ)。大きな島はトンガタプ、ハアパイ、ババウである。人口は約12万人。その8割近くは首都があるトンガタプに住んでいる。
 お金の単位はトンガドルで、1トンガドルが大体100円である。
 言葉は、トンガ語と英語。
 英語教育には大変力を入れている。小学校から勉強している。

○いつでも誰でも“こんにちわ!”  
 トンガタプの飛行場に降り立ったぼくたちを待っていたのは、強い太陽光線だが、ふきわたる風のすがすがしさだった。日本は冬でも、ここは南半球。今、夏真っ盛りなのだ。
 首都ヌクアロファを歩いた。みんな明るい顔をしている。数年前、インドで「お金をくれ」と叫んでまとわりつく子どもたちや乞食さんを見たが、ここではそんなことはまったく無い。何の心配もないかのような幸せいっぱいという顔をしている人ばかりだ。
 ぼくらにも「マロエレレイ!(こんにちわ!)」と挨拶してくれる。見ていると、誰もが道ですれ違えば挨拶しているのだ。ぼくらも挨拶するのが当たり前になった。
 かつてトンガに3度立ち寄ったキャプテン・クックが島民の親切に感謝して「フレンドリィアイランド」(親切いっぱいの島)と呼んだが、きっと今でもそのままでいるんだろう。
 ぼくらは、これからのトンガ生活に期待をもった。実際、ワクワクドキドキの生活が待っていたのだ。

○日曜日は、仕事をしても遊んでもダメ 
 さすが首都。車が多い。それもほとんど日本車だ。日本の会社名などが入ったままの車である。
 日曜日は、働いたり遊んだりしてはいけない、という命令が王様から出ているそうだ。
 「まさか!」と思ったが、本当に、日曜日は人々は働いていないのだった。前日の土曜日、あんなにも海で泳いだり、貝などを採っていたのに、誰もいないのだ。
 日曜日は、ほとんどの人は、着飾って教会に行っている。教会は、村の社交場だ。村では立派な建物は教会と決まっている。生活費をけちっても、教会には寄付するからだ。日曜日の教会からは、賛美歌の合唱がひびいている。トンガ人の合唱ときたら「すごい!」の一言につきる。近くだと思って、声のする方に歩いていくと、10分もかかるところだったりする。
 ときどき、荷台に鈴なりになったトラックが目の前を通り過ぎる。大きな声で合唱しながらだ。トンガの学校には「音楽」の授業はないのに教会できたえられているのだ。

○何でも“サイペ” 
 トンガタプの観光は、1日もあれば終わってしまう。本当のトンガ生活を知ろうと思えば、離島のババウに行かなければならない。
 山田さんが予約してくれているはずなので、ババウ行きのチケットを買いにエアラインの事務所に行った。(山田さんは、ニュージーランドに研修に行っていて、不在。)それが、いくらコンピューターをたたいても名前が入っていないという(そのコンピューターもあやしい)。山田さんの名前も入っていないのだ。これは、困った。ぼくたちが予定している飛行機はいっぱいだという。何回も交渉して、いっぱいのハズのチケットがとれた。いったいどうなっているのか?
 夜、山田さんがやって来た。今日までのことを話すと、おもしろいトンガ語を教えてくれた。“サイペ”である。「悩むことなんて無いよ。何も問題ないよ」という意味である。
 ぼくらにとって飛行機のチケットのことは大問題だったが、トンガ人にとっては“サイペ”である。それからというもの問題がおこっても、ぼくらも“サイペ”と言うことにした。その後、この言葉を何回も言ったり、聞いたりすることになった。

○ババウでの生活 
 18人乗りという小さな飛行機でババウに向かった。窓からは、真っ青な南太平洋の海が見える。所々無人島やリーフが見える。海の青と緑、島のまわりに打ち寄せる波の白さなど息を飲む美しさだ。
 ババウ空港は、本当に小さい。滑走路に小さな建物があるだけだ。
 ババウには船でも行ける。元は長崎や広島で使われていたという船だ。船だと、「トンガ人は、酔っても、食べて飲むので、滝のように吐く。それも自分の足元に。船が傾くとそれらが他のお客の足元に押し寄せる。」と聞かされた。それを聞いたら「船も体験してみたいな」と思った。もう一つ、山田さんの家での夕食でピラフを作った。使った油にはゴキブリが2匹浮いていた。日本でなら「げー」もの。しかし、みんな、平気で食べる。昼食後は昼寝をする習慣ができてしまったし心がトンガ的になってきているのだろうか。
 ババウで会った日本人の旅人が足を見せてくれた。だいぶ良くなったと言っていたが、彼の足にはブツブツがたくさんできていた。熱をもっていて足が重いという。ダニにやられたらしい。
 それから旅人の足元を見るくせがついた。
 高級ホテルに泊まっている白人の足も、赤くブツブツと盛り上がっていた。「ぼくらは、ああはなりたくないな」と後藤さんと顔を見合わせた。ぼくらは、清潔な山田さんの家にいそうろうしていたので、何ともなかった。

○トンガのごちそう 
 トンガのごちそうはウム料理と言って、穴を掘って、そこで石を焼き、バナナの葉でつつんだイモや野菜、子豚などを入れ、葉と土でカバーしてつくる蒸し焼き料理だ。
 ぼくは、初めて子豚の丸焼きを食べた。皮はぱりっとしている。皮の内側は白い脂肪層でおおわれている。トンガでは、豚は、放し飼いだ。そこらじゅうにいる。日本では“豚”は“のろま”の代名詞だが、トンガの豚の走るのがはやいこと!(ついでにいうと鶏も空をとぶ感じ。)ごちそうを前にして、あの豚たちのことを思い出したのだ。

