左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

「景気対策という名の“ばらまき”」の中で理科教育設備はまだまとも

 新理科教育ML 趣旨と登録→http://www.rika.org/rikaml/ (1500名
台の参加者)で、理科教育設備予算が話題になっています。
 これは、「2009年4月15日 理科教材費大幅増 200億円予算に盛り込む
文部科学省は、新経済対策に理科の教材費として200億円の予算を盛り込む
ことにした。」というもの。
 http://www.kyozaishinbun.com/article/news/01/post_485.html

 以下は、それへのぼくのコメント(5月28日)
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 左巻健男@新理科教育ML代表 です。

 今回の政府による「景気対策という名の“ばらまき”」に対して全体を
くくってしまえばいろいろ批判があって当然でしょう。ぼくたちは、そう
いう社会的な面にも目を向けるべきだと思います。
 本当なら設備の充実と共に、正規雇用教員を増やし、1クラスの定員を
減らし、教員一人あたりの労働量を減らすことがもっとも教育の充実にな
ると思います。

 さて、理科教育設備の整備予算が計上された裏には関係者の努力があっ
たと思っています。ぼくは、JSTの理科教育支援センター・タスクフォ
ース委員(座長:山極隆さん)の一人なのですが、そこではJSTは国立
教育政策研究所と一緒に小学校や中学校の理科教育について調査を行って
います。たとえば昨年8月プレス発表の中学校理科教員への調査では、
「理科の観察・実験の障害になっていること」で、70%…準備や片づけの
時間が不足 60%…備品が不足 38%…授業時間が不足などという結果でし
た。
 こうした調査の事実を元に文部科学省が要求して今回の予算になったと
思われます。
他にもぼくなども理科教育で新聞などに意見を請われれば条件整備の
重要性を述べてきました。
 今回の予算の“ばらまき”の中で、理科教育設備の整備予算は、理科
教育界にとっても(子どもの教育のためにもなるものとしても)プラス
の面が大きいと思います。
 短時間に要求教材/設備をまとめなくてはならないのですが、今後
有効に活用できるものをということは忘れてはならないですね。

 今日は1日、関東のある私立大学に行き、附属の学校を2つほど視察し、
理科の教員と話をしてきました。そこでも今回の予算が話題になりました。
高校の校長さんが「法人が半分出してくれないと要求ができない」と述べ
ていましので、同席した理事に半分出すことをぼくからもお願いしてお
きました。(ぼくは、その大学には月一回くらい行って附属の学校の
理科教育について指導していくことになりました。)
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