左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

左巻健男のニセ科学への対応の軽い決意 ~地道に、やれる範囲で~

4月に岡山理科大学ニセ科学についての特別講義。
7年連続かな。カリキュラムの関係でこれが終わりかも。

最初その特別講義を公開したらEM関係者がいてEM研究機構が大学に抗議、
大学は謝罪したようだが当時の大学幹部がそのことをぼくに謝ってくれた。
大学が外部の圧力に負けたら駄目だよな。

ニセ科学批判をするには覚悟がいる。
国立京都工芸繊維大学教授のとき、水についてのニセ科学批判をしていたのでパイウオーター浄水器、磁化水装置側が研究室に来たり大学に抗議が来たり。あるときは「月夜の晩ばかりではない」と言われた。

EM菌は微生物は含まれているだろうから土壌改質に一定の効果はあるだろうなと思っていた。
しかし、福島に入り込んでの活動に可笑しいなと思った。
それと少し批判的な活動をした(当時日本科学者会議東京支部幹事でその研究会分科会のテーマに取り上げた)ら、DND出口俊一氏から研究会上部に可笑しなメールが来た。
DND出口俊一氏がなぜそういうことをするかは謎だった。当時は金沢工業大学客員教授〔その後退任〕。後でEM研究機構顧問(+ヒノキヤグループ社外取締役)と知って納得した。

それを契機にEM菌関係の本や主張を徹底的に学習した。
DNDサイトのEM菌比嘉照夫氏の荒唐無稽な内容の連載があった。
EM菌入りの容器の外のウイルスをEM菌の働きで失活させるという事実が多数あると。
ぼくはそんなのを載せるサイト主は「真正の大バカ」などとツイートした。
また執拗にEM菌側の攻撃尖兵になって批判側の研究組織などに攻撃する彼のことを批判した暗黒通信団の記事を紹介した。
   ↓

学界のトンデモ 出口俊一【と学会誌初出】

http://ankokudan.org/d/d.htm?ron147-ronread-j.html

 それでEM菌出口俊一氏と裁判で闘うことに。
出口氏の請求は1100万など。
彼の弁護士事務所は有名な創価学会系。
比嘉照夫氏は同じ弁護士事務所でEM菌関連で朝日新聞とも裁判(そのときの比嘉氏側陳述人は出口氏)。
ぼくも朝日もEM菌側に対して完全勝利。

           ↓  

 EM菌擁護者・DND出口俊一氏との裁判の報告 https://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/26/090941 

 今も別の裁判でEM菌DND出口俊一氏と闘争中(今にその内容を公開予定)。

 出口氏がヒノキヤグループ社外取締役に関する内容だ。

  ↓
この延長での裁判

ヒノキヤグループは凄い!問い合わせ窓口に出したもので取締役から百万円出せと言われる。質問にヒノキヤは回答無し。
https://samakita.hatenablog.com/entry/2019/06/22/100523 

 

EM菌比嘉照夫氏は批判側に殺し屋雇って…と述べていたので、ぼくはいろいろ注意している。
何をされるかわからないので非常に恐怖だ。
   ↓

 昔 フジテレビ取材したら ほ〜んに ちょっとの所だけ捕らえてね 反対派の意見 いっぱい載せて 私を叩いたという そういう事をやりましたので 
 いや〜 フジテレビ 昔 そんな事やりましたよね〜 あの時は若くて もう とてもじゃ無いけどね あの〜(うん) 殺し屋頼んで 記者を殺そうと(フフフ)思ったけどね(ウフン)出来なかった(エヘッ)(フッフッフ)でも今は 力があるからね 
 フジテレビ一社 爆破するのは訳ない(ヒャッハッハ)(ウフ)(ハハハ)
 〜
 従来の理論とか 感情論でね これをコメントしてね 我々を 貶めるような事があったなら 私は もう どんな事しても フジテレビを爆破します(ンハッ)(フッフッフ)(クックックッ)
by EM菌開発者・比嘉照夫先生のお人柄 - Togetter https://togetter.com/li/511735 @togetter_jpさんから 

 

攻撃はニセ科学側だけからではない。「それはデマだよ」と指摘したことでデマをまき散らしている人らからもニセ科学批判側は攻撃に曝される。
ニセ科学批判」「ニセ科学批判クラスタ」などで検索して、ニセ科学批判を揶揄する人らの存在がわかるだろう。ぼくはできるだけブロックして関わらないようにしている。
ニセ科学批判を揶揄したり攻撃したりして結果的にニセ科学を利する行為。いや、ニセ科学側だからできることだろう。

だからニセ科学批判は大変だ。

しかしニセ科学に対して皆が黙ってしまったらどうなるのか。

あらゆるニセ科学に対応できないができる範囲でニセ科学に警鐘をならしたい。
中高理科教諭、理科教育&科学コミュニケーションの教育・研究の大学教授の生活をしてきて、今、年金・印税生活。もう歳で最後の足掻きとも言えるができる範囲で頑張りたい。

