左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

『知っているようで知らない水のフシギ』平凡社新書(9月発行予定)の「はじめに」(一次原稿)

 『知っているようで知らない水のフシギ平凡社新書(9月発行予定)のゲラ校正をしています。
 いま、その「はじめに」の一次原稿を書いて見ました。

───────────────────────────
【追加】左巻 健男 著『水の常識ウソホントQ&A77』平凡社新書 787 2015/09 ISBN9784582857870


水道水とミネラルウォーターはどちらが安全? 水をめぐる戦争が起きる? 77のQ&Aからわかる、身近で不思議な物質「水」の姿。

http://www.heibonsha.co.jp/book/b208123.html
───────────────────────────

               * はじめに *


水のフシギを、私たちの体や生活と関わらせながら、その科学的な秘密までも、やさしくわかりやすく伝えたいと思って、一生懸命書きました。


 私は、理科(自然科学)の基本的な知識と考え方なしに、自分の生を、自分の健康を維持することはできないと確信しています。人の生命維持には、最低限、食物・空気・水が必要です。それらのものについて人の体のなかでの役割や仕組みなど正しい基本的な科学知識がなかったら生命維持は難しくなるでしょう。それらはみな理科で学ぶ内容です。
 私は、理科で何をどんな方法で学んだらよいかを教育・研究しています。その理科教育を専門とする立場から、私たちにとって大変重要な物質である「水」についてもいろいろ調べたり、記事など書いたりしてきました。
 そうした経験に立って、私が「水のサイエンス」「水環境」について誰でも知ってほしいことをまとめてみたものが本書なのです。


 「水と体の関係」「水道水とミネラルウォーター」を見た上で、世にあふれる「体によい○○水」と言ったものについても見て行きます。
 メインは、「水の科学的秘密」「水の3つの状態」です。ここでとくに、液体の水についてのサイエンスを見て行きます。水は、この地上にもっとも多量にかつ広く存在する液体です。しかし、液体の代表とも言える水が、実は自然界の物質の中でかなり変わった性質を持っています。私たちの生活する範囲で、固体も液体も気体も存在し、とくに「固体(氷)が液体(水)に浮く」という何千万種類といわれる物質の中でほんの少数にしか見られない特別な性質を持っているのです。
 最後に、「水環境」を見て行きます。


 読者のみなさんへ、水の大切さ、水のフシギ、水のサイエンスの面白さなどがいくぶんでも伝わったら嬉しいです。


 最後になりますが、編集にお骨折りいただいた平凡社・岸本洋和さんに感謝いたします。


 2015年7月 左巻 健男