左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

デンマークやドイツで盛んな「森の幼稚園」とは?

 「この4月から屋久島で新しい幼稚園ができた。相談を受けて屋久島だから「森の幼稚園」の趣旨を活かしたらとアドバイス。いまその取り組みを始めているという便り。夏に行って園児達と蛇の口ハイキングコース(ハイキングよりヘビー)を歩きたいなと思った。」
 
 「同志社時代、京田辺には付近に森があるのでゼミ生活用でやろうかと思っていた。高尾山でやろうかなあ(笑)。」

 「屋久島で幼稚園を始めた人から「是非遊びに来て下さい」って。森の幼稚園の考え方でやっているって。「葉っぱにもいろんな種類があり,木もひとつひとつが違うんだと,そして,みんな生きているんだねということを,遊びながら感じ始めてくれています。」」

 とツイッターに書いた「森の幼稚園」。
会社を作ったら、会社の仕事として日曜日に月2回でも、こんな取り組みができるといいな、と思った。

 以前、WEBサイトから参考になりそうな記事をコピーしていたのでその一部を紹介。


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『森の幼稚園』

デンマークには「森の幼稚園」なるものがあります。幼稚園としての施設(器)を持たないもので、森の幼稚園はデンマークに63あるようです。デンマークの幼稚園総数が2761ということなので決して大きな割合ではありませんが、「森の幼稚園ってけっこうあるんだな」というのが私の印象です。もうひとつ、「お出かけ幼稚園」とでもいいましょうか、そういうクラスを持つ幼稚園も29あります。これは、施設はありますが幼稚園の中の特定の1クラスが、毎日どこかに出かける、という形式を取っている幼稚園で、森を中心にその他いろいろなところへ毎日出かけるようです。

 森の幼稚園とは、毎日を森で過ごしながら園児を保育する機関のことで、毎朝決まった時間に決まった場所で集合して、そこから森へ入って行きます。よほどの天候不良でない限り、雨が降っても雪が降ってもお休みにはなりません。今でこそ全国に63の森の幼稚園がある訳ですが、創始者はエラ・フラタオという方で、自分の子供4人を連れて森を歩く保育から、近所の子供たちが自然に参加するようになり、1952年の4月に正式に森の幼稚園として設立されたそうです。その後、デンマーク各地に森の幼稚園の思想を広められたそうで、多くの森の幼稚園が、朝9時前後から午後1時くらいまでの時間を森で過ごしているようです。「おむつがはずれたら、いつでも誰でも入れますよ」というのが幼稚園の受け入れ態勢のようです。

 普通の幼稚園でも週に一度のペースで遠足に出かけることは、以前にも書きましたが、郊外の幼稚園では、近くの森に散歩に出かけることはごく日常的に行われています。これが、森の幼稚園では毎日のこととなる訳ですが、毎日新しい発見があり、森に暮らす小動物の息づかいや、木々や草花の変化に子供たちはアイデア豊富にいろいろな遊び方を発見するようです。机やいすがなくても、自然から学ぶことは多くあります。もちろん、森の中でお話や物語を聞く時間もあり、また歌を歌ったりゲームをしながら過ごすようです。急な雨や冷たい風からも、森の木々が子供たちを守ってくれます。森は優しい器なのです。
 森の幼稚園に子供を預けたいと思っている両親の多くが、子供を丈夫にしたい、という願いがあるようです。なかには喘息持ちの子供などもあるそうで、森の中で新鮮な空気を胸いっぱい吸いながら、子供たちは丈夫になっていくようです。体だけでなく、精神的にも強くなるように思いますし、森の幼稚園でなくても森への散歩を欠かさないことは、子供の体と心の栄養になるように思います。

 森の幼稚園が使うという意味ではありませんが、森の中には、倒れた大木などを利用した自然の公園も数多くあり、またBBQスペースなども要所要所に設けられています。共通していることは、こういった公共のスペースにゴミ箱が設置されていないことです。自分で出したゴミは自分で持って帰ることが基本であり、ゴミ箱を設置しないことで、ゴミの回収にかける労力と費用も節約します。利用する人々も、はじめからそのつもりで来ていることもあり、決してゴミを置いて帰るようなこともなく、BBQスペースもきれいにして帰ります。その場所を管理する人がその場にいなくても、森が見ているのですし、みんなが使うものとして自然な形で子供たちに使う者の責任を教える場にもなっています。普通の幼稚園では、遠足でこういった森の中の公共の場を利用することが多いのですが、いつ出会っても、園児もいっしょにお片づけをしている光景があります。

 私自身も、この国に来て森の散歩を家族で楽しむようになりましたが、季節ごとの変化はもちろんのこと、この年齢になるまで知らなかった自然との日常的な対話を楽しんでいます。それでも真冬に1時間も散歩すると耳がちぎれそうで、鍛えられていない私にとってはけっこう大変です。息子と主人が平気な顔で散歩を続けているのをみると、ヨワッチイ日本人(もちろん日本人がみなヨワッチイわけではありませんが)を自覚しつつ、楽しめる範囲で私はやめておこうと、自分流に森の散歩を楽しんでいます。
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report2_203.html
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 森の幼稚園の歴史をさかのぼれば、今から50年ほど前デンマークでは幼稚園が不足していて、子供を預けられない母親が子供たちの保育のために森へ連れて行き遊んだところ、近所の人々も彼女の教育方針に賛同し、ヨーロッパで始めて自主運営による「森の幼稚園」を開園させたそうで、その後通園を希望する児童や社会の反響が多かったため自治体がその運営を引取、公立幼稚園となったそうです。

