左巻健男&理科の探検’s blog

左巻健男(さまきたけお)&理科の探検(RikaTan)誌

左巻 健男, 山下 芳樹, 石渡 正志編著『授業をつくる!  最新小学校理科教育法:2017学習指導要領準拠』学文社

左巻 健男, 山下 芳樹, 石渡 正志編著『授業をつくる!  最新小学校理科教育法:2017学習指導要領準拠』 – 2018/4/17
学文社 ¥ 2,484

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アマゾン→ https://www.amazon.co.jp/dp/toc/4762027723/ref=dp_toc?_encoding=UTF8&n=465392
学文社→ http://www.gakubunsha.com/book/b357671.html

2017年学習指導要領準拠の、最新の教職課程・小学校「理科教育法」「理科指導法」用テキスト。見開き2頁構成にて、授業づくりを念頭においた章構成を展開。教師と児童の会話によるユニークな授業紹介や、Q&Aによる盲点発見、授業をつくるための指導案づくり、授業づくりのために必要な知識・考え方を提示。また、現場で楽しくわかる理科の授業づくりの手がかりも豊富に盛り込み、現役小学校教師が理科の授業を捉えなおすための基本文献としても最適な一冊。

編著者:左巻 健男(さまき たけお)法政大学教職課程センター教授。大人の理科雑誌『理科の探検(Rika Tan)』誌編集長。中学校理科教科書編集委員(東京書籍)/山下 芳樹(やました よしき)立命館大学産業社会学部子ども社会専攻,教職大学院教授。/石渡 正志(いしわた まさし)甲南女子大学人間科学部教授。
編著者:左巻 健男, 山下 芳樹, 石渡 正志, 青野 裕幸, 浅見 奈緒子, 石田 好広, 大島 修, 門倉 松雄, 鈴木 啓督, 多賀 優, 高橋 泰道, 寺田 光宏, 長友 大幸, 濱田 栄作, 船田 智史, 南 伸昌, 山崎 宣次 , 横山 光, 吉田 安規良

目次
序章 これからの小学校理科教育
1.小学校理科の目標
2.期待される「資質・能力」
3.小学校理科指導の課題
4.主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)
5.生きて働く知識・技能の習得と活用
6.わが国の小学校理科に対する今後の期待

1 章 理科で何を学ばせるか
1.エネルギー(物理分野)の学習のねらい
2.粒子(化学分野)の学習のねらい
3.生命(生物分野)の学習のねらい
4.地球(地学分野)の学習のねらい
5.小中のつながり

2 章 授業の実際例 ―エネルギー(物理分野)―
1.3年・電気の通り道―電気を通す物
2.3年・光と音の性質
3.4年・電流の働き
4.5年・電流がつくる磁力
5.6年・てこの規則性
6.6年・電気の利用
7.エネルギー(物理分野)のポイント

3 章 授業の実際例 ―粒子(化学分野)―
1.3年・物と重さ
2.4年・金属,水,空気と温度
3.5年・物の溶け方
4.6年・燃焼の仕組み
5.6年・水溶液の性質
6.粒子(化学分野)のポイント

4 章 授業の実際例 ―生命(生物分野)―
1.3年・身の回りの生物-昆虫
2.4年・人の体のつくりと運動
3.5年・植物の発芽,成長,結実
4.6年・人の体のつくりと働き
5.6年・植物の養分と水の通り道
6.生命(生物分野)のポイント

5 章 授業の実際例 ―地球(地学分野)―
1.3年・太陽と地面の様子
2.4年・雨水の行方と地面の様子
3.4年・月と星
4.5年・流れる水の働き
5.6年・地層のでき方
6.6年・月と太陽
7.地球(地学分野)のポイント

6 章 授業の方法
1.授業の進め方
2.問題解決の過程を通じた学習活動
3.コンピュータ等のICT 機器の活用
4.評価規準,評価基準,評価・評定の方法
5.素朴概念から科学概念へ
6.ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」論

7 章 授業づくりと学習指導案
1.学習指導要領と教科書の検討
2.学習指導案は何のために書くのか
3.学習問題の設定
4.理科と観察・実験
5.授業の構成モデル-到達目標・学習課題方式の授業
6.授業の構成モデル-仮説実験授業
7.理科の学習指導案のポイント 8.学習指導案の実際(実験中心)
9.学習指導案の実際(観察中心)
8章 基本的な実験器具の使い方 ―試薬の扱い方・安全管理―
1.基本的な実験器具の使い方
2.試薬の扱い方・試薬の調製
3.理科室の整備と管理
4.予備実験の重要性と方法
5.事故事例と注意点(チェックポイント)

付録1 戦後小学校理科教育の歴史
付録2 理科授業,観察・実験の参考文献
付録3 小学校学習指導要領(抄)

Column
1 手回し発電機の仕組み
2 月の満ち欠けの仕組み
3 複式学級と学級編制・教育課程・指導法
4 特別の支援が必要な児童への対応
5 コンデンサーの仕組み
6 電子オルゴールの仕組み
7 自由研究の指導

理科の探検(RikaTan)誌2018年6月号特集:科学の「都市伝説」を斬る! リターンズ 発売中!

通巻32号2018年6月号が4月26日に発売されました。

定価1440円(税込)です。

今月の特集は 科学の「都市伝説」を斬る! リターンズ です。

思い込み、思い違い、結構間違って覚えていることがあるのではないでしょうか。

今号からの新連載が2本あります。
【新連載】 生きものたちの最新ニュース  保谷 彰彦
【新連載】 日常でつかうアルゴリズム   シ
お楽しみください。

書店で見つけられない方は割引価格で購入できる年間購読をご利用ください。1冊だけでも購入できます。お申込み方法は下記サイトを参照ください:
http://d.hatena.ne.jp/samakita/
RikaTanサポートサイトで過去の目次が閲覧できます:http://rikatan.com/index

アマゾン【紙雑誌】 https://www.amazon.co.jp/dp/B07B64T989/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_87w4AbXP1XJTT @amazonJPさんから

アマゾン【KINDLE版】 https://www.amazon.co.jp/dp/B07CMKVJKF/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_3Dw4AbZPMAETA @amazonJPさんから


