左巻健男編著『図解 身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本』明日香出版社
¥1512 (左巻健男 青野裕幸 児玉一八 桝本輝樹 横内正 齊藤宏之)

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【内容例】
・体臭はどうやって発生するの?
・お肌を洗いすぎるのは美肌に悪い?
・がまんしたおならはどこへいく?
・納豆の旨味と粘りはどこから生まれるの?
・おにぎりは素手で握ると危険?
・風邪とインフルエンザの違いは何?
・ピロリ菌には世界人口の半分が感染している?

【目次】
第1章 「微生物」ってどんな生物なの?
第2章 人間と一緒にくらす「常在菌」
第3章 「おいしい食品」をつくる微生物
第4章 「分解者」としての微生物
第5章 「食中毒」を起こす微生物
第6章 「病気」を起こす微生物

 

【前書き】

本書は、次のような人たちに向けて書きました。

・身のまわりにあふれる微生物について知りたい!
・図鑑的な解説ではなく、私たちとその微生物の関係の中で役立つ知識、おもしろ知識を知りたい!


細菌や菌類(カビやキノコ)、ウイルスなどのとても小さなミクロの生命たち。
肉眼で見えるものもありますが、多くは顕微鏡やさらに高倍率な電子顕微鏡でしか姿を見ることはできません。
微生物と聞くと「ばい菌、カビ、ウイルス」を思い浮かべ、食中毒や感染症を引き起こすことから「怖い! 」「不気味! 」と思う人がいるかもしれません。
たしかに食中毒や感染症は人間と微生物の不幸な関係ですが、人間と微生物の関係はそれがすべてではありません。
自然界では有機物を分解して地球環境を美しく保ってくれています。
微生物なくして自然の生態系は成り立ちません。
微生物が活躍しておいしい食べ物や飲み物がつくられたり、病気を引き起こす細菌をやっつける抗生物質がつくられたりしています。

人類は未だ微生物の世界の全貌をとらえてはいません。
よく微生物を調べるために綿棒をこすりつけて採取したものをシャーレの中ので培養して、出現したコロニーから「ここにこんな微生物がいる! 」という映像を見ることがあります。
しかし、その方法で見られるのは採取したほんの一部です。
土の中の微生物でさえ採取した100個のうち1つが生えるかどうかといいます。
現在、微生物のDNAを抽出してそれを大幅に増やして次世代シーケンサーという機器で解析する方法があらわれて、たとえば、私たちの体にすみついている微生物の種類や数が桁違いに多かったことがわかってきました。
私たちの体をつくる細胞約37兆個よりも、私たちの体にいる微生物の数のほうがはるかに多いと考えられています。

本書は微生物について「あれもこれも」ではなく「これだけは」という内容に絞って展開しました。
本書がみなさんと微生物の出会いのきっかけになったら嬉しいです。