左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

左巻健男「ラドン・ラジウム温泉の放射能は大丈夫?」(RikaTan2010年12月号執筆の一部)

ラドンラジウム温泉放射能は大丈夫?


 「放射能泉」という温泉があります。岩盤浴にも放射能をうたうものがあります。


 放射能泉や放射能をうたう岩盤浴で、よく見かける言葉が放射線ホルミシス。微量の放射線を浴びることは健康にとってかえって良いとする考え方です。しかし、現段階では仮説に過ぎず、異論のほうが強いものです。「マウスなどの動物実験放射線ホルミシス効果はほぼ間違いがない」などといわれても、動物実験の結果が人間には当てはまらない場合も多いのです。

 しかし、放射線ホルミシスの存在が既に確定しているかのような説明があふれています。


 もし部分的に存在したとしても、「どの程度の量をどの程度の時間、どのように照射すると、どういうプラスとマイナスがあるのか」などを人間ではっきりするのは未だ先のことだと思います。
 ですから放射線ホルミシスを元に健康に良いとする説明のものには近づかないほうが無難でしょう。
 自然界にある放射性ガスのラドンは、比較的低濃度でも肺がんを引き起こすリスクがあるとのデータが出てきています。


 ただし国内の代表的なラドン温泉で、1年間毎日2時間利用すると仮定すると年間被曝量は平均0.8ミリシーベルトで一般人の限度である1ミリシーベルト以下だったので、たまに入る人は恐れる必要はないと考えます。