論座 - 朝日新聞社の言論サイト に「新型コロナウイルスとともに広がるニセ科学 - 左巻健男」を書いた+独り言

WEB「論座」に依頼されて次の記事を書いた。

新型コロナウイルスとともに広がるニセ科学 - 左巻健男
論座 - 朝日新聞社の言論サイト
https://webronza.asahi.com/national/articles/2020030200002.html
ニセ科学は、いつも虎視眈々と科学リテラシーの弱い人たちを狙っている。そして、社会的に不安が高まると、一気に跳梁跋扈する。…

 

次は左巻健男の独り言。
【地道にニセ科学への警鐘を続けたい】左巻健男

以下の2冊はニセ科学との闘いに背中を押されて書いた。

学校に入り込むニセ科学 (925) (平凡社新書)
https://amazon.co.jp/dp/4582859259/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_HaAxEbE83H9TJ
暮らしのなかのニセ科学 (平凡社新書)
https://amazon.co.jp/dp/4582858473/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_RfAxEbCWXVFC3

この2冊の本の最初はしんぶん赤旗死のエッセイ連載「ニセ科学の正体」だった。
それを元にして共産党系の新日本出版社から本の執筆依頼があり、本にした。
しかし共産党にナノ銀除染ニセ科学について要望書を出した。
中央委らと話し合いをしたが、ぼくは共産党の対応に腐っていると批判。
増刷を続けていた本の広告は赤旗紙に不掲載に。


新日本出版社の本は増刷しないというので、構成を変えてを平凡社新書の『暮らしのなかのニセ科学』に衣替えして発行した。


EM菌DND出口俊一氏(EM研究機構顧問・ヒノキヤグループ社外取締役)との裁判もあり後押しになった。さらに『学校に入り込むニセ科学』を執筆した。


編集長を勤める『RikaTan(理科の探検)』誌でもニセ科学を斬る!特集を続けた。

 

なぜこんな荒唐無稽なニセ科学に騙されるんだよという思いもあるが、ニセ科学の跳梁跋扈は社会を悪化させる、そして命の危険もある。騙されるバカは放っておけという意見もあるがそんな人が嵌まっていたりする。


ニセ科学側からの攻撃も強い。
ニセ科学側は命がけでそれで儲けよう、それを広めようとしている。
信じたデマを批判された人らも加わって、ニセ科学を批判する人らにさまざまな攻撃をする。


できればしかめ面をしないで明るく楽天的に闘いたい。しかも自分ができる範囲で。
孤立を恐れず、連帯も求めず、どうせ儚く死んでいく歳にもなっているので、地道にやっていくよ、と思っている。
今にニセ科学について3冊目、4冊目も出したい。生きていたらw
(以上 左巻健男の独り言)

日本をEMモデル国家にしていいのか?

EM菌比嘉照夫氏は、日本をEMモデル国家にするのに国会議員の有用微生物利活用推進議員連盟(EM菌議運)と有機農業推進議員連盟を重要視。
自民党が中心だが超党派。例えば紙智子氏(共産党)は後者の幹事。

EMモデル国家は国民がEM生活。その一端↓
EM生活のすすめ
http://em-hokkaido.org/article-90.html
*彼は今北海道EM普及協会理事長。朝から寝るまでEM製品づけの生活。農業用微生物資材のEM1、EM入りシャボン玉本舗の石けん・洗剤、EMXGOLD、EMを焼き込んだというEMセラミックス製品など。今はさらにEM結界づくりも。

比嘉照夫氏 EM生活をすると…
https://www.ecopure.info/rensai/teruohiga/yumeniikiru74.html

1. EM製品を身に着けていたので交通事故に遭っても大事に至らなかった。
2. EM生活をしていると大きな地震が来てもコップ一つも倒れなかった。
3. EM生活をしていると電磁波障害が減り、電気料金も安くなり、電機製品の機能が高まり寿命も長くなった。
4. EMを使い続けている農場やゴルフ場の落雷が極端に少なくなった。
5. EM栽培に徹していると自然災害が極端に少なくなった。
6. EM生活を続けていると、いつの間にか健康になり人間関係もよくなった。
7. EMを使い続けている場所は事故が少なく安全である。
8. 学校のイジメがなくなり、みんな仲良くなった。
9. 動物がすべて仲良くなった。
10. すべてのものに生命の息吹が感じられるようになった。
11. EMで建築した家に住むようになり、EM生活を実行したら病人がいなくなった。
12. 年々体の調子がよくなり、頭もよくなった。
13. EMの本や情報を繰り返しチェックし確認する。
14. いろいろな事が起こっても、最終的には望んだ方向や最善の結果となる。
その他なんでも、いいことはEMのおかげにし、悪いことが起こった場合は、EMの極め方が足りなかったという視点を持つようにして、各自のEM力を常に強化することです。 

