【子ども向け元素本(編著『元素のふしぎ366』)で
ラドンのところを書くので…】
※知ってほしいのは「
放射線ホルミシス効果」なるものは、定説になっていないこと、一生懸命これが立証できれば「低レベル
放射線は健康に良い」といえると研究してきた電力中研もダメだったようだ。
しかし怪しげな商売人達がこの効果にすがるので要注意だ。
ある自称温泉博士の本でもこの効果で
放射能泉を説明していた。素人を騙すなよ!
放射能泉の定義は「温泉水1キログラムの中に
ラドンが111ベクレル以上ふくむものとされています。文字通り放射性同位元素がふくまれている温泉です。
一方、自然界にある
ラドンは、比較的低濃度でも肺がんを引き起こすリスクがあるとのデータが出てきています。2005年6月、
世界保健機関 (WHO) は、
ラドンは喫煙に次ぐ肺がんのリスク要因として警告しています。
では、
放射能泉での被ばく量はどの程度になるのでしょうか。
増富温泉で調べられた場合、1年間毎日2時間利用した場合でも年間被曝量は平均0.8ミリ
シーベルトで、一般人で自然
放射線以外に余分に被ばくしてもいいとされる1ミリ
シーベルト以下なのでたまに入るくらいなら怖れる必要はないでしょう。
なお、トロン温泉とよばれる
放射能泉がありますが、トロンという元素があるわけではありません。トロンは
ラドン220のことなのです。
ラドン220は、トリウム232が大元でできます。
ラドン222と区別するためにトロンとよんでいます。
ラドン222と似たような性質で
半減期が短いです。