左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

日本の教員は学習指導以外で働き過ぎ

*日本の小中学校教員11時間勤務
 小中学校教員の1日の平均勤務時間(休憩を除く)は11時間6分で、国際
学力調査で高い学力を示すフィンランドの6時間16分より5時間近く長いこ
とが22日、国民教育文化総合研究所の調査で分かった。研究所は「フィンラ
ンドは学習指導が主だが、日本は文書整理や部活、学校行事の準備に追われて
いる」とみている。調査は昨年1−5月に実施、両国の計約1100人の教員
が回答した。(2009年3月22日(日)共同通信

 ぼくはデンマーク(学力調査や大人の科学リテラシー調査で高位)の小中
学校を視察したことがありますが、午後3時〜4時頃には学校の仕事を離れて
いました。勤務時間内もとても余裕があるような感じでした。

 日本では今後理数は前倒し実施が始まりますが授業時間数の増加分の教員
増加はされませんから負担はさらに増加するのではないかと思います(とくに
中学校理科)。
 教員の労働条件など条件整備を整えないと、新学習指導要領の理数充実も
うまくいかないと、いま発売中の『RikaTan(理科の探検)』誌に書きました。
 http://rikatan.com/

 また東京新聞3/20朝刊の「小中学校に補助教材」に次のぼくのコメントが
載っています。(もっとたくさんいろいろ言ったんですけど。)

 …ゆとり教育に反対し、理科の検定外教科書を作った左巻健男・法政大
教授(理科教育)は「学習内容が増えることはいいこと。基礎基本だけを勉
強しても身につかない。高度な活用も学んでこそ全体がつかめる」と歓迎す
る。
 だが、現状のまま学習内容を増やすことには「昔に戻すだけでは教師の
負担が増し、子供は学習の“消化不良”になる。知的興味をひく授業をする
ことと、そのための予算と教員数の確保など、条件整備が必要だ」と指摘
した。