左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

「原子力事故」←『知っておきたい 最新科学用語』(技術評論社)

 左巻健男編著『知っておきたい 最新科学の基本用語』に藤村陽さん担当で「原子力事故」のテーマがあります。


 原発事故とは専門用語ではないが、原子力発電所の原子炉内の放射性物質が外部に放出される事故や、それにつながる可能性のある事故やトラブルをさして使われている。


 大きな原発事故としては、1979年のスリーマイル島原発事故や1986年のチェルノブイリ原発事故がある。


 原子力発電は、核燃料のウラン中性子によって核分裂するたびに中性子が発生し、この中性子がさらにウラン核分裂を起こす連鎖反応を利用する。核分裂を一定量で持続させるため、原子炉内の中性子の個数が一定になるように微調整しながら運転する。このバランスが崩れると、原子爆弾と同じ原理で核分裂がねずみ算的に増えてしまい爆発にいたる危険がある。


また核分裂のエネルギーを水蒸気がタービンを回転させる力に変える冷却材(通常の原子炉では水が使われている)が漏れると、原子炉が停止をしても、核燃料の発熱を冷却することができず炉心が溶融して水蒸気爆発にいたる危険がある。


 こうした事態を想定し、操作する人間のミスが起こることも考慮して、大事故を防ぐようにさまざまな設計がなされているが、近年では地震に対する対策が十分であるかどうかが問題になっている。(藤村陽)


 ◎地震による対策が十分であるか。冷却剤洩れもきちんと指摘してある。