記事内容:
特集 科学の「都市伝説」を斬る! リターンズ
本号の特集について                左巻 健男
赤い水を凍らせると赤い氷になるの?        夏目 雄平
男脳、女脳はあるの?                玉野 真路
「火事場の馬鹿力」は存在しないの?        左巻 恵美子
首をトントン叩くのは鼻血の正しい止め方なの?   平山 明彦
早寝早起きで成績が上がるの?           玉野 真路
睡眠時間は8時間がベストなの?          平山 明彦
哺乳類はメスが子育て、オスは狩りが当然なの?   桝本 輝樹
遺伝子治療で遺伝病は治るの?           安居 光國
脂質は人の体内で消化されると、脂肪酸グリセリンになるの?
                         安居 光國
二酸化炭素はおもに血液中に溶けた形で運ばれるの? 井上 貫之
木の幹は、生きている細胞の方が多いの?      左巻 恵美子
すべての酵素はタンパク質でできているの?     桝本 輝樹
チョウとガの違いって、何?            青野 裕幸
カタツムリ、殻を取ったら?            青野 裕幸
骨をつくる細胞って、硬い細胞なの?        左巻 恵美子
地衣類は「コケ」の仲間なの?           村山 一将
藻類って、植物なの?               左巻 恵美子
タケ(竹)は草なの?それとも木なの?       桝本 輝樹
温室効果ガスの主役は二酸化炭素なの?       左巻 健男
重力は、どこでも同じなの?            平松 大樹
家の冷蔵庫で部屋は冷やせるの?          平松 大樹
車内に浮かばせたヘリウム入り風船は車を急発進させると後に傾くの?                         田中 岳彦
ガラスは固体なの?                夏目 雄平
磁石を近づけると逃げる物質はないの?       左巻 健男
遠赤外線で芯から温まるの?            左巻 健男
金属を身につけていると落雷を受けやすいの?    丸山 文男
氷上でスケートがすべるのは圧力で氷が融解するからなの?
                         山崎 誠二
「水飲み鳥」は永久機関なの?           夏目 雄平
湿った空気は乾いた空気より重いの?        南 伸昌
人工ダイヤモンドは常圧ではつくることができないの? 田中 岳彦
液体に何かを溶かすと、元の体積の和より小さくなるの? 山崎 誠二
塩化ナトリウムの固体は気体になってもイオンなの? 山崎 誠二

論壇
入試問題(物理)「音の反射」の出題者側『正解』の迷走? 夏目 雄平

連載  
【自然に親しむ】  
 はれ ときどきカメ in 但東 【第8回】      林本 ひろみ
 ニッポン野生生物リサーチ戦隊          里中 遊歩
   【第二十九話】 やっぱり猫が好き(古い) 
 空をとことん楽しもう! 第14回新しい雲分類③  岩槻 秀明
 Rikatanプラネタリウム ~~火星大接近!~~   小野 夏子☆
 Sense of the Universe 第22回 星の流れに    大西 浩次
 日本棚田紀行 第2回 わらびの/大浦(佐賀県)    夏目 雄平
 四季折々タンポポを訪ね歩く           保谷 彰彦
  夕張岳の固有種 ユウバリタンポポ
 温泉へ GO! 第6回 伊豆篇            藤牧 朗


【実験・工作】
 ちょい悪オヤジのこだわり実験          青野 裕幸
  第7回醤油の中から犯人をあぶり出す
 工作教室の舞台裏 第16回熱気球         福武 剛

【シリーズ連載:観察・実 験・ものづくり】
 おシャーレな○○図鑑              さかさパンダ
 19世紀の天気予報『ストームグラス』をつくろう! 藤本 将宏
 ストラップを2個作り、ペアで持ち歩こう     舩田 優
 ネオジム磁石はすごいゾ!            関野 展寿
 MESH センサーを利用して無人撮影         横須賀 篤
 ヒートパイプをつくってみよう          谷本 泰正
 紙コップでプラネタリウム            井上 貫之

【うんちく】  
 話題の動物たち 第29回  ケナガネズミ      今泉 忠明
 海と私たちの生活 第2回 クジラをめぐる冒険   桝本 輝樹
【新連載】日常でつかうアルゴリズム        シ
【新連載】生きものたちの最新ニュース 第 1 回 鳥  保谷 彰彦
 理科と自然の小話
  「免疫をおさえこむ " 制御性 T 細胞 " って、どんな細胞なの?」                      左巻 惠美子

【科学360度】  
 カガクをプロデュースしよう           さかさパンダ
 数多あるもう一つの未来-SFが予言した世界-
  第29回 わたしの本当の子どもたち    大西 光代・大西 晴夏

【マンガ・アニメ・映画と科学】-科学とフィクションと私たちと-
 アニメ「宝石の国」 ではじめる鉱物学        大西 光代
 ウルトラマンの「M78」 から天体名を考える     藤田 貢崇

【中学入試をたのしもう】  
 物理・化学 中学入試に出るボイルとシャルル    蔵之上 義史
 生物・地学 希少生物の保護~ヤンバルクイナを例にとって
                          玉野 真路

【エッセイ・まんが】  
 はいまん彩                    川端 一生
 編集長エッセイ                  左巻 健夫

 RikaTan読書室                  稲山 ますみ
 RikaTan広場               井上 秀喜/森垣 良平

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左巻健男出演:出川哲朗のアイ・アム・スタディーの放映画面から

4月14日(土)と17日(火)に放映された「出川哲朗のアイ・アム・スタディー」。14日のほうがメインだった。依頼されたのは、いまよく売れている左巻健男編著『身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』明日香出版社に注目されたからだった。

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EM菌vsサルモネラ:鶏卵衛生事業におけるサルモネラ検出率の推移と疫学調査について(H23徳島県 畜産関係業績発表 発表集録)

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「抄録」より詳しい発表集録から抜粋。「抄録」では、サルモネラがどこから検出されたかが明確では無かったが、ここで「鶏舎環境」からだということが明確になった。

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※「抄録」は次に紹介。

DND出口俊一氏とEM研究機構がまずなすべきは反省ではないか。:EM菌で「消毒」していてサルモネラの検出率が増えてしまったA養鶏場の話から
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/05/220000

平成23年
畜産関係業績発表
発表集録

鶏卵衛生事業におけるサルモネラ検出率の推移と疫学調査について
徳島家畜保健衛生所
大久保 喜美


1.はじめに
 今回の発表は、前半に昨年度鶏卵衛生事業実施した養鶏場での消毒方法改善事業を、後半にはこれまで鶏卵衛生事業を行ってきた養鶏場のサルモネラ検出率と疫学関連について報告する。
2.消毒方法改善事例
 昨年度、阿南支所管内では鶏卵衛生事業をA養鶏場で行った。
 A養鶏場は平成16年に新しい鶏舎を建設したが、鶏舎内環境からのサルモネラ検出率が年々と上昇し、昨年度の改善指導前は10.2%であつた(図1)。

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 A養鶏場の管理者はEM菌の力を強く信じており、EM菌液を鶏舎内に頻繁に散布し、競合排除しているとのことだった。そして、消毒薬はEM菌も死滅させるとの理由で、使用していなかった。

 以上より、EM菌はサルモネラを4時間後には不検出とするが、鶏舎内での使用を考えると、感作時間および量的に、消毒効果は期待できない。一方、 1%消石灰水はサルモネラを3分以内に不検出にし、鶏舎内消毒として利用できるとの結論になった。

4.まとめ
 今後は、本事業を通じて知り得たサルモネラ検出率の高い養鶏場に対し、個別での対応が必要と思われる。A養鶏場のように効果の少ない消毒を行つていないか検討し、管理者が納得し実行可能な消毒方法を選択し、対策後にはその方法め評価をすることで、サルモネラ対策が進むと考えている。
 安全:安心な鶏卵の生産は日頃の努力の結果である。これからも安心して美味しい卵かけご飯を食べるためにも、生産者をサポートしていくことが重要である。

※参考

EM菌と卵かけご飯
https://togetter.com/li/752853

EM菌 VS サルモネラ菌
http://warbler.hatenablog.com/entry/2018/04/20/160007

↑(ここに発表集録のPDFあり)

