左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

【追記】【追追記】あり:本日のフジテレビスーパーニュースに出演(ドライアイス+水をペットボトルに入れて密閉、破裂事故)

 今日は昼前に理科の探検RikaTan誌別冊の入稿。その後、会議のため大学へ向かっていたらフジTVから電話。それでドライアイスの実験をやることに。しかも夕方のスーパーニュースで放映だって。

 
 テーマはドライアイスと水をペットボトルに入れて密閉で破裂。二度水の量を変えてやったが大音響で破裂。危ない!


 ぼくは見ていないがフジテレビスーパーニュースで放映されたようだ。
結構長くやっていたよという報告も受けた。


【記事】水とドライアイス入れたペットボトル遊びで中学生負傷
 9日午後3時ごろ、岐阜県可児市今渡の広場で、中学生3人と小学生6人のグループが、500ミリリットルのペットボトルに水とドライアイスを入れて、足で蹴るなどして遊んでいた際、突然ペットボトルが破裂した。右目に破片が当たった中学2年の男子生徒(13)が病院に運ばれ、治療を受けている。


【追記】FNNのサイトに動画がありました。(いつまで見られるかわかりませんが。)

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00225183.html


ペットボトル爆発し中学生重傷 専門家「絶対やってはいけない」

ドライアイスを入れたペットボトルが破裂し、その破片が中学生の目に刺さった。
近所の人は「けっこう大きい音だった。ドーンという音」と話した。
9日午後3時ごろ、岐阜・可児市にある広場で、近くに住む中学2年の男子生徒3人が遊んでいた。
男子生徒らは、ペットボトルに水とドライアイスを入れて遊んでいたところ、突然、破裂し、破片が13歳の生徒の右目に刺さり、病院に運ばれた。
男子生徒はそのまま入院し、視力がどのくらい回復するかは不明だという。
一緒に遊んでいた中学生は、「インターネットの動画サイトを見て、面白そうだと思ってやった」と話していたという。
事故につながったドライアイスの特徴について、理科教育を専門とする法政大学生命科学部の左巻健男教授は、「ドライアイス二酸化炭素という気体が固体になったもので、-79度という、ものすごく冷たい固体です」と語った。
常温でも気化するため、常に二酸化炭素を噴出し、宙に浮くのだという。
ドライアイスが固体から完全に気体になると、体積は750倍になるともいう。
そのためペットボトルに入れて密閉すると、爆発することがある。
動画共有サイトで「ドライアイス」、「ペットボトル」というキーワードで検索すると、「爆発」や「爆弾」という言葉がたくさん出てくる。
動画を実際に確認してみると、面白半分に実験を行っている様子などが映し出されていた。
スーパーニュースでは、左巻教授に危険度を検証する実験を依頼した。
ペットボトルの中に水とドライアイスを入れてからおよそ1分。
ごう音とともにペットボトルが粉々に砕け散るほど大きく爆発した。
左巻教授は「本当に、手元で爆発起こったら、耳もやられるし、破片がいろんなところに突き刺さる可能性はいくらでもあります。本当に目に突き刺されば、失明の危険があることだと思いますので、絶対にこれはやっちゃいけないですね」と語った。
こうしたドライアイスによる事故は歴史が古く、昭和30年代から、炭酸水を自分で作ろうとした際に発生していたという。
国民生活センターの角村 浩室長は「かなり昔、水とごく少量のドライアイスを容器に入れて、置いておくと、炭酸水、サイダーのようなものができる実験です。そのやり方をまねして、ドライアイスをたくさん入れてしまったりとか、容器を完全に密封してしまって、事故が起きているのではないかと」と語った。
国民生活センターでは、以前にもペットボトルが破裂する同様の事故が相次いでいたとしたうえで、消費者に注意を呼びかけている。 (06/11 17:48)


【追追記】◎昨年読売新聞教育ルネサンス欄の左巻健男連載「おもしろ理科」の中から:


○ ペットボトルにドライアイスを入れて密閉すると…


 ドライアイスをガラスびんに入れてふたをして破裂してガラス破片が飛び散るという事故はよくおこっています。ガラスびんだけではなく、ペットボトルでも危険です。今は、ガラスびんよりペットボトルのほうが身近なので、ペットボトルの破裂事故が増えています。ペットボトルにドライアイスを入れてふたをして振っていたところ、破裂して、飛んだ破片が突き刺さるという事故です。ときには目に刺さって失明します。
 非炭酸飲料用ペットボトルよりも炭酸飲料用の耐圧ペットボトルのほうが、高い圧力に耐えられますが、それでも私たちのまわりの気圧1013hPa[ヘクトパスカル]の約6倍までです。それは新品で工場で中味を入れるときという条件ですから、実際はそこまで耐えられない場合もあります。
 一般に固体や液体が、気体になると数百倍から約千数百倍の体積になります。
 ドライアイスをペットボトルに入れて密閉すれば急激に固体から気体になりますが、密閉されていれば内部の圧力が増大します。とくにドライアイスがボトルの内部で接触したところは低温のために次第に弾性を失いますので破損しやすくなります。
 ペットボトルの破裂事故を受けて、神戸市消防局が、やった実験があります。500ミリリットルのペットボトルに40〜50グラムのドライアイスと、300〜400ミリリットルの水をいれ、各々条件を変えて爆発実験の結果、破裂までの時間は、7秒〜44秒で、「パーン」という大音響とともに破片が四方に飛び散ったということです。
 ドライアイスを容器に入れて密閉することは絶対にしてはなりません。