左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

『系統的に学ぶ 中学物理』『〃 中学化学』(文理)新訂版の執筆者&検討委員を募集

【転送歓迎】

検定外中学理科教科書『系統的に学ぶ 中学物理』『〃 中学化学』(文理)を新訂版にします。

私立中で物理や化学を教えている人でやりたいと思います。

執筆者(分担)と原稿に意見者(検討委員)を求めます。

1年か2年で作成。

興味ある人は件名 文理検定外 で Samaki★@Rika.org ★トル にメールをください。条件等、今月中に返事します。

DND(+EM研究機構顧問だった+桧家ホールディングス社外取締役)出口俊一氏についての記事のまとめ

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【追記】桧家ホールディングスはヒノキヤグループになった。

ヒノキヤグループの「役員一覧」「取締役」に「出口俊一」氏がいる。(2018年4月15日閲覧)
http://www.hinokiya-group.jp/profile/outline.html

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DND(+EM研究機構顧問だった)出口俊一氏がぼくとの裁判で控訴理由書に書いた桧家と金沢工業大学のこと

http://samakita.hatenablog.com/entry/20170915/p1

 

「EMの夢の住宅」と桧家ホールディングスの「住宅」には利害関係があるのでは?〜なぜ出口俊一氏は桧家取締役の名刺をクレーム先に出したのか?〜
http://samakita.hatenablog.com/entry/20170623/p1

 

EM菌比嘉照夫氏・DND出口俊一氏絡みの裁判の弁護士は同じ〜桧家ホールディングスはEM住宅の会社ではない 
http://d.hatena.ne.jp/samakita/20170530/p2 

春休みはJR青春18きっぷでどこかへ行くかな

 JRに「青春18きっぷ」があります。その名称から若者専用の切符だと思われるかもしれませんが、年齢制限無しなので誰でも使えます。乗れるのはJRの普通列車と快速列車のみで、使えるのは春・夏・冬の決まった期間。5日間で、11,850円です。

 

 ぼくは、国内外放浪が趣味なので、よくこの切符で鉄道の旅をします。

 

 2017年夏は、前に乗ったJR只見線にもう一回乗ろうと出かけました。只見線は、福島県会津若松市会津若松駅から新潟県魚沼市小出駅までを結ぶ135.2 kmの路線です。豪雨災害で橋が数か所流失し、会津川口~只見間27.6 kmは代行バスによる運行です。秘境線の代表的といえる路線で、車窓からの景色が素晴らしく、また乗りたいと思っていました。

 

 そのとき、どんな旅になったかはFacebook左巻健男:友達限定)に実況中継しました。

 

 1日目は、会津若松に宿泊。2日目は、駅に行ったら会津鉄道の「会津浪漫」という列車が目に入りました。それに乗って「塔のへつり」へ。見学して会津若松に戻って只見線へ。終点の小出で宿泊。3日目は、只見線の逆コース。前日通ったとき気になった炭酸泉の「大塩温泉」(会津大塩)。炭酸泉は泉質の有効性のエビデンスが唯一はっきりしているものです。大塩温泉で2時間ほどいて入浴。往復して只見線の景色を満喫しました。そして会津若松駅に戻ってから今度は磐越西線新潟駅へ向かいました。新潟泊。4日目は、ゆっくりと東京へ戻るつもりで、新潟駅で長岡行きに乗ろうとしたとき目に入った「きらきらうえつ」号。ついそれに乗ってしまいました。「笹川流れ」の桑川駅羽越線)で下車。道の駅や港で岩牡蠣などを食べ、海沿いを散歩。坂町で米沢行き(米坂線)に乗りました。小国で芋煮会したことやツレと飯豊山荘から飯豊連峰を縦走したのを思い出しました。米沢まで来て、ここから新幹線で帰宅しました。

 

 もう1日分乗れるので、長野県松本で講師をしたとき、秘境線の飯田線を通しで乗りました。終点の豊橋からは「ひかり」で帰路に(青春18きっぷでは新幹線は乗れないので別途料金を払う)。

 

 こんなふうにいつも想定外の方向へ向かう行き当たりばったりの、未知への探究的な旅になります。元気なうちはそんな旅を楽しみたいと思っています。

 

 一生懸命教育に取り組んでいた若い友人がどうも「燃え尽き症候群」のようになりました。鬱状態になった人もいました。ぼくも危険性があると自覚していて、まじめになりすぎないようにと「おもしろまじめ」を標榜してきました。「完璧主義にならない」「ミスは笑って誤魔化す」「おもしろいことに興味関心。好奇心」などです。旅もそんな一環です。