○ホームスティ
 さあ、トンガ生活の本番はこれからだ。さらに小さな島にわたり、電気もない村でホームスティするのだ。
 ババウでもトンガの離島なのだが、そこからさらに小さな島にわたることにした。船着場に島に行く船を探しに行く。買い出しなど来ている船を見つけるのだ。交渉成立して出発。
 山田さんが言うには、ホームスティする家は、その村で二番目に貧しい家だという。
  トンガの家は、高床式だ。ホームスティの家は部屋は3つに仕切られていたが、家具らしきものはない。大きなトランクが1つあって、そこに衣類やシーツなどが入れてあるのだ。家はたしかに貧しそうだ。それにちょっと衛生的ではなさそうだった。何しろ家に鶏が入ってくる。庭には豚がかけまわっている。
 雨の日など、豚が床下に来て床を支えている柱をスリスリするので、家全体がゆれるという。
 ぼくらが恐れたのは、ダニ、ノミである。かゆい赤いブツブツを想像してしまったのである。
 たしかに、この家では伝統的なトンガの生活が体験できそうである。
 居間(?)に静かにおばあさんとおじいさんがすわっている。やさしそうである。
 夕食はタロイモ、サツマイモ、豚肉。ぼくらのために、豚さんが1匹犠牲になったのだろうか。夕食は、おいしいとは言えなかったが、食べられないほどではない。トンガのごちそうと言われるシピ(羊のあばら肉)なんかよりずっとおいしい。シピは、ニュージーランドでは捨てている肉で、トンガがハリケーン(台風)でやられたとき援助物質として入ってきてから、トンガの生活に根をおろしてしまったもの。
 この家は村のたまり場になっているようで青年たちが集まってきて歓談。
 しかし、彼らの生活を見ていると、「おい、もっと働けよ!」とどなりたくなる。ぼくらは、まだまだトンガ人にはなりきれていないのだ。涼しいうちはバレーボールをやり、日中は昼寝をし、夜は集まってだべっている。
 雨がふったとき、その家は雨漏りをしていたのだが、誰も修理しようとはしない。ぼくらが、彼らが仕事をしているのを見たのは、夕刻、数分間、豚にココナツを割ってあげていたことくらいである。

○トンガでは貧しくとも食うには困らない。
 ブッシュに入れば食べ物はある。ファミリィ(家族というよりは、もっと広く親戚といった感じ)にたよれば食うぐらいは何とかなる。ここには飢えはないのだ。一生懸命仕事をするという考えはないらしい。また、失業率も高く仕事がないということもあるだろう。しかし、一生懸命仕事をするのを馬鹿にする風潮もあるようだ。

○ついに何かにやられた! 
 ぼくらの寝る場所を見た。万年床のようだ。全体がしっとりしている。風の通りが悪く、むし暑くてなかなか寝つかれなかった。蚊が耳元でうなりをあげる。タオルで顔をおおって寝た。
 朝、おきて布団のシーツをみると点々と黒いものがある。ノミのふん?
 何か所か蚊に刺されてかゆい。蚊ではない跡も何か所か。特に首の回りが帯状に真っ赤になっている。泣きたくなるほどかゆい。ついにやられたのだ。
 朝食は、小麦粉と砂糖を混ぜたものを豚の油であげたもの。きっとごちそうなのだろう。しかし、食はあまりすすまなかった。
 また恐怖の夜がきた。
 今度は、布団の上ではなく、板の間に寝る。
 首の回りがかゆく、眠れない。ノミのはねる音らしきものがする。時計をみると少ししか針は進んでいない。眠れないのはつらい。寝返りを打ちながら、時間が進むのを待つ。
 朝おきて、ぼくは「かゆいよー」と泣きそうな声を出すと、ババウに帰る船をさがしてくれた。
 子どもたちとの交流、美しいビーチでの泳ぎなど楽しいこともあったが、やっぱり悲惨なホームスティがやっと終わったのだ。
 ババウでも村でホームスティをしたが、こときの教訓をいかしたのでダニに少しやられたくらいですんだ。

○本当にフレンドリィなトンガ人たち 
 ぼくらがトンガでやったことは、トンガ生活体験の他にシュノーケリングイカつり、途中果物を採りながら食べながらのピクニックなどだ。そこで感じたことはトンガ人は、本当に親切だということだ。車で通りかかった人は、車を止めて「乗ってけ!」と言ってくれる。旅にはトラブルがつきものだが(旅は英語でトラベル。トラブルと親戚)、ぼくらも“サイペ”と言って、いつも笑顔でいることにしよう。

26日発売!『RikaTan(理科の探検)』誌2018年12月号・特集「簡単!! おもしろ科学遊び」

通巻35号2018年12月号が明日10月26日に発売されます。定価1440円(税込)です。

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↑10/26読売新聞、10/29毎日新聞広告。

 

今月の特集は「簡単!! おもしろ科学遊び」です。
簡単で面白い工作や実験から、やや手の込んだ作りがいのある工作まで37本が勢ぞろい。きっとこれは初めてというものがあるし、見たことがあるものの中にも、新しい工夫になるほどと納得していただけるものが多いのではと自負しています。

 

書店で見つけられない方は割引価格で購入できる年間購読をご利用ください。1冊だけでも購入できます。お申込み方法は下記サイトを参照ください:
http://d.hatena.ne.jp/samakita/
RikaTanサポートサイトで過去の目次が閲覧できます:http://rikatan.com/index

 

