左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

【NMRパイプテクターは効果がない!】by公益財団法人日本技術士会千葉県支部

「NMRパイプテクターが効果のない製品であるという見解を出した公益財団法人日本技術士会千葉県支部の文書,日本システム企画は誹謗中傷だから削除されたというデマを流していますが,文書そのものは否定されていません。こちらからダウンロードできますので活用してください。」by小波秀雄さん。

 

「NMRパイプテクター」の効果についての見解書
公益社団法人日本技術士会千葉県支部 技術者教育支援チーム
https://drive.google.com/…/1YT5Bm0eK3b46aH8Fe-r5YiA7Iu…/view

 

まとめ
磁石だけが使用されているこの装置では、赤錆を減少させる有用な効果は生じないと考えられる。また、この磁石で生じると主張する「電磁波が厚さ数 mm の鉄管壁を通過する」ような高エネルギーを持つということには根拠がない。なお、誤認する人もいるようだが、特許登録や諸機関への製品登録は効果を証明するものではない。

 

日本システム企画株式会社からの「NMRパイプテクター」についてのインチキ・嘘情報

【日本システム企画株式会社からのインチキ情報】

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http://www.jspkk.co.jp/pt_201909.html

が、日本システム企画株式会社サイトにあった。

そちらからの東京地裁への仮処分申し立ててでプロバイダのロリポップからRikaTanサイトが一時非表示にされたことは事実だ。

 

そして表示が復活したとき、RikaTanサイトからの小波秀雄執筆記事「謎水装置NMRパイプテクターに翻弄される人々」への無料ダウンロードのリンクが切られていたのは事実だ。

 

しかし、記事「謎水装置NMRパイプテクターに翻弄される人々」は削除されていない。
なぜそんな嘘をつくのか?
製品がインチキだからか?


http://rikatan.com/

には、冒頭にそのリンク切れの経緯の一部を載せている。

是非一読してください。

 

日本システム企画株式会社は、NMRパイプテクターについて科学的に検討した記事を書いた天羽優子山形大学准教授や小波秀雄京都女子大学名誉教授らと堂々と科学的根拠を元にして議論しないで、非常に姑息な方法で批判を潰そうとしているように思える。

 

小波記事を載せた『RikaTan(理科の探検)』誌はAmazonなどで電子書籍で購入できるし、紙版のバックナンバーも発行所の株式会社SAMA企画にある。

再度言うが、

記事「謎水装置NMRパイプテクターに翻弄される人々」

は削除されていない。

つまり、日本システム企画株式会社サイトにある文言は「NMRパイプテクター」についてのインチキ・嘘情報だ。

左巻健男本の8月の増刷(『図解 身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本』明日香出版社等)

 左巻健男編著『図解 身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』、『図解 身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本』明日香出版社が各34000部、25000部になった。

*10月にある明日香出版社著者大会で3点(以上の2冊+カラー版超図解微生物)の表彰があるとのことw。

 監修書『理科の謎、きちんと説明できますか?』PHPは今月中に出る。
 いま出版社に単著『理科教科書 昭和から平成へ』、単著『学校に入り込むニセ科学』、編著『科学のオモテウラ事典』の3冊が行っていて、鋭意編集中だ。

>9/5のFB左巻健男の一部:
 今日は、拙著の重版決定の連絡が来た。
 これはPHP文庫版にもなっているので合わせると5万何千部かになる。
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ご著書『面白くて眠れなくなる物理』の17刷重版が決まりました。
17刷は2000部 累計38000部となります。
9/19出来(奥付日10/3)です。
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◎マンション管理組合はよく考えよう!◎*NMRパイプテクター

マンション管理組合はよく考えよう!◎
*NMRパイプテクター
ツイッター: https://twitter.com/samakikaku/status/1168673136944005120

 

弁護士 川村哲二 〈覚え書き〉
*赤さび防止効果に関する日本技術士会千葉県支部の見解書
http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-bf4b51.html
*NMRパイプテクターはどうかな♡の話。続編。
http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-5f1a4c.html
マンション管理組合はよく考えよう!◎

 

「謎水事件」日本システム企画社のNMRパイプテクター問題
by I_Yamamoto

https://medium.com/@kirik/%E8%AC%8E%E6%B0%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E4%BC%81%E7%94%BB%E7%A4%BE%E3%81%AEnmr%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%86%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%95%8F%E9%A1%8C-af827aa93ca6 

 

小波秀雄さんの『RikaTan(理科の探検)』誌記事など。


「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々
http://konamih.sakura.ne.jp/Documents/PipeTec_Rikatan2019.pdf

NMR パイプテクターについて
https://drive.google.com/file/d/1n9dvDh4_tOFFPeR97vI2T_Ad8ilPH0wC/view 

 

プロバイダの【ロリポップ!】にRikaTanの目次から小波秀雄「「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々」などを削除せよと要求される

 『RikaTan(理科の探検)』誌の読者サポートサイトがプロバイダの【ロリポップ!】によって非表示になって見られません。

 

 日本システム企画が東京地裁へ「人格権」で訴えたからと、プロバイダの【ロリポップ!】にRikaTanの目次から小波秀雄「「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々」などを削除せよ、その記事をダウンロードできるとの紹介を削除せよと要求しているようです。
 

 【ロリポップ!】とやり取り中ですが、こちらが「削除しない、裁判所の決定が出たら従うから表示にしてください」と言っても、【ロリポップ!】は、こちらが当該部分を削除しなければ非表示のままにすると言います。


 それで『RikaTan(理科の探検)』誌の読者サポートサイト全体が見られなくなっています。

 RikaTan読者サポートサイト全体を非表示にしてそれを人質に取るような形で対応を迫るのは【ロリポップ!】は顧客を大事にしているとは到底思えません。

 だいたい、裁判所がNMRパイプテクター側の言うとおりの決定を出すとも思えません。目次から「「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々」というテーマ名を削除したら、『RikaTan(理科の探検)』誌2019年4月号の紹介は成立しません。


その経緯→https://www.facebook.com/samakitakeo/posts/2657712664259606

 

