左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

糸魚川ジオパークに春休みに行ってこよう

 RikaTan誌7月号は、ジオパーク特集。その中の糸魚川ジオパークに前々から興味があったので、小野健編著『糸魚川の自然を歩く』(ウェイツ 2007.8)を読んでいました。
 『糸魚川の自然を歩く』は、地元密着型のガイドブックというだけあって、地元の人が糸魚川の自然に誇りと愛着を持つようにという編集を心がけている本です。
 今日は、その本を元に1泊2日を使うとしたらどこを回ろうかと考えていました。


1.「親不知」の旧道を歩く
 JR親不知駅から西に市振(いちぶり)までが親不知、東の勝山までが子不知といわれていますが、約15キロメートル続く海岸をまとめて「親不知」といいます。
 旧道は、「日本の道百選」に選ばれている、断崖絶壁の海岸線の道です。海岸線は古第三紀前期の火山岩からできています。岩質は、凝灰質角礫安山岩です。
 道の駅の「親不知ピアパーク」に隣接する「翡翠ふるさと館」で、橋立ヒスイ峡から運び込まれた世界最大のヒスイ原石(102トン)を見てみましょう。その目の前に広がるヒスイ海岸は、ヒスイ探しに最適です。


2.フォッサマグナミュージアムと青海自然史博物館
 フォッサマグナミュージアムでは、フォッサマグナについての展示とヒスイをふくむさまざまな石を見学します。青海自然史博物館では、石灰岩とヒスイを中心に世界中で糸魚川ににしかない天然資源の展示を見学します。


3.橋立ヒスイ峡
 ヒスイの原石は流出したり搬出されたりして、今では23の原石だけになっていますが、それでもヒスイの転石が織りなす世界は一見の価値有りと思います。
 ヒスイ峡には、他に、「小滝ヒスイ峡」があります。小滝川のヒスイの転石と目の前の明星山の大断崖(すべて古生代石炭紀ペルム紀[約3億年前]の石灰岩)が見物です。


4.フォッサマグナパーク
 ここでは、糸魚川-静岡構造線の露頭が確認できます。地表に表れていなかった糸魚川-静岡構造線を発掘して見えるようにしたものです。
 糸魚川-静岡構造線は、糸魚川親不知から諏訪湖を通って、静岡県安倍川に至る300キロメートルにわたる大断層線です。断層(地殻変動でできた地層の食い違い)ができるときに、その境目では、それぞれの岩盤が何度もこすれて粉砕され、それが粘土になったりします。ここでは、断層による粘土化帯が見られます。断層粘土をはさんで、西側が変はんれい岩、東側が玄武岩安山岩ですが、変はんれい岩は約2億6000万年前より古く、玄武岩は1600万年前とのことです。つまり、断層の岩石の年代差は2億4000万年以上ということです。
 ここでは、直径約12メートルの巨大な枕状溶岩を見ることもできます。(大きすぎるので、円柱状の岩脈ではないか、と説も)