記事内容:
特集 簡単!! おもしろ科学遊び
特集について                     左巻 健男
飲み終わりのウイスキーボトルで青い炎         長戸 基
二重の虹の作り方と原理を考えるための実験       夏目 雄平
飲み物の色変わり                   橋本 頼仁
アメ玉でシュリーレン現象               夏目 雄平
  ~スクリーンも照明具系も自作しよう~
簡単にできる3D画像 -赤青メガネで立体視-     大島 修
光でお絵かき                     田崎 真理子
  蓄光シートと紫外線LEDを使って暗闇で光る絵をかこう
水に入れると模様が変わるコップ            富田 香
  水と空気のコラボで光のイリュージョン
偏光板でいろいろな色を楽しもう            井上 貫之
1000連発シャボンランチャー              山崎 詩郎
  「青空サイエンス」の十八番
スマート! 永久コマ ~弛張型発振回路の利用~    上橋 智恵
静電気モーター                    上橋 智恵
ぶつからない車                    上橋 智恵
13種類のおもちゃの科学コマ              山崎 詩郎
ドーナツ膜やねじれた膜 双曲面やメビウスなどのシャボン膜
                          車田 浩道
真っ黒タマゴが銀色に                 井上 貫之
偏光シートマジック                  舩田 優
水中で燃える花火                   長戸 基
牛乳パックパズル「うらかえせる」           舩田 優
空飛ぶプラスチックコップ マグヌスコップを飛ばそう  月僧 秀弥
燃えてフワッと浮き上がるティーバッグ         藤本 将宏
うごきを楽しむ 俵ころがし              田崎 真理子
カタカタキツツキ                   田崎 真理子
押すと浮く浮沈子                   横須賀 篤
不器用でも楽しめる 現代版ガリガリとんぼ       富田 香
磁石がクルクル? 磁石でクルクル!           富田 香
接触でまわる磁石おもちゃ              横須賀 篤
まわり灯篭                      横須賀 篤
四角い鏡で丸い光?                  井上 貫之
ぺーパークラフトで立体錯視図形をつくろう       小波 秀雄
一瞬で絵が変わる「変身キューブ」           車田 浩道
ゴム手袋ホーン                    車田 浩道
肺モデル  ~身近なものをつかって作ろう~       高山 康
斜めに立つ空き缶                   藤本 将宏
ダンシングスネーク  ~声でヘビを操ろう~       月僧 秀弥
紅茶を入れた容器を振ると紅茶が透明に         横須賀 篤
  -イソジンの還元反応-
磁石にくっつく硬貨ってあるのかな?          船田 智史
カオス水車を作ってみよう               シ

連載  
【自然に親しむ】  
 はれ ときどきカメ in 但東 【第11回】       林本 ひろみ
 ニッポン野生生物リサーチ戦隊            里中 遊歩
   【第三十二話】絶滅哺乳動物に馳せる想い
 空をとことん楽しもう! 第17回 お蔵入り?の名前② 岩槻 秀明
 Rikatanプラネタリウム               小野 夏子☆
   ~アルゴ船 4つの星座に分けました~
 Sense of the Universe 第25回 銀河鉄道に乗って(下)大西 浩次
 日本棚田紀行                    夏目 雄平
   第5回 白米(しろよね)<石川県 輪島市>
 タンポポを訪ね歩く カントウタンポポ        保谷 彰彦

【実験・工作】
 ちょい悪オヤジのこだわり実験            青野 裕幸
   第10回 ミツバチの巣の原料は何だ?
 工作教室の舞台裏 第19回 静電気           福武 剛

【うんちく】  
 話題の動物たち                   今泉 忠明
  第32回 アマミノクロウサギが棲むもう一つの島…徳之島
 海と私たちの生活 第5回 東京湾と向き合う      桝本 輝樹
 日常でつかうアルゴリズム                         シ
   第4回 トレードオフの解決アルゴリズム-単体法-
 生きものたちの最新ニュース             保谷 彰彦
   第4回 イソギンチャク・サンゴ・クラゲ
 たのしい理科と自然の小話
  「依存症」                   左巻 惠美子

【科学360度】  
 カガクをプロデュースしよう            さかさパンダ
 数多あるもう一つの未来-SFが予言した世界-
   第32回 猫の王権                大西 光代
 妄想似非科学  #31 でっち上げSNS         佐藤 実
 教えて!黒ラブ教授!               黒ラブ教授
  笑いと科学コミュニババババケーションヽ(´ ▽ `)/ 

【マンガ・アニメ・映画と科学】-科学とフィクションと私たちと-
 はたらく細胞 やけに専門的なのに楽しい      安居 光國
 「ゴールデンカムイ」に描かれた気高き北の大地の気候風土
                     大西 光代・大西 晴夏

【中学入試をたのしもう】  
 物理・化学   中学入試に出る温泉        蔵之上 義史
 生物・地学   海陸風季節風          玉野 真路

【エッセイ・まんが】  
 はいまん彩                    川端 一生
 編集長エッセイ                  左巻 健夫

 RikaTan読書室                  稲山 ますみ
 RikaTan広場               井上 秀喜/森垣 良平

 

おしどりマコ氏がEM菌イベントに呼ばれてEM菌は土壌や腸内環境に有効と…

おしどりマコ氏は放射線放射脳問題について非科学的な態度も見られていたが、EM菌応援もしていた。そこで、次の記事の抜粋をあげておこう。

さすがにEM菌が放射能を除去することは否定したようだが、他は効果があると述べたとのこと。
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おしどりマコ氏のEM菌応援:1年半前の投稿が出されたので問題性を述べておこう
http://d.hatena.ne.jp/samakita/20170306/p3
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2015年にEM菌宣伝映画の会があり、そこに「おしどり ♀マコリーヌ‏ @makomelo」という芸人が呼ばれて参加していたのでそれを、当時、問題にした。


すると、彼女は、

“2015年9月15日
EMイベントは「私はEMに肯定的なことは発言できないので参加できない」と言うとその発言でもいい、一度映画を観てほしい、ということで参加しました。そしてやはり否定的な発言をしました。”
ということで少しやりとりをした記憶がある。


