ある県に何回か出かけて行って先生方に小学校理科の指導をすることになった。しかし、その担当は、この4月に指導主事になったばかりで、この大きな事業に不安をもっているようだ。一番の不安は、ぼくが講師をすることだろう。何せ、ぼくは、小学校理科の主流の「初等理科研究会」や「全小理」などの小学校理科プロパーとは少し理科教育のスタンスが違うのだから。
ぼくのほうにも不安がある。まず小学生に模擬授業をする。たまにはやったが、だいたいは中学生や高校生相手が多かった。小学生は久しぶり。
両方で不安をもって6月の研修会に向かおうとしている。
その指導主事も大変だろう。彼が研修会の内容案をつくってみるとのこと。できるだけ要望に応えてやりたい。
ぼくのほうも、「初等理科」の主流的な授業論などとどううまく切り結ぶことができるか。
いつもは、ぼくが講師をするから話が聞きたいという研修会が多かった。だからぼくは好き勝手なことをやっていた。それで受講生に人気も高かった。
しかし今度はもしかしたらぼくのことなんか知らない人が大部分かも知れない。そんな人が自分がやってきた授業とは違う授業を示したら反発もするだろうと思う。
教科書メインで授業をしている人たちの気持ちもくみ取りながら、どう「これからの探求的であり、基礎基本を身につけながら活用をはかっていける理科教育」のほうに少しでも近づけさせるか。
今年は、ぼくにとっても勉強になる機会が与えられたようである。
こんなことを書いていたら、まずは今月の23日の講演会の構想をしなければならないことを思い出してしまった。