左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

DND出口俊一氏とEM研究機構がまずなすべきは反省ではないか。:EM菌で「消毒」していてサルモネラの検出率が増えてしまったA養鶏場の話から

徳島県H23年度畜産関係業績発表会抄録集 4 鶏卵衛生事業におけるサルモネラ検出率の推移と疫学関連調査について」に、

“EM菌で「消毒」していてサルモネラの検出率が増えてしまったA養鶏場の話”

 がある。(最後にその画像を張っておこう。)

 

 これは明確に、EM菌がサルモネラの「消毒」について万能ではないことを示している。

 ところが、株式会社EM研究機構は、「「EM卵はサルモネラ菌に汚染されている」といった悪質な書込みがございます」という。鶏卵では無くても、鶏舎環境がサルモネラ汚染されている事実は無視できないだろう。この指摘をツイッターまとめで行った男性に対して、EM研究機構が刑事告訴をしたというDNDニュースがDND出口俊一氏のサイトに掲載された。

 

 EM研究機構は、そのニュースを「参照記事」として次のように述べる。

EMが開発されてからこれまで、インターネット上で誹謗中傷されているような詐欺やサルモネラ汚染が問題になった事実は一切ございません。弊社といたしましては、このような悪質な書き込みに対して法的措置も含め対応を行っており、実際に刑事告訴書類送検されたケースもございます(参照記事)。 

 

 その参照記事は無署名の記事だ。そこで問題にされている「男性」は「呼吸発電」氏である。

 その記事は誰が責任執筆者なのか?

 そこで呼吸発電さんが沖縄県警に問い合わせたら出口俊一氏がEM研究機構に取材してまとめたものという答えだった。

 

 その記事中に当の出口氏についても書いている。

EM の開発者である比嘉照夫琉球大学名誉教授と交流があるジャーナリストの出口俊一氏

 なるほど、出口氏が自分のことをそう規定しているのか。

 

 交流があろうがなかろうが、EM研究機構だけを取材してその言い分だけを述べるのはジャーナリストがやることではないだろう。それはEM研究機構のために動く兵隊さんのようだと思われても仕方がないだろう。一方的な取材しているようでは、ジャーナリストと言えないと思う。


 そのニュースで「特に、EM による養鶏場から生まれた卵がサルモネラ菌に汚染されている、とまったく事実無根のデマ情報…」としたが、徳島県H23年度畜産関係業績発表会抄録集にある報告による鶏舎環境からのサルモネラ検出はそれの反証になっている。(4/20追記 卵が汚染されていなくても鶏舎からの高い検出率は卵が汚染されやすい状況と言える。

 その報告は、沖縄県警が検察庁に送検した書類にも徳島県アーカイブにもある証拠の1つである。事実確認しないでEM研究機構の言い分を垂れ流すのは、ジャーナリストと言えないだろう。

 

 しかも、EM研究機構による刑事告訴検察庁沖縄支部「嫌疑不十分」「不起訴処分」になった。立件されないで終了である。

 すると、ニュースにある「その容疑を認める供述」をしたというのは、EM研究機構だけの取材で、その言い分を書いたに過ぎなくなる。本当に容疑を認めていれば不起訴処分にはならないだろう。実際、呼吸発電氏はそんな容疑を認めていないという。

 検察庁が不起訴処分にするような刑事告訴でしかなかったのである。

 

 沖縄県警が言うように出口氏がニュースの書き手だとすると、取材は一方的で酷いものだ。そして、その取材源はEM研究機構で、そのEM研究機構が「参照記事」としてあげる。出口氏とEM研究機構は素晴らしい交流ぶりである。ぼくとの裁判で出口氏は「EM研究機構顧問」だったことが明確になったが、今もその仕事をしているのかと疑いたくなるような事態であり、少なくてもニューナリストとしては低レベルであると思う。

 

 EM側は、比嘉照夫氏が朝日新聞を訴えたが、完全敗北で終わっている(その際、出口氏は比嘉氏側の陳述人であった)。

 DND出口俊一氏はぼくを訴えたが、出口氏の完全敗北で終わってる。

 そして今回、EM研究機構は呼吸発電さんを刑事告訴したが「嫌疑不十分」で「不起訴処分」になった。

 出口氏が書いたというニュースの内容の信憑性が問われる事態である。

 

 こんなことをくり返す前に、EM菌で「消毒」していた養鶏場でサルモネラ菌の検出率が上昇という事実を受け止め、その原因を徹底的に究明し、今後に活かすことが重要ではないだろうか。EM製品の中には自然発生的に黒色のカビ・細菌が増殖したことがあるが、その原因究明の結果も報告されないままだ。

 なすべきことはまずは反省ではないだろうか。

 

※なお、この記事について訂正要求があるなら言ってほしい。納得すれば直すつもりがある。また公開で議論するつもりもある。>出口俊一氏+EM研究機構

【抄録の該当の画像】

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