サルモネラと生卵の話
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/16/113715

 

 

元共産党職員篠原常一郎さんの話を聞いた(ナノ銀除染、松﨑いたる板橋区議、小沢一郎、志位和夫…)

 2018年4月16日、阿部宣男vs松﨑いたる板橋区議の東京地裁裁判で松﨑さん勝利の報告会に参加した。その報告会後の懇親会で、篠原常一郎さんと話をした。


 篠原さんは、ナノ銀除染に嵌まっていた小沢一郎さんから「板橋にナノ銀除染をインチキという共産党区議がいるから共産党でなんとかしてくれ」と頼まれて仲介の労をとったということだ。

 

 その結果、小沢さんと志位さんらの会合が持たれ、松﨑さんを共産党として指導することと野党共闘の話が進んだという。松崎さんを野党共闘の犠牲者と言っていた。

 

 この話は単なる陰謀論ではないと思う。

 ぼくも共産党に手紙を出して松﨑さんを応援するように言った。結局、中央委や都委員の人と話しをすることになったが「インチキというのは市民道徳に反する」の一点張りで平行線に終わった。

 政治的な背景を考えると、共産党はそれで松﨑さんを黙らせることが小沢さんらとの約束ですからしょうがないのだと思った。

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 篠原さんは元党ナンバー4の筆坂秀世氏の秘書でバリバリの党員だったが、「共産党を除籍されてから自由になって何でも言えるようになった」と笑っていた。

【月刊正論】幹部の収入を暴露! 日本共産党の元党員の私が20の疑問に答えます 篠原常一郎 - 産経ニュース https://www.sankei.com/premium/news/161029/prm1610290015-n1.html … @Sankei_newsさんから 
 *4/16には、篠原さんから、この記事に出された話をもっと生々しく聞きました。国会議員の愛人問題など。そんな問題も党内では有耶無耶に。

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 ぼくも共産党に手紙を出して松﨑さんを応援するように言った。↓

松﨑いたる板橋区議の裁判に関して日本共産党への要望 -
http://samakita.hatenablog.com/entry/20161022 

  しかし、共産党は、松﨑さんに「査問」的なことをしようとした。結局、松崎さんは共産党から除籍された。

日本共産党(一部)への静かな怒り:松﨑さん除籍
http://samakita.hatenablog.com/entry/20161225/p2 

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松崎さん勝利!:阿部宣男(元板橋区立ホタル館) vs 松崎いたる(板橋区議)裁判の判決について記事をアップ

松崎さん勝利!:阿部宣男(元板橋区立ホタル館) vs 松﨑いたる(板橋区議)の裁判の判決が出た!
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/02/095212 

 

松﨑板橋区議のナノ銀除染批判、ホタル館不正事件追及を応援!(阿部宣男氏との裁判勝利、おめでとう!)
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/02/102657 

 

阿部宣男vs松﨑いたる裁判(松崎さんの勝利)判決にある松﨑さんの「調査」

http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/02/104957 

 

ナノ銀による放射能低減効果&板橋ホタル館累代飼育:阿部宣男vs松﨑いたる裁判(松﨑さんの勝利)判決にある「真実性,真実相当性等について」
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/02/113342

 

ハチミツに関する誤解を2つあげておこう。「ハチミツはボツリヌス菌が増えやすい」「ハチミツに含まれる果糖はノンカロリー」

 ハチミツに関する誤解を2つあげておこう。
 「ハチミツはボツリヌス菌が増えやすい」「ハチミツに含まれる果糖はノンカロリー」である。これを信じているのが、北京の清華大学教授で医師だという(もちろん、ニセ医師であり、ニセ清華大学教授である)@howtodominateである。 

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ツイッターのおもしろくてかなしいアカウントhowtodominate(1,2型糖尿病の人は要注意!) -
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/03/22/000000

 

 ボツリヌス菌は、本来土壌細菌で、芽胞(がほう)の状態で広く分布している。
 ハチミツには、ハチが蜜をとってくるとき、ボツリヌス菌の芽胞をも取り込んでしまうことがある。

 

 芽胞は、細菌のまわりの環境が悪化したときに、きわめて耐久性の高い(とても丈夫な)細胞構造になって休眠状態になったものだ。ハチミツは果糖とブドウ糖の糖度が高い(水分は20%程度でその他はほとんどが糖)ので、細菌は増殖できない。しかし、芽胞ならば休眠状態でいることができる。

 

 ボツリヌス菌の芽胞を含んだハチミツを摂取すると、口の中、食道の中、胃の中などで芽胞の休眠状態が解け、増殖しようとする。しかし、胃の中には胃酸(薄い塩酸)があるから、そこで殺菌されてしまう。何とか小腸ー大腸に行けたものがあったとしても、とくに大腸内の腸内細菌フローラによってやられてしまう。だから乳児以外ではハチミツでボツリヌス菌による食中毒は心配しなくてよい。

 

 ところが、乳児の場合は、胃酸による殺菌も弱く、腸内細菌フローラの発達も弱い。そこで、ボツリヌス菌は大腸で増殖して毒素を産み出す。最初は便秘が見られるが、後には一般のボツリヌス菌と同様の食中毒の激しい症状が出る。
 これを乳児ボツリヌス症という。1987年、厚生省(当時)は、“1歳未満の乳児にハチミツを与えないように”各都道府県に通知し、注意を促した。

 

 @howtodominateの間違いは、“1歳未満の乳児にハチミツを与えてはいけない”ということを表面的に知っていても、高糖度の中では浸透圧のため細菌が増殖できないという科学の初歩的知識がなかったことによる。

 

 @howtodominateの「ハチミツに含まれる果糖はノンカロリー」という間違いは、単に人は果糖をエネルギー源にするための酵素を持っていないという思い込みによるものだ。ラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖など難消化性のオリゴ糖と混同しているのかもしれない(消化性のオリゴ糖もある)。

サルモネラと生卵の話

 サルモネラは一つの菌の名前ではなく、2000種類以上もいるグループの総称である。だからサルモネラあるいはサルモネラ属菌としたい。


 大半はふつうの腸内細菌でおとなしいのだが、その中に、食中毒をおこしたり病原菌になったりするものが20種ほどある。有名なのは、腸チフス菌、ネズミチフス菌、パラチフスB菌、パラチフスA菌だが、とくに汚染鶏卵からの感染ではサルモネラ・エンテリティディス菌(以下SE菌と略す)が問題だ。

 

 SE菌は大変危険な食中毒菌で、今や世界中に広がっている。日本にも1990年頃から侵入してきた。身近で注意を要するのは生卵がSE菌に汚染されている場合である。

 

 生卵で0.02%、つまり1万個に2個程度の汚染である。完全に火を通せば安全だが、もし汚染されていたら生卵や半熟卵は危ない。
 汚染されていても新しい卵なら増殖前なのでまず安全だ。卵の賞味期限は生で食べても大丈夫な期間の目安である。夏場で17日以内、冬場で50日以内と業界で申し合わせている。

 