なるほど、EM菌側はEMの万能性の一部に対して否定的な発言をする芸人を呼んだのだから、なかなか包容力がある。
いつもの批判者には様々な方法で圧力をかけてきた姿勢とは違う。
EM菌側は宣伝映画を見て貰えれば自分たちに賛成の発言をしてくれるだろうと期待したのだろうか。
その当時、その会に参加した人の感想などを探した記憶がある。
参加者の多くはEM菌信者が多かったろう。彼女はEMで放射能除染はできないと発言したと述べていた。
その宣伝映画はそれもできるといううたい文句のはずだ。彼女の発言には大きな反響があったはずだ。
それなのに彼女がいうにはEM菌に否定的な発言をしたのだから反発の感想があってもいいと思ったのだ。しかし見つからなかった。
きっと動画や録音などの記録があるに違いない。
彼女もきっとその記録をもっているだろう。
彼女がその発言部分をしっかり公開してくれればといいと思う。

おしどりマコ氏は、
“EMイベントに参加…。私は土壌や腸内環境に有用微生物が有効ということは納得するが放射性物質を除去できるとは思わない、と会で発言したのですが?”
を出している。

 

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ぼくは、EM菌がそれに有効という根拠は?
ぼくはニセ科学と思う。

土壌については日本土壌肥料学会の調査結果を見ることだ。
(参考→農業資材としてのEM(EM菌)への農学者の批判 
http://d.hatena.ne.jp/samakita/20170320 )


腸内環境については清涼飲料水EMXゴールドの宣伝を真に受けたのか?
あるいはEM菌を飲むことを推薦か?


EM菌宣伝のイベントに呼ばれて参加して、「土壌や腸内環境に有用微生物が有効に納得」とニセ科学を持ち上げてきたことが大きな問題だと思う。


いくら中退とは言え、生命科学を少しかじったことがある人としては、このような形でニセ科学を持ち上げるのはまずいと言っておこう。

 

なお、おしどりマコ氏は共産党支持者。

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10月2日に発売!左巻健男編著『図解 もっと身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』明日香出版社

既刊の 左巻健男編著『図解 身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』明日香出版社 は好評販売中!

 

次の番組でも取り上げられた。

 

出川哲朗のアイ・アム・スタディー日テレ180414 左巻健男出演
家電製品のしくみの科学をやさしく簡単に解説!
https://www.youtube.com/watch?v=wyxtGWU8XRk

 

いま、今週金曜日(2018年9月14日)に印刷所に入稿で編集作業が進んでいるのが、次の本だ。

 

左巻健男編著『図解 もっと身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』明日香出版社

 

【前書き】

 

 読者のみなさんへ


 本書は、次のような人たちに向けて書きました。

・理科(科学)は苦手だが、興味はある!
・身のまわりにあふれる製品のしくみを知りたい!
・身のまわりの科学をやさしく学びたい!

 私たちは毎日、起きて、さまざまな活動をして、寝る、という
生活を送っています。
 私たちが生きていくためには、最低限食べ物と、水と空気(酸
素)が必要です。さらに快適に生きるためには衣服や住まいも必
要です。それだけではなく、生活を、もっとゆたかに、もっと快
適に、そしてもっと安全にするためにさまざまな科学・技術の成
果を使っています。
 しかし、それらの科学・技術は、私たちにとって当たり前のも
のになってしまい、そのしくみなどはわからなくても、スイッチ
を入れれば使えるようなものになっています。

 本書は、そんな身のまわりにあふれる「科学」について、何が
科学的に正しくて本当はまちがっているのかや、製品の中でブラ
ックボックスになってしまっていることについて、できるだけや
さしく「科学の目」で見てみたい、と企画されました。

 本書の姉妹書は、すでに出版されて大好評だった『図解 身近に
あふれる「科学」が3 時間でわかる本』です。
 多くの反響の中で、「もっと知りたいことがある」「続編が読み
たい」とのお声をいただき、それならばとテーマをあげてみたら、
「これは“ もっと” おもしろいぞ」ということで、本書を出すこ
とになったのです。ぜひ2 冊合わせてお読みください。

 執筆者は、雑誌『RikaTan(理科の探検)』誌委員の有志です。
小学校、中学校、高等学校、大学の教員で、みな「科学リテラシ
ー」を育てるにはどうしたらいいかという問題意識をもっていま
す。科学リテラシーとは、ひと言でいえば「一人前の大人ならだ
れもがもつべき科学の常識」といえるでしょう。
 本書は私たちが考える科学リテラシーとはどういうものかを具
体化したものです。
 ぜひ、一緒に身のまわりを「科学の目」でぐるっと見回してみ
ましょう。

 最後になりますが、「理科が苦手」の代表として、また最初の
読者として、労多い編集作業を遂行していただいた明日香出版社
編集の田中裕也さんにお礼を申し上げます。

                     編著者 左巻健男

 

【目次】

 第1章 『食品・健康』にあふれる科学

01 健康食品・サプリは本当に体にいいの?
02 「化学調味料は体によくない」はウソ?
03 「アルカリ性食品は体にいい」はウソ?
04 コーヒーに角砂糖2個でどのくらい肥る?
05 コーラを飲むと骨が溶けるって本当?
06 しょう油を飲みすぎると死ぬって本当?
07 ダイエットをすると寿命が短くなる?
08 「サプリを飲むだけでやせる」にはカラクリがある?
09 たばこを吸うと肺がんになるって本当?
10 こげを食べるとがんになるって本当?
11 お酒を飲みすぎるとDNAを傷つける?
12 「美肌の湯」と「美人の湯」は何がちがうの?

第2章 『キッチン』にあふれる科学

13 浄水器はどうやって水をきれいにしている?
14 ペットボトルの「ペット」って何?
15 アルミ箔はなぜ表と裏で色がちがうの?
16 保冷剤のしくみはどうなっているの?
17 なぜラップは簡単にくっつくの?
18 水まわりに強いステンレス素材はすでにさびている?
19 セラミックス製の包丁は金属包丁と何がちがうの?

第3章 『風呂・掃除・洗濯』にあふれる科学

20 消臭剤と芳香剤は何がちがうの?
21 リンス・コンディショナー・トリートメントのちがいは何?
22 お風呂の栓を開けると渦は左巻きになる?
23 洗剤はどの汚れに何を使ったら効果があるの?
24 トイレのお掃除ブラシは下水道に匹敵する汚染レベルだった?
25 ワックスがけとフロアコーティングのちがいは何?

