左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

抗がん効果が証明されたサプリはない

『抗がんサプリの効果と副作用 徹底検証!』(キャンサーネットジャパン編/三省堂)によれば、抗がん効果が証明されたサプリはありません。


 これまでの研究結果からある程度はっきりいえるのは、野菜や果物をとることはがんの予防に効果があるということです。サプリで特定の成分を過剰にとることは、むしろがんを誘発する可能性があることを知っておいたほうがいいでしょう。

 以下の「」内は『抗がんサプリの効果と副作用 徹底検証!』から引用です。 


 「…サプリの抗がん効果については、現段階で人間へのはっきりした効果と断定まではできないものがほとんどであること、逆に副作用や他の薬との併用による危険なども具体的に分かってきました。
 こうした総合的なサプリの科学検証を通して、また広く現代の食生活環境を考えますと、我々はむしろ現段階では皆さんに次の3つのことを提唱したいと思っています。」と次のことを提唱しています。
「一番目は「がんの部位を特定しない場合、我々の周りで最もがんの予防効果を示す食品はむしろ『野菜』と『果物』である」ということ。
  二番目は「野菜や果物の栄養成分のなかに、単一でがん予防効果を示すものが存在する可能性はある(有望なものがある)が、しかし現段階でははっきりと同定できてはいない」ということ。
  三番目は「特定の栄養成分やサプリを食べ物や飲み物からは摂取できないほど過剰にとると、むしろがんを誘発したり、重篤な副作用が出現する可能性がある」というものです。
  こうしたことの結果として、我々はサプリに抗がん効果を期待されている皆さんに対して、「野菜と果物をバランスよく摂取する」ということを推奨します。それと同時に、「キノコ類を含めたサプリを過剰にとるようなことは決してしないように」という警告を宣言したいと思います。
  がんを予防して健康になりたいとサプリを利用して、不健康になったら本末転倒です。非常に地道な方法ですが、バランスのよい食事をとることこそが最大のがん予防なのかもしれません。」(引用以上)


 私は同感です。
 世界の疫学研究の成果に基づいても、日本人は野菜の摂取で食道がん、大腸がんの発生が、果物の摂取で食道がん胃がん、肺がんの発生が抑えられます。
 カロリーを控え、運動をすることにより、肥満を防ぐことは多くの部位のがんを抑えることが期待されます。やせていることもがんで亡くなりやすい、あるいはがんになりやすいというコホート研究が複数ありますので、やせていることも要注意です。