小波さんの記事が読める!】  

小波秀雄さんが『RikaTan(理科の探検)』誌2019年4月号「特集:ニセ科学を斬る!ファイナル」に書いた記事が公開されています。

2019年5月4日
NMRパイプテクターの批判記事を公開します
http://konamih.sakura.ne.jp/blog/2019/05/04/nmr%e3%83%91%e3%82%a4%e3%83%97%e3%83%86%e3%82%af%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%81%ae%e9%9d%9e%e7%a7%91%e5%ad%a6%e7%9a%84%e3%81%aa%e6%ad%a3%e4%bd%93/

山本一郎さんが小波さんの記事も全文含めて、次で問題にしています。
「謎水事件」日本システム企画社のNMRパイプテクター問題 by I_Yamamoto
https://link.medium.com/0FYTvQbGEZ

 

【追記】2019/09/05

RikaTan読者サポートサイト http://rikatan.com/ が見えるようになりました。

ただし、

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*社会的ニーズが高いと要望がありましたコンテンツを無料で提供しています。
「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々←クリックでpdfファイルがダウンロードできます

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で、小波記事のPDFはダウンロードできなくなっています。

それに対して、ぼくは怒りをもっています。

『RikaTan(理科の探検)』誌バックナンバーの特別販売中!【(株)SAMA企画】

『RikaTan(理科の探検)』誌2019年4月号「ニセ科学を斬る!ファイナル」など
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13冊を超えた分は1冊当たり770円。冊数ごとに以下のようになります。
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※26冊…2万円 27冊…2万770円 28冊…2万1540円 29冊…2万2310円 30冊…2万3080円 31冊…2万3850円 32冊…2万4620円 33冊…2万5390円 34冊…2万6160円 35冊…2万6930円 36冊…2万7700円 37冊…2万8470円
※ただし14号につきましては、在庫無しのため、残念ながら提供できません。

■発行元「SAMA企画』からバックナンバーを13冊以上ご購入の先着50名様には、「丸ごと自由研究号」3号(通巻2・7・16号)の全記録が入ったDVD(3000円相当)を贈呈します。注文時に「自由研究DVD希望」と入れてください。
■バックナンバー9冊で7500円、13冊で10000円の特別販売もご利用下さい。13冊以上お申込いただきますと単価は770円になります。
■バックナンバー1~2冊の単価は1400円、3~5冊の単価は1200円、6~8冊の単価は1000円、9~12冊の単価は835円にサービスさせていただきます。税・送料は不要です(込みです)。

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●<メールによるお申込>
SAMA企画(samakikaku@rika.org)に、件名を「RikaTan購読申込み」とし、本文に「郵便番号/住所/氏名(ふりがな)/電話番号/メールアドレス/御希望の号」をご記入下さい。
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●お電話やFAXでのご注文も承っております。
どちらも番号は「03・6317-5056」です
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■各号の特集
通巻1号 2012夏号】(付録:大判のきれいな周期表)特集1 元素周期表の世界 特集2 根本から知ろう 細胞とDNA
通巻2号 2012別冊】丸ごと自由研究号 おすすめ42テーマ
通巻3号 2012秋号】特集1 おうちの電気がわかる! 特集2 身近な動物学
通巻4号 2012冬号】特集 地球からの贈り物 鉱物の魅力
通巻5号 2013春号】特集1 光と色の不思議 特集2 身近な植物のくらし
通巻6号 2013夏号】特集1 身近でやさしい解剖 特集2 水をめぐる科学とくらし
通巻7号 2013別冊】丸ごと自由研究2号 おすすめ39テーマ
通巻8号 2013秋号】特集 見上げてみよう!星空の世界 もっと知りたい!宇宙の不思議
通巻9号 2013冬号】特集1バチッ!静電気の不思議を体験しよう 特集2グラッ!知っておきたい地震活断層
通巻10号 2014春号】特集 ニセ科学を斬る!
通巻11号 2014夏号】特集 夏だ!リアル理科探検に行こう 自然を観る知る遊ぶ旅
通巻12号 2014秋号】特集 身近な化学きれいな化学 “ばけがく’’入門
通巻13号 2014冬号】特集1 雲、雷、台風に迫る! 特集2 圧力を実感しよう!
通巻14号 2015春号】(在庫無し)特集  ニセ科学を斬る!リターンズ
通巻15号 2015夏号】特集 食べ物のふしぎ おいしい理科
通巻16号 2015丸ごと自由研究3号】探検!発見?必見!! 時間別・年齢別で選べる47テーマ
通巻17号 2015秋号】特集 水素の基本と水素エネルギー・水素社会
通巻18号 2015冬号】特集 今だから知りたい!地震と火山のキホン ミニ特集 磁石ってスゴイ
通巻19号 2016年4月号】特集 ニセ科学を斬る!2016
通巻20号 2016年6月号】特集 花の秘密に科学で迫る! ミニ特集 空気と人・PM2.5フィトンチッドの効能
通巻21号 2016年8月号】特集 海をめぐる19の知的冒険
通巻22号 2016年10月号】特集 見えない力を・知る・感じる ミニ特集 水素水のウソ・ホント
通巻23号 2016年12月号】特集 陰謀論の正体!? ミニ特集 クリスマスに贈りたい科学グッズ
通巻24号 2017年2月号】特集 綺麗で美味い!たのしい科学で冬最高!
通巻25号 2017年4月号】特集 ニセ科学を斬る!2017
通巻26号 2017年6月号】特集 科学の「都市伝説」を斬る!
通巻27号 2017年8月号】特集 さっとひらめく自由研究 君のヒントがここにある!
通巻28号 2017年10月号】特集 オカルト・超常現象を科学する!
通巻29号 2017年12月号】特集 地震ー日本列島にくらす人必読!
通巻30号 2018年2月号】特集 学校の理科・最前線!!
通巻31号 2018年4月号】特集 ニセ科学を斬る!2018
通巻32号 2018年6月号】特集 科学の「都市伝説」を斬る!リターンズ
通巻33号 2018年8月号】特集 とっておきの観察・実験・ものづくり
通巻34号 2018年10月号】特集 カルト・オカルト~あなたに忍びよるトンデモ!!~

