左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

文庫本、左巻健男『2時間でおさらいできる中学理科』大和書房を書き始めたよ!(まず「はじめに」を書いた。)

 「はじめに」で、この文庫本の内容を「こんな感じにしたい」と挑戦的に書きました。
 これから本文を書いていきます(本文は、本が出たら本でお読みください)。
 これも「未知への探究」です。
 挫折して目論み通りにはならないかもしれません。でも今月中は挑戦してみようと思います。
 
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 はじめに−なぜ中学理科をおさらいするのか


 人が生きる最低限必要なものについての知識と考えは理科にある!


 理科(自然科学)の知識と考え方なしに、自分の生を、自分の健康を維持することはできません。
 人の生命維持には、最低限、食物・空気・水が必要です。それらのものについて人のからだのなかでの役割や仕組みなど正しい基本的な科学知識がなかったら生命維持は難しくなるでしょう。それらはみな理科で学ぶ内容です。
 食物・空気・水だけでは、本当に「生きているだけ」になります。さらにゆたかに生きるには、衣類や家、エネルギーが必要です。これらもまた大部分は理科が土台になります。
 およそ日常生活を営むにも、自然科学の知識が必要です。科学の知識がなければ、もっともっと火事が起こったり、感電などいろいろな事故が起こっていることでしょう。


 ニセ科学、それで説明された商品にだまされないために


 わが国の大人の傾向として、「科学はわからないけど大切だと思っている」ということがあります。そこで一見科学っぽいものに惹かれる傾向があります。科学と無関係でも、論理などは無茶苦茶でも、科学っぽい雰囲気をつくれれば、ニセ科学をほいほいと信じてくれる人たちがいます。
 そこで、たとえば、病気になり藁をもすがる人たちや今は健康でも不安をもっている人たちに、「科学っぽい装いをしている」あるいは「科学のように見える」にもかかわらず、とても科学とは呼べないような説明をして高額な健康によいとする機器や食品などを売りつけようという人たちがいます。狙われるのは科学知識のない人たちです。
 地球環境問題や身のまわりで起こっている水質汚染や大気汚染などの公害問題などで市民が行動を起こしたり、選挙で投票の意志決定をするのも、今日では、科学知識が土台の一つになっています。
 働くときにも科学知識が必要な職業がたくさんあります。会社の営業職でも扱う商品が科学と技術の産物なら、その商品についての基本的な科学知識が必要でしょう。
 さらに、科学と技術が社会のさまざまなところに深く広く入りこんでいる現代社会では、自然科学的知識なしには、どんな経済行為も政治行為も成り立ちません。
 こうしてみると、個人レベルから国家、社会レベルまで、理科を学び、科学の知識と考え方を得ておくのは当然ということになるのかしれません。


 学問の中で自然科学はもっともしっかりした土台をもつ


 自然科学は頭の中で仮説をこねまわすだけではなく、その仮説の当否を自然にはたらきかけて検証しています。
 自然科学は、自然の不思議いっぱい、ドラマいっぱいの世界を少しずつ解明してきました。自然の世界の扉を少しずつ開いています。まだまだわからないこともたくさんありますが、わかってきたこともたくさんあります。そのわかってきたことのうちの、さらに基礎・基本の中からテーマを取り上げて学ぶのが理科なのです。
 とくに中学理科(小学校理科もふくめて)では、自然科学の基礎・基本を学びます。


  理科・科学を文化として楽しめるといいね!


 そのとき、ただ知識を覚えるだけなら、試験などが終われば忘却の彼方に行ってしまうでしょう。ぼくは、本書でも「ほら、もう一歩、こんなことまで考えれば面白いでしょ!?」といいたいのです。
 そこで、限られた紙面の中で、何とか中学理科の内容で、「私たちは何物か?」という問いを立てて、その問いに答えてみるストーリーを立てることにチャレンジしてみましょう。理科・科学を文化の一つとしてとらえて楽しめないかと思うのです。