 「検査しているから大丈夫」とはいえない。1万個に2個程度の汚染では検査をほとんどすり抜けてしまう。
 養鶏場がきちんとした衛生管理をしていないと、鶏舎環境から10何%の検出率などという汚染状態になることがある。


 現在、養鶏場は衛生管理を徹底し、SE菌への防御体制を整えているところがほとんどなのでSE菌による食中毒は減っているようだ。

DND出口俊一氏(EM研究機構顧問だった)との思い出~出口俊一氏は、ぼくと裁判で争うことで何を得たのだろうか?~

 株式会社EM研究機構が「法的措置も含め対応」と呼吸発電さんを沖縄県警に刑事告訴し、検察庁で嫌疑不十分の不起訴処分になったことに関連し、そこには署名もない怪文書のようなものが参照記事(DNDサイトのDNDニュース)になっている。

 その参照記事はDND出口俊一氏によるもののようである。そこで、ぼくとDND出口俊一氏の関わりについての思い出を書いておこう。

 

 ぼくがJSA東京支部の研究集会でニセ科学問題分科会を設置したとき、本部に可笑しなクレームが来た。

 その内容は、「覆面で発表」(くられさんのこと)、「ハンドルネームで発表」(呼吸発電さんのこと)ということだ。

 

 クレーム主はジャーナリスト、金沢工業大学客員教授の肩書きのDND出口俊一氏。

 

 くられさんは始めるとき素顔で発表時に「いつもこうしているので」と断って覆面に。またHNや筆名で発表も可笑しくは無い。

 何のためにDND出口俊一氏はこんなクレームをつけるのか謎だった。

 DNDサイトを見た。そこはほぼ比嘉照夫氏が連載を続ける場だった。EM菌批判への悪罵も多かった。


 EM菌比嘉氏の連載の内容はオカルト・トンデモ・ニセ科学の色が濃く、なぜ金沢工業大学の教授がそんなものを載せているのか?
 比嘉氏の「密閉した容器の中のEM菌がその外のウイルスを失活させる多数の事例がある」を載せるのは真正の**と感想を呟いた。

 

 またDND出口俊一氏はEM菌批判側の個人や所属大学や研究所上層部へEM擁護の立場で様々な攻撃をしていることもわかった。

 暗黒通信団はそのことを「学界のトンデモ 出口俊一【と学会誌初出】」という記事にしていた。

 「要するにやってることはヤクザそのものである。記事に対して記事による反論ではなく、著者と面会して個別撃破しようとするスタンスは、そもそもジャーナリストですらない。」

 と述べていた。

 次が暗黒通信団の記事だ。
「学界のトンデモ 出口俊一【と学会誌初出】」
 http://ankokudan.org/d/d.htm?ron147-ronread-j.html

 

 ぼくは同感してそこから引用して呟いた。

 これでぼくは出口俊一氏との裁判になる。

 そのうちになぜ出口氏が一生懸命にEM批判側を攻撃するのかの謎は解けた。

 DND出口俊一氏はEM研究機構顧問だったのだ。


 裁判は東京地裁控訴審(高裁)もぼくが完全勝利した。

 出口氏は最高裁控訴したが棄却。

 控訴審判決は、

 「出口俊一氏は,ジャーナリストとして,上記行動基準に則らず,比嘉教授の見解を信じる者として,比嘉教授の見解に沿った見解を一方的に伝えているものといえる。」
「出口俊一氏は,EMの効用について否定的な見解を持つ松永教授らに対し,面会を求めたり,勤務先に電話をかけるなどしているのであるから,出口俊一氏は,EMの効果を証明するために記事を書いているといわざるを得ない。」

 とした。(読みやすくするために控訴人を出口俊一氏に変換。)

 以下に、控訴審判決全文を入れてある。

「確定判決に見るDND出口俊一氏のジャーナリストとしての適格性への疑問」
 http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/06/105634

 

 これは暗黒通信団記事の「要するにやってることはヤクザそのものである。」についての裁判所の判断だ。
 今、EM研究機構のサイトにDNDニュースに出された記事が参照記事になっているが、それは呼吸発電氏が問い合わせたところ、出口俊一氏がEM研究機構を取材して書いたものだという。
 それを見ればわかるがジャーナリストの基本ができていない。今も記者行動要領に則っていないようで恣意的なEM研究機構側のものを流している。

 判決で、出口氏は記者行動基準に則っていない、と判断されたことを反省して精進してほしい、と願うばかりだ。


 ぼくの弁護は法律事務所アルシエン清水 陽平さんに依頼。裁判に時間はあまりとられなかった。裁判には少々のお金がかかったが、裁判があったのでニセ科学の本を一生懸命に書くことができた。裁判費用は2冊の印税の半分以下ですんだ。本に実感を込めて「もっとも危険なニセ科学と思うのはEM」と書くことができた。

 

 なお、今、出口氏は金沢工業大学客員教授ではない。
 なぜクレーム先にEM研究機構顧問の名刺と共に金沢工業大学客員教授や桧家(ヒノキヤ)取締役の名刺も出したかは、ぼくにはよくわからない。


 DND出口俊一氏との関わりのおかげでぼくはEM菌の問題性をはっきりと認識することができた。

 結果的にはEM研究機構はいい人を顧問に雇ったものだと思う。EMの可笑しさを様々な行動や記事で示してくれたからだ。そして自らのジャーナリストとしてのレベルも露わにしてくれた。

 

 DND出口俊一氏との裁判は、ぼくの側からだが、次にまとめた。

 「ドキュメント スラップ名誉毀損裁判
『EM菌擁護者と批判者の闘い』」 左巻健男
 A5 表紙込20ページ (推定36グラム) 末端価格200円(税抜)
 http://ankokudan.org/d/d.htm?detail099-detailread-j.html
【買う】 丸善ジュンク堂  Amazon  楽天  セブン

 

 一体、DND出口俊一氏は、ぼくと裁判で争うことで何を得たのだろうか?

(以上)

───────────────────────────

【以下、関連の記事】

 

DND出口俊一氏とEM研究機構がまずなすべきは反省ではないか。:EM菌で「消毒」していてサルモネラの検出率が増えてしまったA養鶏場の話から -
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/05/220000 … 

 

確定判決に見るDND出口俊一氏のジャーナリストとしての適格性への疑問 -

http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/06/105634

  

DND(+EM研究機構顧問だった)出口俊一氏がぼくとの裁判で控訴理由書に書いた桧家と金沢工業大学のこと
http://samakita.hatenablog.com/entry/20170915/p1 

 

「EMの夢の住宅」と桧家ホールディングスの「住宅」には利害関係があるのでは?〜なぜ出口俊一氏は桧家取締役の名刺をクレーム先に出したのか?〜
http://samakita.hatenablog.com/entry/20170623/p1 

わが国は世界屈指の長寿国で、その土台に戦後の白米+副食の「和食」があるだろう

   白米で糖尿病リスクという説が流れているが、わが国は世界屈指の長寿国で、その土台に戦後の「和食」があるだろう。


 白米を中心にして多種多様な食材の組み合わせだ。
 それを忘れて米国のような副食ばかりのオンパレードは健康に悪い。玄米はカドミウムヒ素が多いし、消化も悪い。

 