 

EM菌比嘉照夫氏は20世紀の終わり頃北朝鮮がEMを国家的に進めることを指導し、「21世紀は北朝鮮の世紀。食糧輸出国となる」と述べていた。
しかし北朝鮮をEMモデル国家にすることは大きな失敗で終わり、今は北朝鮮のことをいわずWEBなどから削除。

【参考】→EM(EM菌)と北朝鮮−比嘉照夫氏「北朝鮮はEMのモデル国家」
- 左巻健男&理科の探検’s blog
http://samakita.hatenablog.com/entry/20161130

そのEMは、ニセ科学に興味関心がある人には知られていても一般的には知られていない。
講義の時聞いたら「EM菌を聞いたことがある」が年々減少していた。
新聞報道も減少していた。
北海道EM普及協会の情報誌を読むと、会員の高齢化や会員数の減少に見舞われているようだ。

EM情報室 EM関連の新聞報道を見た。
2007年に290記事あったが、2019年は34記事に。
大手新聞はほとんど扱わなくなった。
https://ecopure.info サイトから)
2007年 →2019年
朝日 5 → 0
読売10 → 0
毎日22 → 1
中日31 → 1

それでも有用微生物利活用推進議員連盟(EM菌議運)と有機農業推進議員連盟は多数の国会議員を擁している。3.11を契機に福島に大きく入り込んでいる。
比嘉照夫氏は、EMは元素転換力があるのでセシウムバリウムに変えて放射能をなくすとか、田畑に海水塩とEMをまけば塩が肥料になるとかと述べている。

*EMについてのぼくの解説(消費者法ニュース
学校に、環境活動に、福島復興に、政治に、入り込んでいるEM(EM菌)
http://www.clnn.net/image/cln119-05.pdf

同じものを拙ブログでも。
「学校に、環境活動に、福島復興に、政治に、入り込んでいるEM(EM菌)」消費者法ニュース2019年4月号掲載の全文公開
- 左巻健男&理科の探検’s blog
http://samakita.hatenablog.com/entry/2019/05/25/083619

EMX GOLDという清涼飲料水、公表成分からは薄い食塩水

EMX GOLDという清涼飲料水がある。

500mL4,650円という高額。

EM菌の発酵生成物を抽出という。

そして製造過程で加熱殺菌を行っているからEM菌は含まれていないと。

公表成分は100mLあたり食塩相当量0.05g。

原料は糖蜜酵母エキスなど。

EM医学とかのEMX(今は万寿のしずく)とは原料などが違う。

微生物専門家の観察や片瀬さん依頼で調べた結果では光合成細菌が入っていない比嘉EM。

EMには比嘉EMとサイオンEMがあり、前者は質が問題と、もともとのサイオンEMの指摘がある。

比嘉EMで製造したEMX GOLDの質がどうなのだろうか?
原材料は糖蜜(サトウキビから砂糖をとった残り物)や酵母エキスなど。

糖蜜は菌のエサ。酵母エキスは塩酸などで酵母を分解抽出して得た成分。問題成分が含まれる恐れがある。

そんなもので健康に寄与するものをつくっているのか?(EMXと原料が違いすぎる。)
EM菌は少なくても1200℃に加熱しても死なないという(本当ならノーベル賞級だが)。

製造工程で加熱殺菌は何℃でしているのか?
なぜEM菌を殺菌してしまうのか?


公表している成分は薄い食塩水といえることだけ。
なぜ微量成分を調べて公表しないのか?

前のEMXと比べてナトリウムがずっと多くなり薄い食塩水になっていることにどんないいことがあるのか?
原料から考えると500mL4,650円の原価は数十円レベルと思えるが、超高額になるのはどうしてか?


前のEMXと比べて効果が5倍とかを波動測定器の数値から述べているが、その測定器はまともではないトンデモだといわれているけどね。


なお、前のEMX(現万寿のしずく)での医学でも次のような感じだった。
それでも今のEMXGOLDよりは原料などずっとマシだったと思う。

比嘉照夫総監修『EM医学革命』2000を読んでみた!
http://samakita.hatenablog.com/entry/20160329/p1

 

*以上の疑問についてEM研究機構から回答があれば追記します。

【よみうり大手町スクール】著者と語る・サイエンス読書カフェ 2/20テーマは、学校現場も "ニセ科学" ?