第4章 『家電・明かり・光』にあふれる科学

26 「吸引力の変わらない掃除機」はなぜ吸引力が落ちないの?
27 上下どっちのスイッチでもON/OFFできるのはなぜ?
28 パソコンに必ずついてるUSBって何?
29 蛍光灯が光るしくみはオーロラと同じ?
30 暗くても光る「蓄光塗料」はどんなしくみなの?
31 LED電球は蛍光灯の何個分長持ちする?
32 なぜ空は青く、夕日は赤いの?

第5章 『快適生活』にあふれる科学

33 形状記憶ブラのしくみはどうなっている?
34 形態安定シャツは普通のシャツと何がちがうの?
35 静電気は服の組み合わせしだいで軽減できる?
36 使い捨てカイロはどうやって熱が出るの?
37 すぐに温かくなる駅弁のしくみはどうなっている?
38 なぜ私たちの身のまわりはガラスだらけなの?
39 目に見えない人感センサはどうやって人を検知するの?

第6章 『安全生活』にあふれる科学

40 ガスのにおいとスカンクのおならの主成分は同じ?
41 天ぷら火災にはなぜ水をかけてはいけないの?
42 ダイヤモンドは火事になると燃えてしまう?
43 消火器で消火できるしくみはどうなっている?
44 地震予知は本当にできるの?
45 携帯電話の電波に危険はないの?

第7章 『先端技術』にあふれる科学

46 ロケットとミサイルが飛ぶしくみは同じ?
47 生き物がヒントになった技術革新がたくさんある?
48 放射能放射線のちがいって何?
49 電気自動車や燃料電池車の課題と普及のカギはどこにある?
50 自動運転車はどんなしくみで走るの?
51 リニアモーターカーが動くしくみは電子シェーバーと同じ?
52 AI(人工知能)に危険はないの?
53 人間はAIに仕事を奪われてしまうの?
54 iPS細胞って何?
55 iPS細胞で期待される再生医療って何?

 

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『RikaTan(理科の探検)』誌2018年10月号(カルト オカルト)の入手法

【SAMA企画】(発行所)への注文

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【ネット書店】への注文

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楽天ブックス
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→#BookBeyond
 https://bpub.jp/bookbeyond/item/000458129363

 

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特集 カルト・オカルト ~あなたに忍びよるトンデモ! ! ~
RikaTan (理科の探検) 2018年10月号

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RikaTan(理科の探検)、Amazon 売れ筋ランキング: 3位!(本 > 雑誌 > 科学・テクノロジー > 一般科学)

 

いま(2018年8月28日10時)見たら、 ニュートン子供の科学に次いで三位!
RikaTan (理科の探検) 2018年10月号

特集 カルト・オカルト ~あなたに忍びよるトンデモ! ! ~

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『ヘンな本大全 ツッコまずにはいられない愛すべき奇書150冊』洋泉社2015に紹介の理科の探検(RikaTan)誌

 理科の探検(RikaTan)誌は『ヘンな本大全 ツッコまずにはいられない愛すべき奇書150冊』洋泉社2015の「知られざる専門誌の世界」に紹介されている。

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 以下は引用。

 

『理科の探検』(SAMA企画)。こちらはジャンルを問わず、毎号、理系のあらゆるテーマを取り上げる。
 2014年冬号の特集は「雲、雷、台風に迫る!」。ページデザインは学校の教科書のようだが、雪の結晶の撮影方法や諏訪湖御神渡りの仕組み解説など、内容には興味をそそられる。テレビで気象予報士が披露する〝お天気豆知識〟のようなイメージだ。
 さらに「圧力を実感しよう!」という特集では、鋭針がびっしりの剣山に裸足で立つなど、なかなかにアグレッシブ。
 この「身をもって自然科学を探究する」姿勢が他の類誌と明確な一線を画しているのだ。

 

“観る・知る・遊ぶ”をテーマに、理科の楽しさを実験ベースで体感できる。読者層は理科教師から、ちょっと背伸びした小中学生まで。とっつきにくい理科のイメージを一新、旬の話題をわかりやすく解説してくれる。編集長は法政大学教職課程センター教授。

8月26日の読売・北海道新聞に広告掲載。RikaTan (理科の探検) 2018年10月号 特集 カルト・オカルト ~ あなたに忍びよるトンデモ! ! ~

RikaTan (理科の探検) 2018年10月号 特集 カルト・オカルト ~ あなたに忍びよるトンデモ! ! ~
8月26日の読売・北海道新聞に広告掲載。
ぜひ書店で雑誌の実物を見てください。書店にない場合はネット書店で。

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目次は↓
20180825 8月25日発売!RikaTan (理科の探検) 2018年10月号 特集 カルト・オカルト ~ あなたに忍びよるトンデモ! ! ~
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/08/25/070205

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8/26 8:44 Amazon 売れ筋ランキング:
15位 ─ 本 > 科学・テクノロジー > 科学読み物
784位 ─ 本 > 雑誌

8月25日発売!RikaTan (理科の探検) 2018年10月号 特集 カルト・オカルト ~ あなたに忍びよるトンデモ! ! ~

本日発売!
本屋で実物を見てください!