 米国では精白した穀類は駄目で全粒粉がいいという都市伝説があるが、いわゆる健康にいいものばかり食べている人とそうでない人の調査でがんや寿命にほとんど差がない。

 

 適度な量でいろんなものを食べるのがいい。それには白米中心の和食は適している。

 

 そんなことも含めて友人知人の医師・生物学者らと『「健康にいい」ものばかり食べると早死にします』カンゼンを出した。

f:id:samakita:20171212144815p:plain

関英男『高次元科学』を読んでみた

EM(EM菌)の本質という関英男氏の「重力波」 - http://samakita.hatenablog.com/entry/20150806/p1

に関連して、関英男『高次元科学』を読んでみた。

 

 金星は優良星でそこにすむ植物たちは人間にお辞儀をしてくれる。関氏は太陽の表面は26度で人が住んでいる、黒点は森林地帯と信じている。そういう関氏の重力波を比嘉照夫氏は気に入ったようだ。

 

 故関英男氏は本当にゆかいな人物だ。彼に霊能者や超能力者が色々な情報を持ち寄るので新発見の連続!この前『高次元科学』を読んだが頭クラクラ。

 

 まずガン、エイズの本当の原因を新発見!原子をつくる陽子には意識があり、中性子には意思がある。
 陽子の形が歪むとエイズに、中性子が歪むとガンになるという。

 

 太陽の表面温度は26℃で地球人類よりずっと高いレベルの人類がすんでいて、地球にたくさんのメッセージを寄せている。

 いやあ、EM菌比嘉照夫氏が彼の縦波重力波に魅せられるのはよくわかるオカルト・トンデモだ。

 

 北海道の藤原由浩氏は25億光年離れた星と念波通信。又藤原氏はその星に350回以上行ったり来たりしているという。しかしそこからの情報なるものが陳腐だが関氏は信じてしまう。

 

 あらゆるオカルト・トンデモを無邪気に全部信じてしまう関氏。本当におもしろい人だ。

 

 関英男氏の元に霊能者や宇宙とコンタクトしている人らが色々情報を持ってくるので総合的にとらえて宇宙の法則を見つけるのが彼の役割だって。

 

 「21世紀の地球は優良人類の惑星。超能力は当たり前で犯罪も病気もなく、お金儲けにあくせく働く必要もない。まったく夢のような時代が実現」。

 

にゃん、元日本共産党党員‏ @zQNgvKAc85MQ6W0さんとのやり取り

にゃんさん:
陽子と中性子のくだりは狂ってますね…
太陽の表面温度については都市伝説的?に低温であるとの説は有名で聞いたことはありますが…そんな説もあるのかと思ったことがあります…

  

左巻健男

はい、ニセ科学ですね。
http://blog.livedoor.jp/blackwingcat/archives/1945263.html
「これをいいことに、『謎の波動 健康器具』や 『いい波動をもったEM菌』 を使ったニセ科学によるぼったくり商法が蔓延するのである。」

 

にゃんさん:
その説を出してるのとEMが繋がるとは…まともなことを言わないのか…
話し変わりますが、下のような商品もたまげましたよ…
わないのか… 話し変わりますが、下のような商品もたまげましたよ…(略)

 

左巻健男
ニセ科学の製品はうたい文句が似ていますねえ。(^_^)
騙す方がずっと悪いけど、騙される方も低レベル過ぎだよなあ。

 

にゃんさん:
騙されるほうも騙されるほうだと思いますね…まあでも騙されてる人は良い人が多いような気がします?悪い人では無いんですよ、皆…

「自分は特別」という自己愛過剰の人は辛いだろうな

 俺のようなバカにはよくわからないが「自分は特別」という自己愛過剰の人は辛いだろうな。

 学歴や経歴をプライドにするがその実、本当のところは自信がなく自尊心が保てない。

 

 例えば某新聞の書評委員は「自分の本が取り上げて貰えないから阿鼻叫喚」などと言っていた。そんな下劣に詰まらん書評をして貰う必要はない。ある原稿料の安い雑誌に「書かせていただき光栄」が「安い原稿料で搾取された」になった。それを見ていて何の反響もなかった詰まらない原稿を書いたことを反省してほしいと思った。

 

 その背後には酷いコンプレックスがあるのだろう。それを隠すためには高学歴をひけらかすしかない。自分に向けられたちょっとした言葉に過敏に反応し傷つくのも特徴だ。見下され不安が強い。他人への甘えが強く甘えの心理で自己中心性から抜け出せない。
 こういうタイプは外見も着飾る。賞賛がほしくてたまらない。ギブアンドテイクが成り立たない。よくクレーマー行為も。クレーマーの増加は自己愛過剰社会の病理が関係している。

 by榎本博明『病的に自分が好きな人』を読んで…

沖縄県警はEM菌の問題性を理解してほしい

DND出口俊一氏とEM研究機構がまずなすべきは反省ではないか。:EM菌で「消毒」していてサルモネラの検出率が増えてしまったA養鶏場の話から -
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/05/220000

確定判決に見るDND出口俊一氏のジャーナリストとしての適格性への疑問 -
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/06/105634

 に関連して、次をツイッターに。

沖縄に居るとEM菌まみれだから(いろんな製品にEM何とかが目立つ)県警もEM側になびきやすかったと思うが、今回のことで県警がEMの問題点をわかってくれたらいいな。EM研究機構による次の犠牲者を出さないために。
https://twitter.com/samakikaku/status/984188592145629184

左巻健男&理科の探検’s blogの最近のアクセス第1位~第6位

【*最近のアクセス数1位】

ツイッターのおもしろくてかなしいアカウントhowtodominate(1,2型糖尿病の人は要注意!) -
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/03/22/000000

【*最近のアクセス数2位】

教師も騙される! 学校教育に入り込んだ“トンデモ科学”――左巻健男×川端裕人 -
http://samakita.hatenablog.com/entry/20170315/p1

【*最近のアクセス数3位】

松﨑いたる板橋区議の裁判に関して日本共産党への要望 -
http://samakita.hatenablog.com/entry/20161022

【*最近のアクセス数4位】

花粉を水に変えるマスク」根拠論文を批判したら医学部教授から集団訴訟と脅された「騒動」 -
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/03/23/102352

【*最近のアクセス数5位】

確定判決に見るDND出口俊一氏のジャーナリストとしての適格性への疑問 -
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/06/105634

【*最近のアクセス数6位】

DND出口俊一氏とEM研究機構がまずなすべきは反省ではないか。:EM菌で「消毒」していてサルモネラの検出率が増えてしまったA養鶏場の話から -
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/05/220000

 

ツイッターのおもしろくてかなしいアカウントhowtodominateについてHitoMatsu‏ @HitoMatsu123さんとやり取り

ツイッターのおもしろくてかなしいアカウントhowtodominate(1,2型糖尿病の人は要注意!) - 左巻健男&理科の探検’s blog http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/03/22/000000
脳卒中くも膜下出血は違う」というhowtodominate。くも膜下出血脳卒中の範疇なのに。

 

