日本人の平均寿命は、明治・大正時代は40歳代でした。そして、50歳を超えたのは1947年(昭和22年)のことでした。歴史的にみれば、本当に最近の話なのです。
(なお、平均寿命とは、0歳児の平均余命のことです。)
日本は、平均寿命が50歳を超えてから20年間で飛躍的に寿命が延び、1970年には世界一になりました。
これには日本人の遺伝的素因、日本人の乳幼児の死亡率の低さ、国民皆保険制度の存在や高齢者に対する医療制度の存在、 高齢になっても勤労意欲が高いこと、社会が比較的平等で、貧富の差が少ないこと、学校教育制度が確立しており、教育によって国民全体の健康に関する知識や関心が高まっている可能性、などが原因と考えられます。
日本人の食事や運動、入浴などのライフスタイルが長寿に適していることも考えられます。日本には独特の食習慣があります。先進諸国中で脂肪摂取量が飛び抜けて少なく、米飯を中心としてた炭水化物の摂取が多くなっています。また魚や豆腐や納豆、味噌などの大豆製品のの摂取が多いことも特徴的です。
これらは動脈硬化の進行を防ぐには理想に近い食習慣でしょう。毎日入浴し、身の回りを常に清潔に保つ、このことが感染症の予防につながっていると推測されます。