RikaTan (理科の探検) 2018年10月号
特集 カルト・オカルト ~ あなたに忍びよるトンデモ! ! ~
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【目次】
【特集 カルト オカルト ~あなたに忍びよるトンデモ!!~】

本号の特集について      左巻 健男
科学とオカルト-再興の歴史を探る  桝本 輝樹
幻覚を科学する 「 幽体離脱」は超常体験か?  小波 秀雄
TOSS( 教育技術法則化運動) 向山洋一氏がはまったオカルト~ EM 菌・水からの伝言・トンデモ「波動」~    左巻 健男
故関英男氏のトンデモ「縦波重力波」説  ~こんなトンデモ説に依拠するEM 菌 比嘉照夫氏~        左巻 健男
手かざし治療師に そのパワーがないことを明らかにした9 歳の少女   左巻 健男
話題の地震予知は本物かトンデモか   上川 瀬名
世紀末二大宗教事件遭遇記 伝統仏教僧侶が見た、聴いた、感じた、考えた          福賴 宏隆
プラセボ、ノセボ 切っても切れない心と身体の関係        小波 秀雄
ジェームズ・ランディのデバンキング プロジェクト・アルファとカルロス事件        高橋 昌一郎
幸福の科学のオカルト教育の実態 幸福の科学学園と偽大学「HSU」   藤倉 善郎
オウム真理教事件 ニセ科学と科学が混在したマッドサイエンス集団   藤倉 善郎
愛されたペテン師 霊能者・宜保愛子騒動   藤倉 善郎
願望が歪めた現実 「奇跡の詩人」騒動 とは何だったのか  鈴木 エイト
ミイラ化遺体が生きている? 成田ミイラ事件のライフスペース   藤倉 善郎
パナウェーブ研究所の白装束騒動 面白おかしいワイドショー報道の後に死者を出したカルト集団        藤倉 善郎
法の華三法行霊感商法事件 教祖は出所後、反省もなく宗教を再開   藤倉 善郎
擬似医療による難病少女死亡 次世紀ファーム研究所( 真光元神社) 真光元事件        鈴木 エイト
反省なきカルト教団 統一教会( 統一協会) 霊感商法事件   鈴木 エイト

【観察・実験・ものづくり】

針金アメンボ   さかさパンダ
まぶしく輝く蛍光ペン  坂根 弦太
氷と食塩で、ジュースが見る間にシャーベット!  田崎 真理子
 
【連 載】

はれときどきカメ in 但東  林本さんの実家のまわりのなかまたち【第10 回】      林本 ひろみ
空をとことん楽しもう! 第16 回 お蔵入り?の名前①  岩槻 秀明
ニッポン野生生物リサーチ戦隊【第三十一話】 ホンドテンのうんち  里中 遊歩
話題の動物たち 第31 回 アカギツネ……タヌキのように都市部へ進出の前触れか  今泉 忠明
日本棚田紀行~リカタン的ベストテン~ 第4 回 神在居(かんざいこ)<高知県>  夏目 雄平
カガクをプロデュースしよう        さかさパンダ
温泉へGO! 第7 回 群馬中部篇  藤牧 朗
タンポポを訪ね歩く  雑種タンポポ  保谷 彰彦
はいまん彩                川端 一生
ちょい悪オヤジのこだわり実験 第9 回 害虫扱いの虫をお手本に  青野 裕幸
Sense of the Universe 第24 回 わたしたちは星の子   大西 浩次
RikaTan プラネタリウム   ~北極星大研究~     小野 夏子☆
妄想似非科学 #30  記憶力増強に、ボケ防止に、ダイレクトに効く!頭がよくなるサプリ        佐藤 実
海と私たちの生活  第4 回 海は二酸化炭素の吸収源  二酸化炭素吸収に伴う深刻な問題ー 海洋酸性化          一色 健司
【マンガ・アニメ・映画と科学】~ 地球外知的生命体とのファーストコンタクト ~      藤木 文彦
【マンガ・アニメ・映画と科学】 「レイトン ミステリー探偵社」と “ ひらめき”の科学  大西 光代・大西 晴夏
生き物たちの最新ニュース  第3 回 トカゲ     保谷 彰彦
日常でつかうアルゴリズム カーナビのアルゴリズム -ダイクストラ法-   シ
中学入試を楽しもう(物理・化学)  中学入試に出る燃料電池   蔵之上 義史
中学入試を楽しもう(生物・地学) 恐竜を分類してみよう     玉野 真路
数多あるもう一つの未来-SFが予言した世界ー  第31 回 ブレイン・レース  大西 光代
工作教室の舞台裏  第18 回 プロペラ飛行機      福武 剛
編集長エッセイ    左巻 健男
RikaTan 読書室      稲山 ますみ
RikaTan 広場    井上 秀喜 / 森垣 良平
委員一覧         

ペットボトル「逃げない水素水36」を凍結乾燥した水素水粉末だって!

「水素水」はただの水!? 国民生活センターが衝撃調査 メーカー側に反論聞いてみたら…(3/3ページ) - 産経ニュース
https://www.sankei.com/life/news/170123/lif1701230029-n3.html … @Sankei_newsさんから
*最後にぼくのコメントがあった!

法政大の左巻健男教授(理科教育)は「飲むことで取り込める水素は微量に過ぎず、体に及ぼす影響はほとんどないといっていい。水素水は『あらゆる病気に効く』とか『アンチエイジングに効く』などと言って売られているが、健康効果に関する医学的根拠はない。水素水はいうならば『清涼飲料水』だ。こうした点を認識した上で、購入するかどうかだ」と指摘している。”

 

開封時、水素ガスが検出されなかったとされた「逃げない水素水36」(500ミリリットル)。」
*逃げないどころか初めから水素が無い。会社は、体内に入ると水素が出る、開封後2日目に出るというが…。

 


その「逃げない水素水36」を凍結乾燥して粉末化したものが発売されたって。原材料を見ると水素が無い。水素を包含しているというのだから水素が無いのは可笑しい。原材料を変質させた水素化マグネシウムでも添加しているのだろう。今までだと精製岩塩なんてのを変質させているものがあった。

 

https://patents.google.com/patent/JP4881472B1/ja
https://www.okunagaragawa.jp/wp/suisosui36/
特許を見るともともとは電気分解によってできた水素を希釈して水素水にしていますから水素の量はごくわずかですね。国民生活センターで検出できなかった程度。
ペットボトル水素水とそれを凍結乾燥(! www)したものはきっと全然別物と思います。

