瀬戸内海に浮かぶウサギの島、旧日本軍毒ガス工場の島
大久野島紀行 RikaTan2010年6月号 左巻 健男 Takeo SAMAKI
◎大久野島はどこにある?
「大久野島(おおくのしま)に一緒に行かない?」
「どんな島なの?」
「旧日本軍が秘かに毒ガスを製造していた島だよ。その毒ガスで今も中国本土などで被害者が出ているね。」
「毒ガス?嫌だわ。」
「いや、今はウサギ島で有名なんだ。それと平和学習の島にもなっているんだ。」
などという話をして、ツレと大久野島に行くことにしました。
忠海(ただのうみ)駅から徒歩7分の忠海港からフェリーで約12分、大久野島に着きます。
◎ウサギと遊ぶ!!
港から休暇村のバスで本館へ。本館前でバスを降りると、ウサギたちがお出迎えです。現在、島内には約300羽のウサギがいます。
フロントで「ウサギのごはん」が販売されています。本館前の広場で、エサをあげると寄ってきます。本館前にいるウサギが一番人慣れしていて、本館から離れて山中にいるウサギほど人慣れしていないようです。
宿泊客には希望者に朝の散歩会があります。今回は、ぼくとツレだけでした。スタッフの引率者はウサギのエサが入ったバケツをもっています。エサを貰えるということがわかっているらしく、ウサギたちが走り寄ってきます。このウサギたちは、島外の小学校などで飼われていたウサギが持ち込まれて増えたということです。
◎レンタル自転車で島一周
島は周囲4.3キロメートルだから歩いても十分大丈夫。歩くのは次の日に島の中央部にある標高100m弱の「ひょっこり展望台」へ行くのでとっておいて、まずは自転車で一周です。
休暇村から時計回りに自転車を走らせると、すぐに長浦毒ガス貯蔵庫跡が見えてきます。約100トンの毒ガスタンク6基が置かれていました。戦後処理のとき、火炎放射器で焼き払ったので、壁面が黒くただれたようになっています。
さらにしばらく行くと登り道になり、明治時代中期、日露戦争の時代におかれた砲台の跡があります。
港の手前で周遊道路から少し入ると「発電場跡」があります。山中に異様な姿をさらした廃墟になっています。
ちょうど休暇村本館に帰着したとき、太陽が没するところでした。
◎夜のウミホタル発光観察会
ツレが楽しみにしていたのが、ウミホタル発光観察会。ツレは高校生物教員時代に何度も遠くまでウミホタル採集に出かけて高校生に見せていたからです
ワイングラスにうようよいるウミホタル。電極を差し込むと青白い幻想的な光が見られ、参加者たちは歓声を上げていました。
◎展望台へのお散歩
展望台への散歩道では、春にはコバノミツバツツジ、ミモザやオオシマザクラの花がきれいです。
展望台からはNHK「ひょっこりひょうたん島」のモデルにもなった瓢箪島やしまなみ海道の多々良大橋も見ることができます。
高さ226メートルの送電線も近くに見ることができて圧巻です。
◎地図に載っていなかった島
1929年旧日本陸軍により大久野島に毒ガス製造工場が設置されました。1945年終戦までこの島は秘密の島として地図から抹消されていました。
大久野島毒ガス資料館は、島の毒ガス製造の歴史と毒ガスによる被害を展示しています。毒ガスの悲惨さが伝わります。
