「番組で掃除術のようなものを扱いたい、ついては、次のようなやり方は科学的
にどうか?」という質問を受けて、ディレクターとやり取りを昨日今日と続けまし
た。
使うのは石けん、酢、重曹。いわゆる全部ナチュラル系らしいです。これらを順
序よく混ぜて(二酸化炭素の泡で)ホイップ状にしたものを使うとのことでした。
それでこれら3つのよいところの相乗効果が得られるとのこと。
重曹と酢を混ぜると二酸化炭素が発生し、酢酸ナトリウムと水ができます。
もし酢が過剰だと、後で石けんと混ぜると脂肪酸が遊離して石けんカスができて
しまいますから重曹過剰にします。だったら、そこで酢は効かなくなっています。
重曹を少量の酢と混ぜてホイップ状にすると扱いやすくなる面はあるでしょう。
ぼくは、汚れの対象に応じて石けんと重曹を使ったり、酢を使ったりすればよい
のではないかと思うのです。
3つ合わせて何の汚れにも効く、という時点で、逆に汚れを落とすはたらきを
弱めてしまっているかもしれません。
ネットで、石けん、酢、重曹の3つをキーワードにして調べると、怪しい説明も
たくさんあります。
ぼくは「汚れ落とし」も、RikaTan(理科の探検)誌(文一総合出版)
http://rikatan.com/ でも特集テーマに考えたいと思ったのでした。
一応、ぼくは学部時代は物理化学教室で界面化学を少しかじっていたのでした。
*なお、本日は文一総合出版に寄って、1月号特集のゲラ校正をしてきました。
12〜17時まで。