左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

教育界に「原子力教育」推進の団体がある(電事連後援)

 教育界では「原子力教育」なるものが推進されているのですね。TOSSが進めているようです。


 第2回「原子力教育」模擬授業全国大会開催 今年の2月。
 http://www.radi-edu.jp/news/detail/32
 主催はエネルギー教育全国協議会(座長 向山洋一
 後援:日本教育新聞社、財団法人経済広報センター、協力:電気事業連合会


 小森栄治氏が「原子力発電をどう考えるのか?正しい意思決定には正しい知識が必要。それを育むのが事実や判断の仕方をきちんと教える『原子力教育』。今日はワクワクするような楽しくわかりやすい授業をして下さい」と宣言してプログラムはスタート。」その後の内容を見ると、本当に原子力発電推進教育のための大会です。小森氏のいう正しい知識のお里がわかります。


 内閣府原子力委員会(これは原発推進の委員会)委員が来賓。
 「世界の中での日本の役割も含めて“世界への貢献”という広い視野からのエネルギー教育も進めていただきたい」と。原発を大増設し、また大きな輸出産業にしていく政策に基づいて教育をということです。


 基調授業は高レベル放射性廃棄物。地層はきわめて安定だそうです。


 特筆すべきは、最後のTOSS、この主催の代表の向山洋一氏。
 「…極めて高度な技術を持ちながら稼働率が低いため国際的に高く評価されない日本の原子力発電など、実践発表で取り上げられたテーマに触れながら「例えばこの稼働率低下には正しい知識を持たないために、新潟中越沖地震によって被災した柏崎刈羽原子力発電所を、安全が確認されてもなお、2年間も稼動させないという現実があります。この背景には正しい知識を持っていないために、日本国民全体を覆っている原子力発電に対する“拒否感”の存在があることは否めません。こうした実態を解消するためにも、事実に立脚した正しい知識を子どもたちはもちろん、学校や地域にも広げて欲しい」と呼びかけた。」
 東電社長が「できるだけ早く年内に」といって反発を受けたものを、向山氏によれば2年前に安全が確認されていることになります。所長は、「まだ国、県技術委員会などの審議にも入っておらず、(運転再開の)スケジュールは見通せていない」と述べています。

 なるほど向山氏や小森氏の正しい知識が何となくわかります。
 (さらに要約となり、ぼくの独断が入っています。)


 電事連が多額のお金を出して進めている原子力教育の一環が理解できると思います。
 さきほどこの記事が出ていたサイトやエネルギー教育などで検索したら広領域教育研究会という原発推進教育を進めるところとサイエンスEネットというのが共催でエネルギー教育の研修会をしているのを見つけました。


 理科教育界は、原子炉実習とか、エネルギー環境教育とか、原子力教育とか、放射線教育とか、子ども達が主体的に判断できるための知識を与えるならいいのですが、「正しい知識」といって原発推進観念で洗脳するような教育をやってきた部分があります。
 ぼくも京都にいたとき、エネルギー環境教育関西ワークショップといういま東京理科大の川村康文さんが関電に申し入れて開かれていたWSに川村さんに勧められて出ました。背後に原発推進のためがあるのを感じました。反省しています。