通巻35号 2018年12月号】特集 簡単!!おもしろ科学遊び
通巻36号 2018年2月号】特集 おはよう!からおやすみ!までの理科
通巻37号 2018年4月号】特集 ニセ科学を斬る!ファイナル
※以後不定期刊行予定※

左巻健男が理科教育者として15年前に理科教育誌に書いた原発のこと

 2004年4月号から1年間、明治図書『教育科学 理科教育』誌に理科に関連したニュース解説記事を連載していた。
 次は11月号に書いたものである。

○わが国史上最悪11人の死傷者-美浜原発3号機事故
 8月9日午後3時22分、タービン建屋で二次冷却水の蒸気が噴き出し火災報知機が鳴った。ぺらぺらになった配管を内側からめくり上げるように噴き出した蒸気は、タービン建屋内を映し出すモニター画面を一瞬のうちに“真っ白”にするほどの勢いだった。高温、高圧の蒸気を浴びて肌や服がただれたようになった作業員のうち意識ある負傷者は、肌がただれ「痛い、痛い」とうめき声で訴えた(福井新聞)。
 1995年、もんじゅナトリウム漏れ事故、1999年、茨城県東海村のJCO臨界事故、2002年、東京電力原発トラブル隠し。この十年間だけを振り返っても、原子力の事故と不祥事は繰り返されてきた。
今回事故を起こした美浜原発は、関西電力が、電力会社として初めて建設した原子力発電所で、1号機は70年11月、2号機は72年7月、3号機は76年12月にそれぞれ運転開始、三つ合わせて166.6万キロワットの発電能力をもっている。この美浜原発に限っても、91年2月、2号機で蒸気発生器の細管破断事故が起き、国内で初めて緊急炉心冷却システム(ECCS)が作動。放射能を含む1次冷却水が2次冷却水系に大量流出し、放射能が大気中に放出された。3号機でも00年と02年に放射能を含んだ冷却水が漏れる事故が起きている。
他にも関電の1999年のプルサーマル用MOX燃料の検査データのねつ造発覚、今年6月の11カ所の火力発電所で3600件を超すデータ不正も記憶に新しい。
 そして今回死者5人(9月8日現在)を数える大事故が起こった。同様の事故は、すでに1986年、米国のサリー原発2号機で起きていた。タービン建屋内の配管が破断し、高温水が蒸気となって噴出。8人が蒸気を浴びて火傷を負い、4人が死亡している。このとき、国内7つの原発で同じ配管の肉厚検査をしたが、異常はなかったとされた。しかし、点検はなされていなかったのである。二次冷却水系の検査は、政府は電力会社まかせにし、電力会社はメーカーに丸投げし、メーカーも直接の検査には責任を負わないという無責任体制が原発という重大な危険をともなう施設の安全管理の実態だったのである。
 老朽化が進みながらも運転が続けられる原発。本来的には老朽化で点検はさらに緻密に全面的になされなければならないはずであるが、かつては3ヵ月くらい運転を止めて行なわれていた定期検査が、電力自由化のなか、90年代に入り、コスト優先になっているようだ。今では40~50日に短縮され、30日未満ですませてしまった例もある。運転しながら深夜におよんで定期検査の準備などがなされるようになっている。
 電力自由化の流れのなか、すでに原発は他の発電方式に比べてコスト的にも優位性は弱くなっている。昨年12月の関西、中部、北陸の3電力が、珠洲原発(石川県珠洲市)計画の「凍結」を地元自治体に申し入れたのはその例の一つだ。今まで電力会社が建設を表明しながら、経営判断に基づき計画を断念するのは初めてだった。需要の伸び悩みと、原発の長期にわたる資金や管理の負担に加え、自由化の拡大でコスト削減を迫られている電力会社にとって、過去の原発計画は大きな負担になりつつあるのである(朝日 2003/12/05)。 
 原発で致命的なのは放射性廃棄物の処理が子孫につけを回すしかないということである。
それに加えて、国や電力会社の「絶対安全」のかけ声のなかで、今回のような予測して対策も立てられたはずのことまで大事故になるという事態。さらに今年になって10年も前に使用済み燃料の再処理と直接処分についてのコストが、当時の通産省によって試算されながら隠されていたという原発の政策をめぐる秘密主義。そのデータは、核燃料サイクルは、使用済み核燃料の直接処分より2倍近く割高とする旧通産省(現経済産業省)の試算である。
 理科教育や環境教育でいえば、義務教育段階の理科の学習指導要領から「原子の内部構造」、つまり原子核や電子を完全に無くして原発の仕組みを全然理解不可能な低レベル教育をしながら「自然放射線」という言葉だけは入れてある。放射線を理解するには原子核やその分裂についての基本的な知識が必要だ。
 「エネルギー」概念も「仕事」抜きの曖昧な低レベルにしている。結局、科学的知識をもって自分なりにきちんと判断できるというより、子どもたちを恣意的なデータを元に「原子力は、リサイクルができる貴重なエネルギー資源」「地球温暖化対策の切り札は原発」「石油がなくなるから夢の原子炉-高速増殖炉へ」などと洗脳したいのだろう。その高速増殖炉は原型炉の「もんじゅ」がナトリウム漏れの事故を起こしてから、その技術的困難性や経済性、再処理問題をはじめとして重い問題を抱えて開発は行き詰まっている。先進諸国の中でわが国だけが推進政策をとっているが、これは夢のまま終わりを遂げることになろう。
 しかし未だ原発推進のために国や電力会社などは教育の分野にも多額のお金を出している。その金で小学校から大学まで様々なレベルでエネルギー教育を展開している。そこでは「石油は40年でなくなる」という“脅し”を元にした教育が多い。石油および非在来型石油資源は少なくても100年分はある。エネルギーの使い道のうち発電が占める割合は少ない。発電にしか使えないエネルギー資源では石油の代わりにはなれない。
 もっと科学的な理科教育や社会科教育をすることが必要だ。『新しい科学の教科書-現代人の中学理科』(3巻本と2巻本有り 文一総合出版)はそのための教科書の具体例だ。
そこには原子核分裂や放射線の基本的知識や科学技術と社会の関係もしっかり述べてある。