 

 冬には久しぶりにインドのコルカタに行きましたが、帰ってからさらに旅心を刺激されて、ときどき(というかしばしば)旅のことを考えています。この前は東アフリカの旅本を読んでいました。もういつ死んでも可笑しくない年齢なので元気な内に好き勝手なことをやり続けたいです。

今週の本棚・新刊 『暮らしのなかのニセ科学』=左巻健男・著 毎日新聞2017年10月22日 東京朝刊

今に消えてしまうかもしれないので、拙ブログに引用しておきます。

 

今週の本棚・新刊
『暮らしのなかのニセ科学』=左巻健男・著
毎日新聞2017年10月22日 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20171022/ddm/015/070/036000c
平凡社新書・864円)

 ネット情報の氾濫で確かな情報を見極める知識力の重要性はますます高まっている。特に科学のニュースは容易にウソだと見抜けないだけに、この種の本の存在は貴重だ。

 米アップル社の創業者、スティーブ・ジョブズ氏は膵臓(すいぞう)がんと分かったあと手術を拒否し、絶対菜食主義やコーヒー浣腸(かんちょう)などを試みた。結局、手遅れになり、56歳で他界した。科学的なエビデンスのない民間療法や「抗がん剤は効かず、苦しむだけ」といった偏った思考を信じていると、自身の生命を脅かすことになる事例を数多く挙げている。

 他に「サプリメントで健康になれるか」「テレビで勧めるダイエット法は本当に効くか」「ニセ科学がはびこる水ビジネス」「怪しい足裏デトックス」など、さまざまなニセ科学の例を取り上げる。

 典型的な例として、EM(有用微生物群)も俎上(そじょう)に載せる。「川や海への散布で水が浄化される」「放射能を除去する」などは全く根拠がない。しかし、学校教育や環境活動などで菌を利用するケースはなかなかなくならない。途方もない主張には途方もない証拠が必要だということを知っておきたい。(小)

理科の探検(RikaTan)誌創刊号(通巻1号)~通巻13号までの13冊を1万円で!

 創刊号(通巻1号)~13号の13冊は定価で買うと1万8千7百円。
 これを合わせて1万円で販売します。
 1冊1440円が8百円に。

※申し込み・問い合わせは samakikaku★@★rika.org ★を削除し、詰める

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2012夏号(7月号) 通巻1号 5/26発行 (付録:大判のきれいな周期表

2012理科の探検別冊自由研究号  通巻2号   7/3 丸ごと自由研究特集

2012秋号(10月号) 通巻3号 8/25発行 おうちの電気がわかる!身近な動物学

2012冬号(1月号) 通巻4号 11/26発行 地球からの贈り物 鉱物の魅力

2013春号(4月号) 通巻5号 2/26発行 特集1 光と色の不思議 特集2 身近な植物のくらし

2013夏号(7月号)通巻6号 5/27発行 特集1身近でやさしい解剖 特集2水をめぐる科学とくらし

2013理科の探検自由研究2号 通巻7号 7/3 丸ごと自由研究2号

2013秋号(10月号) 通巻8号 8/27 特集:天体・宇宙

2013冬号(1月号) 通巻9号 11/26 特集:静電気 地震活断層

2014春号(4月号) 通巻10号 2/26 特集:ニセ科学を斬る!

2014夏号(7月号) 通巻11号 5/26 特集:夏だ!リアル理科探検に行こう 自然を観る知る遊ぶ旅

2014秋号(10月号) 通巻12号 8/26 特集:身近な化学 きれいな化学-“ばけがく”入門

2014冬号(1月号) 通巻13号 11/26 特集1雲、雷、台風に迫る! 特集2圧力を実感しよう!

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 なお、14号(ニセ科学を斬る!リターンズ)は品切れになっています(文理に
何冊かあるかも)。全号が電子書籍になっているのでそれで読むことが
できますが。

iPSの山中教授のことでちょっと思ったこと(夢のない話ですみません)。

iPSの山中教授。所長を辞めて個人に戻ればと言う意見があったがこの種の世界的に競争が激しい研究はもう個人レベルでは全然できないでしょう。手足がたくさん必要。

ぼくは辞めないと思いますが、もしも辞めることになったら米国にすぐに引っぱられるでしょう。

ぼくは生命科学部に所属していたので、とくに強く思うのですが、生命科学系で博士号をとって研究者になろうという進路をとることが理解できません。正規のポストはわずかしかありありません。余程の才能と努力と、それととても強い運が必要です。

