録画しておいた「深夜特急」を見ていたら旅心が大いに刺激されました。
■ぼくは旅が好きだ
ぼくは旅が好きだ。忙中閑あり。一生懸命に仕事に取り組んでいるとき、時に考えるのは次にどんな旅をしようかということだ。旅があるからハードな仕事にも耐えられる。気に入ったところには何度も旅している。
30年ほど前に、ぼくが友人たちとつくった『関東周辺 自然ハイキング』(水曜社 1984.10 絶版)という本がある。その前書きに書いた気持ちは今も同じだ。
“私たちのすむ日本列島は、変化に富む景色がいっぱいで、四季折々の美しさをみせてくれる。私たちは、自然にひたることで日ごろのストレスを解消し、明日への活力をやしなっている。この美しい自然にも過去があり、現在があり、そして未来がある。刻々と変わるその姿の一瞬を私たちは見ているのだ。
自然の中で、すみわたった空気を胸一杯にすいこむだけでもいい。自然の中を歩く。それだけでもいい。でも、ちょっぴりそこにくらす生き物、あるいは地形、地史がわかれば、いっそう自然を身近に感じることだろう。…
私たちは希望している。自然は、観光地だけにあるのではないことを読者のみなさんが知ることを。自分がくらす場所だって、かつての海が、かつての川がつくった地形をとどめていることだろう。帰化植物にまじって在来の植物がくらしていることだろう。町の中にも小さな自然がいっぱいあり、生き物たちの世界があるのだ。…”
旅も理科も好奇心に支えられている。自然をちょっぴり科学の目でも見ながら旅したいと思う。
■左巻健男のお薦め旅
もっとも回数が多いのは、もちろん自宅や勤務先のまわりの小さな旅だ。
野田市の清水公園周辺、江戸川堤を上流へ(関宿城博物館あたりまで)、都立小金井公園、多摩湖自転車道を多摩湖・狭山湖へ。京都勤務時代は、京都各地を歩いたりサイクリングしたり。
期間が長かったのは、旧東海道と旧中仙道を歩き通した旅だ。旧東海道は16日間。旧中仙道はもっとゆっくり歩こうと思い22日間。
思い起こせばいろいろなところを旅した。特集(理科の探検(RikaTan)誌2014年07月号)でぼくが書いたテーマは、その旅の一部だ。ぼくが自然系で何度か行っているところをあげてみよう。
1回でも行ったことがあるところを入れると、この何倍かになるだろう。外国もいろんなところへ行った。
好きなところは何度も行っているから、これらはぼくのお薦めだ。
【九州・沖縄】 雲仙岳、阿蘇、奄美大島、屋久島、沖縄やんばる、西表島
【中国・四国】 大山、隠岐、龍河洞、秋芳洞・秋吉台、三段峡、鳴門の渦潮
【近畿】 琵琶湖、鴨川、深泥池、哲学の道、高尾、六甲山・有馬温泉、熊野古道・大峰道(大峰奥駆け道)
【中部】 佐渡、糸魚川ジオパーク、野尻湖・黒姫山、上高地、槍ヶ岳、八島湿原、青木ヶ原樹海、西沢渓谷、立山黒部アルペンルート、一乗谷
【関東】 奥日光・戦場ヶ原、尾瀬ヶ原・至仏山・燧岳、那須・茶臼岳、妙義山、長瀞、城ヶ崎自然研究路、養老渓谷、清澄山、玉川上水30 kmを歩く、高尾山、川乗山、伊豆大島
【東北】 白神山地・五能線、下北半島、岩木山、十和田湖・奥入瀬渓流、象潟・鳥海山、龍泉洞、三陸海岸、月山、飯豊山系、朝日連峰、五色沼自然探勝路、磐梯山