左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

水晶はどのようにしてできたのでしょうか。

 ぼくは、子どもの頃、栃木県小山市を流れる思川の川原に遊びに行っては、つやのある白っぽい石を探しては割って水晶を探すのに凝ったことがあります。


 その石は、石英という石でした。


 ときには、パカンと割ると、中が空洞になっていて、その空洞の中に数ミリの水晶が林立しているのです。水晶は六角形の柱で先端がとがっていて、光を反射してきらきら輝いているのです。石英はもともと「石の花」を意味していて、空洞の中に花のようにいっぱい群がっている様子を表している言葉です。きれいな水晶が育っている石を見つけると、とても嬉しかったものです。よく、高さが何センチもある大きな水晶(無色のものや紫色のものなどがある)がいっぱいくっついた飾りものも、きれいですが、自分で見つけた水晶は宝物でした。


 水晶のふるさとは、地下深いところにたまっているマグマという高温の液状のものです。それは、水晶の成分である二酸化ケイ素を主にふくみ、他にいろいろな物質をふくんでいます。このマグマが地下のわりあい浅いところにのぼってくると、まわりの温度が下がるため冷えて少しずつ固まってきます。ほとんど固まったときに残った液や熱水溶液(高温で、いろいろな成分が溶け込んでいる)が、すでに固まった部分のすき間やまわりの岩石中に空間を作ると、そこでは自由に結晶が成長することができます。


ぼくたちがよく見る水晶は、そういう場所でできたと考えられています。


  ついでですが石英と水晶の関係について説明しておきましょう。ふつう、透明度が高いものを水晶と言い、透明度が低いものを石英と言いますが、水晶と石英は同じものです。白くにごった石英も、小さな結晶の集まりです。その結晶は細かすぎて顕微鏡レベルでないとわかりません。うまい具合にのびのびと成長できる空間があったところで大きく成長したものを水晶と呼んでいるのです。