そんな人は今の生命科学系の博士号所持者の100人のうち数人いるかどうか。(生命科学系でない分野でも似たような面があろうかと思います。)

普通の才能ならやめたほうがいいと思います。
家が十分に金持ちで遊んで暮らせるとか、結婚相手が食わせてくれるとかならまた別かもしれませんが。

余程の才能があるなら医学部に進むべきですね。医師なら十分に仕事があります。その上で研究者の道へ。

ぼくなど普通の才能もなかったので友人(滝川さん)が一緒に博士課程に行こうと強く進めてきたのですが教育の現場に出たのです。

きっと少々の才能があると、「自分は何とかなるのではないか」と思ってしまうかもしれません。しかし、確率的には何ともならないほうが圧倒的です。

※夢のない話ですみません。

科学おもちゃ、科学グッズ・・・と左巻健男

 ぼくの家はとても貧しくて、子どもの頃、プレゼントを貰った覚えがありま
せん。でも栃木県小山市はずれの中久喜という集落の家の近くには里山があり、
小川がありました。庭には何本かの種類が違う柿の木があり、竹林もありまし
た。

 そこでの自然の遊び、探検で毎日が飽きませんでした。

 

 年に一、二度、父が家族を映画を見に連れて行ってくれました。そういう日
のこと、小山駅近くの路上に、さまざまな科学系の雑誌の付録が並べられてい
るのを見てしまいました。学研の『科学』の付録ではなかったかと思います。

 

 ぼくは父に「ぼくの映画代であれを買って欲しい!」と強く頼みました。父
や妹たちは映画を見に行きましたが、ぼくはその付録を抱えて、映画館から家
族が出て来るのを待ちました。後悔はありませんでした。おもちゃのような
「幻灯機」を組み立てて映写するほうを選んだのです。

 

 今の子どもたちだって、科学系おもちゃなどサイエンスグッズに目を輝かす
のではないでしょうか。

 

 かつて『プレジデントファミリー』誌で「子供の“不思議”を解決するサイ
エンスグッズ」選びに協力したとき、ぼくが選んだのは、聴診器・Wスコープ集
音機/ソニックエクスプローラー/採集砂時計キット/顕微鏡・ミクロショッ
ト500/アースボール/タイニートルネード/動物大図鑑/アートカレイドスコ
ープなど万華鏡類/地球ゴマ/実験キット・びっくりアメーバなどでした。

 

 店の中にある限られたグッズの中から選んだのですが、それぞれに、子ども
が自然・物質の世界にチャレンジできるグッズだと思ったものでした。自称、
いつまでも「子どもの好奇心」を持ち続ける、持ち続けたい大人であるぼくに
とって興味あるものを選んだのでした。

 

 今もゲーム機全盛のなか、自分で組み立てたり、実験したりできる、
自然探検の道具になったりするさまざまなサイエンスグッズが世にあるという
ことが嬉しいではないですか。

 

 一方、ぼくは、キットになっているものだけがよいとは思っていません。で
きれば素材を入手することから実験・ものづくりを行うことの大切さも忘れて
はなりません。廃品などからもパーツを取り出して遊べることでしょう。とき
にはゴミの山は子どもたちにとって宝の山なのです。

浮力の原因の話

 

 

 

 

 浮力の話ですが、以下はどこかに問題はありませんか。

 今執筆中の『面白くて眠れなくなる物理パズル』PHPで扱うかどうか悩んでいるんです。

 流体(液体、気体)中の物体にはたらく浮力の原因は流体の圧力差です。
 直方体の物体を考えると、下面と上面では流体の深さによる圧力差があります。左右方向は同じ深さの圧力はキャンセルされますが、上下はキャンセルされません。
 その圧力差による上向きの力(=圧力×面積)が浮力です。
 しかし、下面にその流体がなかったらどうでしょうか。
 上面から押されるだけになり、浮力が生じません。
 実際は、下面にも部分的に流体が入り込んで理屈通りにはならないこともあります。とくに流体が水の場合、水はわずかのすき間でも浸透して、下面からの圧力を排除するのは難しいです。
 鉄の直方体のおもりを水が入った容器に入れて容器の底についても底の水を排除できませんから浮力ははたらきます。
 その点、水銀は底から排除しやすいです。
 ふつうなら水銀柱にぷかぷか浮く鉄も、直方体を容器の底に置いて、水銀を注ぐと浮いてきません。
 容器をゆらすと浮いてきますが、それをまた指で押して底の水銀を排除すれば、また浮いてきません。
 パラフィンと水でも、パラフィンを底に押しつけておいてから水を注ぐとしばらく浮いてきませんが、浮いたものを押しても水銀と鉄のようにはいきません。