 

水素水を考えるときは、自分の大腸内で大量につくっている水素と比べよう。

“実は、大腸には水素産生菌がいて、水素を多量に産生しています。おならの1,2割は水素なのです。大腸内の腸内細菌によって発生するガスは毎日7~10リットルもあります。その成分で最も多いのは水素です。一部はおならとして外部に出ますが大部分は体内に吸収されて血液循環に乗っていきます。その中の水素は水素水から摂取する水素量と比べてはるかに多量です。

 


 国立健康・栄養研究所の水素水の概要にも“水素分子(水素ガス)は腸内細菌によって体内でも産生されており、その産生量は食物繊維などの摂取によって高まるとの報告がある。従って、市販の多様な水素水の製品を摂取した水素分子の効果については、体内で産生されている量も考慮すべきとの考え方がある。”との指摘があります。もし水素に効果があるとした研究結果が出ても、水素水から微量の水素を摂取するより、水素産生が多くなる食べ物を摂取したほうがいいのではないでしょうか。”

金川貴博『ありがとう、微生物たち 生命を育み水を浄化する』東洋書店2013を読んだ!

 金川貴博『ありがとう、微生物たち 生命を育み水を浄化する』東洋書店2013を読んだ。
 現在友人たちと執筆中の微生物本の参考に読んだが、非常に役だった。微生物本というと、腸内細菌の役割をかなりオーバーにえがいたり、怪しげな善玉菌・悪玉菌・日和見菌の話になっていたりするが、本書はクールに自然界の微生物の役割とその利用について、研究手法も含めて書いてくれている。
 以下は抜粋的だが、心しておきたいことである。

 

 「微生物を使った排水処理にしても、環境中で微生物が普通に行っていることを、ちょっとした工夫で私たちが利用しているだけである」と。
 そのへんにいる微生物が当たり前にやっていることなのだ。

 本書によると「優秀な微生物を売る商売は成り立たない」。
 本当に優秀なら1階導入すれば繁殖して永久に使えるから商売の機会は一回だけ。特別な場合を除いて微生物を売るのは商売として成り立たない。
 定期的に微生物を入れなければならないというのはどこかが変だ。しか微生物の商売人がずいぶんいる。環境分野で売られている微生物の効果が科学的に実証されているものはほとんどない。

 以前ある微生物集団がブームになった。環境中に存在する普通の微生物集団がもつすばらしい能力は一般にあまり知られていないので、その微生物集団の信者になってしまう。
 科学的に検証するとそれがとくに優秀ということではない。
 「水を浄化するすばらしい微生物集団なのでそれを培養してそのまま川に投入したい」などと話が出たりするが、川に有機物と栄養塩類を投入して水質を悪化させる行為である。川が汚れているとき外から余計な微生物集団を加えて解決することなどおよそ考えられない。

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金川貴博(かながわ たかひろ)

【現職】京都学園大学 バイオ環境学部 バイオ環境デザイン学科 バイオマス高度化利用研究室 教授
【略歴】京都大学大学院農学研究科修士課程を修了。
 通産省 工業技術院 微生物工業技術研究所 主任研究官、通産省 生命工学工業技術研究所 複合微生物研究室長、東京工業大学大学院教授(生命理工学研究科)、(独)産業技術総合研究所 複合微生物研究グループ長などを経て、現職 農学博士(京都大学

【現在の研究内容】
 1.微生物を利用したバイオマスの有効利用
 2.DNA解析技術の開発と応用
 3.複合微生物系の解析

【過去の研究】
 1.廃水処理、排ガス処理、生ごみ処理技術の開発。汚染地下水/土壌の処理(バイオレメディエーション)。
 2.複合微生物系の解析、特に廃水処理施設の菌相解析や、特定菌の定量
 3.複合微生物系を解析するための分子生物学的な新規手法の開発。
 4.開発した新規手法(特定のDNAやRNAの検出・定量手法)の応用(遺伝子組換え作物の混入率の測定、SNP解析など)。
 5.組換え微生物の開放系利用における安全性評価手法の開発

左巻健男の【本を書く生活】近況~大丈夫かな、やりきれるかな~ 

 今俺は何をしているのかなと取り組んでいる本のことをまとめてみた。

 

 今年既に出ているのは4冊。
・編著で〈超・図解〉 身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本 (明日香出版社)
・共編著で授業をつくる! 最新小学校理科教育法(学文社
・3人共著で図解 身近にあふれる「生き物」が3時間でわかる本 (明日香出版社)
・単著で面白くて眠れなくなる物理パズル(PHP

 

 今年未だ出ていないがもう書いてある本は単著の理科授業本と編著の科学啓蒙本の2冊。今にゲラが出てくるだろう。

 

 これから年内に書く本は単著の新書2冊、編著の中学生物・地学本、微生物本、共編著の理科教育法本、監修編著の中学化学、物理、地学本の8冊だったが、昨日編著(共著者3人)の植物本もつけ加わった。これらは来年本になるだろう。
 でも大丈夫かな。やりきれるかな。

 
 ということで今日も微生物本の担当テーマの執筆をする。

 
 
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コメ

試験も含めて自宅でeラーニングで受講できる教員免許状更新講習~左巻健男は初等理科の講師~

 左巻健男は、初等理科についてeラーニング講師をしています。以下をご覧ください。この更新講習は試験も含めて自宅で受講できます。
 初等理科は小学校だけではなく中高校でも小学校の理科の内容がわかるので、中高理科教員にも役立つと思います。

☆自宅で受講・自宅で試験・1講習から受講可能☆


教育工学研究協議会 教員免許状更新講習 eラーニング講習
http://sainou.or.jp/e-learning/


良くわかる。初等理科実験支援 6時間
http://sainou.or.jp/e-learning/course/04.html 

 

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北海道ぶらり旅(2018年8月 左巻健男)その1~その5を記事にした