 要点:

*1995年、もんじゅナトリウム漏れ事故、1999年、茨城県東海村のJCO臨界事故、2002年、東京電力原発トラブル隠し。この十年間だけを振り返っても、原子力の事故と不祥事は繰り返されてきた。2004年8月9日午後3時22分、わが国史上最悪11人の死傷者-美浜原発3号機事故が起こった。

*二次冷却水系の検査は、政府は電力会社まかせにし、電力会社はメーカーに丸投げし、メーカーも直接の検査には責任を負わないという無責任体制が原発という重大な危険をともなう施設の安全管理の実態だったのである。

*老朽化が進みながらも運転が続けられる原発

電力自由化の流れのなか、すでに原発は他の発電方式に比べてコスト的にも優位性は弱くなっている。

*国や電力会社の「絶対安全」のかけ声のなかで、今回のような予測して対策も立てられたはずのことまで大事故になるという事態。

通産省によって試算されながら隠されていたデータ。核燃料サイクルは、使用済み核燃料の直接処分より2倍近く割高とする旧通産省(現経済産業省)の試算。

*理科教育では「エネルギー」概念も「仕事」抜きの曖昧な低レベルにしている。結局、科学的知識をもって自分なりにきちんと判断できるというより、子どもたちを恣意的なデータを元に「原子力は、リサイクルができる貴重なエネルギー資源」「地球温暖化対策の切り札は原発」「石油がなくなるから夢の原子炉-高速増殖炉へ」などと洗脳したいのだろう。

高速増殖炉は原型炉の「もんじゅ」がナトリウム漏れの事故を起こしてから、その技術的困難性や経済性、再処理問題をはじめとして重い問題を抱えて開発は行き詰まっている。先進諸国の中でわが国だけが推進政策をとっているが、これは夢のまま終わりを遂げることになろう。

原発推進のために国や電力会社などは教育の分野にも多額のお金を出している。その金で小学校から大学まで様々なレベルでエネルギー教育を展開している。

「お台場の水質悪化でパラトライアスロンW杯でスイム中止」に関連して大腸菌のこと、EM菌のこと

まずは大腸菌についての基礎知識】

大腸菌はほとんどの仲間が無害。中にはO157のような病原性大腸菌もいるが。
水質検査で検出しているのは無害菌。検出されれば人畜の糞便があるとの指標(ものさし)となる。
しかも大腸内でごく少数派。腸内細菌総数の0.1%程度。

*今起こっていること。お台場で大腸菌の数値が基準オーバー。

おかしいなあ。
EM菌比嘉照夫氏がEM菌団子や活性液投入し続けてで現在の東京湾は、お台場も含めて全域で泳げるレベルに達していると述べていたのに、糞便性大腸菌がウヨウヨとは!

EM菌を効くまでじゃんじゃん撒け!ってしないでね。もっと水質悪化するから。
EM菌のような雑菌の集まりにはどんな菌がふくまれているかわからない。EM菌製品で黒いカビ状のものが発生という事態もあって、その製品は販売を止めた。

パラトライアスロンの国際大会が、本番の会場となる東京 お台場海浜公園の水質
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190817/k10012038911000.html
「8/16水質検査で、国際競技団体が定める基準の2倍を超える大腸菌が検出」 

 次のことを教訓としよう。

教訓!
【EM菌によるトライアスロン大会会場の水質改善活動の結果の例→失敗!】

2007 埼玉スタジアムトライアスロン大会 
開催日:2007年8月19日(日)開催水質悪化の為の競技内容変更のお知らせ
https://www.sportsentry.ne.jp/event/t/12856
3年前からEM菌を利用した浄化活動を継続してきたが達成不可能。


3年前から、かなり頑張ってEM菌を投入したが駄目だった。

 JTU環境委員会だより: EM菌土団子で埼玉スタジアム調整池のヘドロ退治
http://www.jtu.or.jp/news/050609-1.html
埼玉トライアスロン連合(理事長:長谷利孝、事務局長:加藤稔)

 

なお、トライアスロン会場お台場のトイレ臭等の改善のために都は大腸菌などを通さないスクリーン(膜)で囲むことを検討、というニュースを見た。
糞便臭分子はその膜を通るのではないか? ウイルスや大腸菌より小さい細菌はどうか?
大腸菌は糞便存在の指標なので、大腸菌さえ少なくすればいいわけではない。

左巻健男 (著)『おもしろ理科授業の極意: 未知への探究で好奇心をかき立てる感動の理科授業』東京書籍 2019/5/11発売 ¥3024

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左巻健男  (著) 
『おもしろ理科授業の極意: 未知への探究で好奇心をかき立てる感動の理科授業』
東京書籍 2019/5/11発売  ¥3024
ISBN-10: 448781054X  ISBN-13: 978-4487810543

Kindle版など電子書籍版もあります。

【アマゾン】 

おもしろ理科授業の極意: 未知への探究で好奇心をかき立てる感動の理科授業 左巻 健男 https://www.amazon.co.jp/dp/448781054X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_IDJsDb3E8C33Y

【解説】
左巻先生の長年の理科教育者としての経験から導かれた、技術・知識、「心構え」的な部分そして、キーとなる実験や教えるべきことを押さえていく。「本当の自然科学」を教えるための総論のほか、各分野において絶対に押さえておきたい本質的なことを学ぶための授業
【原稿抜粋】
4)おもしろ理科授業とは?
 理科は、私の考えでは、本来的には「本当の自然科学」を教え、学ぶ教科である。ここで私がいう「本当の自然科学」とは、自然の構造、法則性、歴史を、歴史的限界をもちながらも明らかにしてきた過程であり、活動であり、その結果としての体系である。その体系も固定的なものではない。とくに自然に根ざしていない、形式的操作に堕した“自然科学”、あるいは装いだけは自然科学っぽい、いわゆるニセ科学疑似科学)が理科教育や環境教育に入り込んでいる。絶えず自然科学をとらえかえしながら、教育内容-教材-授業を構想していくことが求められる。
 「おもしろ理科授業」というと、ステレオタイプに「おもしろいだけでいいのか」などという人がいるが、「おもしろ理科授業」の前提は、「本当の自然科学」を教え、学ぶことなのである。「おもしろ理科授業」は、子どもと一緒に自然科学をガイドに自然の秘密を解き明かして、その自然科学を鍛え、さらに自然をゆたかにとらえられるようにする理科授業なのである。
本書では、このような理科授業をつくる方法や、心構えを伝えたいと思う。