【参考】
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石井信也「浮力で自然をながめる」(高橋金三郎編『中学理科学び方教え方1年第1分野』所収)

“物体にはたらく浮力の大きさは,その物体が押しのけた水の重さに等しい.これをアルキメデスの原理という.”この部分は,中学の理科の教科書から引用しました.この法則は原理というほどのものではありません.習慣として,そう呼ばれているだけのことです.アルキメデスの法則とか浮力の法則とか言うのがよいように思います.
 もうひとつ,この法則についてコメントしておきます.この法則は浮力の大きさを論じたのであって,浮力の原因を論じたのではないということです.液を押しのければ必ずその分だけの浮力をうけるのではないということです.
 右の写真(略)を見てください.シャーレに水銀をいれこれに鉄を浮かせました.水銀の比重は13.6,鉄の比重は7.9ですから,当然,鉄は水銀の上に浮いています(ここで使用した鉄は,磁石用のアルニコチップで,比重を測ったら約7.8でした).
 この浮いている鉄をゆびで軽くシャーレの底に押しつけます.鉄とガラスの間に水銀が入らないので鉄は水銀から上向きに圧力を受けません.鉄はシャーレの底に置かれているのと同じです.
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理科の探検(RikaTan)誌2月号は12月26日発売!

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FacebookのRikaTanペ-ジ】に次を入れました。

www.facebook.com

左巻健男@理科の探検(RikaTan)誌編集長です。
現在、2月号(特集:学校の理科・最前線!!)が印刷所に入っています。
23日の16時~18時にSAMA企画事務所で定期購読者などへの発送作業です。ボランティアですが、その後インドカレー屋さんで懇親会。その懇親会費用はSAMA企画負担です。(読者の方で発送作業に参加してみたい人はSAMA企画へ連絡を)


近々4月号編集MLにて「特集:ニセ科学を斬る! 2018」の編集を始めます!
今回はとくにニセ医学批判を充実させました。乞うご期待を!
2月26日は(日)なので、2月25日(土)発行だと思います。

 

*アマゾン

https://www.amazon.co.jp/%E7%90%86%E7%A7%91%E3%81%AE%E6%8E%A2%E6%A4%9C-2018%E5%B9%B4-02-%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B076MGG6H2/ref=sr_1_2/355-8644252-4778965?ie=UTF8&qid=1513215547&sr=8-2&keywords=%E7%90%86%E7%A7%91%E6%8E%A2%E6%A4%9C

 

 

 

 

 

左巻健男編著『「健康にいい」ものばかり食べていると早死にします』カンゼン

 *刺激的な書名ですが、あながち本質を捉えているかも知れませんw。
  出たばかりの本ですが、ぼくが日頃考えている食と健康のことを述べています。
  ぼくと、生物学者や医師などが書きました。

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左巻健男編著『「健康にいい」ものばかり食べていると早死にします』カンゼン 2017/12/2

 

科学者が教える「健康」と「食」の正しい新常識!

◎「無農薬」は農薬使用ゼロとは限らない
無添加食品に潜む4つのリスク
◎うま味調味料(化学調味料
人工甘味料は悪ではない
◎ウコンは肝臓を悪くする
◎コラーゲンを食べても美肌にならない
アガリクスで不健康になる
◎グルコサミンは飲んでも効かない
◎コンドロイチンは飲む意味なし
大豆イソフラボンは胎児に有害 …etc.


いま、オーガニックフードや無添加食品など健康志向の食料品がますますブームになりつつありますが、それらは本当に安心安全で健康に良いのでしょうか?

水素水、サプリ、健康食品、オーガニックフード、無添加・無農薬など、 巷には「これが健康にいい」という情報が次から次へと溢れてくる。
だがしっかりとしたエビデンスがあるものは、一体どれだけあるのか?
各々のエビデンスの有無を検証しながら、怪しい情報を精査していき、
読者に本当に何が健康に良くて、良くないかもしれないのか、科学的な視点で検証していきます。


【本書は、次のような人たちに向けて書かれています】

・冷静に食と健康の本当のことを知りたい人
・もう広告・宣伝にだまされたくない人
・おいしく食べて健康に生きたい人


■目次

◎第一章 「天然・自然」モノ信仰を見直す ~オーガニック至上主義を疑え!~

天然物の4つのリスク/有機農法の作物は無農薬か?/農薬使用のメリットとデメリット/
食品添加物の安全基準ADI/人工甘味料は体によくないの?/玄米と精白米、天然塩と精製塩、黒砂糖と白砂糖のメリットとデメリット/遺伝子組換え作物は本当に危険なの?…etc.

