●癌当たりくじ
原子炉事故で大気中に放出される放射性物質を吸ったり、それが含まれている水や食べ物を飲食したりすると、自然放射線に加えて、その分余分に被曝します。
そのとき、放射線が弱ければ障害が現れる確率が下がるだけということに注意しなければなりません。
安斎育郎さん(放射線防護学)は、放射線の確率的影響の割合を「癌当たりくじ」の当選率にたとえています。表は臓器別の癌当たりくじ当選率です(『放射能そこが知りたい』かもがわ出版)。
臓器別の癌当たりくじ当選率
臓器 「賞品」 10ミリシーベルト当たりの「当選率」
赤色骨髄 白血病 5万人に1人
骨 骨癌 20万人に1人
肺 肺癌 5万人に1人
甲状腺 甲状腺癌 20万人に1人
乳腺 乳癌 4万人に1人
その他 その他の癌 2万人に1人
全身 何らかの癌 1万人に1人
宝くじと同じでいつ当たるかわかりません。あるとき「ハイ、当選です」となると癌にかかっているわけです。こんなくじは買わないにこしたことはないが、やはり癌当たりくじは発売しないようにするというのが大原則です。