「◯◯専門医を持つ内科勤務医」のHitoMatsu‏ @HitoMatsu123さんが応答。

次から次へと自分の都合のいい経歴を造っていってとんでもない経歴になってますねw

 左巻健男&理科の探検RikaTan‏ @samakikaku

盛り盛り経歴www それでいて「背中の曲がったおばあちゃんがいるでしょ、あれ実はろっ骨が細かく骨折してるんです。」などおおばかこく。医師を騙り患者になんか言うの止めさせたい。 

元友人です。経歴を盛ることでしか存在主張ができないあわれな人。ぼくはリアルな保護生活を語ってほしいと思っています。

HitoMatsu‏ @HitoMatsu123さん 

偽医者とわかってて見てる分には面白いですが、本物の医者と信じて診断を信じる人がいたらマズイですね。
ちなみに医師じゃないのに医師と名乗るのは医師法18条違反で犯罪行為です。 

 左巻健男&理科の探検RikaTan‏ @samakikaku

とくにDM患者を見つけてやり取りするんで、また警察に相談してみます。

 HitoMatsu‏ @HitoMatsu123さん

医師法第一八条 医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。」
違反すると50万円以下の罰金刑です。そこまで重い刑ではありませんが、れっきとした犯罪です。実際の患者に医師と騙って無責任なアドバイスをしてるのであれば警察も動き出すかもしれません。

左巻健男&理科の探検RikaTan‏ @samakikaku

大変参考になります。日本国内にいるのに北京に、米国大使館に亡命して日本国籍を捨てたという「設定」はそのことがわかっているからかも知れませんね。

 HitoMatsu‏ @HitoMatsu123さん

ほぼ間違いなく嘘だと思いますが、例え仮に日本国籍じゃなくても日本国内で犯罪をすれば基本的に日本の法律で裁かれます。その設定は無駄な足掻きというものですねw

 

確定判決に見るDND出口俊一氏のジャーナリストとしての適格性への疑問

 DND出口俊一氏は「ジャーナリスト」を自称し、自分のEM擁護の活動をその取材活動の一環としているが、私は下記の拙ブログ記事でもそれに疑問を投げかけている。

DND出口俊一氏とEM研究機構がまずなすべきは反省ではないか。:EM菌で「消毒」していてサルモネラ菌の検出率が増えてしまったA養鶏場の話から
 http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/04/05/220000

  私は、出口氏と、次の裁判で争った。

 「平成28年(ネ)第4573号 損害賠償等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所 平成27年(ワ)第8495号)」 

  東京地裁で私が完全勝利し、控訴審でも私が完全勝利し、出口氏は最高裁まで控訴したが棄却され、私の完全勝利で判決が確定した。
 その控訴審判決の中にある出口氏のジャーナリストについての判断を紹介しておきたい。
 出口氏は、この判断をよく考えて反省すべきであると考えるのだが、未だ、DNDニュースとして配信された記事を見ると、ジャーナリストの適格性に欠ける行為をしているように思える。

 

 最後に住所など個人情報などを削除した判決の全文を掲載しておくので前後の文脈などはそれで確認されたい。
 なお、控訴人=出口俊一氏、被控訴人=私、左巻健男である。
 そこで読みやすくするため、控訴人を出口俊一氏に置き換えておくことにする。

 

【3 当裁判所の判断】

1 (3)EMの成分の詳細が不明であり,放射能の除去に資する効用については,放射能の専門家には認められておらず,比嘉教授がうたうその余のEMの効果についても,科学的な根拠及び機序の存在について第三者による検証を十分に経ているとはいえない状況の下,出口俊一氏は,出口俊一氏サイト上に編集長としてEMを擁護する記事をたびたび掲載している。すなわち,朝日新聞記者行動基準(甲44(1枚目))が,「独立と公正」の項目で記者の基本姿勢として,「特定の個人や勢力のために取材・報道をしてはならず,独立性や中立性に疑問を持たれるような行動をとらない。」と定めているところ,出口俊一氏は,ジャーナリストとして,上記行動基準に則らず,比嘉教授の見解を信じる者として,比嘉教授の見解に沿った見解を一方的に伝えているものといえる。

 出口俊一氏は,EMの効用について否定的な見解を持つ松永教授らに対し,面会を求めたり,勤務先に電話をかけるなどしているのであるから,出口俊一氏は,EMの効果を証明するために記事を書いているといわざるを得ない。

(4)出口俊一氏は,出口俊一氏サイト上に編集長としてEMを擁護する記事をたびたび掲載しており,そのような立場にある者は,表現の自由との関係で,ある程度の批判や否定的な意見を受けることは,当然に覚悟すべき立場にあるといえる。

(5)出口俊一氏のこれらの供述から,出口俊一氏が松永教授らに対して面会を求めたのは,ジャーナリストとして,取材対象者である松永教授らと直接面会して,松永教授らの見解がどのようなものかを真摯に聴き取って記事にするためではなく,松永教授らの見解が誤っているとの前提の下,これを糺すためであったと言わざるを得ない。したがって,出口俊一氏の上記主張も当を得たものとはいえない。

 以下、参考のために控訴審判決のほぼ全文を掲載しておく。

OCRで文字認識したので一部誤認識が混ざっている可能性がある。 

───────────────────────────

平成29年2月23日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 ○○○○
平成28年(ネ)第4573号 損害賠償等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所 平成27年(ワ)第8495号)
(口頭弁論終結日 平成28年12月20日)

      控   訴   人   出 口 俊 一
      被   控   訴  人  左 巻 健 男

        主  文
     1 本件控訴を棄却する。
     2 控訴費用は控訴人の負担とする。

          事 実 及 び 理 由

 

第1 控訴の趣旨

 

1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,控訴人に対し,1100万円及びこれに対する平成26年12月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被控訴人は,控訴人に対し,原判決別紙1の2,同1の3,同2の2及び同2の3記載の被控訴人が管理するツイッタ一に掲載している各記事を削除せよ。
4 被控訴人は,控訴人に対し,原判決別紙3謝罪広告目録記載の内容の謝罪広告を,原判決別紙4の掲載要領により,披控訴人が管理するウェブサイト(ホームページのアドレスが「http://d.hatena.ne.jp/samakita/」であるもの。)上に掲載せよ。
5 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。

 

第2 事案の概要等

 

1 事案の概要
 本件は,控訴人が,被控訴人がウェブサイト又はツイッター上に掲載した記事が控訴人の名誉感情を侵害し,又は名誉を毀損するものであるとして,被控訴人に対し,①不法行為に基づく損害賠償として1100万円(慰謝料1000万円及び弁護士費用100万円の合計額)及びこれに対する最後に記事が掲載された日(不法行為の最終日)である平成26年12月19日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を,②人格権に基づき,原判決別紙1の2,同1の3,同2の2及び同2の3記載のツイッタ一に掲載されている各記事の削除を,③民法723条に基づく名誉を回復するのに適当な処分として謝罪広告の掲載を,それぞれ求める事案である。
 原審は,控訴人の請求をいずれも棄却した。これに対し,控訴人が本件控訴をした。