◎第二章 がん予防・がん治療の「健康食品・サプリ」

日本人のためのがん予防法/活性酸素と抗酸化サプリ~βカロテンの神話…etc.

◎第三章 ダイエットの「健康食品・サプリ」やダイエット法

太めが長生きする~あなたにダイエットは必要か?/さまざまなダイエット法が生まれては消えた/利尿薬・下剤でダイエットは危険/糖質制限(低炭水化物)ダイエットはよいものか?…etc.

◎第四章 健康にいい食品・サプリはあるのか?

〝「健康にいいもの」は本当に健康にいいのか?〟を調査した米国の結果/本当にひざに効く? グルコサミンとコンドロイチン/植物油vs動物脂肪 どんな油がいいの?/本当に頭がよくなる? DHAとEPA/…etc.

◎第五章 本当の食の安心・安全とは何か?

特定保健用食品、栄養機能食品はいいものか?/最近認可された機能性表示食品はいいものか?/「健康食品・サプリ」による健康被害…etc.

アマゾン:
https://www.amazon.co.jp/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%81%AB%E3%81%84%E3%81%84%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%B0%E3%81%8B%E3%82%8A%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A8%E6%97%A9%E6%AD%BB%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99-%E5%B7%A6%E5%B7%BB%E5%81%A5%E7%94%B7/dp/4862554350

『ムリなく、ムダなく、小中学校の理科がしっかり身につく。』PHPのミス&誤植の訂正

f:id:samakita:20171210183054p:plain

 ミス&誤植がありました。

 謹んでお詫びいたします。

・35ページ 上から3行目 10000 hPa → 1000 hPa
・35ページ 下から2行目 10000 Pa   → 100000 Pa
・68ページ 上から4行目 電量 → 電流
・68ページ 下から2行目 5(kwh) → 5(kWh)
・152ページ 15族 7N 最外殻の電子4個 → 最外殻の電子5個 ※1個付け加える
・156ページ 上から10行目 2Cl2 → 2CuCl2
・161ページ 上から4行目 停電圧 → 定電圧
・177ページ 下から8行目 タンバク質 → タンパク質

 

アマゾン↓

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A0%E3%83%AA%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%80%81%E3%83%A0%E3%83%80%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%80%81%E5%B0%8F%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE%E7%90%86%E7%A7%91%E3%81%8C%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%82%8A%E8%BA%AB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%80%82-%E5%B7%A6%E5%B7%BB-%E5%81%A5%E7%94%B7/dp/4569836461

左巻健男『2時間でおさらいできる中学理科』だいわ文庫の「はじめに」に書いたこと

左巻健男『2時間でおさらいできる中学理科 私たちは何物か?』だいわ文庫 大和書房 の「はじめに-なぜ中学理科をおさらいするのか」に書いたこと。

https://www.amazon.co.jp/2%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%A7%E3%81%8A%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E7%90%86%E7%A7%91-%E7%A7%81%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AF%E4%BD%95%E8%80%85%E3%81%8B-%E3%81%A0%E3%81%84%E3%82%8F%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B7%A6%E5%B7%BB-%E5%81%A5%E7%94%B7/dp/4479304711

◎人が生きる最低限必要なものについての知識と考えは理科にある!

 

 理科(自然科学)の知識と考え方なしに、自分の生を、自分の健康を維持すること
はできません。
 人の生命維持には、最低限、食物・空気・水が必要です。それらのものについて人
のからだのなかでの役割や仕組みなど正しい基本的な科学知識がなかったら生命
維持は難しくなるでしょう。それらはみな理科で学ぶ内容です。
 食物・空気・水だけでは、本当に「生きているだけ」になります。さらにゆたかに
生きるには、衣類や家、エネルギーが必要です。これらもまた大部分は理科が土台
になります。
 およそ日常生活を営むにも、自然科学の知識が必要です。科学の知識がなければ
、もっともっと火事が起こったり、感電などいろいろな事故が起こっていることでし
ょう。

 

ニセ科学、それで説明された商品にだまされないために

 

