左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

本を書く生活、文を書く生活


昨日、講演に行くための車内で次の文を書いた。理科の探検(RikaTan)誌8月号用のものだ。一次原稿なので少し手直しする可能性がある。、


編集長エッセイ

 本を書く生活、文を書く生活


            SAMAKI Takeo
理科の探検誌編集長   左巻 健男


 「原稿が遅れる人はもともと書く能力が弱い人か、自分の能力を高く見過ぎてちょっとで書けると思い、ぎりぎりでやる人かな。ふつう、3日でやれると思うことは1週間、10日とかかるもんなんだよ。自分がやれると思う日程の2倍、3倍余裕を持って取りかかってやっとなんだよ。」
 これはぼくのツイッター@samakikaku の呟きのなかで、これまでにたくさんのリツィートがされたものです。


 ぼくはできるだけ締切を守るようにしています。それでも考えあぐねている間に時間が経過し、書き上げるのが1年以上も遅れてしまった本があります。それが、前月号*(以下に引用)で、「『おもしろ理科授業の極意』(仮題 東京書籍)を書き上げた!」と報告した本でした。自分の理科教育の教育・研究の総決算として「これだけは若手の理科教員に伝えたい」という本にしようと悩んでしまったからでした。それでも、一生懸命に書き上げたのです。


 その後すぐに、並行して何冊かの本の監修をしながら、『暮らしのなかのニセ科学』(平凡社新書)を書き上げ、さらに『小中学の理科がすべてわかる本』(仮題 PHP)を書き上げました。


 こうして大学の仕事もしながら「本を書く生活、文を書く生活」を送ってきました。ぼくは、ほとばしるような才能などなく、どちらかといえば理解力や記憶力が弱く、文も下手で、学力劣等生として過ごしてきました。そんなぼくが、新任の理科教員になったときに、雑誌『理科教室』誌の編集委員になったことがきっかけで雑誌に原稿を書くようになりました。


 雑誌の原稿を書くようになって、「これは自分が試されているんだ! ただ書けばいいのではない。お金を払っても読みたくなるような、お金を払ったことを後悔させないようなものを書くんだ!」という意気に燃えていました。友人に「左巻さんの文章を読むと色が見えてくるね」と言われたことがあります。文が下手でも、読み手に文を通して伝えたいことを伝わるように書くことを意識していたので、その言葉は嬉しかったです。今でもこの初心を忘れてはいないつもりです。


 本を書く生活、文を書く生活はかなり根を詰めるものです。そんなときのぼくは文を書くことに没頭しています。その姿を見ている家族に「よくそんなに集中できるね」と言われます。あと数年は合間に充電もしながら、国内外放浪などの趣味もしながら、本を書く生活、文を書く生活ができることを願っています。


*引用:理科の探検(RikaTan)誌6月号の編集長エッセイの一部。


 ぼくはここ何年か専門の理科教育を土台にして、科学啓蒙的な本を書いていました。
 今回久しぶりに学校の先生方向けの理科授業の本を書き上げました。予定では320pのやや厚い本になる予定です。ぼくの長年の理科教育の経験を元に理科授業の考え方・やり方や内容のとらえ方などゆたかにやさしく示す本にしようと努めました。学校の先生方にはぜひ読んで貰いたいです。


 なお、昨年出した次の単著では、とくに力を入れて、というか0からスタートして一生懸命に学習をして書き上げたのが『面白くて眠れなくなる人類進化』です。ぼくの学習成果をご覧ください。


左巻健男『面白くて眠れなくなる元素』PHP
・左巻 健男『PHP文庫 面白くて眠れなくなる理科』PHP
左巻健男PHP文庫 面白くて眠れなくなる物理』PHP
左巻健男『面白くて眠れなくなる人類進化』PHP


 本号が出ることには、新刊として、左巻健男PHP文庫 面白くて眠れなくなる化学』PHPが書店に並んでいるでしょう。