杉山幸丸『研究者として生きるとはどういうことか』東京化学同人を読んだ。
理系の学生で研究者を目指すかどうか悩んでいる人にはお勧め。
杉山さんは83歳なんだね。
杉山さんの本は前に読んだ『崖っぷち弱小大学物語』以来か。
中高理科教員をしながら生物研究でもと思っていたのが本格的に研究者の道へ。
ぼくは15章 定年後の人生 からがもっともおもしろかった。自分に迫ってきている
からかもw。
17章 科学を支える仕事 もいい。そこに「科学の普及者としてのサイエンスライタ
ー」の節がある。
「かつて社会生物学が日本に導入されたころ、1980年から90年代にかけて、サイエン
スライターのような顔をしながら生物の世界に対する浅い理解で短絡的な話を面白おかしく流布させた作家が何人も登場した。読者にもそれなりの見識と注意が求められる。」
→この代表はまさに竹内久美子氏だよね。
そういう竹内久美子氏のようなのをいいとする科コミの人も居る。本当に低劣。
そういうのに限って核燃料サイクルはエコみたいな嘘を元にした宣伝に加担。お金に
目がくらむと共に実は科学技術を理解していないだけなのかもしれないが。
※なお、杉山さんのような生物系の研究者を目指すには、今は杉山さんの時代よりかなり厳しいと思う。
東大動物の大学院にいて、先輩らを見たら就職先がなく高級ワーキングプア(?)が
ぞろぞろいて、決意して医学部に転入学して医師になった上で好きな専門で活躍している人の本も読んだ。博士号を取った後の就職先は増えないどころか、あっても不正規的なところが多いのに昔より博士課程の人数がかなり増え、博士号取得者がバンバン出ているという実態がある。