北海道ぶらり旅(2018年8月 左巻健男)その1~JR北海道&東日本パスで2日目に函館へ~ - 左巻健男&理科の探検’s blog http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/08/12/000000

 

北海道ぶらり旅(2018年8月 左巻健男)その2~電動アシスト自転車でぐるっと小樽港~ - 左巻健男&理科の探検’s blog http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/08/13/000000

 

北海道ぶらり旅(2018年8月 左巻健男)その3~当麻鍾乳洞、塩別つるつる温泉、北見の龍巳ホルモン~ - 左巻健男&理科の探検’s blog http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/08/14/000000

 

北海道ぶらり旅(2018年8月 左巻健男)その4~ワッカ原生花園をサイクリング~ - 左巻健男&理科の探検’s blog

http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/08/15/000000

 

海道ぶらり旅(2018年8月 左巻健男)その5~博物館網走監獄はよかった!~ - 左巻健男&理科の探検’s blog

http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/08/16/000000

 

8月25日(土)発売! 特集:カルト オカルト ~あなたに忍びよるトンデモ!!~(理科の探検(RikaTan)誌2018年10月号)

8月25日(土)全国の書店・ネット書店で発売! 電子書籍もあります!

 

以下が内容です。

 

【特集 カルト オカルト ~あなたに忍びよるトンデモ!!~】

本号の特集について      左巻 健男
科学とオカルト-再興の歴史を探る  桝本 輝樹
幻覚を科学する 「 幽体離脱」は超常体験か?  小波 秀雄
TOSS( 教育技術法則化運動) 向山洋一氏がはまったオカルト~ EM 菌・水からの伝言・トンデモ「波動」~    左巻 健男
故関英男氏のトンデモ「縦波重力波」説  ~こんなトンデモ説に依拠するEM 菌 比嘉照夫氏~        左巻 健男
手かざし治療師に そのパワーがないことを明らかにした9 歳の少女   左巻 健男
話題の地震予知は本物かトンデモか   上川 瀬名
世紀末二大宗教事件遭遇記 伝統仏教僧侶が見た、聴いた、感じた、考えた          福賴 宏隆
プラセボ、ノセボ 切っても切れない心と身体の関係        小波 秀雄
ジェームズ・ランディのデバンキング プロジェクト・アルファとカルロス事件        高橋 昌一郎
幸福の科学のオカルト教育の実態 幸福の科学学園と偽大学「HSU」   藤倉 善郎
オウム真理教事件 ニセ科学と科学が混在したマッドサイエンス集団   藤倉 善郎
愛されたペテン師 霊能者・宜保愛子騒動   藤倉 善郎
願望が歪めた現実 「奇跡の詩人」騒動 とは何だったのか  鈴木 エイト
ミイラ化遺体が生きている? 成田ミイラ事件のライフスペース   藤倉 善郎
パナウェーブ研究所の白装束騒動 面白おかしいワイドショー報道の後に死者を出したカルト集団        藤倉 善郎
法の華三法行霊感商法事件 教祖は出所後、反省もなく宗教を再開   藤倉 善郎
擬似医療による難病少女死亡 次世紀ファーム研究所( 真光元神社) 真光元事件        鈴木 エイト
反省なきカルト教団 統一教会( 統一協会) 霊感商法事件   鈴木 エイト

【観察・実験・ものづくり】

針金アメンボ   さかさパンダ
まぶしく輝く蛍光ペン  坂根 弦太
氷と食塩で、ジュースが見る間にシャーベット!  田崎 真理子
 
【連 載】

はれときどきカメ in 但東  林本さんの実家のまわりのなかまたち【第10 回】      林本 ひろみ
空をとことん楽しもう! 第16 回 お蔵入り?の名前①  岩槻 秀明
ニッポン野生生物リサーチ戦隊【第三十一話】 ホンドテンのうんち  里中 遊歩
話題の動物たち 第31 回 アカギツネ……タヌキのように都市部へ進出の前触れか  今泉 忠明
日本棚田紀行~リカタン的ベストテン~ 第4 回 神在居(かんざいこ)<高知県>  夏目 雄平
カガクをプロデュースしよう        さかさパンダ
温泉へGO! 第7 回 群馬中部篇  藤牧 朗
タンポポを訪ね歩く  雑種タンポポ  保谷 彰彦
はいまん彩                川端 一生
ちょい悪オヤジのこだわり実験 第9 回 害虫扱いの虫をお手本に  青野 裕幸
Sense of the Universe 第24 回 わたしたちは星の子   大西 浩次
RikaTan プラネタリウム   ~北極星大研究~     小野 夏子☆
妄想似非科学 #30  記憶力増強に、ボケ防止に、ダイレクトに効く!頭がよくなるサプリ        佐藤 実
海と私たちの生活  第4 回 海は二酸化炭素の吸収源  二酸化炭素吸収に伴う深刻な問題ー 海洋酸性化          一色 健司
【マンガ・アニメ・映画と科学】~ 地球外知的生命体とのファーストコンタクト ~      藤木 文彦
【マンガ・アニメ・映画と科学】 「レイトン ミステリー探偵社」と “ ひらめき”の科学  大西 光代・大西 晴夏
生き物たちの最新ニュース  第3 回 トカゲ     保谷 彰彦
日常でつかうアルゴリズム カーナビのアルゴリズム -ダイクストラ法-   シ
中学入試を楽しもう(物理・化学)  中学入試に出る燃料電池   蔵之上 義史
中学入試を楽しもう(生物・地学) 恐竜を分類してみよう     玉野 真路
数多あるもう一つの未来-SFが予言した世界ー  第31 回 ブレイン・レース  大西 光代
工作教室の舞台裏  第18 回 プロペラ飛行機      福武 剛
編集長エッセイ    左巻 健男
RikaTan 読書室      稲山 ますみ
RikaTan 広場    井上 秀喜 / 森垣 良平
委員一覧                    

 

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