 森の幼稚園は備え付けの遊具は勿論無く、子供達は年中森の中で過し、よほどの悪天候でなければ雨の日雪の日、気温がマイナスを示す1月でも森の中で過す事が基本となっているようです。

 幼稚園の先生は子供の遊びに干渉せず、遊び方を提供したりもせず、森へ出かける準備も手助けせず、自然の中で自由に遊ぶ中で危ない事遣ってはいけない事を児童が学ぶのを見守る・・・・ そんな教育方針には今の日本から比較して驚かされます。

 そして保護者たちは保育方法を信頼し、子供の怪我に対しても理解を示しているとの事で、この様な環境下で育った子供は 落ち着きのある、動植物を思いやる、身体能力コミュニケーション能力、想像力を養えるとの事です。

 デンマークでは「森の幼稚園」が約60箇所あり、デンマークに見習ったドイツでは220箇所、スウェーデンでは180箇所以上の施設が出来、現在も増え続けているとの事。

 そしてもっと微笑ましい情報が、先進国では珍しく出生率が増加しているという事です。
http://s-hokusyo.com/modules/wordpress/index.php?p=111
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森の幼稚園

 「森の幼稚園」というのは特定の園の名称ではなくて雨の日も雪の日も森に集まり、森の中で移動しながら保育活動を行う幼稚園全体をさしています。

 そして、森の幼稚園には2種類あって、園舎などの施設を持たずに森の中だけで活動している園と、園舎を持ちながら屋外活動の一環として森での保育を行うところがあります。

 最初の森の幼稚園は1950年代半ばにデンマークで子育て中の母親であるエラ・フラタウが近所の子ども達も一緒に森へ保育のために連れていったことから始まり、その後、親主導の「stovbornehaven:デンマーク語の森の幼稚園」が設立されました。その他にも19世紀末スウェーデンにも森や自然教育のルーツがありましたが、北欧と同じように森の文化が定着しているドイツでは、デンマークでの森の幼稚園の存在を知らずに1968年にヴィースバーデンウルスラ・スーベが森の幼稚園を創立しました。ドイツでは1991年にケースティン・イェブセンとペトラ・イエガーによってデンマークの影響を受けて森の幼稚園が始まり、本格的には1993年にフレンスブルグに公的な森の幼稚園が認可されました。

 現在、各地にある森の幼稚園もその設立のプロセスは一様ではなくて、保護者達の自主活動から始まった所もあれば、市が新しい園の施設計画をしていたときにそのソフトとして森の幼稚園が採用された所もあるようです。

 ドイツを訪れたときに、メンバーの半分は、森の幼稚園活動を見せてもらい、子どもたちと一緒に森に行ってきました。その季節は2月でしたので、とても寒く、子ども達は厚いコートを着て出かけましたが、メンバーもドイツはとても寒いということで重装備をしてついていきました。生憎か幸いか、私は行くメンバーにはならずに園での活動のほうに参加したのですが、行ったメンバーが帰ってきたときに、子ども達はとても楽しそうでしたが、メンバーは、「寒くて、寒くて、もうコリゴリ」という感想でした。

 この森の幼稚園では、こんなことをします。朝8時過ぎに現地集合して最初は草の上で輪になり、一日の開始の歌を歌ってからお絵かきが始まります。そこでは数や地図の勉強をしたり、木片に点描画を描いたりと集団遊びが展開されています。子どもは15人に教員1の配置です。集合地点での活動が終わり片づけをしてからリュックを背負い、みんなで遠足のようにつぎの場所へ移動します。小さな荷車には必要最低限の荷物が入っており、先生達が引っ張って行きます。ゆっくりと森の中を歩きます。森の中を歩くと木々の日陰になる所と木漏れ陽がさして暖かい場所が交互にやってきます。小さな子ども達は歩くだけで汗をかいたり、また、寒くなったりと気温の調整を衣服の脱ぎ着で調整します。年長児が年下の子の面倒をみながら、また、少し発達障害がある子の動きも先生だけでなくて他の子ども達が心づかいをしながら進んでいく様子は「森の探索隊」がチーム編成されているようです。先生に引率されている感じではなくて、一人ひとりが主体的に歩いており、時として出会う森を散歩する人達にも対等に挨拶をしながら移動しています。つぎの地点への途中にもいくつかの遊びのスポットがあって、年長の子どもが「ここの斜面は滑り台になるよ」とか「あそこで遊ぶこともあるよ」と説明してくれます。

 季節に準じたプロジェクト教育のカリキュラムも充実しており、昆虫、草花、木々や動物の変化を観察します。そして、温暖な季節や天候の日だけではなくて、当然、雪の日も雨風の日もあり、蚋や蚊からどのように身を守り順応していくか、また、そのような厳しい環境の下に身を置くことで、体をとおして自然への畏敬の念を学ぶようです。日本の子どもがよく言うように、「蚊はいやだ」とか、「虫は気持ち悪い」ということは、虫が嫌いというのと少し違う気がします。
投稿者 fujimori : 2007年07月09日 21:38
http://www.caguya.co.jp/blog_hoiku/archives/2007/07/post_664.html
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【森のようちえんが育むもの】

1.森の植物や動物を尊重しつつ自然と交わることにより、命の大切さや自己・他人を大切にすることを学ぶ。
2.四季の恵みを体中で感じ、感受性や情操を豊かにする。
3.様々な自然に触れることで観察力をつける。
4.現代の子どもに欠けている運動力・免疫力が育つ。
5.自然と交わることで、体がリラックスし、感覚・言葉・想像力が育つ。
6.同年齢や異年齢の友達と遊ぶ中で自立性・協調性が育つ。
7.それぞれの子どものペースにあった遊びが展開される。
http://www.eic.or.jp/library/pickup/pu030522.html