【目次】

第一部
■1章 おもしろ理科授業への招待
1) 科学はやさしくたのしく学んでいける
2)知的に楽しい授業を
3)モットーは「未知への探究」
4) おもしろ理科授業とは?
5) 理科の「プロ教師の技10カ条」
■2章 おもしろ理科授業の条件
1)ドキドキワクワクした気持ちで授業にのぞむ
2)私が影響を受けた授業論
3)教室は間違うところだ―正答主義批判
4)騒がしい教室と静かな教室
5)ワンパターンを避ける
6)教科書の扱い
7)いいものをマネする
■3章 課題方式の授業のやり方
1)仮説実験授業と課題方式の授業形態の概要
2)課題方式の授業のやり方
3)自分の考え・討論
4)意見発表・討論をするときに
■4章 子どもの認知(認識)と学びのある授業
1)学びのある授業と学びがない授業
2)素朴概念とは?
3)素朴概念から科学概念へ
4)素朴概念の例
5)ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」論
■5章 教材研究の進め方と教材開発法
1)教材研究の進め方
2) 教材開発の具体例―古川千代男さんの授業

第二部
■第1章 物の重さと密度
A 物と重さ(質量)の授業
1.保健室から体重計を運んで
2.「物の重さ」の課題例
3.授業の展開
4.物の重さの授業のねらいと質量保存の法則
B 空気の密度
〜教室いっぱいの空気の重さは?
1.空気の密度の授業
2.授業の展開
■第2章 金属と磁石
A 金属の授業
B 磁石の授業
■第3章 液体窒素ドライアイスで物質の状態変化
A 液体窒素の授業
B ドライアイスの授業
■第4章 物質の状態変化
A 状態変化の授業の課題
B 気体の分子はバラバラビュンビュンの授業
C 塩化ナトリウムの融解の授業
D 塩化ナトリウムの融解の実験
E 「物質の融点・沸点の表」を活用しよう
■第5章 燃焼と爆発
A 炭素の燃焼
B スチールウールの燃焼
C 水素の燃焼・爆発
■第6章 化学変化
A 分解・化合から導入する化学変化の授業
B 酸化・還元の授業
C 身のまわりの化学変化入門
■第7章 水溶液・気体と酸とアルカリ
A 水溶液・気体
B 酸とアルカリの基礎知識
■第8章 イオン
A 「イオン」入門
B 塩化銅をつくって見せる
■第9章 力の基本と力と運動
A 力とは何だ!?
B 作用反作用
C 力と運動
■第10章 電流回路
A 回路の基本
B 電流・電圧を実感
■第11章 電流の働き
A 電流と発熱
B 磁界と電流

■第12章 エネルギーとエネルギー資源
A 仕事とエネルギー
B 家庭の電気の旅
■第13章 植物―花と実(種子)
A 花と種子
B 実に見る花のなごり
C 栽培食物 チューリップ、ジャガイモとイネ
■第14章 植物のくらし−光合成と生活型
A 植物の生活にとっての光合成
B 植物の生活型
■第15章 生物−動物
A 生物とは?
B 動物の世界
C 胎児はウンチやオシッコをするか
■第16章 天気の変化
A 天気のキホンのキ
B 天気の授業で子どもたちに話したい偏西風の話
■第17章  地球と宇宙
A 地球の歴史と地域の地形・地質
B 地球・月・太陽・太陽系

補章1 左巻健男の個人史
補章2 学校に広がるニセ科学問題を考える

「ホタル館問題の真相究明と松﨑いたる議員の裁判を支援する会ニュース 最終号」2019/8/1発行を読んで

 「ホタル館問題の真相究明と松﨑いたる議員の裁判を支援する会ニュース 最終号」2019/8/1発行が送られてきた。松﨑さん勝訴が確定。
 ぼくはこの問題を通して共産党が腐敗していることがわかって非常に残念だった。個々の党員には善意や正義の人も多いが党組織としては腐っていた。
 阿部宣男氏完全敗訴が確定するまで共産党や可笑しげな人らは松﨑さんが負けると述べていたことを思い出す。
 ニュースで涙が出たのは共産党に献身してきた党員を非科学的な可笑しげな論理で党が攻撃したことだ(結果的に除籍)。
 こんなことのくり返しは共産党の支持離れにつながるだろう。

ネットで話題の「謎の水装置」に関連してー19年前に書いた「磁化水は水あか防止に有効?」ー

  最近、また磁化水(水を磁石で改質と謳う)で水あかが防止できると称する機器がマンション管理組合などに売り込まれているようだ。

 この種の機器は、1980年後半に「理水研究所」という会社が売り出していた。

 当時の新聞記事のタイトルを紹介しておこう。

・ 理水研究所、磁化水利用防錆装置――水に磁場、錆を除去1987/10/13 日経産業新聞

・ 理水研究所――磁化水で水道管の錆落とし1988/04/27  日経産業新聞

・理水研究所ハイテク――磁化水で赤水退治――研究者集め社会認知(挑戦成長
への道) 1989/04/25  日経産業新聞

 

 ぼくは、『入門ビジュアルエコロジー おいしい水 安全な水』日本実業出版社 2000/8/25 を書いたときに、この磁石で水あか防止が元にしていたロシアの文献などを読んだ。

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『入門ビジュアルエコロジー おいしい水 安全な水』

 磁石で配管内の錆を防止出来るならば格安だし簡単だからいろんなベンチャーが登場していた。それでうまくいっていれば理水研究所も今は大手になっているはずだ(今はどうなっているのかな?)。しかし、今も似たような機器があるようだ。興味がある人は「謎の水装置」「言迷の水装置」で検索してほしい。

 昔は「水のクラスター」なる言葉が盛んに用いられたが、今はより巧妙に「NMR(核磁気共鳴)」などの言葉を使う場合もあるが、化学素人の目をくらますものだから要注意だ。

 

 次は、その著作の42~43ページのテキスト本文である。

 

話題の水を検証する②

磁化水は水あか防止に有効?