【よみうり大手町スクール】著者と語る・サイエンス読書カフェ 2/20

2月のカフェは 2月20日(木)18:30~20:00
 テーマは、学校現場も "ニセ科学" ?
 「学校現場に入り込むニセ科学」(左巻健男著、平凡社新書

 

チケット(¥1500)申し込み
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01ixqz10tbp34.html

 

※増刷決定しました!
学校に入り込むニセ科学 (925) (平凡社新書) 左巻 健男
https://www.amazon.co.jp/dp/4582859259/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_JX7qEbDPZ55YE

───────────────────────────

<著者と語る・サイエンス読書カフェ 02月20日
 

  学校現場も“ニセ科学
 

日時;2020年02月20日( 午後6時半から
場所;東京・大手町、読売新聞本社三階、新聞教室(地下鉄・大手町駅C-3出口)
参加費;1500円 

 

フェイク・ニューズ(Fake News)、もう一つの真実(Alternative Truth)・・・報道の世界にも虚偽の事実の混入が指摘されていますが、科学の世界にも、「ニセ科学」という問題があります。 

「自然食品、無添加食品は安全」、「水に優しく声をかけるとおいしい水ができる」、「EM菌で災害や交通事故も避けられる」――科学的事実からかけ離れたメッセージが、教育現場にも広がっている状況を指摘した、「学校現場に入り込むニセ科学」(左巻健男著、平凡社新書)が昨秋、出版され、話題になっています。 

サイエンス読書カフェでは昨年12月、「ルポ 人は科学が苦手 アメリカ<科学不信>の現場から」(光文社新書)をテーマに、米国内での混乱を考えましたが、次回は理科教育に携わってきた左巻さんと、日本の「ニセ科学」問題を考えます。 

 

問い合わせ;よみうりカルチャー大手町スクール事務局 (03-3642-4301)
このサイトにも、案内があります。https://www.ync.ne.jp/y-otemachi.php 

比嘉照夫『地球を救う大変革』の三読目

さらに読んだ。三読目。

 

【三読目】

比嘉照夫『地球を救う大変革』サンマーク出版(初版1993)を見ている。

ブックオフで入手した比嘉氏のサイン入りの、ある人への贈呈本。


・米の平均的収穫量は10アールあたり9俵。EM使用で14~15俵。実験栽培では30俵。
・EM農法が世界に普及すれば世界人口が100億人になっても食糧不足は無い。
・EM菌は他の微生物のボスとして働き、他はボスに従う
・EMは難病まで治す効果がある。末期肝臓がんがEMを飲んで治った
世界救世教の教祖岡田茂吉の自然農法の考え方は素晴らしい。そこを通じて海外へのEM普及開始
・重金属をEMはイオン状態から分子状にして悪影響はなくなる
・アリは害が多い。EMでアリを退治できる
・EMで連作障害がなくなる
・EMでやプラスチックの再利用資源が新品同様に使える
・EMで処理すればトイレの水が飲み水に
クラスターの細かいよい水をつくり、よい情報を転写した水を飲む
オゾン層を破壊する物質はEMで抑えることができる
・本当に体にいいかどうかは保存力と腐らせたときの臭気でわかる。
・EMは、中期から三期のレベルならほとんどのがんに有効。ただ単に飲むだけ
・病は気からは科学的事実。病気の原因の一つは霊的な問題
クラスターの小さな水は波動を記録する力があるのでホメオパシー治療の大きな根拠になっている

・除霊を含めた波動の応用が、薬漬け医療からの脱皮の重要な課題になっている

 

※次は前に読んだとき。

【再読】

>.比嘉照夫『地球を救う大変革』を再読した - 左巻健男&理科の探検’s blog  

samakita.hatenablog.com

 

左巻健男『学校に入り込むニセ科学』平凡社新書:『週刊東洋経済』紹介 by佐藤健太郎さん

『週間東洋経済』1/24(金)18:00配信

左巻健男『学校に入り込むニセ科学平凡社新書

水からの伝言」「EM菌」…、組織的に広まるニセ情報

評者・サイエンスライター 佐藤健太郎

 

 先日、体外に取り出した血液にオゾンガスを吹き込んだ上で体内に戻す、「血液クレンジング」なる療法が物議を醸した。科学的な装いを施しただけで、実際には効果のない「ニセ科学」ではないかと指摘されたのだ。


 残念ながら、これ以外にも科学的根拠の疑わしいサービスや商品は世にあふれている。経済的損害だけならまだしも、健康被害が発生した事例も数多いから問題は根深い。投資詐欺などの問題同様、小中学校で早い段階からニセ科学に関する教育を行っておくべきではないかと思うところだ。

 

 ところが、その教育現場にニセ科学が入り込んでいるお寒い実態を描くのが本書。「ありがとう」と声をかけると水が美しく結晶すると謳(うた)う「水からの伝言」、河川の浄化から難病治療、学校のいじめ解消まで万能の効果を標榜する「EM菌」のほか、脳科学、食育、添加物の問題など、授業で子供に伝えられるニセ科学は驚くほど多岐にわたる。

 

