左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

嫌がらせのSLAPP訴訟

 ニセ科学批判本を書くためにあることを検索していたら見つけた記事。
 ニセ科学の商品を出している会社にこんなSLAPP訴訟を起こされる可能性はいつでもある。
 備忘録として入れておく。

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新小児科医のつぶやき
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20120901

前にSLAPPについて書いた事があります http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20101211SLAPPとはごく簡単に言うと「言いがかり訴訟」です。典型的にはある会社が開発事業を計画し、それに対して住民の反対運動が起こったとします。その住民運動に対し、運動そのもの、もしくは主要メンバーに「言いがかり」に近い巨額の民事訴訟を吹っかけるです。

事は訴訟ですから、放置すれば会社側の言い分がそのまま認められ巨額の賠償金が課せられます。嫌でも応でも訴訟に対応しなければなりません。訴えを起こした会社側は、それこそ手練れの弁護士を雇ってきますから、こちらも弁護士を立てて応戦しないとなりません。ここで時間とカネが費やされます。

また民事訴訟では被告側は責任を逃れても賠償金の支払を免除されるぐらいしかメリットがありません。原告だって請求が認められなければ弁護費用は持ち出しになるのですが、勝てば賠償金が入ります。ここで不当な請求で迷惑を蒙ったの損害賠償訴訟も被告には可能ですが、それをやるにもまた時間とカネがかかるです。

SLAPPのもう一つの特徴は「言いがかり」ですから、原告である会社側に勝つ気は乏しいです。ただただ狙いは訴訟で原告を弱らせるです。延々と法廷闘争を行う事が主目的で、訴訟費用については、この例で言えば住民対策費との算盤勘定ですから気にもならないです。場合によっては複数の訴訟を提起する戦術も可能であると言う事です。

訴訟大国であるアメリカでは既に問題視され、一部の州でSLAPP規制が行われているようですが、アメリカだって訴訟を起す権利を重視する州ではSLAPPは野放しです。そして日本では実質的に野放しです。日本でもSLAPPに該当するとされる訴訟は既に行なわれているとも聞きます。くわばら、くわばらです。
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