左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

EM菌vsサルモネラ:鶏卵衛生事業におけるサルモネラ検出率の推移と疫学調査について(H23徳島県 畜産関係業績発表 発表集録)

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「抄録」より詳しい発表集録から抜粋。「抄録」では、サルモネラがどこから検出されたかが明確では無かったが、ここで「鶏舎環境」からだということが明確になった。

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※「抄録」は次に紹介。

DND出口俊一氏とEM研究機構がまずなすべきは反省ではないか。:EM菌で「消毒」していてサルモネラの検出率が増えてしまったA養鶏場の話から
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/05/220000

平成23年
畜産関係業績発表
発表集録

鶏卵衛生事業におけるサルモネラ検出率の推移と疫学調査について
徳島家畜保健衛生所
大久保 喜美


1.はじめに
 今回の発表は、前半に昨年度鶏卵衛生事業実施した養鶏場での消毒方法改善事業を、後半にはこれまで鶏卵衛生事業を行ってきた養鶏場のサルモネラ検出率と疫学関連について報告する。
2.消毒方法改善事例
 昨年度、阿南支所管内では鶏卵衛生事業をA養鶏場で行った。
 A養鶏場は平成16年に新しい鶏舎を建設したが、鶏舎内環境からのサルモネラ検出率が年々と上昇し、昨年度の改善指導前は10.2%であつた(図1)。

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 A養鶏場の管理者はEM菌の力を強く信じており、EM菌液を鶏舎内に頻繁に散布し、競合排除しているとのことだった。そして、消毒薬はEM菌も死滅させるとの理由で、使用していなかった。

 以上より、EM菌はサルモネラを4時間後には不検出とするが、鶏舎内での使用を考えると、感作時間および量的に、消毒効果は期待できない。一方、 1%消石灰水はサルモネラを3分以内に不検出にし、鶏舎内消毒として利用できるとの結論になった。

4.まとめ
 今後は、本事業を通じて知り得たサルモネラ検出率の高い養鶏場に対し、個別での対応が必要と思われる。A養鶏場のように効果の少ない消毒を行つていないか検討し、管理者が納得し実行可能な消毒方法を選択し、対策後にはその方法め評価をすることで、サルモネラ対策が進むと考えている。
 安全:安心な鶏卵の生産は日頃の努力の結果である。これからも安心して美味しい卵かけご飯を食べるためにも、生産者をサポートしていくことが重要である。

※参考

EM菌と卵かけご飯
https://togetter.com/li/752853

EM菌 VS サルモネラ菌
http://warbler.hatenablog.com/entry/2018/04/20/160007

↑(ここに発表集録のPDFあり)

サルモネラと生卵の話
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/16/113715