 しかも、こうしたニセ科学を授業で扱う教師は、ごく少数というわけではない。授業の内容を平準化し、共有しようとする教育団体の活動を通じ、ニセ科学授業が教師たちに広まってしまっているという。「感動」をキーワードに、エビデンスの乏しい教育手法がはびこる点は、けが人続出で問題になった体育祭での組体操と同根のものだろう。

 

 ニセ科学には、専門家でも弁別の難しいものがあり、すべてを見分けるリテラシーを教師全員に期待するのは難しい。だが、現状を見ると何らかの対策は必要と思える。
ひとまず、子供たちにうそを教えたくないと思う教員諸氏、ニセ情報を見抜く力を持った子供を育てたい親たちに、本書の一読を勧めたい。

学校に侵入する怪しげなニセ科学(左巻健男) 法学館憲法研究所【今週の一言】

法学館憲法研究所【今週の一言】

学校に侵入する怪しげなニセ科学

2020年1月27日

左巻健男さん(東京大学講師・元法政大学教職課程センター教授)

http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20200127.html?fbclid=IwAR19jkJx69_M9etHP9mJWtpIdbLaSSE2vSxdIXrU3F_1HJuLD9wVDWVK-CM

ニセ科学は“感動”と“善意”と“科学リテラシー”に弱い教員を主なターゲットに
○学校にニセ科学を大いに広めている教育団体
○具体例としてのEM

『学校に入り込むニセ科学』書評 by林操(コラムニスト)さん『週刊新潮』2019年12月26日号

週刊新潮』2019年12月26日号114P

 

左巻健男『学校に入り込むニセ科学
平凡社新書/924円
───────────────────────────
日教組より不可解
日の丸より不合理

林操(コラムニスト)
───────────────────────────
 知り合いの息子が通う公立の小学校が揉めてるとかで、おかしいことに主役は児童や保護者、教職員じゃなく、補習や授業補助のボランティアで来る年寄りたち。爺さまAがゲーム脳だEM菌だなんて話を子供に繰り返し開かせていたら、爺さまBが「非科学的だ!」と噛みついて、以来、「あいつをやめさせろ」合戦を繰り広げてるんだそうな。
 この話にも出てくるEM菌やゲーム脳、そして水の伝言に脳内革命に奇跡のリンゴその他いろいろ。そういうトホホな妖怪がニッポンを彿御しているのは昨日今日のことじゃないとして、それが学校、しかも公立の義務教育・諸初等教育の場にまで浸出侵入してきたかと脱力していたところに出くわして膝を打ったのが『学校に入り込むニセ科学』。
 著者の左巻健男は教職経験も長い教育学者で、専門は理科教育。科学啓蒙の書からニセ科学告発の書まで著作も多いなか、今回の新書が特にグサッと刺さったのはやっぱり、反知性主義(という字面はなんかカッコいいけど、実態はバカのズル)が学校ボランティアの翁姐どころか現役の教員や管理職にまで及んでるという指摘ゆえ。日の丸君が代の強制や道徳の教科化どころか、算数や理科の非合理化まで進んでるってんだから、この本は警世の書、憂国の書でもある。
 無理が通れば道理が引っ込む式(別名「招待者名簿は復元しません式」)が理系の教育でも幅を利かせるようなら、そのうち進化論も教えなくなるよ、この国。

f:id:samakita:20191225094658j:plain

『ZAITEN』誌2020年1月号に『学校に入り込むニセ科学』紹介!「担当編集者「自薦」Book Review」

f:id:samakita:20191130201237j:plain

『学校に入り込むニセ科学』  水が人間の言葉を理解するという『水からの伝言』、微生物が水や環境などを浄化するという「EM菌」、ゲームが脳に悪影響を与えるという「ゲーム脳」、ほかにも、人には右脳型と左脳型がいる、発達障害は親の教育の失敗、白砂糖は有害だ、肉食は危険だ、食品添加物はよくない、などなど……一度はどこかで目にしたことがある言葉ではないでしょうか。でも、学校教育にも入り込んでいるというこれらの言説、一見科学的な装いをしながらみんな科学的根拠がない「ニセ科学」なのです。  教員や生徒の「善意」や「感動」を利用して、いま学校教育の中でニセ科学が勢力拡大を目論んでいます。そのオカルトまかいの言説は、学校教育の土台を揺るがすところまで来ているのをご存知でしょうか。ニセ科学の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた理科教育の第一人者が、教育現場に侵入する怪しげなニセ科学の数々を一刀両断。どういうタイプの人がニセ科学にだまされやすいのか、そしてニセ科学にだまされないようにするためにはどうすればよいのかも指南します。(編集部 岸本洋和)  左巻健男(著)/平凡社新書/¥840+税

 Amazon→ https://www.amazon.co.jp/dp/4582859259/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_q9K4DbZ872V3B 

