左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

鹿公園までのサイクリング

 デンマークで幼児段階の教育として、森の中で自然体験をメインとする「森の幼稚園」(森の保育所)という実践があります。基本的に雨の日も森に集まり、森の中で五感をいっぱい使って遊んでくるというものです。もともと、なかなか幼稚園・保育所に入れなかった母親が自分の子のために始めましたが、それが次第に大きくなったようです。数は多くはないですが、デンマークで約60くらいいあるそうです。ドイツやスエーデンにも影響を与えて、そちらでは数はもっと多いようです。
 今回、小学校1年の授業を見たのですが、その学校もときどき森や海にお出かけするようです。幼稚園・保育所で森へのお出かけは普通の幼稚園でもよく行われているようです。
 さて、クランベンボーの鹿公園(デュアーハウン)でも森の幼稚園が行われているということを検索で知りました。11日は土曜日なので来ていないと思いますが、どんなところか興味がありました。また、鹿(3種)が2千頭余放し飼いにされているとのことです。3種のうちの1種はデンマーク語でshikaです。どうも昔その種類は日本から導入したらしいです。
 鈴木さんからも「サイクリングなら鹿公園ですよ」と勧められました。


 ホテルで自転車を借りて(1日、100クローネ)、8時半頃出発。
 市内のアメリエンボー宮殿などを見て回りながら、海沿いに出ます。天気はよくなく、厚い雲に覆われています。
 カステレットで人魚の像を見るのを忘れていたので寄っていったのですが、どこかの展覧会に貸し出されているようで、代わりに液晶画面に人魚の像が映されていました。

 港では、ぼくが貨物船が停泊していると思ったところは、DFDSシーウェイズの海峡クルーズの船が停泊しており、たくさんのお客が降りていました。
 さらに進むと、前日、デンマーク教育大学の先生方に話を伺ったカフェがありました。曇っていて洋上の風力発電の姿がほとんど見えませんでした。
 その少し先に大砲が8台海に向かっているお城がありました。ここまで約2時間。しばし見学。


 鹿公園に11時頃着きました。
 非常に広いです。ジョギングの人たちがたくさんいました。乗馬の人たちも。草原有り、湖(沼?)有りで、ほとんどは鬱蒼とした森です。そこに歩道や馬道が走っています。馬車に乗って公園を一周することもできます。
 ぼくはまず鹿を見たいと思いました。冬は餌付けをしているとのことですが、後の季節は放し飼いです。
 いました!アカジカだと思います。オスの角が立派です。
 鹿は何カ所もで見ることができました。
 


 公園を自転車で2時間も走り回りました。こんな公園なら森の幼稚園は十分成り立つと思いました。いや、この数分の1の規模でもと成り立つと思います。たとえば、都立小金井公園でも。
 ただ、指導者の数が普通の幼稚園より必要なので人件費がかかります。それでデンマークでは森の幼稚園は補助金がかかるので政策的に抑えられているようです。
 疲れたのでカフェでビールとフランクフルトソーセージ。
 14時頃公園を後にしました。


 それから地図を見ないで適当に自転車を飛ばしました。雨に濡れながら。
 公園を行く途中、道路の向かい側で中年カップルが何やら木の実を摘んで口に運んでいます。なんだろう?と思いました。
 帰り、その場所に寄りました。木イチゴでした!
 ぼくも食べました。その後、公園や線路沿いなどで見かけてたくさんの木イチゴを食べました。9月にデンマークを放浪したら木イチゴだけでも食いつなげるぞ、なんて思いました。
 雨はいつしかやみました。


 自分ではクランベンボー駅からコペンハーゲン中央駅までの線路伝いに走っていると思っていましたが、どこかで別の線路伝いになってしまったようです。
 駅名がどうも思っていたのと違いました。ここで地図を見ました。通りの名前を確認し、コペンハーゲン中央駅のほうへ。地図通りにアシステンス教会墓地があったので一安心。
 ホテルに戻ったのは17時頃でした。