 

 磁化水とは、磁気処理をした水です。通常、永久磁石のN極とS極のある間をある流速以上で通した水を指します。
 とくにロシアで硬度の高い水の水あか防止に効果があるとされるデータがあります(ヴェ・イ・クラッセン『水の磁気処理』)。しかし、その効果もデータのばらつきが大きく、再現性がよくないという面があります。
 その磁化水が、磁気の何らかの作用で水のクラスターが細分化されるなどした水ということで、活性水の一種だと一部では宣伝されています。水道管に取り付ける磁化装置などが販売されています。

●水と磁気処理
 水は、磁石の間を通るとき、何らかの作用を受けるでしょうか。
 水は強力な磁石を近づけると反発します。反磁性という性質をもっているのです。しかし、この磁気に対する性質は非常に小さいので、水そのものが磁気に影響されるということはないと考えられます。水分子は熱運動をしていますが、1T[テラ](=10^4G[ギガ])という強力な磁石で水を磁化しても、その磁場エネルギーは、常温における熱運動のエネルギーと比べて、3桁も小さく無視できるレベルです。
 また、強い磁石で水を強い磁場(磁界)にさらしても磁石を取り去ればその影響は消えてしまいます。
 磁場(磁界)の中でコイルを動かすと電気がおきます。これは発電機の原理です。発電所では、高温高圧の水蒸気でタービンを回し、発電機のコイルを回して発電しています。身近なものでは、自転車の発電機もそうしたしくみになっています。
 ふつうの水には電気を帯びた粒子(イオン)がふくまれています。ふつうの水は、そのため電流を流します。この水が磁場の中を通れば電気がおきます。この電気の作用で水が何らかの質の変化を受けているとも考えられます。磁気処理が水あか防止に有効な場合があるのは、このためではないかという考えがあります。
 健康によい水かどうかについて、アルカリイオン水の場合には賛否両方のデータがあります。しかし、磁化水の場合には磁石の磁場のところを通ったときだけわずかな作用を受けるところまでは科学的でも、その後の健康によいかどうかなどは怪しげな説明はあってもきちんとしたデータはありません。

●磁化水とクラスタ
 磁化水の場合も、一部のアルカリイオン水などと同様に「クラスターが小さい」から「水がおいしい」「健康によい水」と宣伝しています。
 これは磁化水にかぎらず、「この水は本当に健康によいか」を考えるときの着目すべき事柄になります。怪しげな水ほど、「水のクラスターは小さいとおいしい、健康によい」という説明にすがるからです。この説明については50ページで検討します。

 

【イラスト「囲み」内の文章】
磁石の問を電解質をふくむ水が通ることにより、起電力が発生し、電流が流れます。このときに水の電気分解がおこっていることが、磁化水で水あかを防止できる原因である、という説があります。データのばらつきの多さ、再現性の低さが、磁気処理による磁化水の特徴です。

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pp.42~43の紙面

 

ヒノキヤグループは凄い!問い合わせ窓口に出したもので取締役から百万円出せと言われる。質問にヒノキヤは回答無し。

ヒノキヤグループ広報からは「答えない」という回答。個人情報の取り扱いについての質問には完全スルー。

出口氏代理人は有名創価学会系弁護士事務所。

EM菌側の代理人朝日新聞やぼくを提訴したときの
弁護士事務所で両方ともEM菌側が完全敗訴。

今回は100万払え、謝罪しろ…という「通知書」。
その理由がヒノキヤ「問い合わせ窓口」に出した意見。

裁判にするのは自由だからやればいい。
ぼくは受けて立つだけだ。

そうなったらヒノキヤの株主にもなろうと思う。

*いいねやコメントはしなくて結構です。ざっと一読して貰えれば。


個人情報の扱いについてヒノキヤグループに質問した!(DND出口俊一氏【EM菌擁護・推進者】代理人からの通知書に関して) - 左巻健男&理科の探検’s blog 
http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/27/105110 …
ヒノキヤは凄い!問い合わせ窓口に出したもので取締役から百万円出せと言われる。

10代の君への手紙 (第10回) 夢をもち,あきらめずに努力することは人生の基本・・・・・・左巻 健男

 ぼくの少年時代など、詳しくは左巻健男『おもしろ理科授業の極意』東京書籍の「左巻健男の個人史」10pに書いた。

 ぼくの原点は、長い間、学力劣等生だったこと。だから教員になったとき嬉しかった。当時、教員はまあまあの優等生がなれた職業だったからw。

 

『道徳教育』2019年1月号(明治図書

10代の君への手紙 (第10回)

 

夢をもち,あきらめずに努力することは人生の基本・・・・・・左巻 健男

○私は理科を教える理科教育者としてずっとやってきた
 私は、中学校・高等学校で理科を教える教員を26年間やってから大学教授になり18年目になります。主に大学生に教えているのですが、ときには小学校で「理科実験の名人の授業」をしたり、小学生向けの科学実験ショーをしています。また、理科・科学についてたくさんの本を書いてきました。

 

 こんな私は、自分を紹介するときに「理科教育者」と言っています。理科を教えることを専門にしている人という意味です。私は理科教育者を44年間もやってきたのです。

 

 ふり返ってみると、私が理科教育者になったのは、小学校時代に理科が好きになったからでした。
 きっと君は、私のことを「小学校のときから頭がよかった」と思うことでしょう。それが大違いなのです。この手紙は、今、「自分は頭がよくない」「自分は内気で人とうまくつきあえない」と思っている人に向けて、私の経験をもとに書こうと思っています。

