左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

小学校理科で太さの違う電熱線で発熱量が違うことを学ばせるが…

 新理科教育MLで、話題になっていることです。定電圧装置や内部抵抗の小さい電池を使わないとうまくいかない実験。無理矢理「うまくいくように」条件をセットして実験するようです。そこで、ぼくの思いを投稿しました(少し文章変更)。
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 左巻健男です。

 ぼくのこの実験でどんな「推論」ができるのか、と疑問です。
 小学校でこの実験は重要だという人にはそこをお聞きしたいです。

 そしてこのような内容を小学校理科に入れたときに、どの程度の試行をやったのかも疑問です。つまりごく少数の実践例から「いろいろ“工夫”」をしないとうまくいかない実験をやるような学習指導要領をつくってしまったのではないかと思うのです。


 「物体に電流が流れると発熱する」というジュールの法則は、重要な内容でしょう。電解質水溶液や融解塩化ナトリウムに電流を流しても、発熱します。
 一番発熱するのは、銅線でしょう。そういえば小学校で、ショートを扱いませんね。
 電流が流れると発熱するという事実をしっかり体験させることです。
 今回のようなくだらない比較は小学校では不要だと思います。


 今回、電源装置でやれとか、内部抵抗の小さい電池でやれとか充電池でやれとかというようになっていますね。
 本当はうまくいく方法を模索するよりは「何のためにこれを学ぶの?」ということを問うたほうがよいように思います。
 こんなことを学ばせて日本の理科や子どもたちを駄目にしていくと思うのはぼくだけでしょうか?

 
 この実験がうまくいったとしても、この実験から子どもたちが何を得るのかがはっきりしません。理科教育をちゃんと考えている人ならそう思うでしょう。ただし、学習指導要領や教科書にあるからと思考停止した人は根拠のない「発達段階」とやらを持ち出すかも知れませんが。(^_^)