 わが国の大人の傾向として、「科学はわからないけど大切だと思っている」という
ことがあります。そこで一見科学っぽいものに惹かれる傾向があります。科学と無関
係でも、論理などは無茶苦茶でも、科学っぽい雰囲気をつくれれば、ニセ科学をほい
ほいと信じてくれる人たちがいます。
 そこで、たとえば、病気になり藁をもすがる人たちや今は健康でも不安をもってい
る人たちに、「科学っぽい装いをしている」あるいは「科学のように見える」にもか
かわらず、とても科学とは呼べないような説明をして高額な健康によいとする機器や
食品などを売りつけようという人たちがいます。狙われるのは科学知識のない人たち
です。
 地球環境問題や身のまわりで起こっている水質汚染や大気汚染などの公害問題
などで市民が行動を起こしたり、選挙で投票の意志決定をするのも、今日では、科学
知識が土台の一つになっています。
 働くときにも科学知識が必要な職業がたくさんあります。会社の営業職でも扱う商
品が科学と技術の産物なら、その商品についての基本的な科学知識が必要でしょう

 さらに、科学と技術が社会のさまざまなところに深く広く入りこんでいる現代社
では、自然科学的知識なしには、どんな経済行為も政治行為も成り立ちません。
 こうしてみると、個人レベルから国家、社会レベルまで、理科を学び、科学の知識
と考え方を得ておくのは当然ということになるのかしれません。

 

◎学問の中で自然科学はもっともしっかりした土台に

 

 自然科学は頭の中で仮説をこねまわすだけではなく、その仮説の当否を自然には
たらきかけて検証しています。
 自然科学は、自然の不思議いっぱい、ドラマいっぱいの世界を少しずつ解明してき
ました。自然の世界の扉を少しずつ開いています。まだまだわからないこともたくさ
んありますが、わかってきたこともたくさんあります。そのわかってきたことのうち
の、さらに基礎・基本の中からテーマを取り上げて学ぶのが理科なのです。
 とくに中学理科(小学校理科もふくめて)では、自然科学の基礎・基本を学びます

 

◎理科・科学を文化として楽しめるといいね!

 

 そのとき、ただ知識を覚えるだけなら、試験などが終われば忘却の彼方に行ってし
まうでしょう。ぼくは、本書でも「ほら、もう一歩、こんなことまで考えれば面白い
でしょ!?」といいたいのです。
 そこで、限られた紙面の中で、何とか中学理科の内容で、「私たちは何物か?」と
いう問いを立てて、その問いに答えてみるストーリーを立てることにチャレンジして
みましょう。理科・科学を文化の一つとしてとらえて楽しめないかと思うのです。

昔々の教育実習の思い出(「お前の授業は10年早い!」)

 俺は教育実習で「お前の授業は10年早い!」といわれた。

 

 中2の化学変化で、原子を早期に導入し、原子を半わかりでもその考えを使いながらマクロな化学変化を見ていくというもの。研究授業でもそれで気体反応の法則を実験しながら学習。

 

 俺は「現場に出たらぼくの考えが主流になるように頑張ります」と言ったが、マイナーなままで終わるかもしれない。
 それでも燃焼などの化学変化をマクロなレベルで学習してから原子へという当時の学習指導要領や教科書の流れに抵抗していた。

 

 30余年前に東京書籍の『新しい科学』教科書の編集委員になったとき、当時の学習指導要領の流れとは違って、分解から原子を導入する流れを提案し、それで展開した。

 

 そうしたらその次の学習指導要領は、東書の流れのように改訂されて今に至る。

 教育実習の担当は斎藤さん。千葉県理科教育の重鎮。実習中はよく喧嘩(議論)した。

 

 その後、ぼくは現場に出て実践を『理科教室』誌に書くようになった。斎藤さんに「君は頑張っているね」といわれるようになった。

白神山地の歩きを愉しむ(左巻健男)

 

 

 

 

