○教員免許更新講習について、某大学の免許更新講習の責任者(教育学研究者)と話をしたときに「早晩破綻して終わる可能性がいわれている」といっていました。
文部科学省がやりたくて始めたものではありませんし。
ただこれでどこかには利権ができてしまうからそう簡単には終わりにはならないかもしれません。
この前、地元の千葉県野田市の中学校で理科授業をしたら放送大学でビデオ撮影されました。
放送大学の講習のときに「理科教育の各地のすぐれた取り組み」として野田市などの事例を示すようでした。
放送大学にとってはこの講習がプラスになるでしょうね。
教員経験10年以上のいわば中堅・ベテラン教員を相手にして大学教員が満足のゆく講習ができるかが問題です。大学側は講習参加者に評価されて文部科学省WEBにそれが載ると聞いていますし。好評悪評ともに口コミでいろいろ伝わるでしょうし。
法政大では教科は国社英の3教科しかやりません。内容はそれぞれに力が入っています。8月上旬。
理科をやるとしたら、小金井地区(理系キャンパス)の教職課程委員長のぼくが中心になるのですが今のところ意欲がわいてきません。ぼくの場合は、各地の研修会の講師で考えを伝えたほうがいいと思っています。
○新理科教育MLで「教員になる気がない教育実習生を排除しやすくなるので現場は楽になる面もある」という意見にコメント。
免許更新制度が100%悪というつもりはありません。
法政でも教育実習校からの教育実習生へのクレームがたまにありますし、ぼくも東大附属でほとんど教員にならない教育実習生を指導してきましたから現場の気持ちはわかります。ただ一部の「絶対教員になるつもりがない」教育実習生の存在で免許更新制度が合理化できるとは思えないのです。
教員志望であろうがなかろうがいい加減に教育実習をする学生は落とすべきでしょう。
いま、免許更新制度だけではなく、いろいろな面で(世の中の教員バッシング、教員の多忙、教員の自由の無さ、給与・生活面で条件が必ずしもよくないなど)教員という仕事に憧れや夢がもてなくなっていると思います。(それでも不況になって公務員人気で教員志望が増えるかも知れませんが…。)
全国学力テストで県や市町村・学校・教員・子どもを競争させ、上からの管理を強化していこうとする教育政策の一環だと思います。
ただ批判的だからといって、やる側は手を抜くわけにはいかないのは当然ですが。
今の教員のかなりを育てたはずの教員養成系大学・学部、一般学部の教職課程が、いつも「ちゃんとした教員養成をやっていない」といわれていますが、そういうところが中堅・ベテラン教員に満足がいく講習ができるのでしょうか。それならまず学生への教育をきちんとやってもらいたいものです。
でも「精鋭」だけでやるから何とかなるんでしょうが。