2 前提事実は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の「事実及び理由」第2の1に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1)原判決3頁2行目の「原告プログ」を「控訴人サイト」と改め,以下,原判決中「原告プログ」を「控訴人サイト」と読み替える。
(2)原判決3貢2行目の「運営している。」の次に,以下のとおり加える。
 「控訴人サイトでは,学者及び識者ら30余名が連載記事を掲載している。(甲26(2頁),弁論の全趣旨)」
(3)原判決3貢13行目の「被告ブログ」を「被控訴人ブログ」と改め,以下,原判決中「被告ブログ」を「被控訴人プログ」と読み替える。
(4)原判決3頁21行目の「被告ツイッター」を「被控訴ツイッター」と改め,以下,原判決中「被告ツイッター」を「被控訴ツイッター」と読み替える。

3 争点は,原判決の「事実及び理由」第2の2に記載のとおりであるから,これを引用する。
4 争点に関する当事者の主張は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の「事実及び理由」第2の3に記載のと通りであるから,これを引用する。
(1)原判決5頁1行目末尾の次に,以下のとおり加える。
 「控訴人は,ジャーナリストとして事実についての情報を発信し続けている者であり,EMはその取材対象の一つである。控訴人は,EMの研究者ではなく,EMについて独自の科学的見解を持っているわけではない。
 控訴人は,ジャーナリストとして,EMが役立てられている災害現場等に足を運んで取材を行い,国内外でEMの効用が実証されている事実並びに多数の学術機関及び研究機関において,EMの研究が進められ,数多くの国でEMが現実に使用されているという事実に接してきた。控訴人は,このような取材によって得られた事実を自身のブログにメールマガジン(以下「メルマガ」という。)として掲載し続けてきたが,EMの効果を科学的に証明するためではない。ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智教授(以下「大村教授」という。)は,著書において,EMについて,「一農学者によって,化学肥料を使う以前の農業の中にあった人類の智恵が歴史から抜け出し,再び役立とうとしているのである。」と述べており,マサチューセッツ工科大学の正木一郎教授(以下「正木教授」という。)は,国際会議の開会式で,EMの力を示す様々な実例について述べた上で,世界が抱える地球規模の環境問題は,比嘉博士の理論によれば,微生物の効果的な応用によって解決することができると述べている。被控訴人による「真正のおばか」,「嘲笑するしかない超低レベル」等の表現は,批判的意見の範疇を超え,加害の意思をもって,EMに関する肯定的な事実を報道する控訴人の人格そのものを否定するものである。上記表現の記載された平成25年12月記事は,被控訴人ナログに掲載されることにより,世界中の誰もがいつでも閲覧することができる状態となり,被控訴人ツイッタ一に掲載されることにより,多数のフォロワーが閲覧し,リツイートされることにより,際限なく拡散されたものであり,極めて悪質である。」
(2)原判決6頁6行目から7行目にかけての「原告主張摘示事実」を「控訴人主張摘示事実」と改め,以下,原判決中「原告主張摘示事実」を「控訴人主張摘示事実」と読み替える。
(3)原判決6頁7行目から8行目にかけての「被告は,このような事実を摘示したことにより,」を,以下のとおり改める。
 「平成26年10月記事の掲載された被控訴人プログには,「彼がEM批判者の自宅に押しかけたり,所属大学に圧力をかけたりしたのを知り,そこまでやるのは何かあるよね,と,比嘉照夫氏の本やウェブの記事を一生懸命読んでみた。」,「何せ『ヤクザそのもの』という行為をやるわけだから」及び「出口俊一氏は,大学客員教授金沢工業大学客員教授の肩書きを使って,EM批判者らに圧力をかけたりしたことを大学は知っているのだろうか」と記載されており,披控訴人は,控訴人主張摘示事実により,」
(4)原判決8頁2行目の「原告は,」から3行目ないし4行目の「内容ではなかった。また」までを,以下のとおり改める。
 「具体的には,控訴人は,松永教授に確認取材をしたいと考え,函館に到着した後,松永教授に対し,電話で,一緒に食事でもしながらお話できないか。」と外に誘ったが,松永教授は,体調が思わしくなく外出が無理とのことであった。そこで,控訴人は,松永教授の自宅を訪問することにしたが,松永教授は,自宅を訪ねた控訴人を快く迎えてくれた。控訴人は10分程度で引き上げるつもりであったが,松永教授から引き留められて面談時間が25分余りとなった。また,控訴人が,DNDのメルマガで,朝日新聞青森版のEM批判記事を問題にしたところ,片瀬は,控訴人に対し,「事実が違うのは出口氏の方だ」との記事をプログに記載した。
 控訴人は,上記ブログには事実と遣う箇所が散見されたため,片瀬に対し,メールで面会を求めたに過ぎない。さらに,飯島准教授は,学会で行った展示において,EMを悪質商法とし,EMをオウム真理教になぞらえる等の誹謗中傷行為を行っていた。このため,控訴人は,平成26年3月31日,飯島准教授の在籍確認と上記展示についての事実確認のため,神田外語大学の広報課に電話をしたが,わずか2,3分の通話であり,激しく抗議するような内容ではなかった。ところが,その直後から飯島准教授は,ツイッター上で,控訴人から恫喝を受けたとの書込みを繰り返すようになった。そこで,控訴人は,同年12月16日,事実確認のため,神田外語大学の広報課を訪ねたところ,広報担当者は,控訴人が電話で恫喝したなどと飯島准教授に伝えた事実はないと明確に述べた。このようた,松永教授らに対する取材は,通常の取材方法及び態様の範疇に収まるものであり,ヤクザと称されるような不適切なものではなかった。被控訴人は控訴人の取材方法を批判するに際して,「ヤクザそのもの」などという言葉を用いる必要性がないにもかかわらず,あえて「ヤクザそのもの」という言葉を用いて,控訴人のジャーナリストとしての信用を貶めたものである。なお,取材対象者と直接面会することはジャーナリストとして,基本中の基本である。例えば,朝日新聞記者行動基準(甲44)は,「取材方法」の項目において,「出来事の現場を踏み,当事者に直接会って取材することを基本とする。特に,記事で批判の討象とする可能性がある当事者に対しては,極力,直接会って取材する。」と定めている。なお,」
(5)原判決8貢9行目の「さらに,」を,以下のとおり改める。
 「そして,被控訴人は,平成25年11月30日から同年12月1日にかけて日本科学者会議東京支部主催で開催された第17回東京科学シンポジウムにおいて,「ニセ科学問題」という分科会を設置,企画した責任者であった。上記分科会のあり方に疑問を抱いた控訴人が,日本科学者会議事務局に対し,そのような運営方法が学会の運営として望ましいものかどうかを確認して欲しい旨のメールを送ったことを契機として,被控訴人は,控訴人に対し「攻撃的な姿勢を見せるようになった。また,被控訴人が編集長を務める雑誌「理科の探検」に掲載されていた松永教授の論文が,国立研究開発法人科学技術振興機構が運営するサイトにも掲載されていたが,上記機構は,松永教授の論文を削除した。被控訴人は,控訴人の言動により松永教授の論文が削除されたものと考えていた。このように,」
(6)原判決8頁17行目から18行目にかけての「大きな精神的苦痛を受けた。これを慰?するに足りる金額は1000万円を下らない。」を,以下のとおり改める。
 「著しい精神的打撃を受け,1年半以上.パソコンに向かって原稿を書くことが困難となった。上場企業である株式会社桧家ホールディングスの社外取締役でもある控訴人は,同社の経営陣に対する事情説明及び弁明を余儀なくされ,金沢工業大学准教授であった控訴人は,その職を辞任せざるを得なくなった。被控訴人による控訴人へのあまりにも酷い誹語中傷を目の当たりにした控訴人の妻は体調を崩すに至った。控訴人が受けたこのような精神的苦痛を慰籍するに足りる金額は1000万円を下らない。」

