左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

毎日新聞 今週の本棚に『暮らしのなかのニセ科学』=左巻健男・著 が紹介されました!

毎日新聞 今週の本棚に

『暮らしのなかのニセ科学』=左巻健男・著 

が紹介されました!

 

https://mainichi.jp/articles/20171022/ddm/015/070/036000c

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毎日新聞2017年10月22日 東京朝刊

今週の本棚・新刊

『暮らしのなかのニセ科学』=左巻健男・著 (平凡社新書・864円)

 ネット情報の氾濫で確かな情報を見極める知識力の重要性はますます高まっている。特に科学のニュースは容易にウソだと見抜けないだけに、この種の本の存在は貴重だ。

 米アップル社の創業者、スティーブ・ジョブズ氏は膵臓(すいぞう)がんと分かったあと手術を拒否し、絶対菜食主義やコーヒー浣腸(かんちょう)などを試みた。結局、手遅れになり、56歳で他界した。科学的なエビデンスのない民間療法や「抗がん剤は効かず、苦しむだけ」といった偏った思考を信じていると、自身の生命を脅かすことになる事例を数多く挙げている。

 他に「サプリメントで健康になれるか」「テレビで勧めるダイエット法は本当に効くか」「ニセ科学がはびこる水ビジネス」「怪しい足裏デトックス」など、さまざまなニセ科学の例を取り上げる。

 典型的な例として、EM(有用微生物群)も俎上(そじょう)に載せる。「川や海への散布で水が浄化される」「放射能を除去する」などは全く根拠がない。しかし、学校教育や環境活動などで菌を利用するケースはなかなかなくならない。途方もない主張には途方もない証拠が必要だということを知っておきたい。(小)