『ZAITEN』誌2020年1月号に『学校に入り込むニセ科学』紹介!「担当編集者「自薦」Book Review」

f:id:samakita:20191130201237j:plain

『学校に入り込むニセ科学』  水が人間の言葉を理解するという『水からの伝言』、微生物が水や環境などを浄化するという「EM菌」、ゲームが脳に悪影響を与えるという「ゲーム脳」、ほかにも、人には右脳型と左脳型がいる、発達障害は親の教育の失敗、白砂糖は有害だ、肉食は危険だ、食品添加物はよくない、などなど……一度はどこかで目にしたことがある言葉ではないでしょうか。でも、学校教育にも入り込んでいるというこれらの言説、一見科学的な装いをしながらみんな科学的根拠がない「ニセ科学」なのです。  教員や生徒の「善意」や「感動」を利用して、いま学校教育の中でニセ科学が勢力拡大を目論んでいます。そのオカルトまかいの言説は、学校教育の土台を揺るがすところまで来ているのをご存知でしょうか。ニセ科学の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた理科教育の第一人者が、教育現場に侵入する怪しげなニセ科学の数々を一刀両断。どういうタイプの人がニセ科学にだまされやすいのか、そしてニセ科学にだまされないようにするためにはどうすればよいのかも指南します。(編集部 岸本洋和)  左巻健男(著)/平凡社新書/¥840+税

 

ニセ科学を批判検討する本(左巻健男『学校に入り込むニセ科学』平凡社新書)を書いて思うこと

ニセ科学を批判検討する本を書いて思うこと】 

学校に入り込むニセ科学 (925) (平凡社新書) 左巻 健男
https://www.amazon.co.jp/dp/4582859259/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_MjV3Db1D2V631
暮らしのなかのニセ科学 (平凡社新書) 左巻 健男
https://www.amazon.co.jp/dp/4582858473/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_1kV3DbWEJ3XTP

 ぼくは中学校卒レベルの知力があればわかるようにと本を書いているつもりですが、いつも「もっとやさしく!」と言われます。(^_^;)
 きっと本当に読んで貰いたい人には届いていないし読まれてもいないということだと思います。確かに本は1万部を超えればすごく売れたという感じですから読者は少ないですねえ。

 本を読む人は少ないです。
 とくにニセ科学を批判検討する本を手に取る人は読者層のごく一部でしょう。

 このとき思い出すのはマーケティングのさいに分類する人間の区分けです。

───────────────────────────
ニセ科学は誰を狙うか(先覚者と素直な人:低知的レベル)
- 左巻健男&理科の探検’s blog
http://samakita.hatenablog.com/entry/20111014/1318551966
───────────────────────────

 ぼくはこの中では「普通の人」を対象にしています。
 「先覚者」は初めからぼくの本は相手にしてくれません。せいぜい「素直な人」のごく一部でしょう。
 きっと一番相手にしてくれるのは「抵抗者」でしょうw。「抵抗者」はニセ科学を批判検討する本を読まなくても懐疑主義者が多いでしょう。
 そこで「普通の人」がわかってくれるようにと思っているのです。
 
 今回の本、読んだ何人かから「妻に読ませたいです!」と言って貰いました。
 そうして家族や友人に広がって地道に広がるといいなと思っています。

 『学校に入り込むニセ科学』(平凡社新書)は書店配本されてから未だ2週間。
 今は未だ本の存在を知らない人の目について地道に少しずつ広がることを期待しています。

左巻 健男 『学校に入り込むニセ科学』(平凡社新書)の章構成・目次

学校に入り込むニセ科学 (925) (平凡社新書) 左巻 健男
Amazon→ https://www.amazon.co.jp/dp/4582859259/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_MjV3Db1D2V631

f:id:samakita:20191109190448j:plain


【目次】
───────────────────────────
はじめに

第1章 ニセ科学はなぜ危険か
1 科学を学ぶことの意味
  理科を学ぶ重要性/学校は文化の総体を次世代に伝えるところ
2 ニセ科学と教育
  ニセ科学にだまされないことも埋科教育の目的/戦後教育の出発点
3 ニセ科学と教員
  ニセ科学に引っかかりやすいタイプの人/ニセ科学にだまされる教員たち
4 人間ピラミッドに見る感動主義
  組体操による事故/組体操事故に対する国の対応

第2章 ニセ科学に危機感を持った『水からの伝言
1 言葉で水の結晶が変わる?
  『水からの伝言』との出会い/「水伝」のでたらめな内零/国会議員や教育者にも浸透する「水伝」/どのように結晶写真を撮ったか?/「水伝」への科学者の対応/教育現場がおかしくなっている/「水伝」授業の例
2 「水伝」を否定的に扱ったテレビ
  VOICEの「水伝」ご飯バージョンの実験/ミヤネ屋の「校長が教える仰天科学」/田崎晴明さんの“「水からの伝言」を信じないでください”

