左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

津田倫男『老後に本当はいくら必要か』

 昨日、津田倫男『老後に本当はいくら必要か』を読んだ。
 老後の不安が世の中を被い、老後の資金にウン千万とか1億とか必要だといわれている。ある新刊紹介でこの本が「1千万もあればなんとかなる」といっているというのを読んで「へえ、どうしてかな」と思ったのが読もうとした動機である。


 ぼくの読後感は、「月20万余の年金がある人なら、1千万円もなくてもよい、定年後を生活費でそんなに心配することはない」ということだ。そのための精神論まで披露している。
 そういえば、年収2百万以内の人が1千万人を超えているのに、彼らもなんとか暮らしている。
 それよりも、熟年の生き方を考えたほうがよいってことだ。
 違和感を持ったのは「中高年起業家という道」の推薦。そりゃ、就活がうまくいかなかった若者に起業家を勧めるのは無謀というものだが、いまの日本、経験や金がある中高年だってやめた方がよいと思う。失敗しても再チャレンジがしやすい国ではない。そしてほとんどは失敗するだろう。もしかして彼の『60歳からのチャレンジ起業』を読めばそんな心配吹っ飛ぶって…か。


 ぼくは、本書で、老後の不安から小金持ちが、ついつい高利回りの金融商品に手を出してしまっていることへの警鐘がためになった。
 ぼくも小金持ちの仲間になったが、株を始めとした金融商品には手を出すのはやめようと思う。ぼくは貯えを利子のほとんどつかない普通預金でもっているが、1千万程度の小口に分割して別々の銀行に定期預金にでもしておこうと思った。