左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

EMX GOLD(EMX ゴールド、EM・X GOLD、EM・X ゴールド)という清涼飲料水への疑問

 EM菌比嘉照夫氏の野望である日本をEMモデル国家にして国民がEM製品をばんばん使うEM生活をするというとき、その中心にあるのがEMX GOLDです。

 

 EMX GOLDは単なる清涼飲料水です。清涼飲料水とは、飲んでも安全な水を主体とした飲料。もう少し言うと、乳製品類とアルコール飲料以外の、炭酸飲料、果実飲料、野菜飲料、コーヒー飲料茶系飲料、ミネラルウォーター、スポーツドリンク、乳性飲料(乳固形分3パーセント未満のもの)などのことです。
 EMX GOLDは、薬機法や景表法などで、効能を述べることはできません。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品にもなっていませんから、曖昧にいわゆる「健康飲料」と言うことはできても限定的にでも効果・効能は謳えないのです。

 

 それで定価は「500mL 4,650円」という超高額です。

 

 EM菌の発酵生成物を抽出と言います。そして製造過程で加熱殺菌を行っているからEM菌は含まれていないとしています。

 公表成分は100mLあたり食塩相当量0.05g。つまり薄い食塩水であることしかわかりません。

 原料は糖蜜酵母エキスなど。
 「EM医学」などで健康によいとされた「EMX(今は万寿のしずく)」とは原料などが違います。
 糖蜜は菌のエサです。酵母エキスは塩酸などで酵母を分解抽出して得た成分です。
 原料から考えると500mLの原価は、私には数十円レベルと思えます(ボトル代などもあるので数百円かもしれませんが)。
 なお、私は、EM医学について拙ブログに次を書いています。
 ↓
 比嘉照夫総監修『EM医学革命』2000を読んでみた!
 http://samakita.hatenablog.com/entry/20160329/p1

 

 EM菌は少なくても1200℃に加熱しても死なないといいます(本当ならノーベル賞級だが)。
 製造工程で加熱殺菌していますが、1200℃を超えてはいないでしょう。
 ですからEMX GOLDにもEM菌が生きているのではないしょうか? これは製造会社のEM研究機構への疑問です。
 製造工程で加熱殺菌していた別のEM製品に黒いカビ状のものが発生して製造中止・販売中止をしたことがあります。私はそのことを拙ブログで述べています。
 ↓
 EM菌は自然発生的なカビ・細菌に負けるの?製造工程は見直したのか?~「EM無香消臭剤ビセーブの自主回収と販売中止の件」から3年弱…(EM菌への疑問)
 https://samakita.hatenablog.com/entry/2018/03/28/125623

 

 比嘉照夫氏は、前のEMXと比べて効果が5倍をO-リング(オーリング)テストや波動測定の結果から述べています。効果をこの二つで述べるのは自らこの商品はニセ科学だと述べていることと同様でしょう。
 O-リングは、人差し指と親指を丸めて作る輪っかのことで、患者が作ったこの輪っかの中に医師が両手を入れて引っぱるときの抵抗で病状判定ができるという荒唐無稽なもの。
 波動測定の「波動」(科学にも波動という用語〔ウェイブ〕はあるが、こちらは精神世界的・オカルト的用語〔バイブレーション〕)は、この用語が出てきたらニセ科学とわかるような便利な用語です。オカルト系の論文誌でさえも、波動測定器は「未知の情報やエネルギーを測定している根拠は見当たらなかった」という結論を出したものです(サトルエネルギー学会誌19972巻2号)。

 

 根拠が有名なニセ科学で、超高額な清涼飲料水EMX GOLD。
 私はそんな物にお金を使うより美味しい物をバランスよく食べたり飲んだりすることをお薦めします。