左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

日本の原子力発電の首根っこは米国におさえられている!

 第2次世界大戦後、日本を占領したアメリカは、日本の電力の生産体制の転換を計画しました。日本発送電株式会社(日発)による全国一元的な体制によって電力生産がなされていたのを、9つの地域ごとの会社に分けました。
 そこには、一つは、戦前のような財閥の解体という方針に沿ってでしたが、もう一つ秘められたねらいがあったのです。
 それまで日本の電力は、主に水力発電によってまかなわれていたが、大電力を消費する関東や関西地方では、水力発電だけでは足りず、火力発電所を電力多消費地に隣接してつくることが必要になりました。そこにアメリカの発電機を導入させようとしたのでした。燃料は、最初は石炭火力でしたが、やがて石油火力へと転換させました。こうしてアメリカの国際石油資本を通して、日本の電力の首根っこがおさえられるということになりました。1965年頃からは「火主水從」時代の到来となったのです。
 原子力発電については、日米原子力協定などのもとで、1970年代以降、もっぱらアメリカの軽水炉が導入されました。濃縮ウランもアメリカからの供給です。原発の面からも日本はアメリカに電気のスイッチをにぎられているわけです。


●いま、『RikaTan(理科の探検)』誌12月号の原稿(「放射能」入門)を書いていて、10年以上前に書いた文章を見つけましたので載せておきます。
 いまも「対米従属」的な体制は変わらないと思います。