 

3 当裁判所の判断

 

1 当裁判所は,控訴人の請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の「事実及び理由」第3に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1)原判決9頁9行目の「客員教授を努めたことがあった」を「客員教授を勤めたことがあった」と改める。
(2)原判決15頁9行目から10行目にかけての「ある」とはいえない。」の次に,以下のとおり加える。
 「大村教授の著書(甲38(6枚目))には,EMについて触れた部分があるものの,微生物を利用するEM技術の発想が,農業において有意義であることを述べたにとどまるものである。確かに,証拠(甲39の2・3)によれば,正木教授は,EMの効果について,比嘉教授の見解に賛同を示していることが認められるものの,EMの効果として挙げている実例について,自ら科学的に検証しているわけではない。」
(3)原判決15頁22行目末尾の次に,以下のとおり加える。
 「これに対し,控訴人は,EMの研究者ではなく,EMについて独自の科学的見解を持っているわけではなく,ジャーナリストとして事実についての情報を発信し続けている者で即,EMはその取材対象の一つである旨主張する。しかし,前記のとおり,EMの成分の詳細が不明であり,放射能の除去に資する効用については,放射能の専門家には認められておらず,比嘉教授がうたうその余のEMの効果についても,科学的な根拠及び機序の存在について第三者による検証を十分に経ているとはいえない状況の下,控訴人は,控訴人サイト上に編集長としてEMを擁護する記事をたびたび掲載している。すなわち,朝日新聞記者行動基準(甲44(1枚目))が,「独立と公正」の項目で記者の基本姿勢として,「特定の個人や勢力のために取材・報道をしてはならず,独立性や中立性に疑問を持たれるような行動をとらない。」と定めているところ,控訴人は,ジャーナリストとして,上記行動基準に則らず,比嘉教授の見解を信じる者として,比嘉教授の見解に沿った見解を一方的に伝えているものといえる。
 また,控訴人は,ジャーナリストとして,EMが役立てられている災害現場等に足を運んで取材を行い,国内外でEM甲効用が実証されている事実並びに多数の学術機関及び研究機関において,EMの研究が進められ,数多くの国でEMが現実に使用されているという事実に接してきており,このような取材によって得られた事実を控訴人のブログにメルマガとして掲載し続けてきたが,EMの効果を科学的に証明するためではないとも主張する。しかし,控訴人は,原審での本人尋問において,松永論文について,EM潰しの悪しき攻撃が始まったとの印象を持ったと供述し(調書7頁),飯島准教授が,学会でEMを悪徳商法などと批判して,学会でEMの効果はないと発表し,EMを批判するグループは徹底的にいろんな場所でEMの効果はない,問題が大きいと繰り返し言っていると供述し(調書11頁),片瀬が,研究会でEMの効果がないという嘘を発表したと供述しており(調書13頁),しかも,前記1の認定事実(5)ないし(7)のとおり,控訴人は,EMの効用について否定的な見解を持つ松永教授らに対し,面会を求めたり,勤務先に電話をかけるなどしているのであるから,控訴人は,EMの効果を証明するために記事を書いているといわざるを得ない。」
(4)原判決16頁13行目末尾の次に,以下のとおり加える。
 「さらに,控訴人は,控訴人サイト上に編集長としてEMを擁護する記事をたびたび掲載しており,そのような立場にある者は,表現の自由との関係で,ある程度の批判や否定的な意見を受けることは,当然に覚悟すべき立場にあるといえる。」
(5)原判決19頁10行目の「認められる。」の次に,以下のとおり加える。
 「控訴人は,松永教授の自宅を訪問した際,快く取材に応じてもらったと主張し,上記主張に沿う証拠として,そのときの音声データ(甲40の1)を提出し,飯島准教授の勤務する神田外語大学に密話をしたとき,恫喝した事実はないと主張して,上記主張に沿う証拠として,そのときの音声データ(甲43の1)を提出する。しかし,科学的事象について,自己の見解と異なる見解を持つ者に対し,直接面会するという取材方法が問題となる中であって,控訴人の取材のときの態度や物腰が問題となるのではないのであるから,控訴人の上記主張は当を得たものとはいえない。また,控訴人は,取材対象者と直接面会することはジャーナリストとして,基本中の基本である旨主張し,朝日新聞記者行動基準(甲44(1枚目))を証拠として提出する。確かに,社会的事実については,情報を持っている者と面会し,真偽を確認することは意義のあることといえる。しかし,科学的見解については,その見解を有する者と直接面会しても,その見解を科学的に検証したことにはならないのであって,証拠(甲40の1・2)によれば,控訴人は,松永教授と面会したとき,科学者としての知見に基づきEMの効用について否定的な見解を述べる松永教授に対し,明確な科学的根拠を示さずに反駁していることが認められる。さらに,控訴人は,原審での本人尋問において,松永教授について,間違っていると思っても,確認作業は欠かせない,相手がはっきり事実と違うことを言っていても,これはどうなんでしょうかと訪問して聞くのがジャーナリストの取材姿勢である旨供述し(調書8頁),飯島准教授について,EMを批判するグループは,徹底的にいろんな場所でEMの効果がないと繰り返して言っているので,きちっと事実関係を確認する必要があると思って広報に連絡した旨供述し(調書11頁),片瀬について,控訴人の批判記事を書いたので,一方的に人を批判するときは本人に確認を取る必要があることを話そうと思って面談を申し込んだ旨供述する〔調書13頁)。控訴人のこれらの供述から,控訴人が松永教授らに対して面会を求めたのは,ジャーナリストとして,取材対象者である松永教授らと直接面会して,松永教授らの見解がどのようなものかを真摯に聴き取って記事にするためではなく,松永教授らの見解が誤っているとの前提の下,これを糺すためであったと言わざるを得ない。したがって,控訴人の上記主張も当を得たものとはいえない。」
(6)原判決20頁18行目から19行目にかけての「その表現ぶりが辛辣なものではあるが,」を,以下のとおり改める。
 「「ヤクザそのもの」という言葉は,辛辣なものではあるが,前後の文脈から,控訴人が暴力団関係者であると指摘しているのではなく,控訴人が松永教授らに面会を求めるなどしたことが,ジャーナリストとして強引な取材方法であることを表現したにとどまることは明らかであり,」

 

2 結論

 

 以上によれば,控訴人の請求は,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がないからこれらを棄却すべきであるところ,上記判断と同旨の原判決は相当であり,本件控訴は理由がないからこれを棄却することとする。
 よって,主文のとおり判決する。

 

  東京高等裁判所第10民事部

裁判長裁判官   大   段   亨
裁判官   小   林   元   二
裁判官   松   本   真