第3章 学校や環境活動に忍び込むEM
1 EMとは?
2 EM利用中止を求める署名活動
3 文部科学省の見解は「補助教材」
4 EMの三大危険性
5 EMの授業例
  TOSS代表・向山氏のEMの授業例/EMが原発事故に成果ありという指導案も/スーパーサイエンスハイスクールの事例
6 EM信者の校長によるEM使用例
7 比嘉氏のEM神様説を支える科学者
  「EMの本質的な効果は縦波重力波」/電波工学の世界的な権威/光の何十桁も速い「念波・天波」/関氏に影響を与えた人々/関氏の宇宙構造論/「太陽の奉面は26℃で人が住んでいる」/閲氏を信じた比嘉氏、比嘉氏を信じた向山氏

第4章 学校にニセ科学を持ち込んだ右翼教育団体
  TOSSの前身「教育技術の法則化運動」/教育技術の法則化運動の理科に注文/向山氏は自分を教祖化していた/教育技術の法則化運動はTOSSに衣替え/TOSSから離れた教員/向山氏は教育系右翼

第5章 脳をめぐるこセ科学
1 脳についての知識
  人の大脳皮質の領域マップ/脳波とは?/脳を調べる新しい技術の進展
2 「神経神話」に注意
  神話1「私たちは脳の10%しか利用していない」/神話2「右脳型の人と左脳型の人がいる」/神話3「脳に重要なすべては3歳までに決定される」
3 「親学」の「脳科学」はニセ医学・ニセ科学
4 ゲームをやりすぎると「ゲーム脳」になる?
  ウソだらけの「ゲーム脳」/TOSSランドのゲーム脳の授業
5 「ヘビの脳・ネコの脳・ヒトの脳」といじめ
6 「悪いこと」で「脳から毒」?
7 『脳内革命』に影響された授業
8 「脳トレ」は効果があるのか?

第6章 食育をめぐるニセ科学
  世界で長寿トップグループの日本/食生活が寿命をのばした!/「粗食」を勧める授業/日本は病気大国、肉食が原凶と脅す授業/和食を勧めるために腸の写異で子どもたちを脅す/白砂糖有害論/天然物、無添加食品でもかかえる4つのリスク/「無添加」は安全か?/天然農薬の存在と「奇跡のリンゴ」/根拠のない話で脅かす食育

第7章 子どもたちを原発の旗振り役に--エネルギー・環境教育
  福島第一原発事故/回収された小・中学生向け原発副読本/国民の原発アレルギーをなくすための原子力教育/民間でも原子力教育を推進/原子力ポスターコンクールで安全神話を洗脳/TOSS向山洋一氏座長のエネルギー教育全国協議会/TOSSランドにあった原発推進の指導案例

第8章 他にもいろいろニセ科学
  現代人が創作した「江戸しぐさ」が「道徳」の教材に/副教材に改ざんグラフを使った文部科学省/オオカミに育てられた少女?/学校で未習の答えだと×/理科入試問題の正答が間違っている/かけ算の順序強制問題

第9章 ニセ科学にだまされないようにするために
  ニセ科学は科学への信頼を利用してだます/問題は教育の土台を崩すこと/問われる科学リテラシー/「私たちはだまされるのが普通である」ことを知る/認知バイアスの中でとくに知っておきたい「確証バイアス」とは?/日ごろからニセ科学にだまされないセンスを!

あとがき
───────────────────────────

左巻健男『学校に入り込むニセ科学』平凡社新書の実物が届いた!書店に11/15配本。

左巻健男『学校に入り込むニセ科学平凡社新書の実物が届いた。
本書は殊の外刊行が嬉しい。
なぜならニセ科学側との闘いに背中を押されて一生懸命書いたからだ。
書店配本は15日、アマゾンなどネット書店は18日。
すでに電子書籍が出ている。

アマゾン:
https://www.amazon.co.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AB%E5%85%A5%E3%82%8A%E8%BE%BC%E3%82%80%E3%83%8B%E3%82%BB%E7%A7%91%E5%AD%A6-925-%E5%B9%B3%E5%87%A1%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B7%A6%E5%B7%BB-%E5%81%A5%E7%94%B7/dp/4582859259/ref=sr_1_1?qid=1573295295&s=books&sr=1-1&text=%E5%B7%A6%E5%B7%BB+%E5%81%A5%E7%94%B7f:id:samakita:20191109190448j:plain

f:id:samakita:20191002131903j:plain

f:id:samakita:20191002132031j:plain

f:id:samakita:20191002132137j:plain

 

スティーブ・ジョブズの場合の場合はあまりにも悲しい~すい臓がん発見から逝去まで~

f:id:samakita:20191108084418j:plain


スティーブ・ジョブズの場合】

───────────────────────────
左巻健男『暮らしのなかのニセ科学平凡社新書から:

第1章 ニセ科学をなぜ信じてしまうのか

1 スティーブ・ジョブズの場合
○すい臓がんの発見
 スティーブ・ジョブズ(1955年~2011年)は、米国の実業家、説明するまでもなく、アップル社の創業者の1一人です。

 2003年、彼にすい臓がんが見つかりました。

 2003年10月、彼は、腎臓結石のときに治療を受けた医師とたまたま顔を合わせ、腎臓と尿管のCTスキャンをする受けるように勧められました。5年ぶりのCTスキャンでした。腎臓に問題はありませんでしたが、すい臓に影がありました。
 すい臓の検査をした結果、すい臓がんが発見されました。ただ、ほとんどのすい臓がんは、治療できない「腺がん」と呼ばれるタイプなのに、彼の場合は、「すい臓神経内分泌腫瘍」と呼ばれる珍しいタイプでした。進行が遅く、たまたま早期に発見されたので、あちこちに転移する前に手術すれば非常に生存確率がも上がるタイプのがんだったのです。

○手術を拒否したジョブズがはまったカルト療法
 がんの治療は、いわゆる三大療法、つまり手術、薬物療法放射線治療という3つの治療がメインです。
 がんの治療は、技術の進歩や医学研究の成果とともに変化します。現時点で得られている科学的な根拠に基づいた治療のことを「標準治療」と言います。
 標準治療は、手術、薬物治療、放射線治療をそれぞれ単独で、あるいはいくつかを組み合わせた方法で行われます。
 このジョブズのがんの場合は、標準治療では手術で除去するという治療しかありませんでした。しかし、彼は手術を拒否しました。そこには若いころからの没頭していた東洋思想などの影響で、体を切り刻まれたくない、西洋医学への拒否感があったかもしれません。「権威を信じない」「自分一人を信じる」という彼の信念がそうさせたのかしれません。
 彼は、新鮮なニンジンと果物のジュースを大量にとるという絶対菜食主義を実践しました。ハーブ薬なども併用して実践し、他にもインターネットで見つけた療法や、心霊治療の専門家などに勧められた療法も試しました。それらの療法のなかには、のちほど危険性を述べるコーヒー浣腸もありました。
 これらの療法の実践は、すい臓がんの診断から9か月間続きました。

○手術後の経緯
 2004年7月の金曜日、新しいCTスキャンには大きくなったがんが写っていました。広がった可能性もありました。ついに彼は、現実と向き合うしかなくなりました。手術の結果、肝臓に3か所の転移が見つかりました。
 9か月早く手術していたら、もしかするとがんが広がる前だったかもしれません。もちろん、誰にも確実なことは言えませんが、多くの人は、この遅れが致命的な結果につながったと見ています。

 2008年になるころには、がんが広がりつつあることがあきらかになりました。肝臓移植手術もしましたが、内臓を囲んでいる腹膜に斑点が認められました。がんの進行は思ったよりも早かったのでしたです。
 2010年10月には体調が下り坂に入りました。痛みがひどくて食事ができなくなりました。
 20112年7月にの段階では、骨をはじめ体のあちこちにがんが転移してしまい、もはや治療に適切な薬はなくなってしまいました。そして2011年10月55日に、ジョブズは56歳で逝去しました。
 アップル社の創設者の一人にして絶対的なカリスマ性をもち、数々のすぐれた製品を世に送り出してきたスティーブ・ジョブズ。彼のような高い知性の持ち主でも、ニセ科学、ニセ医学にはまり込んだのです。

───────────────────────────

暮らしのなかのニセ科学 (平凡社新書)   左巻 健男
https://www.amazon.co.jp/dp/4582858473/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_z8kXDb4V21JRP

@amazonJPさんから


 多くの人が持っている「健康になりたい」「病気を治したい」「きれいになりたい」といった当たり前の願望。そんな思いを利用してつけ入ってくるのがニセ科学
 一世を風靡したマイナスイオンから、今話題の水素水、デトックス血液サラサラ、各種サプリメント、がん放置療法、さらに実はあれにも科学的根拠がなかったのか! と驚くものまで、ニセ科学批判の第一人者が一刀両断。
 人はなぜニセ科学にだまされてしまうのか? 怪しい健康・医療情報にはご用心。

《目次》 読者のみなさんへ

第1章 ニセ科学をなぜ信じてしまうのか
第2章 がんをめぐるニセ科学
第3章 サプリメント・健康食品の効果は?
第4章 あのダイエット法、本当に効果的?
第5章 あの健康法に効果はある?
第6章 食品添加物は本当に危ないのか
第7章 ニセ科学はびこる水ビジネス
第8章 大手企業も次々に──マイナスイオン、抗菌商品
第9章 もっとも危険なニセ科学、EM
第10章 ニセ科学にだまされないために
あとがき