左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

滝川洋二君(東海大教育開発研究所長)との若い頃の夢

たのしくわかる物理実験事典,東京書籍,左巻健男・滝川洋二共編著(1998)の「あとがき」の一部

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 私たちは、今から20数年前東京学芸大の大学院で同期生という間柄でした。
 属していた講座は違いますが、若き情熱をもって「日本の理科教育をどうする!?」という議論をしていました。
 その後も一緒に研究会を立ち上げたりしながら交流が続いてきました。
 現場サイドから何とか理科教育の状況をよいほうに変えていきたいという「持続する志」を抱いてここまできたような感じです。
 その間、左巻は、中学校レベルの教材開発と高校化学教育に力をそそぎ、滝川はガリレオ工房を設立し、物理教育に力をそそいできました。ほぼ同じ方向を見据えながら著作活動の面ではわずかな接点はありましたが基本的にそれぞれ独立に行っていました。
 今回、20数年来の友情の成果として、本書が生まれたのです。
 何回もの打ち合わせ、電子メールでの意見交換、打ち合わせ後アルコールを飲み交わしながらのこれからの理科教育をどうするか、という議論・・・大学院生時代の熱き議論を思い出しました。(引用以上)
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 とても若いころ親友の滝川洋二君と日本の理科教育に影響を与える人になろうって言っていたが、ぼくのほうは検定外理科教科書などでほんの少し波紋を立てたくらいだな。
 滝川君は、東海大教育開発研究所長に就任。
 滝川:「新所長最初の研究所での挨拶。15歳人口がこれから急激に減り、高校も大学も厳しい時代。14の付属高校、7の付属中学の先生の研修を引き受ける研究所は、世界標準の教育を目指したい。東大に何人という高校評価の現実を変え、本来の教育を行い評価を高める付属校にすることで日本を変えよう。」


 この「日本を変えるような理科教育者になろう」は若い頃のお互いの夢だった。
 ぼく:「滝川洋二さんが東海大教育開発研究所長か。その挨拶、滝川さんとぼくが若い頃語り合った夢だったなあ。(近いうちに滝川家に飲みに行くよ。)」
 滝川:「自分を変えようと思って努力して、結局そう変えられない面もあるのでしょう。でも、夢に突き動かされて動いてきたのも一方の事実です。飲みながら語る夢が意外と大切という面も、また飲みましょう。というのは飲むための口実?」


 残念ながら『たのしくわかる物理実験事典』は絶版になっているが、また滝川君らと日本を変えるための仕事をしたいものだ。
そういえば来年度から東大駒場の理科教育法をぼくと滝川洋二君とでやるんだった。きっと受講生は資格は取っても教員になる率は少ないと思う。でも理科教育の面白さを知って多方面で活躍して貰えればと。