●RikaTan誌の読者対象は、理科好きな大人。
ただし、専門家ではないし、理科のどの分野にも詳しいわけではない。
大人が中心だが、ときには理科好きな小学生、中学生や高校生も読
んでいる。
●原稿の最低条件は“読む気をさそうもの”
読む気にさせるということは、読者の共感だけでなく反感をもふくめて
“おもしろそうだ”と思わせることである。おもしろければ、そこに役立
つことが書いてなくても、読者は、何かを感じることができる。
おもしろくない、読む気にならないものは概して“形式的”だ。肉声が
感じられない死んだ文章である。教育界には、中味のない形式的な文章が
いっぱい氾濫している。
私たちは、生き甲斐のため、おもしろがるために書くのである。したが
って、形式的な文章とは無縁のはずである。
おもしろい文章には、ためになることがふくまれていたり、共感できる
もの、目を開かされるもの、自分のおもいを相手に伝えようとする熱意な
どがふくまれている。
●見出しも工夫を。
・ちょっとドキッとするようなテーマ(見出し)
・センスが光るテーマ
を考えてつけてください。
●最初の数行が読んで貰えるかどうかの分岐点。
読者への「つかみ」を意識した数行になっているか。
●高いレベルの内容をやさしい表現で書く。
・できるだけやさしく、いきいきと素直に!読者を思いおこしながら書く。
程度は中学生くらいにする方が、どんな大人にも読める文になる。
・一つ一つの文は、短く、すっきりと。一つの文章は、せいぜい30数字に
抑える。
・一つの文章の主語はひとつにして、変えないこと。
・修飾する語は、修飾される語にできるだけ近づける。
・一つの文章からつぎの文章へ移るとき、スムーズに移ること。読みやす
くつなげる。
・一つの段落のなかでは内容を一つにしぼる。二つ以上の内容をのべない。
・適度に小見出しをつける。小見出しは内容をパッと表すものにする。一つ
の小見出しで、400字原稿用紙2、3枚ぶんまで。
・第一に、第二になどと内容を分けて示すときは三つくらいにしぼって示
すこと。
・言い切り型の文章を。
・一度、まず書いてみて、それから推敲を。まず書いてしまうことだ。そ
のとき、言いたいことをまず結論的にのべて、それから細かい部分をのべ
ていくようにした方が読みやすい文になる(概観から細部へ)。
・自分の知人のなかで、もっとも意地悪い人をおもい浮かべて、相手の身
になって読み返してみる。大担に削りとっていった方がよい文章になるこ
とが多い。
「これで相手に通じるか」「論理の飛躍はないか(一人よがりではない
か、舌たらずではないか)」「だらだらしていないか(しつこすぎないか)」
「違った意味にとられないか」
・「である」調か「ですます」調かのどちらかに統ーする。
・「が」をいくつもつかって、文をだらだらとしたものにしない。
・一般の人が知らない学術用語を説明なしに使っていないか。
(左巻 健男)