左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

高木仁三郎+渡辺美紀子『食卓にあがった死の灰』から

 手元にあった(ぼろぼろになった)高木仁三郎渡辺美紀子『食卓にあがった死の灰講談社現代新書1990.2。


 「天然には、ウラン、トリウム、ラジウムラドンカリウム40などの放射能があり、これらもけっして健康上好ましいものではなく、避けられたら避けたほうがよい…。」
  「カリウム40は、…宇宙に生まれたものがまだ少し地上に残っていて、私たちに食生活を通じて…被曝を強いているのは、宇宙の歴史の皮肉かもしれない。…自然放射能ラドン…少しでも無用な被曝を減らす方向に、人間の知恵が進んでいかなくては……。」


 …情報不足ゆえに“放射線恐怖症”が…蔓延…。
 「ソ連ではやりの小話…天国に昇った2人の死者の魂が語り合った。…どこから来たの?/チェルノブイリからだよ。で、死因は?/放射線だよ。ところで君は…?/キエフから/君の死因は何なの/情報だよ……」


 「…日本の原子力安全委員会の言い分…日本の原発チェルノブイリ級のシビアアクシデントは起こさない…スリーマイル島のような事故だって起こらないような安全審査がなされているから、そのレベルも考えることはない…。」
 「…チェルノブイリ級の事故が起こらないというのも、「すべて安全審査の想定通りに事が運ぶとして」という前提つきのもので、絶対のものではない。…現実に…事故が起こった以上、炉型は違うとはいえ、同量の死の灰を内蔵し、破綻をきたせば最悪の場合、同様の事態になりかねないものと考えて、少なくとも現実に起こったチェルノブイリ並みの事故を日本で想定してそれに備えておくことのほうが、よほど現実主義的ではないだろうか。」


 若い頃から安斎さん、野口さんをはじめとする日本科学者会議の原子力本と高木さん本を読んできた。科学者会議の原子力の委員会の面々は広瀬みたいなのとは一線を画していた。しかし、「日本の科学者」誌は広瀬レベルの反原発派に傾斜してしまっていると思うのだ。


 俺は御用wikiとやらに“「可笑しげ反原発」と一緒に反原発に入れてほしくない。御用で大いに結構”と言った。反原発に並んでいた広瀬らを念頭にだ。
 最後に結局反原発に入れられてしまったがw。