左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

近藤誠氏の「がんもどき」と「がん」の二分法は単純すぎる

 左巻健男です。
 いま共同執筆でつくっている生物本の中の「がん細胞」に次のような内容を入れました。
 ツレは近藤氏のファン。ぼくは以下のような考え。そこでよくがんについて言い合いをしています。


■近藤誠氏の「がんもどき」と「がん」の二分法は単純すぎる
 「がんもどき」とは、慶応大学の放射線科医である近藤誠氏の「仮説」です。近藤氏は、“がんには見かけでは区別できない「がんもどき」と「真のがん」の2種類がある、「がんもどき」は増殖速度もゆっくりで、浸潤も転移も起こさないので、慌てて治療する必要はない。それに対して「真のがん」はごく初期から浸潤・転移を起こすので発見された時点で既に治療しても生命予後を改善しない。がんの早期発見・早期治療は無意味である。”と述べています。医療不信もあり、近藤氏の論は強い影響力があるようです。
 がんというのは、近藤氏が述べるような単純に2つに分けられるなようなものではなく、きわめて多様な疾患であり、悪性度も様々です。各疾患ごとに、また患者の状況ごとに治療を考えたほうがいいでしょう。まずは、標準治療でできるだけ根拠に基づいた治療を選びましょう。
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参考:PseaDoctor:近藤誠氏の「がんもどき理論(仮説)」の誤りと危険性
http://pseudoctor-science-and-hobby.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html