■十二湖めぐり

 五能線の十二湖駅で下車。リゾートしらかみ発着時刻に合わせて、十二湖めぐりのスタート地点「アオーネ白神十二湖」まで無料送迎バスがあります。
十二湖めぐりは、交通の便が良く、危険な場所もなく、道標・トイレ・遊歩道が整備されていて、スニーカーで歩けます。
 今は、ブナの森と池沼群を気軽に満喫できる明るい観光地になっていますが、かつては岡田喜秋『日本の秘境』(スキージャーナル 1976)に取り上げられていました。岡田がこの地を旅したとき、「予想通り、出会う旅行者は一人もいなかった」ということです。かつては十二湖は秘境の地だったのです。
 十二湖には、 実は大小33個の池沼があります。十二湖の成因は、今村明恒「西津軽十二湖の成因」(地質学雑誌 1935 41号)によれば、1704年の能代地震による崩山の八合目あたりの崩壊で沢がせき止められ、地盤が陥没して形成されたと考えられています。これらの池沼の背後にある崩山(くずれやま 940メートル)の頂上から見下ろすと、樹形に隠れて12個の湖だけがはっきり見えることから、この名がついたようです。
 十二湖ビジターセンターには、十二湖に生息する動植物が展示紹介されています。また、幻の魚“イトウ”の養殖施設が併設されています。開くのは4月下旬~11月上旬でその間は無休です。ここで十二湖の自然を学習しましょう。
 33個の池沼すべてを回るなら1日がかりになります。
一般には、王池、越口の池、鶏頭場(けとば)の池、青池、人によっては青池の先の沸壺の池あたりまでを歩いて回って3時間程度かかるでしょう。
 岡田が「最後に一段と低く沈んで見事な青い湖面がのぞいたとき、それが十二湖の白眉といわれる“青池”だということはすぐわかった。」と述べる青池は、本当に十二湖の白眉だと思います。
 ぼくはまだ体験していませんが、冬にはかんじきでアオーネ白神十二湖~十二湖ビジターセンター~青池やブナ林をまわるトレッキングが行われています(事前申込)。見通しのよくなったブナ林にはウサギやカモシカの足跡が点々と続き、青池は濃紺に変わって神秘さを増しているとのことです。

白神岳に登る
 少し体力が必要なのが白神岳登山(1232メートル)。
 JR五能線白神岳登山口駅(海抜0メートル)から日帰りでも十分登れます。駅から登山口まで徒歩50分(車があれば登山口に駐車場があります。あるいは駅にタクシーを予約しておきます[タクシー待ちはありません])。
 登山口の駐車場横には真新しい休憩所があり、トイレや水があります。
 登りのコースタイムは、登山口(40分)→二股分岐(1時間20分)→マテ山山頂(1時間20分)→十二湖コース分岐(20分)→白神岳山頂。下りは山頂から登山口まで2時間30分。
 二股分岐でマテ山コースに行きます。もう一方の二股コースは、急傾斜が続き、丸太橋がかかった川を渡るところもある上級者向けのコースです。下りに二股コースを使ったことがありますが、ロープをつかまないと下りにくい急傾斜の道には疲れました。
 二股分岐までは、青森ヒバなどの木が茂っていて、その後の主稜線はブナが立ち並び「ブナ街道」といわれています。
 十分日帰りもできるコースですが、頂上に立派な避難小屋がありますので寝袋・食料・水持参で宿泊するのがよいと思います。立派なトイレもあります。
ぼくは、いつも小屋泊まりにしています。雪がない季節なら、小屋に泊まって下りを十二湖に降りるコースがお薦めです。なお、クマ対策のために音の出る鈴などをもって登山しましょう。
 ブナ林の中を歩き到達した白神岳山頂からは、広大な日本海が足下に広がり、黄金崎の半島がそっくり形を見せてくれます。
 登山の季節ですが、佐藤勉・坂本知忠『新版 白神山地』(現代旅行研究所 1987)によると次のようです。

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 4月末から5月初めにかけては標高5~6百メートル以上は残雪があります。頂上には約2メートルの残雪があります。この時期、オホーツク海気団の圏内に入って晴天が続くときは白神岳登山に絶好の季節です。
 途中から雪の上ですが踏み跡もあり、歩きやすいです。ただし、この時期は低気圧の往来が激しく天気が悪くなると濃霧と雨になります。そのときの登山は危険です。
 6月中旬ごろからは残雪も消え、晴天が比較的多く登りやすくなります。山頂から十二湖に降りることもできます。
 7,8月は本州中部で梅雨をもたらした前線がこのころ北上し、この地に停滞して連日のように雨が降ることが多くなります。晴れても蒸し暑く、昼はカ、朝夕はブヨ、昼夜はカと虫攻めにあいます。白神岳の登山なら虫対策、雨対策をして臨めば大丈夫と思います。
 9月は台風のシーズンですが台風がこの地を通過することは比較的少ないです。しかし、ひとたび来れば影響が大きくなります。
 10月末ごろから積雪が始まり、翌年の3月まで冬の季節になります。季節風が卓越し、連日の風雪になります。