 

○「あいうえお」が書けなくて数を数えられないで小学校入学
 父と母は、私が小学校に入る前に、ひらがなが書けるように、また、1から100まで数が数えられるようにと特訓しました。しかし、私は、ちゃんと書いたり、数えたりすることができませんでした。

 

 父と母は、「この子は頭が悪い」とわかったようで、その特訓をすることをあきらめ、それ以後、「勉強しなさい」「宿題はやったか」などを私に言わなくなりました。小学校の通知表の成績はひどいものでした。担任の先生からは「忘れ物が多い」「宿題をやってこない」などと書かれました。授業の内容がよくわからないのですから、授業中は教科書の余白やノートにマンガを描いたり、まわりの子たちにちょっかいを出したりしていました。小学校5年生になるまで先生方にほめられた思い出がまったくありません。

 

○「左巻君は理科ができるね」という一言で理科が大好きになった
 小学校5年のときに、私にとって大きく学校生活が変わるきっかけとなるできごとがおきました。
 担任の平原タイ先生に、どんなときに言われたかは思い出せないのですが、「左巻君は理科ができるね」と言われたのです。小学校入学以来、初めてほめられたのです。

 

 当時は、学校から帰ると川に魚とりに行ったり、山にキノコとりに行ったりして、自然のなかで遊んでいました。ですからそういう遊びの中で身につけた理科の知識があったのかもしれません。
 ほめられた後、私がやったのは、図書室に行くことでした。理科の本を借りて読むようになりました。
 さらに世界の過去の文明の本や探検ものの本も読むようになりました。
 こうして理科だけは好きな少年になったのです。

 

 今は身長が180センチメートルありますが、当時はクラスの中で背が低いほうで、学校の成績がとても悪かったので自信がなく、友達もあまりいませんでした。

 

 中学3年生のとき、担任の先生に「左巻君には行ける普通科の高校がない」と言われたのですが、「ぼくは理科が好きなので工業高校の工業化学に行きたい」と希望しました。先生は私の成績を見て、「そうだね、理科だけは(5段階で)3だね」と言って、「死に物狂いで勉強すれば受かるかも知れない」と言ってくれました。工業高校に入ってからも成績は悪いままでした。しかし、大好きな化学の実験が多かったので何とかついていきました。

 

 高校2年生のとき、今後どうするかにとても悩みました。成績が悪いだけではなく、人間関係もうまくない私に何ができるかという悩みです。希望の一位を科学者、二位を理科教育者に定めて、学習を開始しました。そんな私が大学、大学院を出て理科教育者になれたときはとても嬉しかったです。

 

 私の個人的な経験に過ぎないのですが、今、君は発展途上人で、これからどこまで発展するかは、夢を持つこと、あきらめないこと、努力すること、それと運次第です。私は、きっと理科教育者になれなくても、理科を趣味として生きたことでしょう。

なぜEM菌側は、有名な創価学会系弁護士事務所を代理人にしたのか? EM菌は創価学会とどう関係しているのか? という謎

 EM菌比嘉照夫氏、DND出口俊一氏の代理人創価学会系で有名な事務所ということで「EM菌は創価学会とどう関係しているのか?」が新しい謎になった。
 

光伸法律事務所
 通知人出口俊一氏代理人
弁護士 松村光晃
弁護士 中村秀一
弁護士 屋宮昇太
弁護士 成松昌浩

 EM菌はもともとは世界救世教の「神からの贈りもの」とされた。麻疹の集団感染で話題になったMC救世神教も世界救世教の流れの宗教でEM菌推進だ。

 創価学会もEM菌を使っている多数の宗教団体の1つなのか。→EM研究機構(新潮社への返事)「今やEMは特定の宗教集団に属するものでなく、立正佼成会天理教、アナナイ教、創価学会、善隣教、各派キリスト教イスラム教、仏教等々、多数の宗教団体でも差別なく使われています。 」

 そこで、「公明党 EM菌」でググってみる。いやあ、市町村議員にたくさんいる。
 トップは「EM菌・・大活躍!! - 公明党」という市会議員さんの記事。
 そういえば四日市での公明党議員のEM推進を怒っていた環境科学研究者(当時四日市大 元北大)がいた。

 第三文明社監査役創価大学出身で創価学会副会長の職にある松村光晃弁護士が就任(2006)。雑誌に中村秀一弁護士も登場。比嘉照夫氏・出口俊一氏の代理人
その第三文明誌は「EMなどのニセ科学とどう向き合うか」というEM菌などニセ科学批判の記事を掲載。

 第三文明誌にはぼくも取材を受けたことがある。掲載されたニセ科学批判の記事群をきちんと読んでいたら光伸法律事務所の松村氏・中村氏などはEM菌側の代理人にならなかったかも。しかし、ぼくと出口氏の裁判で代理人側はEM菌を信じて裁判長を説得しようとしていたように見えた。

 ぼくがしんぶん赤旗ニセ科学の正体を連載したのは共産党員・支持者にいるだろうニセ科学信者との付き合い方を考えてほしかったからだ。きっと同様に第三文明誌は創価学会公明党ニセ科学側で活動しないように警鐘を鳴らしたのだろうと思う。

 前に聖教新聞から取材依頼が来たときスルーしてしまったが、ニセ科学の話題なら引き受けようと思う(でも来ないか)。赤旗からはいろいろ取材を受けたが共産党に要望書を出してからの党のやり方に失望したし、もう来ることはないだろう。

 なぜEM菌側は有名な創価学会系の弁護士事務所を代理人にしてぼくや朝日新聞を提訴したのだろうか? どちらもEM菌側の完全敗訴だった。

 ぼくの創価学会員友人はEM菌側代理人を知っていてある程度の推測はできるが、EM菌と創価学会の関係は、よくわからないままだ。

 

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発端は…

 多発するスラップ訴訟、対策は名誉毀損裁判を多発する弁護士のブラックリストの共有 | MEDIA KOKUSYO http://www.kokusyo.jp/justice/12602/
 「弁護士が増えすぎて、しかも、知的レベルも人格も相対的に下がっているので、手軽な名誉毀損裁判へと走ってしまう。それが悲しき実体である。」

