左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

トムラウシの遭難に思う

  今回のトムラウシの遭難には驚いた。2004年の夏に三川台にテントを張って2泊。そこからトムラウシに登った。そのときは天候も良く、ぼくはトムラウシの頂上で持参した焼酎を飲んで、睡魔に襲われ、しばしひっくり返っていてかなり日焼けしてしまった。
 しっかりした雨具、食料も持っていったが、真夏なので今回のように気温が氷点下になる事態は考えていなかった。ぼくは正直言って、山を甘く考えていたと思う。結果的に天候に恵まれたので今回のようなことには遭遇しないですんでいるが。
 深田百名山を半分程度は登っているので、ここ数年で全部登ってみようかなと思ったことがある。今回の遭難者のなかには効率よく百名山が登れるということでツアーに参加した人も多かろう。だが、登山はどかどかと多人数でするものでないのだろう。また人任せで登るというのも登山ではよくないことだろう。
 ぼくはまず深田百名山踏破を目指さないで気に入った山を登ることにしようと思った。


 今回のような遭難は過去にもあってもおかしくはないなと思って検索した。
 2002年にも似たような遭難があった。

http://www.ne.jp/asahi/slowly-hike/daisetsuzan/02taisetudata/frame.html
本州からやってくる登山者の皆さん、ご注意ください!
大雪山は真夏でも気温が0℃前後になることがあり、防寒装備は必携です。登山道も本州の山のように整備されているわけではありません。ガイドブックだけでなく、地形図、コンパス等の携行をお勧めします。
遭難事故が多発しています。荒天時の無理な登山は避けましょう。

 
 もう一つ、山岳ガイドという仕事の難しさも感じた。

http://homepage.mac.com/hirosis/watching/watch031022.html
「良いガイド」であろうとすれば危険は高まるが、収入は増えるだろう。「雲助ガイド」という評判がたってしまったら仕事は減るかもしれない。しかし、安全は基本中の基本だ。遭難死亡事故を起こしてしまったら、「良いガイド」は一気に「犯罪者」に転落する。当然ながら仕事はなくなる。登山ガイドという仕事は、「いのち」と「おカネ」のあいだを綱渡りするアクロバティックな職業なのかもしれない。