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■暗門の滝-ブナの森に響く滝-を歩く
 ブナの森の中を歩いて暗門の滝を見に行くハイキングもお薦めです。
 5月~10月には、弘前からアクアグリーンビレッジANMON(センターハウス、コテージ、大浴場などを持つ総合キャンプ場)までの直通バスが1日に2便あります。落石・土砂崩れで全面散策禁止になったり、第1の滝までに制限などがあったりします。事前に、ネットで「白神公社」の「白神ブログ-白神の最新情報」をご覧下さい。あるいは目屋観光協会(電話0172-85-2800)、アクアグリーンビレッジANMON(電話0172-85-3021)にお問い合わせ下さい。
 暗門川に沿って登山道を35分程度歩くと第3の滝に出ます。さらに10分程度で第2の滝、そこから15分で第1の滝にたどりつきます。
 帰り道はブナ林散策道のほうを歩いて戻ります。
休憩を入れても散策は3時間弱。暗門の湯(人工温泉)で散策の汗を洗い流すことができます。

天狗岳頂上から奥深いブナの森を見る
 天狗岳は、頂上からの見晴らしが素晴らしく、白神山地の山々を眺望することができます。白神山地の山々を登っている根深誠さんは、この天狗岳白神山地で最も眺望のよい山としています。
 白神ラインの天狗峠(駐車場所あり)近くの登山口から歩いて往復5時間半程度です。行きの途中、左側が崩れている場所があるので、張ってあるロープの助けを借りながら注意深く移動します。
 登山口手前の津軽峠では、ブナの巨木“マザーツリー”に出会えます。

編集長エッセイ 左巻健男の2017年の回顧「本を書く生活」

編集長エッセイ

 

 左巻健男の2017年の回顧「本を書く生活」

            SAMAKI Takeo
 理科の探検誌編集長   左巻 健男

 

 ぼくにとって2017年は「本を書く生活」がメインになった1年間だったかもしれません。これを書いている今も、単著の『面白くて眠れなくなる物理パズル』PHPと編著で3人共著の『図解 身近にあふれる「生物」が3時間でわかる本』明日香出版社の執筆に取り組んでいます。この2冊が終われば、2冊の単著が控えています。
 表紙にぼくの名前があって2017年に出た本は次の9冊になります。
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1.編著『「健康にいい」ものばかり食べと早死にします』KANZEN 12月
2.単著『ムリなく、ムダなく、小中学校の理科がしっかり身につく。』PHP 9月
3.単著『EM菌 擁護者と批判者の闘い―ドキュメント スラップ名誉毀損裁判』暗黒通信団 8月
4.監修書『きみは科学者』東京書籍 ラッセル,ハリエット著 8月
5.編著『図解 身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』明日香出版社 7月
6.監修著『なりきり!YouTuber実験 小学生: 自由研究まとめつき』学研プラス 6月
7.単著『面白くて眠れなくなる化学』PHP文庫 6月
8.単著『暮らしのなかのニセ科学平凡社新書 6月
9.監修書『ぜったい理科がすきになる!』フレーベル館 3月
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 編著はみなRikaTan委員の有志で書きました。
 最新刊の1は、18年間勤務した東大附属で担任した教え子(出版社の役員)から依頼されました。書名ではキワモノ的な感じを受けるかも知れませんが、内容は食と健康についてまじめにやさしく解説している本です。
 2は、この1冊で小中学理科を丸ごと学べる本です。
 3は、EM研究機構顧問だった人にしかけられた名誉毀損裁判のまとめです。最高裁までいって、ぼくの完全勝訴が確定しています。A5、表紙込20ページ (推定36グラム)、末端価格200円(税抜)の本です。本の通販ストア「honto」で購入できます。
 よく「左巻さん、いつ書いているんですか?」と聞かれます。大学の仕事もあり、RikaTan編集長の仕事やそれへの執筆もあります。
 書くためにいろいろ資料を集め、学習もします。例えば2015年12月に出した『面白くて眠れなくなる人類進化』PHPは、まさかぼくがこのテーマで本を書くとは思わないものでした。それまで興味・関心があったという程度。依頼されてから数カ月は学習に明け暮れました。学習しながら本の構想を立てていきます。科学をどう伝えるかというのがぼくの専門。その専門の力、センスが問われます。どんな本になっているか、ぜひ読んでみてください。
 ぼくの場合、書き始めると生活が執筆中心になります。我ながら凄い集中力だと思います。そうして本が書き上がっていくのです。