 ぼくに対するDND出口俊一氏代理人は、

光伸法律事務所
弁護士 松村光晃/中村秀一/屋宮昇太/成松昌浩
でした。創価学会系で有名な事務所です。
朝日新聞へのEM菌比嘉照夫氏代理人も同じ事務所です。

しんぶん赤旗の記事にも弁護士名が出ていました。

侵された通信の秘密
創価大事件の背景<上>
異様な法廷
創価学会系弁護士ずらり 
2003年5月15日(木)「しんぶん赤旗
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-15/14_03.html

 

【追記】2019/06/01 19:30

 EM菌と創価学会について言及している文献は斎藤貴男カルト資本主義』だ。

 以下のような記述がある。

 その本にはマルチ商法を手がけていた橋本幸雄が出てくる。

 彼はEMに魅了された人間である。彼は中曽根派の参議院議員だった小野清子を通して比嘉と知り合ったようだ。この橋本は「熱烈な創価学会の信者」で、公明党の「有力な資金源」でもあった。

 

 EM菌比嘉照夫氏は、「地球環境財団」の理事長に就任するが、「あの財団はもともと、橋本さんの持ち物なんですよ」と財団関係者は明かした。当時の環境大臣公明党参議院議員広中和歌子だった。「私が会った関係者の全員が、彼女の関与を疑っていなかった」。「危惧された通り、公益法人であるはずの地球環境財団は、その後、見事なまでの〝EM〟財団に成りおおせている」。

 

 「創価学会のEMへの肩入れは、ただし橋本の関係ばかりとも限らない」。比嘉の父が亡くなると、葬儀の斎場に樒[しきみ]があった。創価学会の「同士葬」では「花輪の代わりに樒を用いる独自の習慣を持っている」。「しかも、その樒の送り主は、池田大作だったんです」と葬儀に参列したEM関係者は語っている。

※なお、 「熱烈な創価学会の信者」で、公明党の「有力な資金源」でもあった橋本幸雄氏の会社は2011年に経営破綻している。

催眠商法の疑いのある(株)ナチュラルグループ本社/経営破綻 | JC-NET(ジェイシーネット) http://n-seikei.jp/2011/03/post-2236.html

 

 

ヒノキヤグループの住宅とEM菌の関係についての疑問

「EMの夢の住宅」とヒノキヤグループの「住宅」には利害関係があるのでは? なぜ出口俊一氏は桧家取締役の名刺をクレーム先に出したのか? 
http://samakita.hatenablog.com/entry/20170623/p1 を最初にご覧になるといいと思う。

 DND出口俊一氏は、EM菌擁護者であり、EM菌推進者だ。
 そして、ヒノキヤグループ社外取締役である。

 ぼくが、ヒノキヤグループはEM菌夢の住宅、EM菌健康住宅の会社と思ったのにはわけがある。
 EM菌擁護者であり、EM菌推進者であり、ヒノキヤグループ社外取締役であるDND出口俊一氏が運営するDNDサイトにおいて、「比嘉照夫氏の緊急提言 甦れ!食と健康と地球環境」を連載している。そのサイトは一部大学からの情報が紹介されているが、ほとんどをEM菌の宣伝広告的な内容で占めている。連載もたくさんの名前が挙がっているが、今も続く実質的な連載は比嘉照夫氏のものだけのようだ。

 比嘉照夫氏の「第31回 EM技術による居住環境改善」は、EM住宅についてだ。
 http://dndi.jp/19-higa/higa_31.php

現在、EM技術を応用した新築は1000件を悠に超えており、改築や改装は無数にあるが、共通して言えることは、よく眠れるようになった、カゼをひかなくなった、カゼをひいても軽微で仕事を休むことがなくなった。病院に行く回数が極端に少なくなった、腰、頭、神経の痛みが消失した、花粉症が出なくなった等々である。

  このようなEM菌比嘉照夫氏の唱えるEM健康住宅が建築されているし、住宅のためのEM菌資材が販売されている。ヒノキヤグループ社外取締役の出口俊一氏が、自分の運営するDNDサイトでこのようなEM住宅についてのエッセイを掲載している。

 しかも、

暗黒通信団】学界のトンデモ 出口俊一(改訂2版)
http://ankokudan.org/d/d.htm?ron172-ronread-j.html
にあるように、出口氏はEM菌批判者やその所属にクレームをつける活動をする熱烈なEM菌擁護者・推進者と思われる。

要するにやってることはヤクザそのものである。記事に対して記事による反論ではなく、著者と面会して個別撃破しようとするスタンスは、そもそもジャーナリストですらない。

なお、この表現を引用したぼくの行動は、判決で名誉毀損に当たらないと判断された。

  そんな状況のなかでヒノキヤグループが出口氏を社外取締役にしているのは、EM菌をヒノキヤの住宅に活用するためと、考えられてもしょうがないと思う。
 ぼくはだから、ヒノキヤ広報に「重ねて貴社はEM菌の活用やEM菌夢の住宅を推進する考えは今後ともありませんか?」という質問もしたのだ。
 その回答はぼくからしたら、木で鼻をくくるようなものだった。

 …貴殿と弊社社外取締役 出口 俊一氏との事案に関し、弊社は一切関与しておりませんことをご連絡いたします。
 つきましては、ご質問いただきました内容についても、回答いたしかねますので何卒ご了承ください。

 EM菌を住宅に活用している会社には、NANAHOME(山形総建有限会社)や株式会社 港建の『EM健康住宅』などがある。
 ヒノキヤグループもその仲間入りしているのか? それともこれから仲間入りするのか? それとも広報が誤った対応をしたことで、そんな疑惑をもたれてしまったのか?…
 もしEM菌にまったく無関係なら、熱烈なEM菌擁護者・推進者で、EM研究機構顧問だったDND出口俊一氏を、経営陣の1人に迎えていることは、EM健康住宅などと利害関係があるということにならないだろうか?